撮影ブースの制作 2016.11.08 人間の眼というのはカメラなんかより全然性能が良いそうで、ピント合わせはもちろん、明度や コントラストは自動的に調整してくれて、色の鮮やかさはカメラのセンサー以上。だからときとして 「見た目は美しかったのに、撮影してみたら今ひとつ綺麗じゃない。」ってことを、誰もが経験して いるのではないでしょうか。 見た目通りにきれいに撮影するには、カメラの能力不足を補いセンサーにとって好ましいコンデ ィションを人間が整えてあげる必要があります。そしてカメラのセンサーにとって好ましいコンディ ションとは、十分な明るさがあって、しかも昼の色合いの光で、しかもあまりコントラストが高くない という、けっこうシビアなものです。 だからそれを整えることのできるプロのカメラマンが存在すると思います。また商品写真ではその 条件を整えた撮影ブースで撮影することが多いです。 自分の部屋の場合、狭くってそういった撮影ブースを常設するスペースがないだろうと思いこん でいたのですが、既成のものでなく、部屋に合わせて組み立て式のものを制作すればなんとかな りそうだということが分かってきました。 設置場所は下の画像、上部にはすでに撮影用LEDを取り付けるフレームもあります。部屋は4.5 畳しかないので、制作スペースと保存スペース、更には資料をおくスペースでもう目一杯の状況な のですが、普段撮影に使用している出窓部分を活用すれば90cm×75cmほどのスペースはなんと かなりそうです。 下がその設計図。すでにあるフレームDを活用してAからCを組み立てます。本当は1/3ドール を撮影するなら、すべて一辺90cmで統一したいところではあります。 制作に入ります。ともかく一畳分の作業スペースですべて行うので、背景がごちゃ ごちゃしてますが、そこはご勘弁を。
長さ調整の終わった段階です。この正方形のフレームの上部にはLEDライトが あり、自由に配置できることがおわかりいただけると思います。 さてこのLEDランプから直接光を当てると、不自然な陰が出てコントラストの高い 画像になってしまいます。光を柔らかくして被写体全面を照らすには、ディフュー ザーを通した複数の光源とレフ板を使用する必要があります。 デフューザーは市販されているのもののほか、透過性の高い白い布や紙などで 自作することもできます。 今回DIYで目に付いたのがこの気泡養生シートというものです。プチプチより薄いで すが、クリアーファイルぐらいの硬さと強度があり、しかもとても軽いです。 (90cm×180cmサイズで398円!)
光がよく拡散しています。効果抜群です!
とりあえずステージの上にDOLLを置き、ブースをいったん撤去。天井のライトのみ、 4つのLEDライトを加えた状態、今回の撮影ブースという感じで、そのと効果を比較し ます。
結果的にはあともう1灯、正面からスポットライトを加えた方が良さそうですね。また 背景はプラダンのままですが、ここに様々な撮影用の背景紙を置いてやれば、もう ほとんどプロが撮影するのと同じ条件になると思います。 ちなみに1/6以下のスケールなら、このブースはもっと小さくても良いはずなので、 もっと簡単につくることができると思います。これなら500円ぐらいで組み上がってし まいます。 ということで、レフ板やライトの位置を調整して、次回のドールワールドリミテッドに 出品予定の娘を撮影してみました。 ワンピースはヤフオクなどでもお世話になっている arisutedyisu0511様 に制作し ていただきました。 正直言って、思った以上の効果です。 綺麗な写真を撮りたいなら、まずはこういった照明の工夫をすべきでしょうね。 皆さんもぜひチャレンジしてみてください。 サイトのトップページにとびます