西伊豆・下田



2017.03.30~03.31


 久しぶりに泊まりがけでお出かけしました。今回は伊豆の西半分をまわって下田に至ります。
景色はもちろん、おいしいものも食べてきました。
(お花の記事の更新を優先していたら、旅行から1ヶ月が過ぎてしまいました・・・。記事として
少し古くなってしまっていることを、ご了解ください)



03.30(木)
6:45
 東名高速から伊豆縦貫道を乗り継いで伊豆半島に入り
ました。国道414号線沿いにある道の駅「伊豆のへそ」で
本日最初の休憩です。最近改装されたばかりのようで、
なんとハワイアンのテーマパークまでありました。
(といってもまだ早朝で、トイレしか開いてなかったけど)

 背後の荒々しい山が印象的です。
 伊豆半島はこういった地形が多いのですが、それはもと
もと南洋の火山島だったからです。それがひょっこりひょう
たんじま(古い)みたいに移動して、現在の位置に納まった
ということです。



7:40
 修善寺から西に向かいます。こちらの風景はだるま山高原から沼津方面(北)を眺めたところ。



 空気が澄んでいれば富士山まで見えるらしいですが、この日は霞んでいて見えなかったです。
お天気は下り坂、明日の昼には雨が降るというので、今回の旅は時間との勝負です。

 戸田峠にある「ごぜ観音」です。



 その昔、歌い踊る盲目の旅芸人を「ごぜ」といったそうですが、その旅芸人一座がこの峠あたりで大雪に
見舞われ、皆亡くなってしまったそうです。
 その後、村人たちがが旅の安全を願ってここに観音様をお奉りしました。



8:30
 このあたりは伊豆の屋根、とても景色が良いです。高い木もなく見通しも良いです。
 こちらはいちめん笹におおわれた達磨山、眺望が良さそうなので登ってみることにしました。連れは「山登り
だなんて聞いてない」などと文句を言ってましたが・・・。



 登り15分ぐらいで山頂へ。




nano (オリジナルヘッド+オビツSBHボディ 27cm 2014 )


sayaka (オリジナルヘッド+オビツSBHボディ 27cm 2015 )

 駿河湾が一望できるね。眼下にはこれから向かう戸田の港がよく見えます。





9:25
 県道を一気に降りて戸田までやってきました。こちら御浜岬公園で2回目の休憩です。あと
今回はご縁がなかったけど、戸田と言えばタカアシガニや深海魚が有名ですね。



 公園内にはイヌマキの森(県指定天然記念物)がひろがっています。
 (といっても何か感動的な景観があるわけでもないですが)

 

 その森の中にある諸口神社ではネコが集まってひなたぼっこしてました。君たち暇なんだね。

 







10:15
 ちょっと進むといちめんのレンゲ畑。伊豆って起伏が多いので景観もめまぐるしく変わります。







10:30
 海岸線を南下します。
 こちらは旅人岬。海の透明度がものすごく高いです。

 



10:50
 土肥に到着。
 こちらは松原公園にある花時計です。1992年に世界一の大きさを誇る花時計としてギネスに認定されました。
植えられている花はおよそ1万本だそうです。



 公園内にはあちこちに彫刻が置かれています。

 

 伊豆では定番のわさびソフトいただきました。あといくつかおやつも仕入れます。
 



11:20
 こちらは観光名所になっている恋人岬。でも駐車場からけっこう下ったところにあります・・・。帰りはこれを
登らなきゃいけないかと思うとちょっと心が萎えちゃう。



 3回鳴らすと恋愛の願いが叶うというラブコールベル、そして銅像も愛し合う二人をモチーフにしてます。
でももう自分には関係がない、か、な・・・。

 





12:30
 堂ヶ島着。
 ここを発着する遊覧船に乗ってみました。(いちばんお手頃な洞くつ巡りコースは20分で1200円)

 

 小島の間を縫うように遊覧船がすすみます。下右は三四郎島、干潮時には歩いて渡ること
もできます。

  

 ここがいちばんの見どころになる天窓洞、ぽっかりと開いた岩から太陽光が降り注いでいます。

 



 堂ヶ島の港を一望できる遊歩道があるので歩いてみました。本日2回目の山登りです。
なかなかの絶景です。



 先ほどの天窓洞を上から見ることもできます。





13:40
 松崎町に着きました。こちらは伊豆の長八美術館。鏝絵の名人と言われる入江長八の作品が50展ほど
展示されています。(近隣の博物館等3館共通入場券700円)
 とてもすばらしい作品が展示されていたのですが、撮影禁止でお見せできなくて残念です。





1405
 伊那下神社。正面にあるのは樹齢千年を越える親子いちょう(県指定天然記念物)。それほど大きな神社
ではないのですが、池があったり橋が架かっていたり、木彫がたくさん彫られていたりと、なかなか変化の
あるお庭が印象的です。

 





 そのまま町のなかを散策します。このあたりお家はどこもお庭にお花がたくさん、そしてなぜかここにも彫刻が
たくさんあったりします。町全体がアートしてるね。

 

 こちらは松崎町観光協会。
 もともとは近藤家という旧家の建物で江戸時代末期の建築だそうです。歴代の当主のなかでは、近藤平三郎という
方が薬学の分野で多大な業績を残した人としてよく知られているみたいです。



 南側からの眺めです。このアングルは観光ポスターにも使えるね。







 小さいけどこちらのお庭が好き。古いお家もたくさん。

 



14:25
 川の向こうにあるのは大正13年に建設された時計塔です。



 時計塔のなかから見上げると天井に鏝絵が刻まれています。



 その裏手にあるのが明治商家中瀬邸(共通入場券)。明治中期の建物で中は資料館になっています。

 

 蔵がジオパークのビジターセンターになっているんだけど、この扉の鏝絵がまたすごいね。この躍動感て
なかなか出せないと思う。



 もともとこちらは明治20年に建築された呉服問屋だったそうで、当時の店先がそのまま残っています。

 





14:50
 こちらは伊豆文邸(明治43年建築 入場無料)、こちらも
もともとは呉服商を営んでいたそうです。
 昔の雛人形がたくさん飾られていました。

 

 





15:20
 明治12年建築の岩科学校。外観は洋風建築に見えますが、なかはいたって日本風の木造校舎です。
現存する学校建築としては日本で3番目に古いものだそうです。(国指定重要文化財 3館共通入場券)



 この正面の額は時の太政大臣三条実美の書をもとに入江長八が彫ったものと伝えられます。



 リアルな授業風景。
 

 当時の生活なんかも再現されています。

 

 二階の講堂には入江長八作の千羽鶴が刻まれています。鏝でこんなに繊細な絵がよく描けるな・・・。



 ちなみにこの岩科学校のお隣には廃校になった小学校がありました。鉄筋の校舎でまだまだ使えるように
見えるましたが、この地域では人口減少が続いていて、もう維持してゆくのは難しかったんだそうです。



16:05
 再び南下します。伊豆半島の先端、石廊崎が見えてきました。



 あいあい岬から見る石廊崎。原始の地球を思わせるような荒々しい風景。
 時間帯と天気次第だけど、この周辺ではここがいちばんの絶景ポイントだと思います。







17:25
 今晩お世話になる南伊豆町の「なごみ詩」です。一日三組
限定、料理自慢のお宿です。
 特別歴史があるとか、絶景が眺められる訳ではないです
が、とても清潔感のあるお宿です。

 夕食まで時間があるので、チェックインしたあとにお散歩。もう30秒歩くと海岸です。

 

 左は古風な喫茶店。右は公共の温泉でその前には酒屋・・・。このシチュエーションだと間違いなく
風呂上がりに一杯って感じだね。このトラップから逃れるのは困難と見た。

 



 楽しみにしていた夕食です。メインのお料理は9品。でもその一つ一つが芸が細かくてすごい。お刺身
だけで7種、先付けだけで8種、そしてアワビやキンメ・・・と続きます。

  

 和風料理だけじゃなくって、アサリと魚の蒸しもの、グリルチキンも出てきた。出てくるものみんなおいしい。
オーナーはやはりどこかの一流店で修行されたのかな?

 

 もう十分に満足しました。こんなにおいしいものは久しぶりに食べました。
 おやすみなさい・・・。







03.31(金)
05:40
 海岸をお散歩します。
 夜明けです。でも今日は雲がちょっと厚いね。







 お散歩のあとお風呂に入りました。もちろん温泉です。しかも露天風呂。



 お人形も連れて行ったけど、お湯には入れてないよ。塩泉なので本当にいれちゃうと、金属部分が腐食
してしまうので。

 こちらのお宿「なごみ詩」はほんとうにおすすめです。食事もおいしいし、清潔感も120%。こちらにまた
来ることがあったら、必ず宿泊すると思います。(楽天トラベルで知りました。ちなみに評価は5.0!)



8:55
 下田方面に向かって出発です。
 しばらくして突然いちめんの菜の花畑がひろがります。なかなかこの規模のものはないと思います。青空
でないのが本当に残念です。
 今日は昼から雨の予報なので先を急ぎます。







9:40
 下田に到着。道の駅に車を止めます。
 帰りにこちらで海産物などを買って帰りました。

 市街地の散策を開始です。まずは漁港、そしてひもの通り。

 

 なまこ壁、レトロな看板建築。

 



 平井製菓、老舗の和菓子店です。でも下田あんパンが名物ということなので、おやつに買いました。

 

 日新堂菓子店。三島由紀夫が好んだマドレーヌとレモンケーキが有名。
 



 こちらのホテルのホールをのぞいたら、たくさんのフラワー
アレンジメントが飾ってありました。
 完成度が高いなあ・・・。


 



 ペリー通りです。下田で市街地の観光といったらここですね。

 



 明治以降の建物の多く残るレトロな街並み。下右は安直楼、唐人お吉が営んだ料亭と伝えられます。

 





 下田石の蔵と壁、そして柳の組み合わせが実にいいね。
 





 旧沢村邸。なまこ壁と下田石という特徴的な下田地区の建築です。当主だった沢村久右ヱ門は
下田町長も務めたという人物。
 下右のテーブルは直径1mほどある一本の木をくりぬいてつくったもの、すごいね。
 こちらの施設は無料休憩所なのでどなたでも気軽にお使いいただけます。

 



 通りに大砲が置かれていたので座らせてみました。(1829年製 30ポンド砲)







 下田は幕末の開港の地、たくさんの歴史遺産が残っています。
 次に下田城に登ってみることにしました。遊歩道入口の小さな公園にはペリー艦隊上陸の碑、途中に
写真家 下岡蓮杖の碑があります。
 下岡蓮杖は日本で最初の写真館をつくった人ですが、当時のモノクロ写真にうすく油絵の具で色づけ
した写真は大評判になったそうです。

 



 20分ほど登って本丸に到着。
 この下田城は豊臣氏に対抗する北条氏によって整備されましたが、結果としては50日間の籠城の後に落城
することになります。



 こうやって下田の街を眺めると、特徴的な円錐形の山がいくつか望めます。これは「火山の根」といって、
もともとは火山の噴火口だったところです。



11:00
 下田城跡でさっき買ったあんパンを食べました。すごく素朴
で懐かしい味でした。



11:25
 城址を降りてきて、ペリーロードに戻ります。ここで「風待」
という古風な喫茶店に入りました。
 こちらのお店はアンティークショップのような調度品でいっ
ぱい。とってもフォトジェニックです。
 コーヒーもとってもおいしいよ。

 



 雲はどんよりとしてきて、今にも雨が降り出しそう。ということで道の駅に急ぎます。
 途中、土藤商店という酒屋さん前で飾り看板やホーロー看板に足が止まります。これはこれでものすごく
貴重なコレクションだなあ・・・。

 







 ついに雨がぽつりぽつりと降ってきました。
 天気が良ければここから天城峠越えとゆきたいところですが、ちょっと今日は厳しそうです。ここで早めに
旅を切り上げることにしました。(実際、帰り道ではなんと雪まで降ってきた)

 正直なところ伊豆ってやっぱり遠いね。特に南伊豆から西伊豆は車以外に移動する手段もないので、東京
あたりに住んでいる人からすれば、感覚的には名古屋より遠いかもしれないです。
 ただこの不便さゆえに独特の歴史や世界観がここに残っているんじゃないかと思ったりもします。



2017.05
camera:Panasonic LUMIX GX8 + OLYMPUS M..ZUIKO DIGITAL12-50mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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