第2シリーズは「球体人形の塗装とメイク編」です。
最初にお断りしておきますが、極めて実験的で発展途上の塗装方法です。それなりの良さはあると思いますが、経験のない方は真似しない方が良い結果が出ると思います。
手間もかかるし結構費用もかかります。部屋もものすごーく汚れます。それでもチャレンジしたい方はぜひお読み下さい。けど当方は一切責任を持ちませんのでご了解を。
A 肌の下地づくり
肌の下地をつくります。この段階では赤みをつけることはしません。理想は純粋なタンパク質の表現です。(白身魚の色を想像してね)
下地塗料の混合レシピ
リキテックス・モデリングペーストとリキテックス・ジェッソを7:3の割合で混合、アンブリーチドチタニウムを適量混ぜる。
その後、スプレーできる程度まで水を加えて使用。
・モデリングペーストとジェッソの配分は好みで変更して良いと思います。ジェッソを増やすと塗膜は強くなりますが、やすり
がけはしにくくなります。
(吉田良先生が同じような配合をしていることを後で知り、ちょっと感激しました)
・アンブリーチドチタニウムを使用して着色しましたが、この絵の具はちょっとオレンジをおびたライトグレーです。ほんの少し
加えるだけで十分です。
この塗料の欠点はエアブラシをすぐに詰まらせることです。本当によく詰まります。上にも書きましたが必ず吸い上げ式の
タイプを使用して下さい。この手のものならば針金一本ですぐにつまりを取り除くことができます。あとはこまめに清掃をして
下さい。(それでも良く詰まります) また微細な粉で部屋全体が白っぽく汚れます。塗装ブースがほしいです。 *1)使用しているのはタミヤバジャー250Uエアブラシセット(¥2400円程度)です。他社からも同程度のものが販売されています。
B 陰影の表現
関節部分(皮膚にしわのよる部分)を中心に影をつけてゆきます。また日焼けもこの段階で表現すると良いでしょう。
模型用アクリルカラーを使う利点は2つ、調色済みのものが簡単に入手できること、粒子が細かくエアブラシに向いていることです。
注意点としては、ともかく濃くなりすぎたらおしまいです。見えないほどにごく薄く!
*3)使用しているのはウエーブのもの、コンプレッサーとセットで特売されていたものです(¥20000円ぐらいだった)
C 透明感の表現
手のひらを太陽にかざすと、皮膚が透けて血液の色が浮かび上がります。そんな肌の透明感を表現したいと思って工夫しています。
半透明塗料の混合レシピ
ホルベイン・ジェルメディウムと樹脂粘土・コスモスを4:6の割合で混合し、スプレーできる程度まで水を加えて使用。
リキテックス社製でも良いと思いますが、たまたま入手したのがこれだったので使用しています。
・樹脂粘土は透明度が高い方が良いので、商品名グレースの方が良いかも、皆さんも最適な組み合わせを探してみてください。
この半透明塗料の欠点は粘性が低く、垂れやすいことです。垂れることのないよう、塗膜は薄くすることが必要です。
またジェルメディウムは接着剤としても使用可能なため、ちょっとしたほこりもすぐに取り込んでしまいます。ほこりの出ない環境を
確保したいところです。また下地塗料以上に部屋が汚れます。よい子はおとうさん、おかあさんに叱られないよう、掃除をきちんとしようね。
4*) 身体の各部分で吹きつけ回数を調整します。
指先や顔は1回にとどめます、モールドが消えてしまいますので。一方、皮下脂肪層の厚い腹部や太ももといったところは4〜5回吹き付けます。
5*) 半透明塗料は厚く吹き付けるに従って、次第に白っぽくなってゆきます。スーパークリアーつや消しを吹き付けると、アクリル成分が染みこみ透明度が戻ってきます。
また耐水性を持たせ、汚れがつかなくなるはたらきもあります。
A 墨入れと爪の表現
B 顔の細部塗装
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