11.08 (土) |
その昔、戦後間もない頃まで、国府津は交易の街 としてとても栄えていたそうです。 国府津駅は東海道線の小田原の最寄り駅として、 また箱根方面への馬車鉄道の起点として、更には 伊豆方面への出発地点として、交通の要衝でもあり ました。 |
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但しその後、丹那トンネルが開通し、東海道線が 今のように小田原、熱海、沼津方面へと敷設され なおすと、国府津は単なる通過駅となってしまい、 街自体も一気に廃れてしまったということです。 |
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一帯は再開発されることもなく、今でも戦後間もない 頃までの建物がたくさん残っています。 右はパンの神戸屋さんですが、建物自体は国の登録 有形文化財に指定されています。さりげない風景のな かに、こんな昭和中期までの遺産があちこちに残されて います。 |
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老朽化しつつある建物が多いのですが、なかには きちんと保存、修復されているものもあります。 右はもともと何屋さんだったのか分かりませんが、 壁面のレリーフが見事です。 |
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また明治以降の西洋風建築だけでなく、昔ながら の街並みもあちこちに残っています。 そしてびっくりするような大きさの蔵があって、繁栄 の時代があったことを教えてくれます。 でも一方で、お店の方は改装されずにそのまま時を 刻んでいるって感じで、やはりすべてがうまく回ってい るってことでもないようです。 |
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国道1号線から外れ、山の麓にやってくると、いく つかの寺社があります。 こちらは光明寺。 |
こちらは菅原神社。西暦750年に建立された、とて も古い神社です。 境内には大きな丸い注連縄があって、ここをくぐる と、罪や穢れが取り除かれるとか。それほど悪いこ とをしているつもりもありませんが、念のためにくぐっ ておきました。 |
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今度は裏通りを通って、駅方面に戻ります。 途中、誰も住んでいない民家があったりして、ちょっと 驚かされます。いくら廃れているとはいえ、ここは小田原 という大きな街の隣駅、しかも駅徒歩3分の場所ですよ。 |
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街自体の雰囲気はそんなに悪くないです。誰も住んで いない建物に落書きはないし、ゴミとかも落ちていないし、 でも何なんだろうな? 街という器に対して人が少ないってことは、こういうこと なのかな? |
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こちらの渋い木造の建物、賃貸物件です。 月5.0万円、駅まで徒歩2分、線路に近いのが難点かも しれないけど、交通の便は最高。 自分がもし一人暮らしだったら、迷わず住んじゃうかも。 |
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近くで朝市やってました。 野菜とか果物とかが、袋にたっぷり入っていて100円 から150円。そのほかに手作りパンとかを売ってました。 こういったイベントを企画するちゃんとしたコミュニティ ーがあるんですね。 |
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こちらは眼に留まった魚屋さん。 小さなお店ですが、ヒラメとかカワハギが生きた状態 で売られています。朝なのにたくさんの人が買いに来 ていて活気があります。 我が家ではホウボウの刺身、しめ鯖、生しらすを買 いました。どれもとっても新鮮でたっぷり入っていまし た。しかもとっても安かったです! 近所にこんな魚屋さんがあったら、毎日通うのにな。 |
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最後に海に出てみました。 ここ国府津はちょっと寂れている感じはあるけれど、 レトロな感じが自分は好きです。 でも大きなショッピングセンターやスーパーもなく、 もしかしたら住むにはちょっと不便なところもあるの かもしれない。 人が住まなくなるってことは、人以外のものも流出 するってことで、当然、残された人たちの利便性は もっと低くなるわけです。 ちなみに聞くところによると、日本は東京や大阪とい った大都市圏以外の場所では人口はどんどん減って いるんだそうです。 少し考えさせられる小さな旅でした。 |