沼津西浦から韮山



2016.07.17

 今日は日本文化遺産「韮山反射炉」とその周辺に向かいます。
地図見てたら、何かその周辺もおもしろそうな感じがしました。

7.17
(日)
 
6:50
 今日は雨こそ降らないけど一日曇り。しかも気温は
30℃を越える予報、はっきり言って最低かも。
 こんなときには、そもそも綺麗な景色や感動的な出
会いなど期待しないで、大人しく家にいるか、涼しい
施設などで時間を過ごすという判断もあるかな。
 でも、どうもじっとしていられないタチなので、やっぱ
り出かけてしまいます。
       
   伊豆方面は渋滞がしばしば起こるところなので、
今回も早朝行動です。
 ただ韮山反射炉は9:00オープンなので、先に遠方
をまわり、帰り道に韮山反射炉を回ることにします。
旅の終了は午後2時ごろ、こうすれば渋滞に巻き込
まれないというヨミです。

 東名高速の沼津ICを降り、伊豆の戸田方面に向
かいます。
 



7:30
 駿河湾の奥まったところに最初の目的地、西浦古字
があります。このあたりに点在する古くからの漁村のう
ちの一つです。
 鉄道の通っている伊豆半島の東側に比べれば、この
あたりの交通の便はお世辞にも良くないです。公共の
交通機関はバスのみ、それも沼津方面に朝バスが1
本帰りは夕方に1本という感じです。

        西浦古字の全景です。べつにどうってことのない漁村
       の風景です。
       

        海に出てみました。入江はマリーナになってます。
        曇っているのが残念。
       
      
       
       *)今回のモデルは sayaka301(着替えと水着を含むフルセット)
(オリジナルヘッド+オビツSBH)
 こちらのドールのOFは、ヤフオクでお世話になっている arisutedyisu0511様に制作して
いただいております。イベントでは画像に写っているOFとアクセサリーの他に着替え1着、



        最近製作した撮影用ドールスタンドを今回使いました。軽量な
       三脚に取り付けたら、とても使いやすくなりました。
       

        三脚としても使えますが、ドールを地面に置くときには、こんな
       使い方もできるんだと気づきました。とても便利です。
       



         町の中を歩きます。昔懐かしい風景が続きます。
       

        蔵がものすごくたくさんあります。
       

         今日はこれから、こちら神明神社のお祭りが始まるんですね。
       

        少し奥まったところにある太子堂。
       

       

       

        きっとこの町並みって、何十年も前から変わっていない
       んだろうなあ。



8:30
 少しずつ韮山方面へ移動します。
 途中、展望台の案内掲示があったので立ち寄りまし
た・・・。晴れていれば富士山が見えるらしいのですが
今日はぜんぜんダメ。
 もともとこの施設は展望台というより、津波の避難場
所としてつくられたみたいですね。
 近くにもこういった施設が沿岸の集落ごとに設置され
ています。
 ただ東日本大震災前につくられたものらしく、高さ8.2
mではちょっと心許ないような感じです。
       
8:50
 典型的なリアス式海岸が続きます。
 マリンスポットの一つ、淡島が見えてきました。この
淡島のすぐそばに長浜城跡があります。

       
 長浜城の築城は15世紀の後半のこと。今川家滅亡の後、駿河に進出した
       武田氏は、さらに関東にもその勢力を伸ばす勢いでした。そこで北条氏はこ
       れに対抗するため、この城に軍船を結集、水軍の将、梶原景宗にこの城の
       守りを任せたのだと伝えられます。
       

       

        正面に内浦湾と淡島、対立関係にあった武田家の所領を望む場所にあること
       がよく分かります。
       

        内浦湾は駿河湾の最も奥まったところにあって波も穏やか、
       また水深もあったので、大型の軍船を停泊させるのに向いてい
       ということです。
        そして1580年,1581年の二度にわたり、この海で武田方との
       間で海戦が繰り広げられたという記録が残っています。
       

        公園内には、戦国時代後半に登場した安宅船の船底を示す
       展示があります。安宅船の全長は25mぐらいあったらしいです。
        公園内には、このほかに長浜城の構造や歴史的背景などの
      解説もあります。
       (入場は無料)
        

       

        こちら地味な歴史遺産で観光客は少ないですがおすすめです。
        晴れていればものすごーく景色が良いに違いありません。



9:20
 ここは長浜城の南西にある重須という地区です。
 ここは兵士の居住していたとされる場所なので、そ
れなりに歴史のある地区だと推測できます。

       

       

        ノスタルジックです。時の重みを感じます。
        石づくりの蔵も、その表面が風化しつつあります。
       

       

        対比的なのはおしゃれなマリーナ。昔は戦国時代の軍船が浮いていたんだろうけど、
       今はカラフルなヨットです。
       

       



9:50
 少しすすむと、このあたりではいちばん開けた内浦
地区があります。
 ようやく見つけたコンビニでアイス買いました。




 右の画像は内浦漁港の直売所。
 アジの干物(1枚100円)と名産のワサビ(400円)を買
いました。
   
   



10:00
 こちらは松月という和菓子屋さん。
 「みかんどら焼き」と「みかんパウンド」といった、みか
んを餡に使ったものがイチオシらしいです。
 みかんどら焼き美味しかったです。お茶にもコーヒー
にも合うと思います。
       
 ちなみに店内にこんな一角がありました。
 ラブライブというアニメ関連の掲示板です。そういえ
ば痛車が駐車場にあったり、派手なラッピングバスが
走っていたりで、沼津からこのあたりは、いわゆる聖地
になりつつあるわけですね。

 痛車展示会ほか、いろんなイベントが行われている
ようです。

    海岸から1本裏に入った通りには、やはり昔ながら
の風景がひろがっています。
 こちらは気多神社。
  

       

        まわりの木々がすごいです。海岸は風が強く、大きくなる前に倒れてしまう
       ことが多いけど直径1m以上のものが何本もある・・・。
       

        すぐ脇にある蔵。絵になってます。
       

       

        山腹の海照寺から見た風景、淡島を望むビュースポットです。
       

        この通りもいいね! 建物も看板も歴史を感じます。
       

       

       

       

 あひる川。
 昔、ここにアヒルが住んでいたとか。


        駒形神社。
       

        ここにある亀乗観音。
        豊漁や健康長寿にご利益があるそうで、長年この地の
       方々に慕われてきたとか。
     



11:00
 内浦漁協直営の「いけすや」。
 とれたての鰺料理が食べられるというので、ここで
昼食にします。
 とても人気があるらしく、オープン時刻前なのにもう
20組も待ってました。


 まご茶定食+アジフライ1枚をオーダーします。鮮度
は抜群、とっても美味しかったです。
       
     



12:20
 世界文化遺産・国指定史跡の韮山反射炉に着きま
した。さすがに世界遺産、観光バスもたくさん駐車し
てます。
 (見学料300円)
 第一印象は「思ったより小さいな」でした。天空にそ
びえるようなものを想像していたので、ちょっと意外で
した。

       

        韮山反射炉は高さ15.7m、オランダの大砲鋳造技術を導入して造られた溶鉱炉で、
       江戸時代末期の1854年に建設されました。
       

        中は耐火煉瓦をアーチ状に組んで造られているそうです。石炭、木炭を燃焼させると、
       このアーチによって熱が反射し、中心部では千数百度の温度に到達するという仕組み
       らしいです。
        なるほど、それで反射炉という名前なんですね。
       


 こちらは24ポンドカノン砲。
 溶かされた鉄は、こういった大砲に加工されました。
幕末の時代、ここは間違いなく時代の最先端をいって
いました。日本の重工業の起源がここにあったわけで
す。
       
 で、よく考えるとここでは鉄鉱石も石炭も産出されな
いし、それを運んでくる港も鉄道もない。
 普通に考えてなぜこんなところに造ったんだろうと、
疑問がわきます。

 条件的には不利であったと思われますが、それでも
この地に反射炉を誘致し、実現させたのは韮山の代官
であった江川英龍という人でした。時代の流れを読む
ことのできる、なかなかの人物だったようです。

        富士山を背景に反射炉が一望できるというので、お茶畑のなかになる展望台に登ってみました。
       晴れてきてとっても暑いのに、富士山の方角は曇っていて何も見えない・・・。
       

 ところで、この展望台のあるお茶畑は段々畑の形に
なっているのですが、その側面はどう考えても簡単に
動かせないような巨大な石を積み重ねてできています。
 きっと巨大な石がゴロゴロしていた荒地を長い時間
かけて開墾したんだろうと思います。韮山のお茶はけ
っこう有名だけど、苦労も多かったに違いないです。



12:55
 重要文化財の江川邸。
 せっかくここまできたので、江川さんについてもう少し
知っておいても良いだろうと思ったわけです。
 (拝観料はお隣の郷土資料館との共通券で600円、
韮山反射炉の入場券提示で更に100円引き)

 約400年も前に建てられた母家は、何度かの改修を
重ねながらも現存しています。ちなみにこちらは民間
の住宅としては国内で最初に指定された重要文化財
ということした。



 反射炉をつくった江川英龍は江川家36代目の当主
ですが、国際情勢に詳しく、兵の訓練や測量、造船、
銃や砲の研究、教育、更には最初のパン製造を行う
など、様々な分野で活躍した方だったようです。
 そしてこれらの技術の多くは欧米列国に対抗する
ためのものでした。


        母家の天井がものすごく高いです。
       

       

        母家から見る玄関の景色と蔵。
       

       

         とても広い敷地内には武器庫や役所跡などがあって、ここが韮山の行政の
        中心であったことを示しています。
       



13:15
 江川邸のお隣にある韮山郷土資料館。
 (江川邸との共通券利用、単独の場合には200円)
 こぢんまりとした博物館です。

         1Fは弥生から古墳時代はじめの山木遺跡関係の展示と
        発掘調査の方法、2Fは特に江川家が代官をつとめた江戸
        時代の展示が中心です。
       

       

        せっかくなので韮山城にも行ってみました。
        こちらは城池親水公園、外はとっても暑いです。この日、34℃まで
       気温は上昇しました。今朝は一日曇りという予報だったのにな。
       

        北条氏というと小田原城のイメージが強いですが、もともとの本拠地は
       この韮山城。始祖の北条早雲は生涯にわたり居城し、ここが関東支配の
       出発点となったということです。
        で、ここもポイントなのですが、この韮山状の土地を提供したのも、当時
       この地を治めていた江川家でした。
      

        お城は龍城山(標高42m、高低差31m)の山頂付近にあります。
       

        こちらが本丸跡。
       

        戦国の終わり、この韮山城は豊臣氏の北条攻めにより、3ヶ月の籠城の後に開城、
       取り壊しとなり、その後再建されることはありませんでした。

       

        調べたら江川家って清和源氏の流れをくみ、900年近く前からここに居住していたんだ
       そうです。最初は豪族として、その後は北条、豊臣、徳川と仕える君主を変えながらも
       領主あるいは代官として、この地を統治し続けたというのがすごいと思います。
        直接の統治者が700年間もの間変わらないってこと、これまで聞いたことがありません
       でした。正しい政が行われていたことはもちろん、上からも下からも信頼され続けなけれ
       ば、ここまで長くは続かないでしょう。
        36代目当主英龍は民政に心をくばり、管理する国は今の駿河、伊豆、甲斐、武蔵、相模、
       伊豆諸島に及び、領民からは「世直し大明神」として慕われていたそうです。また行政とし
       て初めて種痘を行ったのも彼で、多くの人々を天然痘から守ったと伝えられます。
       (「江川邸」パンフレットより)
        よく知らなかったけど、すごい人みたいです。歴史の表舞台に出てくるような人ではない
       けれど、近代日本を陰で支えた人物には間違いないです。たまにはこういう人物で大河ド
       ラマをつくっても良いかもしれません。



2016.7
camera:Canon Power shot G7X / graphic tool: Digtal Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10





                   サイトのトップページにとびます