沼田



2016.07.02

 今回の旅はNHKの大河ドラマの舞台になっている沼田ほか、群馬県内
の真田氏ゆかりの地を巡ります。吉田羊さん(小町姫)の人気はすごい
ですね。

7.02
(土)
 
6:45
 沼田に行くのを決めたのは那須に向かう途中、ふとし
た思いつきです。
 いつかは行ってみようと思ってはいたのですが、今日
は曇りでそれほど暑くない、町歩きにはちょうどいいか
な? と思ったので。

 寄居PAで朝食、ここのネギラーメン好きです。
(ネギがとても美味しい)
       
       





8:00
 わりあいすんなりと沼田城址(沼田公園)までやって
来ました。駐車場は公園内にあって(無料)、がらがら
の状態でした。

 沼田城は1532年に沼田氏が築城したのが始まりで、
その後、武田、北条、真田、徳川といった大名によって、
代わる代わる支配されることになります。
 この地が関東北部の要衝だったということですね。


        公園内にはたくさんの歴史的建造物があります。
        まずこちらは沼田小学校講堂記念体育館。レトロな外観
       ですが、体育館として市民に貸し出されているそうです。

       

         お隣の武道場。

       

         商家生方家の館。資料館とともに一般公開されているの
       ですが、8時じゃまだ開いてない・・・。

       

         最後の沼田藩主、土岐家の洋館です。明治時代になって
       建築されました。

       

        その裏にあるとても大きなポプラ、もともと日本にはなかった
       から、こちらも明治時代になってから輸入されたのかな?

       



       

       



         戦国末期より沼田城は真田家の居城となるわけですが、1681年
       の真田家改易によって、いったん廃城となり、天守は壊され堀も埋
       められてしまいました。
        大正時代、荒廃した沼田城を買い取って久米民之介という人で、
       彼は私財をなげうって復元した後、沼田市に寄贈したんだそうです。

       

       

        ここは本丸の堀の跡だそうで、今もまだ発掘作業が続いています。

       

        沼田は教科書にも出てくるような、代表的河岸段丘地形の見られる
       場所です。沼田城はその上段に建てられ、段丘を囲む3本の川と、そ
       れに沿って伸びる街道を見渡せるような場所にありました。

       

        真田信之、小松姫の像。

       



       





8:50
 さてもうそろそろお店も開き始める時間だし、街の方
にも行ってみましょう。
 おしゃれなお花やさんの前でまずは記念撮影です。

       

        沼田は河岸段丘の上段につくられた街なので、ゆるやかな
       起伏はあるものの、比較的に平坦な地形が続きます。
        ただ全体としては南西方面に向かって下るような、ごくゆるや
       かな傾斜がついています。これはこの地形がもともとは片品川
       のつくった扇状地から始まっているということなんでしょうね・・・。
       (ブラタモリしてます)

       

       

        駅は沼田市街から下った河岸段丘の下段、標高差70mの
       ところにあります。だから市街地を外れ、駅に向かうと急な下
       り坂になります。
        従って扇状地がつくられた以降、おそらくは3万年ほど前に
       始まる最後の氷河期に、沼田を囲む3本の河川の浸食作用
       が強まり河岸段丘が形成されたということなのでしょう。
       (みたいなことをブラタモリでも言っていた)

       

        下から見上げます。
        ちょっと晴れてきて暑い・・・。下るんじゃなかった。

       

        ちなみに右側の崖はやはり堆積層で、大きな石などが混じって
       ました。

       





9:00
 さて市内には幟がたくさん立っていて、「真田丸」「真
田丸」「真田丸」・・・・って書いてありました。
 ということでこの「真田丸」展に入ってみることにしま
した。
 この日は自分たちが最初の入場者で、まさにがらが
らの状態でしたが、後で調べたら当初1ヶ月で18000
人もの入場者があった人気企画のようです。
 きっとこの後、たくさんの入場者で混雑したんだろう
なあ・・・。人気スポットは早朝行動に限ります。

        入口にはこの企画にあわせてつくったと思われる沼田城の
       復元模型がありました。あちこちの城を巡った経験からすると
       かなりの堅城であったと推測されます。

       

        「真田丸展」ということで、メインはNHKの大河ドラマ関連のスペ
       ースになります。
        (こちらは入場500円)
        あのオープニングの題字など、ドラマに関連したものがたくさん
       展示されています。自分はおもしろかったけど、ドラマ自体を知ら
       ない人や歴史的な意味みたいなものを期待する人にはつまらな
       いかも。

      

       そのほかにも沼田の歴史や文化を解説したスペースがあります。

      

 こちらは大河ドラマ「真田丸」の登場人物をモデルに
した20体ほどの人形。
 ものすごーく似てます! 必見です。
     
   

        こちらは小松姫の像。8月の始めに沼田祇園祭りが行わ
       れるのですが、そのとき山車に飾られるものの一つだそう
       です。
        ちなみに沼田では小松姫の人気は高く、あちこち回った
       感じからすると、旦那さんの真田信之よりも、人気はるか
       に上ですね。

       

 ここは記念撮影のスペース。小松姫と真田信之といっ
しょに写ることができます。
 鎧や甲も用意されていますが、お人形さんにはサイ
ズ的に無理。
       

 プリクラ。
 こちらもいっしょに写る相手は小松姫や真田信之。
       
   小松姫や真田信之道のプリントされた自動販売機。
 商品を探すと・・・・、ありました、限定品のコーヒー。
(ですが中身はふつうのコーヒーでした)
   
       



      





   9:30
 真田丸展の会場から出てすぐのところにある天王石。
神社の跡地の印だそうで、真田信之がここに置いたと
伝えられています。

    
       
 ここから先はこの地図を参考に散策することにします。
沼田女子高校の生徒さん、なかなか緻密な情報収集を
しています。



        まずはこの沼田で人気の高い小松姫の眠る正覚寺から。
        小松姫は徳川家の重臣・本田忠勝の娘で、とても気の強
       い方だったようです。
        父と東西に分かれて戦った関ヶ原の合戦後、真田昌幸が
       沼田に立ち寄ったとき、城内に入れずに追い返したというの
       は有名なエピソード。
        なるほど、吉田羊さんにイメージ重なりますね。

       

       

        小松姫は療養のために、江戸から草津に向かう途中で病死、
       享年48才。信之は「家から光が消えた」と落胆したとか。

       

        ここから駅方面(河岸段丘下面)がよく見えます。市街地から
       駅までは1km弱、でもこの高低差は通勤、通学にはつらいかも。
        ちなみに市街地と駅はバス路線で結ばれており、料金100円
       だそうです。

       





 城下町なので、それなりに歴史を感じさせる建物が
残っています。

       

        このツタ?すごいね。

      

     

 ものすごく活気のある町というわけでもないけど、車
や人の往来も多いです。
 通りのところどころにある空き地は小さなお花畑に
なっていて良い感じです。

 旧沼田貯蓄銀行。
 現在周囲の広場を工事中、見たかったかも。


 沼田祇園祭のとき、この長さ4.3mの巨大な天狗の
面が担がれるんだそうです。
 祇園祭は沼田でいちばんのイベントで、たいそう賑
わうそうです。

        いいね、この一角。
        女子高生のつくったマップにはなかったけど、おじさんはこう
       いうのが好きなんだなあ。

       

        この蔵もいいです。

       



       



 みそ饅頭は沼田市民のソウルフードということなので、
こちらでいただくことにしました。
 ほかにもみそパンなんかが有名みたいです。
       
 ふわふわの軽い饅頭にみそと砂糖を混ぜた餡を塗
り、表面がちょっと焦げるぐらいに焼いてあります。
 軽い味で食べやすかったです。シンプルで懐かしい
味かな。

        向かいにあるおもちゃやさんです。昭和という時代も
       少しずつ重みを増しつつあることを感じます。

       



 駐車場に戻ります。
 着いたときには2~3台しかなかったのに、観光バス
まで駐車して満車状態。やっぱり沼田は人気スポット
になってたんですね。





11:15
 まだ昼前なので、今度は名胡桃城址に行ってみるこ
とにしました。沼田のちょっと北、みなかみ町に向かい
ます。

 名胡桃城は戦国末期、沼田攻略の足がかりとして真
田昌幸によって築城されました。
 その後、豊臣秀吉の裁定で沼田城が北条氏に移譲
される際に、裁定を破って北条氏は名胡桃城まで占拠、
これが北条討伐のきっかけになったのはとても有名で
す。

        館や櫓なども残っていない小さな城跡なのので、たいした
       ことないかな? とも思っていたのですが、新たに整備され
       た駐車場はすでにいっぱい、観光バスまで来てました。

       

       

         切り立った尾根上につくられた城は利根川や街道、沼田市街
        まではっきり見え、真田昌幸がなぜこの地に築城したのかが分
        かります。

       

 ここの資料館にも「真田丸」のサテライト展示があり
ました。すごいなあ、大河ドラマになると、それまで単
なる城跡だったところが、急に観光地になっちゃうんだ
から。





 もうここまできたら真田家の本拠地、岩櫃城まで行く
しかないでしょう。
 岩櫃城址は東吾妻町にあり、ナビに打ち込むとここ
から26km・・・。けっこうあるなあ。

        11:55
         途中、とても古い神社を見つけ、立ち寄ります。
         こちらは吾妻神社、1813年建立、説明があったのです
        が、由緒など詳しいことはよく分からなかったです。

       

       

       

         200年前の木彫なんだろうと思いますが、なかなか見応えが
        あります。


       



       

       



12:15
 昼食はお蕎麦のセット、お総菜やら天丼がついていて
1000円!




       13:10
         岩櫃城址です。画像中央の岩山が標高802mの岩櫃山、
        その右手中腹にお城はあります。武田氏の重臣だった真田
        幸隆がこの城を攻略した以降、この城は真田家の本拠地と
        なりました。

       

         実はこの城、山の中にあって、道がとても分かりづらい。道を間違
        うこと2度、やっと到着しました。
         ここにも新しく整備された50台ほどの駐車場があるのですが、訪れ
        る人も多く、満車に近い状態でした。テレビの影響って大きいね。

         城址までは、駐車場から登山道を登って15分ぐらいかかります。
        途中、ところどころに空堀などを見ることができます。

       

        本丸跡に着きました。いかにも戦国時代の山城といった感じです。
        今はこんな感じですが、昔はまわりの林もなく、さぞかし景色も良か
       ったことでしょう。
        空堀のまわりには柵、所々に櫓、本丸周辺には木造の館。そこで
       真田の兄弟は育ちました・・・。ただその風景を思い描くには、相当な
       想像力が必要です。
        でもここから全国に名を知られるような存在になるって、やっぱりす
       ごいなあ。

       



         真田の里を流れる吾妻川を背景に記念撮影です。

       

        大河ドラマの影響って大きいね。
        おそらくは訪れる人もほとんどいなかったところが、いきなり観光地に
       なっちゃうんだから。
        でもドラマが終わったらどうなるんだろ? この後も引き続きお客様に
       来ていただけるようにするには何か手だてがあるんでしょうか、それが
       とても気になります。



2016.7
camera:Canon Power shot G7X / graphic tool: Digtal Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10





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