センサーサイズ

12.01.09

 またまたちょっと専門的な内容ですが、人形の写真を撮影される方には参考になる内容だと思います。またなぜ、コンパクトカメラよりデジタル一眼の方が
より優れているかが分かると思います。
 カメラやレンズを整理して、現在手元にあるカメラは次の3つ。


Yashica EZ Digital F537IR

1/3.2型 CMOSイメージセンサー 503万画素
固定焦点レンズ:f=5.23mm F3.2
            [40mm]・・・(35mmカメラ換算値)


 赤外線撮影できるという一芸を持ったカメラ。7000円ぐらいで購入。
おもにメモ用カメラとして使用。

PowerShot S90

1/1.7型 高感度CMOSイメージセンサー 1000万画素
ズームレンズ:f=6.0(W)-22.0mm(T)     F2.0(W)-F4.9(T)
          [28(W)-105mm(T)]


 軽量コンパクトで高画質、特に暗い場所に強い。サブカメラとして使用
中、とってもいいです。後継機のS100は新画像エンジンDIGIC 5を搭載
し、性能アップ。でも下手なデジタル一眼より高価なので買えません・・。
LUMIX G3

マイクロフォーサーズCMOSイメージセンサー 1600万画素
標準ズーム:f= 14(W)-42.0mm(T)    F3.5(W)-F5.6(T)
         [28(W)-84mm(T)]

 現在のメインカメラ。軽量コンパクトで液晶パネルにはタッチセン
サーも搭載していて、とっても便利。 屋外でフットワークよく小物
を撮影するのが得意。動画機能も充実。
 問題は交換レンズが限られていること。





センサーサイズ
 まるで雑貨店のような、自分の部屋の一角で3種類のカメラを使い、同じ風景を撮影してみます。ちなみに照明は昼光色の蛍光灯 80W と撮影用照明
100W で、必ずしも明るい条件ではありません。





Yashica EZ Digital F537IR

1/3.2型 CMOSイメージセンサー 503万画素

PowerShot S90

1/1.7型 高感度CMOSイメージセンサー 1000万画素

LUMIX G3

マイクロフォーサーズCMOSイメージセンサー 1600万画素

 結果としてはごらんの通り、当たり前のことですが、画素数の大きなもののほうが緻密に写っています。
更に良く見ていただくと分かるように、Yashica EZだと白とび (真っ白で明暗のないところ) や黒つぶれ(黒くなって明暗のないところ)が
出ています。これに対してs90やG3では明るいところや暗いところも、階調(明暗のグラデーション)が残っています。更にG3では暗部の
ノイズがとても少ないことに気づきます。また全体の解像感や色の再現性も高いです。
 なぜこのような結果が出るのでしょうか?
 カメラ選びでは画素数の話は良く出てくるし、画素数を売りにしているメーカーもあります。でももう一つ眼を向けるべき要素があります。
それが画像センサーです。

 従来のフィルムカメラはレンズを通して結ばれた像がフィルムを感光させる仕組みを持っています。
 そしてこのフィルムをイメージセンサーに置き換えたのがデジタルカメラです。従って標準となるイメージセンサーはフィルムと同じサイズの
36mm(35mm)×24mmです。これを「フルサイズ」といいます。



 上の図で、△Aと△Bは相似の関係にあります(数学で教わったことがありますよね?)。ですからこの相似の関係が失われないように、
赤で示されたフィルムやセンサーを小さくしてゆくとカメラ自体も小さくしてゆくことができます。こうして生まれてきたのが様々な規格の
カメラやコンパクトカメラです。(下の図)  で、実際には焦点距離の小さなレンズを使用することでこれが可能になります。
 しかし様々なサイズのセンサーが生まれると、一方でレンズの仕様を比較するのが難しくなってゆきます。そこで「35mmカメラ換算値」
という言い方をして焦点距離や倍率を比較するようになっているわけです。




 さて、では実際にカメラに使われているセンサーのサイズを比較してみましょう。

フルサイズ
36mm×24mm
デジタル一眼の最高級機に搭載


APS-C
24mm×16mm
一般的なデジタル一眼に搭載


マイクロフォーサーズ(G3)
17mm×13mm
OLYMPUSとPANASONICのデジタル一眼に搭載


1/1.7型(s90)
7.6mm×5.7mm
コンパクトデジカメの最高級機に搭載
1/2.3型
6.2mm×4.6mm
一般的なコンパクトデジカメに搭載

  1/3.2型(Yashica EZ)
4.2mm×3.2mm
トイカメラや携帯電話等に搭載

 

 こうしてみるとコンパクトカメラがいかに小さいセンサーを搭載しているかが分かります。デジタル一眼の普及機が1200万画素
から1800万画素、それに対して今では面積が1/10程度しかないコンパクトデジカメが同じような画素数を持っているのです。
 画素数が多いことは一面良いことではありますが、あまりに1画素あたりの面積が小さくなってしまうと、精度や光量の不足から、
階調のなめらかさや全体の解像感、ノイズといったさまざまな面で問題が生じてくるのです。
 明るい日中、順光の条件下ならどんなカメラでもそこそこ綺麗に写ります。でも特に動きの速い被写体や、暗いところ、逆光と
いったシチュエーションではその差がはっきりと出てきます。
 コンパクトデジカメがどうしてもデジタル一眼に及ばない理由がここにあります。