国府津



2014.11.08
 今回は神奈川県小田原市の隣にある国府津という街におじゃましました。
いつもと同じく、ここも観光地でもなんでもない、ちょっとだけ時代に取り残さ
れた感じのある街です。



11.08
(土)
 その昔、戦後間もない頃まで、国府津は交易の街
としてとても栄えていたそうです。
 国府津駅は東海道線の小田原の最寄り駅として、
また箱根方面への馬車鉄道の起点として、更には
伊豆方面への出発地点として、交通の要衝でもあり
ました。
       
 但しその後、丹那トンネルが開通し、東海道線が
今のように小田原、熱海、沼津方面へと敷設され
なおすと、国府津は単なる通過駅となってしまい、
街自体も一気に廃れてしまったということです。
       
 一帯は再開発されることもなく、今でも戦後間もない
頃までの建物がたくさん残っています。
 右はパンの神戸屋さんですが、建物自体は国の登録
有形文化財に指定されています。さりげない風景のな
かに、こんな昭和中期までの遺産があちこちに残されて
います。
       

 老朽化しつつある建物が多いのですが、なかには
きちんと保存、修復されているものもあります。
 右はもともと何屋さんだったのか分かりませんが、
壁面のレリーフが見事です。
 


   
 





 また明治以降の西洋風建築だけでなく、昔ながら
の街並みもあちこちに残っています。
 そしてびっくりするような大きさの蔵があって、繁栄
の時代があったことを教えてくれます。

 でも一方で、お店の方は改装されずにそのまま時を
刻んでいるって感じで、やはりすべてがうまく回ってい
るってことでもないようです。
 
 


   





 国道1号線から外れ、山の麓にやってくると、いく
つかの寺社があります。
 こちらは光明寺。

 こちらは菅原神社。西暦750年に建立された、とて
も古い神社です。
 境内には大きな丸い注連縄があって、ここをくぐる
と、罪や穢れが取り除かれるとか。それほど悪いこ
とをしているつもりもありませんが、念のためにくぐっ
ておきました。

       
 


   
 
 
   
 





 今度は裏通りを通って、駅方面に戻ります。
 途中、誰も住んでいない民家があったりして、ちょっと
驚かされます。いくら廃れているとはいえ、ここは小田原
という大きな街の隣駅、しかも駅徒歩3分の場所ですよ。

 
     
       
 街自体の雰囲気はそんなに悪くないです。誰も住んで
いない建物に落書きはないし、ゴミとかも落ちていないし、
 でも何なんだろうな?
 街という器に対して人が少ないってことは、こういうこと
なのかな?
       
       
       
 こちらの渋い木造の建物、賃貸物件です。
 月5.0万円、駅まで徒歩2分、線路に近いのが難点かも
しれないけど、交通の便は最高。
 自分がもし一人暮らしだったら、迷わず住んじゃうかも。
       
   
   





 近くで朝市やってました。
 野菜とか果物とかが、袋にたっぷり入っていて100円
から150円。そのほかに手作りパンとかを売ってました。

 こういったイベントを企画するちゃんとしたコミュニティ
ーがあるんですね。
 
 こちらは眼に留まった魚屋さん。
 小さなお店ですが、ヒラメとかカワハギが生きた状態
で売られています。朝なのにたくさんの人が買いに来
ていて活気があります。

 我が家ではホウボウの刺身、しめ鯖、生しらすを買
いました。どれもとっても新鮮でたっぷり入っていまし
た。しかもとっても安かったです!
 近所にこんな魚屋さんがあったら、毎日通うのにな。
       
   
       
 最後に海に出てみました。

 ここ国府津はちょっと寂れている感じはあるけれど、
レトロな感じが自分は好きです。
 でも大きなショッピングセンターやスーパーもなく、
もしかしたら住むにはちょっと不便なところもあるの
かもしれない。
 人が住まなくなるってことは、人以外のものも流出
するってことで、当然、残された人たちの利便性は
もっと低くなるわけです。

 ちなみに聞くところによると、日本は東京や大阪とい
った大都市圏以外の場所では人口はどんどん減って
いるんだそうです。
 少し考えさせられる小さな旅でした。


     



2014.11


camera:Canon Power Shot S100 / graphic tool: Digital Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10