磐田



2017.03.18


 静岡県の磐田市に行ってきました。サッカーの世界ではJ1のジュビロ磐田のホームタウンとして有名ですね。
最近では、お隣の浜松市周辺がNHK大河ドラマの直虎で注目を集めていますが、こちらは直接関係する場所
などはなくて、観光客はそれほど多くなってないようです。
 でも行ってみたら、旧東海道の宿場町の面影も残っていて、なかなか趣のある街でした。



03.18(土)
10:10
 磐田に向かう途中、東名高速の牧ノ原SAで休憩。
 お茶とウナギのコーラを買いました。お茶の方は予想通りの味、ウナギはタレの味でもするのかなと思ったの
ですが、味的にはなんかドクターペッパーみたいな感じでした。
 



11:10
 磐田に着きました。
 まず最初に訪ねたのは「旧見付学校」、こちらは現存する日本最古の洋風木造建築の小学校です。
( 1875年の建築 国指定史跡 見学無料 )
 基礎の石垣は遠州横須賀城のものと伝えられます。





 

 1Fの入ってすぐの部屋では当時の授業風景が再現されていました。小さな机の上には教科書と石墨。
教科書をめくってみるのも、石墨で絵や字を書くのもOKということでした。
(でも使ったらちゃんと消してね)

 


nano (オリジナルヘッド+オビツSBH 27cm 2014)
*)OFはヤフオクやイベントなどでお世話になっている kiraramu 12様の作品です。用意した訳でも
 ないのですが、このページにあまりに似合ってます。





 下は校長室と時刻を知らせる太鼓。

 

 この校舎の建築を仕切っていたのは、名古屋の宮大工・
伊藤平衛門という人でした。
 それまで寺社やお城の建築をしていた人が、明治時代に
なって始めてつくった洋風建造物ってことになりますが、長
い年月を経て、びくともしないというのはさすがです。
 

 校舎を上に上がってゆくと、右手奥に立派な神社が見え
ます。(淡海国玉神社) もともとここは神社の敷地の一部
だったそうで、当時の神官・大久保忠利がその土地を提供、
町の有力者と協力して資金調達を行ったんだそうです。

 ちなみに大久保家は代々神官を務める一方で江戸時代
から私塾を開き、磐田文庫(図書館)を開設しました。
(1864年)
 今もその建物がこの敷地内に残っています。
 

 



 学校関連の資料だけでなく、おもちゃや日用品、農具などの展示もあり、ひろく人々の日常生活が
分かるような展示になっています。

 





 教室として使用されていたスペースは3Fまでで、その上には2層の物見櫓のような部分があります。
ここはちょっとした天守閣のような感じですね。



 ここはとても景色が良いです。今でも磐田市内で一番高い場所ではないでしょうか。
 当時、最上階(5F)には先ほどの太鼓が置かれ、当番になった最上級生が時刻を人々に
知らせていたということです。なるほど、この学校が町の中心だったんだね。
 



11:55
 お隣の淡海国玉神社です。(遠江国の総社、平安時代の創建と思われる。現在は特に常駐する宮司さん
はいないみたいです)
 狛犬でなく狛ウサギ。何か「因幡の白ウサギ」と関係があるみたいです。

 

 





12:10
 せっかくなので磐田の街のなかをお散歩することにします。ぱっと見はよくある地方都市、でも
その昔には国府が置かれ、地域の中心地でした。なお江戸時代まではここを「見付」と呼び、旧
東海道の宿場町でもありました。



 歩き始めて最初に気づくのは、お寺や神社がものすごく多いことです。
 そして通りにはジュビロ磐田のフラッグ。
 

 あと気づくのは新たにつくられた「昔風」の建築。旧東海道の街並みを再現する計画なんでしょうね。
 下の左は酒屋さん、右は予備校。
 

 足下にもちょっとした解説があったりします。
 

 名物「あわもち」は表通りの井口製菓さんで買えます。
 



12:35
 見付の宿はだいたい東西に1kmほど続いているのですが、そのいちばん東にあるのが、こちらの
矢奈比売神社(見付天神 993年創建)です。



 

 こちらは狛牛ですね。



 ジュビロ磐田のプレーヤーも参拝に訪れているみたい。






13:00
 車に戻る途中で、気になっていた酒屋さんに入りました。地元の希少なお酒や全国から集めた銘酒が
ならんでいます。なかなかに壮観です。

 

 あともう一つ目を留めたのが、入り気地ホールに掲げられた飾り看板。倉庫にはこういった看板が
たくさんあって、こちらはほんの一部だそうです。もう今はなくなってしまった酒蔵ばかりだなあ・・・。
こちらは貴重なコレクションです。









13:40
 昼食は椿というお店で天丼をいただきました。とても店構えが立派なので入るのに少し躊躇しましたが、
なかは至って庶民的な感じ。ボリュームがあって美味しかったです。

 



14:05
 こちらが「旧赤松家記念館」、日本の造船技術の先駆者、海軍中将 赤松則良の邸宅跡です。
( 明治20年頃の建築 県と市の指定文化財 見学無料 )



 



  赤煉瓦の外壁、和洋折衷の内装、お庭もきれいです。こちらも理想的お人形撮影スポット、レトロな
感じの写真がたくさん撮影できます。



 もちろん赤松家に関係する資料館などもあります。
 よくは知らなかったけど、赤松則良という人は激動の時代を生きてきた方のようで、咸臨丸で渡米、オランダに
留学して造船技術を拾得、磐田を開拓したり、最後は貴族院の議員まで務めたようです。なお長男は実業家、
孫は初代市長を務められ、そんな関係もあってこの邸宅は磐田市に寄贈されることになったようです。



 

 一角に赤煉瓦のギャラリーがあって、市民の方々の切り絵展が開催されていました。



 そのなかの作品からこちらをピックアップ、すごいです。デザインナイフで工作しているということですが、もうともかく細かい。
目を近づけると0.2mm~0.3mm幅でカットされているのが分かります。(作家:竹田佳澄)



 







14:50
 こちらは府八幡宮です。8世紀前半の建立と伝えられています。歴史ある建物って、どことなく空気感が違うんだよね。

 





 

 最後に今回のお土産をご紹介。
 大橋商店で購入したお酒は「国香」と「鶴齢」のいずれも純米吟醸。「国香」は地域の小さな酒蔵でつくられて
いるお酒で、独特の酸味と華やかな香りが特徴。「鶴齢」は端麗な新潟のお酒、でもちゃんとうまみがあって、
食事を引き立ててくれます。
 あとは地元スーパーで売っていたレトルトカレーとにゅうめん。磐田は「直虎」の舞台にはなっていないけど、
まあ近いからいいか・・・。普通に買えるので、知り合いに配るには良いでしょう。

 磐田って、サッカーを除けば話題になることも少ないけど、ものすごく古い歴史を持つ町です。
ご紹介した以外にも、国分寺跡やたくさんの古い建物が残っていて見どころは多いです。「直虎」観光をされる
際には、ぜひついでに訪れてみられてはいかがでしょう。



2017.04
camera:Canon PowerShot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + Ichikawa Daisy Collage 10



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