1:3 オリジナルドール こちらは過去に制作した1:3スケールのオリジナルドールについて、その特徴やメンテナンス方法を整理し たものです。2012年に制作した misaki などをモデルにして説明していますが、2012年以降に製作したドール については、その構造及び基本的な取り扱いはすべて同じです。 なおそれ以前に制作したドールについては、基本的にリメイクを行ってから出品していますが、ボディサイズ やマグネット仕様などの点で異なっていることがあるのでご注意下さい。 1 特徴 こちらの作品は 2008 年に制作したオリジナルの球体関節人形 naomi を原型として型どりした素体をもとに つくられたオリジナル創作人形です。 ラドールプレミックスを主な材料として、独自の手法を取り入れて制作しています。 特徴の一つはマグネットや鉄のピンを多様し、各種のアクセサリーが活用できるようにしたこと。もう一つは 表面にウレタンクリアーによる塗装を繰り返し高い表面強度を保っていることです。ウレタン塗装は自動車の 塗装にも使われるもので、摩耗だけでなく水や油類にも強いです。またコーティングされた層は肌の透明感 を引き出すのにも役立っています。 2 ドールサイズ 創作人形ではありますが、市販の1/3スケールの人形サイズを意識して作りあげていますので、衣類や小物に ついては、ある程度互換性があります。参考までに、代表的なvolks 社の人形とのサイズの比較をしました。 数値が目立って小さいところは赤で、大きいところは緑で表しています。
3 市販パーツとの互換性 ● 洋服 1/3スケールの市販品の多くが流用できますがサイズ的に最も近いのはDDU(M)です。データにはありま せんが足の長さのことを考えればDDSのほうが、なお近いと思われます。 また多少大きですがSD用も着用可能です。但しSDの場合、幼児体型に近いイメージでつくられた洋服につ いては、ウエストと下腹部がふっくらしすぎていて似合いません。 ● 靴やブーツ SDからDDUまでのものがひろく利用できます。またつま先をほんの少し上げているので、余裕をもってつく られたものなら、ハイヒールでもSDのものが利用できます。 ● 帽子とウイッグ 表からもお分かりのように、市販のキャスト製ドールに比べるとヘッドはひとまわり小さいです。従って帽子は MSDサイズか、またはそれより小さいものがフィットします。 ウイッグはマジックテープで固定されているだけなので交換が可能です。MSD用のものはややゆるめです。 できれば頭周6〜7インチのものを実際に合わせてみることをおすすめします。 ● ドールアイ 12〜14mmのグラスアイを使用しており、水道管補修用のパテで固定してあります。こちらも交換可能です。 4 品質 粘土製ということもあって、たとえば市販のSDなどのレジンキャスト・ドールと比較したとき、表面の平滑さは やや劣ります。また指先やアイホールといった微細な部分のシャープさにもややかけています。 関節保護のため、ゴムのテンションは低めにしてあります。そのため裸の状態では自立を保つことは難しい です。自立させるにはブーツ等を履かせて足首を固定する必要があります。 肌の質感を出すため、透明度の高いコーティング剤を何度も表面に塗っています。この過程で空気中の埃が 肌の上に固着してしまうことがあります。よく見ないとわかりませんが、除去しきれなかった埃をいくつか確認で きます。 5 マグネット仕様 ● ビスの埋め込み 2012年以降に制作したドールについては、下の画像の青い部分、10箇所ほどに鉄製のビスなどを 埋め込んでいます。 (それ以前に制作したドールについても、リメイク時にビスの埋め込みしております。但しその数は個 体によって異なっており、多くは上半身のみです。詳細はお尋ね下さい。) このビスを用いて市販のマグネットピアスや磁石などで装飾することができます。 但し、金属製品の脱着を頻繁に行うと、金属成分が表面のつや消し塗料に付着し、黒ずんでしまい ますので、ご注意下さい。できれば直接でなく紙や薄い布を間に入れた方が良いです。 ● ネオジムマグネットの埋め込み 首の裏にはネオジム磁石を仕組んでいます。これは人形固定用のものです。 壁などに金属部分があればスタンドなしに簡単に人形を立たせることができます。また鉄製金具はドール 本体に同梱してあります。(鉄製のカーテンレール固定金具です) 但し安全のため、長時間立たせたままにする場合にはスタンドをご利用下さい。 なお2012年以前の作品はリメイクを施したうえで出品していますが、こちらのマグネット仕様は部分的なものになっています。多くは首の 裏側のネオジムマグネット(自立用)、頭頂パーツのネオジムマグネット(アイとウイッグ交換のため)、耳たぶに鉄のビス(ピアス用)、以上 の3カ所になっています。 6 メンテナンス ● 透明ウレタンで表面保護をしているので、創作人形としては表面の強度が高いですが、あくまでも粘土でできているので強い衝撃や 転倒などで壊れることもありますのでご注意下さい。 ● 眉毛や睫毛など、最終的なメイクと塗装は透明ウレタン層の上から行っています。従って強く摩擦するといちばん上の塗装やメイクは はがれ落ちてしまいますのでご注意下さい。 ● 表面のつや消し塗装はどうしても汚れが付きやすい傾向にあります。手袋の使用をおすすめします。 ● 汚れなどがついてしまった場合には中性洗剤やOAクリーナーを使用して、テッシュなどで軽くふき取ります。それでも落ちない汚れは メラミンスポンジなどでこすりとるのが良いと思います。ただ拭いたり磨いたりを繰り返すと表面のつや消し塗装も落ちてきて、光沢が出て きます。この場合、再度つや消しクリアーを吹き付けて下さい。この際、必要に応じてドールアイや爪にマスキングを施して下さい。 1 難易度は高いですが、可能であれば2液混合タイプのウレタンクリアーにつや消し剤を混合して吹き付けるのがベストです。 2 一般的には模型用つや消しクリアーを吹き付けることになりますが、つやを完全に消すためにはスプレーでなく、ご自分でクリアー塗料 につや消し剤を混合しエアーガンで吹き付けるのがベターです。 3 模型用塗料は塗装膜がやや弱いので、シリコン変性の高耐久ラッカー(アサヒペンなど)をまずは吹きつけ、半乾きぐらいの状態で上記 2の作業を行うとモアベターです。 ● ご自分で修復が不可能な状態になってしまったらメールにてご相談下さい。できる限り対応させていただきます。 |