中津



2014.10.19
 中津という地名は多いけど、神奈川の中津をご存じの方は少ないと思います。
観光地でもなんでもない、昔の町並みの残る地域を今回はご紹介します。



10.19
(日)
 中津は神奈川県の愛川町にあります。
 1日しかお休みが取れなかったので、近場でどこか良
いところはないかと検索していたら眼にとまりました。
「神奈川のまちなみ100選」に選ばれているということで
すが、知名度は高くないし、注目をあびるようなものが
あるわけでもありません。
 でも逆にとっても静かだろうなあ、と思ったわけです。

 中津を訪れるなら自家用車が便利かと思います。
東名高速厚木ICから30分ぐらいかな。一方電車利用
だと小田急線「本厚木」または「海老名」から愛川方面
へのバスを利用、「一本松」下車となります。

 
8:30
 中津に到着、こうやって高台からみても、ごく普通の
田舎の集落にしか見えません。

 
       
 周辺の田んぼは稲刈りが始まったばかり。
 人が歩くと、田んぼで稲穂を啄んでいた雀の群れが
さっと飛び立って電線の上へ。
 日本の秋の風景だなあ。
     





 散策した場所は中津川をはさんで北側と南側、更に
北側は川沿いの地域と、崖上の地域に分けられます。
 この簡単な地図からは分かりませんが、川沿いの道
と中津小学校前の道では30mぐらいの落差があります。

 
 まずは北側の川沿いの地域から。
 立派なお家がたくさんならんでいます。別にどうって
ことのない田舎の道です。少し時代を遡った、ごくあり
ふれた景色です。

 でも落ち着きます。
 ぽかぽかの良い天気。

 日曜日の朝ってこともあるのか、とっても静かです。

       
       
       
*)ドールドレスはヤフオクでお世話になりましたamitari40 様の作品です。





 川沿いってこともあるのか、水路が整備されています。
家の中に引き込まれているところなんかもあります。
 「しょうぶの里」と呼ばれてもいるようで、ところどころに
菖蒲が植えられています。その季節になったらもう一度
訪れてみたいなって気分になりました。
 
 

 どこもお掃除が行き届いていて、とっても綺麗です。
また庭先を季節の花々が飾っています。
       
       
       
 こちらの家では入口にベンチなどを置いて、自宅の
庭を訪れる人に公開しているようです。
 あちこちにほっとするスペースがあります。
       
 
 

   
             





 たくさん実ったカキの実を背景にして朝顔の写真
を撮りました。
 季節は秋ですね。空もすっきりとした青色です。
 
 蔵もたくさんあります。
 お寺や神社もあります。
       
     
       
 中津川の河原沿いに出てみます。ここには弁財天
がありました。
 お掃除がされていて、お供え物があって、その脇を
部活動の中学生が河原を走っていてゆく・・・。


 

   





 今度は近藤坂を上って崖上の通りに出ます。
 ここにもお地蔵様がいました。
 
 上段の地域は中津往還という古道にそって、古い
建物が立ち並ぶ地域です。
       
     
       
 こちらはお茶とお花の先生の家らしいです。
 立派な門の向こうに、広々とした庭園がひろがって
いて実に見事です。
       
 





 道の古さは並木として残された樹の大きさからも分
かります。
 竹林も立派です。
       
 
 

   
                  
       





 そのほかにも、おいなりさんとか小さな祠とか石碑
とか、いろんなものがほんとに50m間隔ぐらいにあっ
て、これは何だ?ってことになります。
       

     
     
 こちらは猫、いくら人通りがないといっても、道路の
真ん中でごろごろすることもないだろうに。





 とても歴史ある地域のようですが、観光地ではあり
ませんから、すれ違うのはお散歩している近所の方
達だけ、そしてカメラをぶら下げているのも自分たち
だけです。





 こちらは竜福寺、
 この山門もすごい。
       
 

 
 





 こちらは古民家山十邸、国登録有形文化財です。
(入場券無料)
       
       
 こちらは豪農 熊坂半兵衛の邸宅として明治初期に
建てられたものだそうです。
(ちなみに山十はその屋号)
 玄関のついたてもすごいけど、柱や梁の太さはもっ
とすごいです。
       
       
 建物は町が修復・管理しているそうです。
 また見学だけでなく、研修会などの文化活動等にも
使えるそうです。

 この地域では、歴史的な遺産や見事な景観を外の
方々にお見せするのでなく、地域の方々が利用し、
楽しむために利用するためにしてるってことだと思い
ます。
 だから「観光地」じゃないんだろうな。


 お金をかけてトタンに置き換えられた古民家や蔵の
屋根を修復して瓦に戻し、道標やパンフレットを整備
することで、もしかしたら外から訪れる人は多くなるの
かもしれません。でも、それがこの地域にとって良い
ことかどうかは分かりません。

 

 
   





 中津川の対岸に渡ります。
 こちらは八菅山神社。神奈川県北部の丹沢一帯
は山岳信仰の霊地だそうで、この神社もその修行
の場の一つです。
(平安期の創建)

       
 樹がすごく太いです。樹齢千年を越すものも多い
のではないでしょうか。
(券指定天然記念物)

       
 山頂の社まで急坂を上って10分ぐらいで本殿に
着きます。
(けっこうきつい)
 宝物館もあるのですが、残念ながらこちらは年末
年始のみの公開だそうです。

       





11:30
 自家用車を駐車した河原に戻ってきました。
 日曜日の昼ということで、朝はがらんとしていたの
ですが、この時間帯にはバーベキューをする家族連
れがたくさん。
 
 お昼は満留賀 (まるか)という近くのお蕎麦やさん
に入りました。
 ボリュームがあっておいしかったです。生醤油を
つかっているという、濃いめのそばつゆが良いです。
       
 
       





12:00
 すぐ近くにある宮ケ瀬ダムを経由して帰ります。
 こちらはダムでつくられた宮ヶ瀬湖,、周辺は公園と
して整備されています。
       
   
 こちらは湖畔にある県立宮ヶ瀬やまなみセンター。
 丹沢山地の成り立ちや自然が紹介されています。
(入場無料)
       
 お土産やさんや飲食店のならぶ「水の郷」エリア。
 この地域のライトアップはけっこう有名で、これか
ら冬のシーズンには渋滞ができるほど賑わいます。





 中津に比べると対比的でだなあ、16年前につくら
れたダム湖が観光地として、こんなに人々を楽しま
せている・・・。

       
       こちらは連れの買ったよもぎ餅、6個あるうちの
一つをいただきました。
 

 
   
   どこにお出かけするかは、人それぞれだろうけど、
きっと何か驚きや感動を期待してそこに向かうはず
です。
 有名な観光地は多数の方々に支持されているっ
てことで安心感はあるかもしれないけど、紹介され
ていない場所や、通り一本外れた場所にも期待も
していなかった感動があるかもしれません。
 あるところに行くってのもいいけど、探しに行くって
のもいいなって、あらためて思いました。

   
       
    

2014.10


camera:Canon Power Shot S100 / graphic tool: Digital Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10