鳥海山



2016.08.20

 この夏、唯一お盆以外に連続してとれたお休みを利用して鳥海山周辺と
秋田市内を巡ってきました。由利高原鉄道にも乗ってきたよ。

8.20
(土)
 
5:50
 4年前の夏、月山から鳥海山までを旅しましたが、
今回はその続きになります。
 ところが出発予定日に近づいてきたら、なぜかその
タイミング台風が3つも発生。こんな状況では宿に予
約を入れるのもためらわれます。

 それでも前々日の予報では、新潟から秋田にかけ
てだけは晴れの予報に変わったので、それを信じて
出発しました。
 那須の家を出て1時間ほど、福島県内はまだしっか
りと雨が降っています。
       
6:40
 東北自動車道、国見SAで朝食。宮城県まであと200
mだそうです。
 釜飯が美味しい! 本格的に炊きあげてあって感動
モノです。
       
   



 今回の旅は山形自動車道でまずは酒田まで行き、
そこから象潟と鳥海山麓の北側をまわります。
(4年前に鳥海山の南側までは見学している)
           → 山形編
 翌日は羽後本荘から由利高原鉄道に乗って矢島
間を往復、もしも余裕があれば秋田まで行ってみよ
うかと思っています。
 天気さえ良ければ鳥海山に登るという選択肢もあ
るのですが、台風の影響もあるので厳しいかな・・・。



        山形市内を抜ける頃になって、土砂降りだった雨が急にやみ、
       前方に虹ができました。何か良い兆しかな?

       

       9:00
        山形自動車道を降りる直前です。晴れてきて鳥海山も見えます!

       

        いちめんの田んぼ、その向こうに鳥海山。

       

       



9:45
 道の駅「鳥海」で休憩。
 晴れてきたのは良いけれど、車を降りたら海岸線とい
うこともあって、暑いのなんの・・・。9:00の時点で気温が
30℃越えてます。
 これは台風の影響で東風が吹き、日本海側では典型
的なフェーン現象が起こっている証拠。
 この時点で鳥海山に登るという選択肢は完全に消え
ました。登山道の途中のお花畑や湖は、とても綺麗な
んだそうですが、この暑さではちょっときつい。
       
 この道の駅は海産物をウリにしているらしく、その場
で食べられる海産物がいっぱい。
 名物のイワガキをむいてもらい、銀カレイの焼き物と
いっしょにいただきました。イワガキはもちろん、この
カレイがほくほくで実に美味しい!
 とても贅沢なおやつでした。
       
     



       10:10
        国道4号線を秋田方面に向かって北上。途中、地元の方々の遊ぶ小さな海岸に
       立ち寄りました。(吹浦海水浴場)
        小さくて海の家も自動販売機もないけど、変化のあるとても美しい海水浴場です。
        遊んでいるのは3グループほど、まさにプライベートビーチだね。

       

       

       



       10:50
        県境を越えて秋田県に入りました。
        こちらはJR象潟駅。木版画家・池田修三誕生の地ということで、窓に大きなポスターが
       貼られています。

      

 あと駅前には松尾芭蕉の文学碑もありました。
 東北地方の名所という名所には、必ず松尾芭蕉の
足跡が残っているのですが、この芭蕉がこの地を訪
れた最大の目的は、ここ象潟の九十九島、八十八浦
の絶景だったに違いありません。
    「きさかたの雨や西施かねぶの花・・・」
と碑にも刻まれています。
       
 情報収集と休憩を兼ねて駅前の喫茶店で休憩です。
ともかく暑い、暑いので頻繁に休憩が入ります。
 フェーン現象にはかないません、でもそのおかげで
晴れているんだけど。
       

        ここの見どころは、やはり天然記念物「象潟・九十九島」なのでしょうが、その前に
       芭蕉の歩いた道を散策することにします。象潟は城下町でもあったので、古い町並
       みや城址も残っているみたいです。

       

       11:20
        喫茶店で手に入れたマップを手に散策します。ところどころに○○跡なんて案内や、古い家
       なんかもあります。まあ芭蕉が見た風景とはかなり違うはずなので、けっこう想像力は必要
       です。
        本当ならここで一句ひねりたいところですが、暑いし、その才能もないのでご容赦を。

        

       

         肝心の城跡なのですが、小さな丘のようなものが残っているだけで、城跡の案内表示
        がなければ、その存在すら分からないレベルです。
         (だから写真もないです)
         塩越城は江戸時代初期に仁賀保氏(1万国)の居城としてつくられましたが、初代城主
        挙誠の死後、領地は3つに分割され、城はたった9年で廃城。これでは城を中心とした町
        づくりもできなかったと思います。

         ということで早々に象潟・九十九島巡りに向かいます。

       

        で、上の画像が天然記念物「象潟・九十九島」なのですが、これも想像力が必要かと
       思います。
        もともとこの一帯は海でした。そして2500年前に鳥海山が崩壊し、岩なだれとなって海
       を埋め、小さな島々を形成したというのが、九十九島、八十八浦と呼ばれる象潟の地形
       なわけです。
        芭蕉が見た風景は、上の画像で田んぼになっているところを、すべて海に置き換えた
       ものに近いと思います。

       試しに上の画像を海の画像と合成してみました。
       

        ちなみに観光パンフレットには田植え前の航空写真が写っているのですが、今ではそれが
       いちばん昔の風景に近いかもね。(水の入った田んぼが、まるで海のよう)
        現在の地形に変わったきっかけは江戸時代の後期、1804年の震災でした。そのときの隆起
       によって一帯は干潟となったと伝えられます。



12:10
 九十九島のなかにある蚶満寺、建てられたのは853
年のこと。(拝観料300円)
       
     


          昔からこのお寺は九十九島、八十八潟の風景鑑賞の地として有名だった
        ようです。今でこそ完全に平地の上にあるお寺だけど、江戸時代の半ばまで
        は海に浮かぶ寺で、芭蕉も船でこの寺にやってきたそうです。

        

         山門は江戸時代中期に建てられたもの。そのほかに親鸞聖人のご腰石、北条時頼公のつつじ、
        芭蕉の句碑・・・、こちらのお寺にはたくさんの文人墨客が訪れ、その歴史遺産が多く残っています。

        

        

        

         江戸時代の震災の後、当時の本荘藩は干潟となった象潟から完全に水を抜き、このような水田に
        変えてしまいました。
         ただ当時の蚶満寺の住職は命がけで九十九島を守ろうと考えていたようで、様々な抵抗を試みた
        ようです。ただ結局はそれも敵わず、捕らえられ獄死したと伝えられます。
         当時お米はお金と同じ、水田が必要だということもよく分かるけど、結局はどっちが正しかったの
        かな。

        

12:50
 ちょっと歩いてお腹が空いたのでお昼にします。暑
くってたえられないので、お昼は冷やし中華が食べた
い! で、迷うことなくこのお店に入りました。
 キムチの入った冷たいラーメンとつけ麺をオーダー
したのですが、こんなところで、といっては失礼かもし
れませんが、こんなに美味しいラーメンは久しぶり。
(いつになるか分からないけど) また来ます!
       
     



       13:20
        午後になって更に暑くなり、もう歩くのは嫌になってきたので、この後は
       車で移動することにします。
        涼を求めて鳥海グリーンラインで仁賀保高原へ、こころもち涼しいかな?
        九十九島が見えます。ぽこぽこした森はみんな鳥海山からの噴出物や
       流出物だね。昔は見えている田んぼがみんな海だったわけで、旅人は今
       の松島のような風景をここに見ていたんだろうね。

       



        鳥海山の周辺にはたくさんの湖や湿原があるのですが、ここ冬師山もその
       一つ。ガイドブックには出ていない湿原ですが、全くの手つかずで素敵な風景
       でした。

       

       

         こういった起伏も鳥海山の火山活動によるものらしいです。鳥海山から崩れ落ちたり、
       噴出物したものが凹凸をつくり、そこに水がたまったということです。

       

       



  14:25
 矢島花立牧場公園。ちょっとだけ休憩し、アイスと水
分を補給。ここにはキャンプ場やコテージなどの施設
も整っているみたいです。
 

      

 この日は屋外コンサートなんかが催されているよう
でしたが、自分たちの場合、どうしてもあと1ヶ所行き
たいところがあるので先を急ぎます。
       
 買った鳥海山の水美味しいです。
 自然水ということなので、鳥海山に降った雪解け水が
天然のフィルターで濾過されたものってことかな。



        最後の目的地は法体の滝、他にも回りたいところはあったのですが、6時までに
       宿につくには時間的にもうぎりぎり。しかも途中通行止めが2カ所あって迂回を繰
       り返します。
        延々とブナの原生林が続く、山岳の細い道・・・、本当に着くのかな?

        

        鳥海山がすぐそこに見えます。
       



       15:35
        やっと尽きました。こちらが法体の滝です。(高さ57m)
       

        滝の背後には高さ50mに及ぶ巨大な一枚岩があって、滝はその岩を乗り越えて流れ落ち
       ています。この巨大な岩は鳥海山のつくったもので、もともとあった川の流れをせき止めて
       いるということです。
        法体の滝の命名はこの地を訪れた弘法大師によるもの。またこの滝で映画釣りキチ三平
       のラストシーンも撮影されました。

       



  17:00
 宿に向かう前に1ヶ所だけ寄り道。
 こちらは仁賀保駅のすぐそばにある飛良泉本舗です。
1487年創業、現存する酒蔵としては日本で3番目に古い
由緒ある蔵です。
  
       
   
       
   あいにく休業日だったので、見学等はできませんでし
たが、幸い近くの酒屋さんで、その限定品を入手するこ
とができました。
 硬水の仕込み水を用いた山廃づくり、酸味の強い独特
のお酒でした。
   



17:50
 本当は羽後本庄の駅近くに泊まりたかったのです
が、さすがにこの時期の土曜日に予約がとれるわけ
もなく、お隣、西目駅前の旅館に宿泊となりました。
(素泊まり1泊3000円はありがたい)
 ただ問題は近くにコンビニが1軒あるだけで、他に
は何もないことです。

        コンビニの食事だけではあまりに寂しいので、荷物を置いてお買い物に出かける
       ことにしました。
        ちょうど日本海に日が沈む時間帯、思わず車を止めて撮影します。

       



       



       



        風が止まった・・・、静かな夕暮れ。

       

       赤く染まる鳥海山。

       



   赤く染まるマックスバリュー・・・。
 車で5分ほど走ったところにありました。このモール
で全てがそろいました。



 この日、なんか適当に食べて飲んでテレビ見てたら、
疲れていたようで、すぐに寝ちゃいました。
 



8.21
(日)
 
5:50
 翌日、西目駅周辺をお散歩。今日も晴れみたいです。
おかげで暑い日になりそうです。
 

       

        たくさんの案山子が、駅の東側の大きな木造倉庫の前に飾られていました。

       

       



6:40
 車で由利本庄の市街地に移動しました。
 こちらは本荘城址(本荘公園)、もともとは最上氏の
居城だったところです。

        北西の方角から見る鳥海山。こうやってみると本当に高低差のない、なだらかな火山だね。

       

       本丸内にある本荘神社。
       

        多目的施設の「本丸の館」。ここから街を見下ろすことができます。
     

       



  7:40
 城から歩いて羽後本荘駅へ。
 今日はここから由利高原鉄道に乗って、矢島という
地区に行ってみます。

 由利高原鉄道はもともと国鉄矢島線でしたが、現在
は第3セクターで運営されています。
 ラッピング電車が有名で、これまでにゆりてつ、釣り
キチ三平、宇宙戦艦ヤマト、最近では池田修三など
がそのテーマに選ばれています。
 
       
 こちらは羽後本荘と矢島間のフリー乗車券綿です。
(1100円)




       7:46発矢島行きが入線しました。
       

 乗るのは通常列車、池田修三のラッピング車両は
定期点検中みたいです。
 矢島までは40分の旅になります。乗客は自分たち
を含めて5~6人といったところ。営業的にはやはり
厳しいんでしょうね。



        鳥海山、そしていちめんの田んぼ。
       

                           ▲ 車窓風景
        こちらの画像をクリックすると動画が見られます。ちょっと重いので、いったん動画を
       保存していただいた後に再生していただくと、スムースかも。



        コンパクトで新しい車両です。
        座り心地の良いクロスシート、冷暖房完備、トイレ付き、乗り心地よしの◎です。

      

        テーブルがひろくっていいです。乗客も少ないので堂々と娘も一緒に旅行を楽しんでます!
       鉄道趣味はいろいろあるらしいけど、「乗せ鉄」は自分以外には、なかなかいないでしょう。
       (「乗せ鉄」=お人形を鉄道に乗せて喜ぶ趣味)
       

        途中駅です。由利高原鉄道のサポーターが駅を整備しているんだそうです。
       

       鉄橋。
       

  8:07
 前郷駅ではタブレット交換が行われます。
 タブレット交換をする駅は、日本で4つだけが残って
いるようですが、そのうちの一つがここ。
                   ▲ タブレット交換
 前沢駅到着のシーンです。駅員がタブレットを持って待ってます。
 

        どこを見ても田んぼ、森、青い空。
       



8:25
 矢島駅に到着です。
 いろいろな方が訪れているようで、色紙がたくさん飾っ
てあります。由利高原鉄道の本社もここにあります。

         駅自体が、ちょっとした由利高原鉄道の博物館になってます。
       

        

        過去のラッピング電車の資料とかその写真、Nゲージなんかがありました。

       



      とっても暑いのですが、次の羽後本荘行きまではあと1時間あるので、町中を散策します。
        レトロな建物がいっぱいあります。

        

       

        矢島も元々は城下町。このひまわり畑のあたりが八森城址だと思われます。
        平城でその痕跡もほとんど残っていないので、案内表示がなければ全く分か
       らないですが。
       

        矢島藩の重臣だった佐藤政忠の居宅。明治2年につくられたものだそうです。
       

         涼しい顔してますが暑いです。しかも今日は完全な無風です。

     



9:10
 龍源寺です。茅葺き屋根の茅の厚さが1mぐらい
あってすごい。
(国の登録有形文化財)

       

        お城の東側が旧街道だったようで、ここに古くからの商店が建ち並びます。
       和菓子やさん、呉服屋さん、そして酒蔵(天寿酒造)。
        お祭りが近いようで、その準備をしてました。

        

       



9:45
 戻ってきたら矢島駅の売店が開店してました。
 こちらのまつこさんのお店はけっこう有名みたい。

       
 Nゲージの車両販売はなかったです。限定品があっ
たら絶対に買うのにな・・・。
 がっかりしてたら、ピンバッジを連れが買ってくれま
した。



       9:56
        帰りはアテンダントの乗車する「まごころ列車」です。先頭にそれを知らせるエンブレムが
       ついてます。
       

       

 アテンダントは由利高原鉄道沿線の情報や様々な
逸話を教えてくれます。

 こちらは旧鮎川小学校。(国の登録有形文化財)
 今は様々なイベントで利用されているそうです。
ここで結婚式をあげたカップルがいるそうで、そのとき
由利高原鉄道では「 結 婚 お め で と う 」とい
う文字を窓に貼り付け、列車を走らせたそうです。



       11:03
         まごころ列車は10:37に羽後本荘駅に到着した後、折り返し矢島行きとなるようです。
        ということで自分たちはこちらにも乗車することにしました。(2往復目)
         目的は曲沢駅の風景を撮影すること。この駅がいちばん由利高原鉄道らしいです。

       

                           ▲ 曲沢1
         こちらの画像をクリックすると動画が見られます。1往復目の帰り道です。


         曲沢の隣の前沢駅では必ずタブレット交換が行われるので(上り下りがすれ違うのは、基本的にここだけ)、
        待ち時間7分ですぐに逆方向の列車に乗ることができるのです。
                 羽後本荘     曲沢      前沢    矢島 
        列車 7D     10:37  →  11:03  →  11:07 → 11:25
        列車 10D     11:27  ←  11:10  ←  11:07 ← 10:46
                                    └ タブレット交換のため必ず同時刻

        とえらそうに書いてますが、実は最初に乗ったとき、カメラを持ったおじいちゃんと孫がそれを実践したのを見
       て気づきました。

        曲沢到着、7分間でばたばたといろいろ撮影します。
       

        鳥海山を望む南の風景。
       

       西。
       

       北。
       

       東、これから乗る車両がかすかに見える・・・。
       

                           ▲ 曲沢2
         こちらの画像をクリックすると動画が見られます。列車の到着シーンです。



       

        秋田や山形って米どころとして有名だけど、鳥海山からの水と栄養のおかげだねって
       気がします。

        まごころ列車では、車内販売ありです。手ぬぐい買いました。しおりの方は「まごころ号」
       乗車記念としてアテンダントからいただくことができます。
       



 羽後本荘に戻ってきました。
 市内の中心にひときわ目立つ現代建築があります。
こちらは文化交流館カダーレといって、中には物産館
のほか、図書館や文化ホールなどの施設もあります。
     
   
       
 たまたまここの物産館で「雪の茅舎」(斎彌酒造店)が
あったので購入しました。
 さらりとした純米吟醸でバランスが取れています。
 飲みやすく・・・、飲みあきしない・・・。つまり飲み過ぎて
しまいそうな美味しいお酒です。




12:10
 お昼にします。今日は比内鳥、と思っていたので、
「とり*:とん」という看板に惹かれ、これだ!と思って
この店に入りました。
 でも勘違いでした。こちらは広東麺をイチオシにする
ラーメン屋さんでした。(おいしかったけど)
       
       



        お天気も思ったより良かったし、(良すぎて暑い) 旅も順調にすすんでいるので、
       秋田市内に向かうことにしました。こちらにはちょっと見てみたいと思っている場所が
       あります。


13:50
 まずは資料収集のために秋田県立博物館へ。
 (入館無料)








 博物館なので、秋田県内で発掘された古生物や
昔の人々の暮らしと歴史の展示があります。

 ここの古生物の化石の展示はけっこうすごいね。

      

      博物館の主催する藍の絞り染め作品展、あと昆虫展も開催されてました。
        

         ということで、若干の予備知識と資料を得たところで、次に秋田城に向かいます。
         秋田城というと秋田の市街地にある城を思い浮かべる方も多いのでしょうが、そ
        ちらは戦国以降の城で、これから向かうのは8世紀に大和朝廷が設置した古代柵
        (塀に囲まれた古代の城)のことです。
         ちなみにこちらの秋田城はガイドブックに出ていないので、場所を探すのに一苦
        労しました。



       15:00
        秋田の市街地から北に4kmほどのところに秋田城はあります。
        古代柵と呼ばれるものとしては、ほかに払田の柵なんかが有名です。

     

       

        

        秋田城は、733年に廃止された出羽柵が移転してきたのがその始まり、当時朝廷が
       設置した城柵の中では、最も北にありました。
        城自体は550m四方、そのなかには平氏の住居や倉庫、政庁などがありました。

        

        秋田城は奈良から平安時代にかけて置かれていた最大規模の地方官庁で、蝦夷の
       人々の住む北方進出の拠点でした。少なくとも878年に起こった蝦夷の人々による反乱
       を経て10世紀ぐらいまで機能していたとされます。

       

        それで自分がすごいなって思うのは、基本的にこの12m幅の道が、はるか1000km以上
       も離れていた平城京や平安京につながっていたという事実。本当にすごいと思う。
        ここが東山道の終点かと思うと、ちょっと感慨深いです。

       
                         ▲当時の五機七道の行政区分と整備された街道

        国を豊かにするためには支配地域の拡大が重要で、朝廷は関東までだった支配地域を
       北へと延ばした。蝦夷の人々の住んでいた地に古代柵をつくり人々が移住。8世紀には秋田
       に進出し、ここが最前線になった・・・。というのがその歴史的な概要。
        これ以降、更に北に古代柵は作られなかったのですが、これ以上北では気候的に米をつく
       ることができず、土地を所有する意味がなかったということかもしれません。

        秋田城は10世紀ごろまで、交易や政治の中心と来て機能していたので、少なくともこの間は
       頻繁な都との人や物資の移動もあったはずです。
        以前は東北地方に多く残る小町伝説は単なる作り話とも思っていたけど、だとすれば充分に
       その可能性はあるなと思えてきました。

       



       15:40
        幸い、秋田市内に宿が取れたのでもう1泊することになりました。
        (まあ日曜日なので大丈夫だとは思っていましたが)

        こちらは秋田の市街地にある日吉八幡神社。創建は平安時代以降。三重の塔は
       1707年に建てられたものと伝えられます。
       

       

       町のなかにあるのにここだけ空気が違う感じです。ここもパワースポットかな?
        



17:00
 今晩お世話になるアーバンホテル秋田。
  (2人で6800円!)

 荷物をおいてあたりを散策します。

        

        赤レンガ郷土館です。資料館・美術館として使われています。
       

        旭川
。この川の周辺に歴史を感じる建物が多いです。
       

       

        竿灯祭りの行われる竿灯通り。幅30mぐらいあります。
       

        繁華街。日曜だからか人が少ないです。
       



17:30
 ぐるぐる回って、結局こちらのお店に入ることにしま
した。
 ガイドでも紹介されているお店で、秋田の郷土料理
なら何でも食べられるみたいです。

        まずはお刺身盛り合わせ、岩ガキ、だだちゃまめ。
       

        乾杯! みんなで反省会です・・・。
       

        店内のおともだち、なまはげ。古民家から移植した家具類が良い感じ。
        

 比内鳥、いぶりがっこ、はたはた・・・、頼みすぎ!
 でもこのお店美味しい。
       

      19:00
        満腹。充分に満足です。
       

       



8.22
(月) 
5:15
 翌朝は城下の雰囲気の残る地区から久保田城まで
お散歩しました。
 下は旧金子家住宅。この保戸野通町あたりは、なか
なかにレトロです。


        

       

       



 久保田城、佐竹氏20万石の居城です。
 石垣も天守閣もなかったというのが、この城の
特徴。質素、倹約ということなのかな。
     
 

        夜明けですね。早朝のお散歩をされている方は多かったです。
       
>
 ちなみに天守や御殿はないものの、隅櫓(武器庫)
は一般公開されていて、なかは資料室と展望台が
になってます。
(入館100円、もちろん時間外なので自分たちは入っ
ていないです。)



         大手門の堀は今まさに蓮が見頃。
       

       

       


        さて一日は始まったばかりだけど、旅はこれでおしまい。
        だって明日は仕事、これから700km移動しなきゃんだもの。おまけに台風はこれから関東に
       上陸するって話だし・・・。
        でも昔の人が都から1ヶ月もかかってやってきたことを考えたら、このぐらいたいしたことじゃ
       ないかもね。



2016.9
camera:Canon Power shot G7X / graphic tool: Digtal Photo Pro. + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10




                   サイトのトップページにとびます