遠野・釜石


2010.08.21〜08.22

今年の夏は暑かった、というかまだまだ暑い!
 8月のおわり、ようやく休みが取れてどこかに行こうということになりましたが、迷わず行き先は東北方面に決定。
少しでも涼しい空気と民話の世界を求め、岩手県・遠野に行ってきました。


 今回もお気に入りの人形をモデルとして連れて行きま
す。Galeries St-Hubert は 過去の J-DOLL の作品の
中でもベストではないかと思っています。上品でとっても
眼がきれい・・・。
 きっと民話の古里、遠野にぴったりだと思いました。

 欠点はほかのJ-DOLLに共通して、靴の脱げ易いこ
と、それにこの娘の場合、帽子も取れやすいんです。
 右の写真も、今にも帽子が取れそう・・・。

   
8.21(土)  4:30
 いつもと同様、早朝行動です。
今回は目的地が遠方ということもあって、早朝4:00に
起床、4:30出発。

 これまで連日の猛暑・・・。
 前日の夜、せっかくだから、できるだけ涼しいところ
に行こうということで、遠野を中心とした岩手南部に
目的地を決めました。
 東北も暑いらしいですが、関東よりましでしょう!

 首都高に乗るころ、Galeries St-Huber をバッグから
出し、いつもの位置に座らせます。
「またですか・・・?」
 同時に冷たい視線を助手席から感じます。

 
   
 最初の目的地遠野まではおおむね 500km
すべて高速道路利用でも、休憩を入れたら6時間
以上かかります。
 遠野へは東北自動車道−釜石自動車道−
国道283号と経由して予定到着時間10:30分となり
ます。

 今回の旅はこのあと釜石から三陸海岸を国道45
号で南下し、陸前高田から国道343号−国道284号
と経由して一関インターに戻ります。
 2日間で1000km以上の運転です。
 ま、私の場合、運転もお散歩も大好きですから、
それほど苦になりませんが、普通なら2泊3日の
コースかと思います。

5:30
 出発後1時間。
 早朝だったこともあって、首都高はたいした渋滞
もなかったのですが、東北自動車道に入ると徐々
に交通量が増え始めます。
 平均速度が上がりません・・・。

「考えたら、夏休み最後の週末だもんな・・・。」
 明日の帰りの渋滞をこのとき覚悟しました。
 


11:30
 予定を1時間以上遅れで、道の駅とおわに到着。
さすがにおなかが空いたので、食堂でざるそば500円
とジンギス丼850円を注文します。

 そば・・・完全な手打ちです、おいしいです。
 ジンギス丼・・・東北は肉が当たり前においしいん
         ですよね。



 

   
 あたりは一面の田んぼ、景色もいい・・・。
 けど問題は気温、現在31℃。ラジオではこのまま
33℃まであがるとか・・・。
 7時間かけてここまでやってきたのに・・・、


      ちっとも涼しくない!
 
12:00
 道の駅みやもりに到着。
 直売所があって、野菜やキノコの類を買い込みま
す。この道の駅にはスーパーや酒店、薬局なんかも
入っていて、何でもそろいます。
 道の駅みやもりのほどちかくに、JR釜石線の通称
めがね橋があります。宮沢賢治が「銀河鉄道の夜」
のモチーフにしたとか・・・。旧花巻軽便鉄道時代か
らある、とても古い鉄橋です。
 週末の夜はライトアップされ、「恋人の聖地」とも
よばれているようです。
「星空のなかを走る列車か・・・きっとすごくロマンチ
ックなんでしょうね・・・。」

 さすがに夜まで待つつもりはありません。列車が
通るまで、しばらく待って記念写真を撮りました。
日中でも20分に1本ぐらいは通過するみたいです。


 



13:15
 国道沿いに城壁に囲まれたような茅葺き屋根の
旧家を目の当たりにします。
南部曲がり家「千葉家」です。
 L字形に折れ曲がった住居は国の重要文化財に
指定されています(入場料350円)。
 200年前に建てられた古民家で、中には農具、
民具なども展示されています。

 中は涼しいです。とっても大きいです。
 けど掃除するのが大変そうだなあ・・・。

   
  









 この家は映画「遠野物語」の撮影にも使われた
ようで、入場者は多いです。ちなみに今年は遠野
物語100周年にあたるそうで、遠野市内ではいろ
いろイベントも企画されているとか・・・。
 スミマセン、文学にはあまり興味がないので、
そんなことは全く知りませんでした・・・。


 近隣に武蔵坊弁慶が持ち上げられたと伝えられる
「続き石」があります。この石は遠野物語91話にも出
てくるそうです。
 



   
 

       



 気温は更に上昇、予定通り33℃まで上がったかな。
(この日、それでも東京都内よりは3℃低かったらしい
です。今年の夏は暑い!)

 涼しそうなのはフロントガラス前に座らせた Galeries St-Hubert だけ・・・、ちょっと腹がたちます。
「なんで君はそんなに涼しそうな顔をしているの?」
「それはね、あなたより
人間ができているからよ。」
と連れの声。
「・・・。」


13:40
 やっと遠野の市街に到着しました・・・。といっても
あたりは田園風景ですけど。
   
 遠野の駅前にレンタサイクルがあるようで、自転車
姿の観光客もちらほら。でもとっても暑そう。



14:10
 山口集落の水車に到着。
郊外の田園風景のなかに、茅葺き屋根の水車小屋。
この水車、現役で脱穀や製粉に使われています。
遠野のイメージシンボルみたいなものです。水車も
良いですが、むしろ周囲の風景がもっと素敵。花と虫
たちにあふれています。
 ここで赤とんぼ発見、ちょっとだけ秋かな。
 
 
   




 
14:40
 カッパが出るというカッパ淵に向かいます。
 途中、ひときわ高い(4〜5mぐらい)ホップ畑がありま
した。
「ホップってこうやって育ててるんだ・・・。」
が、同時に泡いっぱいのビールの姿も眼に浮かびま
す。
 
   
 常堅寺の裏を流れる小川に、カッパ淵という場所が
あります。
 カッパが出るんでしょうね。試しに釣り竿の先にきゅ
うりをつけたら、カッパが釣れるんでしょうか? 試して
みる価値がありそうです。

 ここにはほかにカッパの狛犬や祠もあります。
 さっきの水車もそうでしたが、水がとってもきれいで
す。虫や魚も多いです。きっと遠野は生き物にやさし
いところなんでしょうね。
 
 







15:20
 遠野市街に到着。遠野市街を散策しながら、
博物館等を巡ります。
 「遠野市立博物館」「とおの昔話村」
「遠野城下町資料館」3館共通入場券(520円)
があり、お得です。
 遠野自体は遠野南部氏の城下町で昔の町並
みが整備されています。市街地だけをぐるっと
まわるなら半日でも大丈夫です。

 
 ちなみに「遠野市立博物館」は遠野の町の歴史
と文化、「とおの昔話村」は柳田国男と遠野の
昔話、「遠野城下町資料館」は遠野南部藩中心の
展示物がテーマになっています。
 だいたいこの3館で遠野の概要はつかめます。

 
 



16:30
 街のなかを散策します。
 右は途中休憩するために立ち寄ったお茶屋さん。
駄菓子や雑貨類も売ってます。
 城下町に代表される古い町並みには、必ずといって
いいほど、和菓子やお茶の老舗があります。

 

 

 右はアンティーク雑貨や昔のおもちゃなどが展示され
ている遠野蔵の道ギャラリー(入館無料)です。

 遠野市内はざっと回ってしまいましたが、本来は1泊
して自転車でまわるぐらいが良いでしょう。季節は多分
4月後半と10月がベストです。

 宿泊は釜石市内のホテルに予約を入れました。三陸
の海の幸が目的です。
 では再び出発!


 
 
 




17:20
 鉄の街「釜石」到着。
 三陸鉄道とJR釜石線をつなぐ場所にあります。
駅前がちょっと寂しい感じです.
 釜石といえば新日本製鐵とラグビーでしたが、
新日鐵自体は釜石での生産を休止し、それと同時
にラグビーの新日鐵釜石も活動を停止していま
す。
 一つの企業に支えられていた街がどうなってし
まったのか、興味のあるところです。

   
17:30
 チェックインの前に夕日の沈みつつある釜石港へ
行ってみます。釜石はもともとは「鉄の街」でなく、
漁業を生業とする人々の住む町でした。
 鉄鋼を運ぶ船はもうここにはありません。
 とっても静かな夕暮れです。

 
   
 
  









18:40
 今晩の宿泊はサンルート釜石、遠野で予約を入れ
荷物をホテルに置くと、早速夜の散策を開始。
 「呑ん兵衛横町」なるもの発見。
通り沿いに約20軒がつらなり、この通りを交差する
ように更に別の飲み屋街が。とても狭いエリアですが、
合計で40軒ぐらいはありそうです。しかもどこもけっ
こう賑わっていまる・・・。ちょっとびっくり。
 
   
19:20
 三陸赤兵衛という居酒屋に入りました。
まずはとっても喉が渇いていたので生ビールとハイ
ボールを注文。
「一日ごくろうさまでした! ・・・さて何をたのもうか
な?」
 ドンコを売りにしているようです。たたき(500円)を
注文。お品書きにはいろいろ書いてありますが、
イカ、ヒラメなどの刺身を中心に数品をいただきまし
た。(400円〜580円) 
 どれも2人前ありそうな量で満腹です。
 お酒は「浜千鳥」という地酒です。

 

 

ライトアップされた通りを歩き、ホテルに戻ります。
 この日はホテルサンルート釜石に宿泊。
夜景がきれいです。



 
 
 

 





8.22(日) 7:10
 早朝の散歩です。
 まずはホテルのすぐそばの石応寺へ。

 このお寺、特別な文化財などはありませんが、風格
があります。斜面につくられた墓地が壮観です。

     
 今日も暑いです。昨日以上になるそうです。
 日陰を探しながら歩きます。

7:30
 駅前のサン・フィッシュ釜石という市場に到着。
朝6:00より営業してます。お土産目的でここまでやっ
てきましたが、日曜日といこともあって鮮魚は少なめ。
ちょっと残念。

 入口の食堂で朝ご飯にします。
 普通なら鮮魚の刺身定食とか焼き魚定食ですが、
なぜかウニチャーハン(1000円)と海鮮ラーメン(たしか
650円)を注文。
 チャーハンに入ったウニの量がすごい。ごろごろ
入ってます。ラーメンは普通に塩味ですが、中に入っ
ている3種類の海草が、すごくいい味を出してます。
「この海草、買って帰ろう。」






 ここで重要なことを思い出します。
 日曜の朝といえば、NHKの人形劇「三銃士」、しかも
今日は最終回です。
 すぐにホテルに戻らなきゃ!


 結局「三銃士」はエンディングしか見られませんでした。
 
  







9:00
 鉄の歴史館(入館料150円)到着。製鉄の歴史や
現代の製鉄方法の解説が中心です。
 マスコットのサイ太郎がちょっと可愛いかも。
 ちなみに世界最大のアンモナイトの化石のレプ
リカなんかもあります。
 内容は小中学生の社会見学向けかな?
でも大人が見ても楽しいです。それに入館料も安
いので存した気分にはなりません。

 ここで南部鉄瓶と同じ製法でつくられた風鈴を
買いました。
 


   
   

 



 三陸ふるさと物産センターに寄り道してお土産を
買います。海草も買いました。



11:30
 大船渡の碁石海岸です。
 リアス式海岸してます。
 海が澄んでいてとってもきれいです。
 
 雷岩という場所です。
波が洞穴に入り込むとき、雷のような大きな音が
します。

 でも岩場は思いっきり暑くって、だんだんやる
気がなくなってきました。人形は相変わらず穏や
かな表情で風景を眺めています。
 確かに彼女の方が
人間ができているかも
しれない・・・。

 頭を冷やすため、かき氷食べました。

 このあと連れの提案で観光遊覧船(1500円)に
乗りました。この遊覧船当たりです。岩のトンネル
をくぐったり、岩場に思い切り接近したりで、
サービスしてくれます。沖合を通る大型の観光船
(3000円以上)より断然お得だと思います。

 
   




 
  







14:00
 最後にともかく涼しいところに行こう、ということで
室根高原へ立ち寄ります。

 広々としてます。
 ちょっとだけ涼しいです。
 牧場があって、牛がたくさんいます。

山頂には展望台(100円)もあり、麓にキャンプして、
夜は天文台へ・・・。というのもいいかな。

 
 
   



 



 このあと、帰り道は8時間かかりました。東北道の渋滞は断続的に40km近くに及び、
常磐道で帰ってきました。

 東北も暑いときは暑いんですね、今回の旅を通して、そう思いました。
 あと、まだまだ暑いですが、自分も人形のように我慢強くならなきゃいけないかな?


 今回手に入れたおみやげ一覧。
道の駅があるたびに止まっていたので大変な量になってしま
いました。
 なかでもおすすめなのは大船渡で手に入れた海草です。
「乾燥めかぶの細切り」は絶品です。


おしまい




 

 
   


2010.08
camera: Canon power shot S90 / graphic tool: Canon Digital photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10