乗鞍から高山



2017.08.19~08.20
 今回は松本から乗鞍高原を越えて飛騨高山に向かうという旅です。どちらも今更説明する必要もない
観光名所ですね。最近は那須をベースに移動することが多かったので、西に向かって旅をするのは本当
に久しぶり、とってもきれいな風景を満喫してきました。



08.19(土)
4:30
 今年の夏は連休がなかなかとれず、とてれもお天気に恵まれず、といった感じで、なかなか遠方にお出かけ
できずにいました。
 実のところ、前日の夜までは只見線沿線の旅を予定していたのですが、どうも天気予報が悪い方に変わり、
雷雨の可能性もあるとか・・・。ということで出発の朝、きゅうきょ予定変更、天気の良さそうな西の方に向かう
ことにしました。
 天気の良いのは岐阜より西側、しかしながら休みは2泊が限界ということで、もうほとんど物理的な理由から
コース選択をしました。ちょっと乱暴ではありますが、良い天気であるってことは旅が楽しくなる必要条件の
一つだと思っています。もちろんそれなりの観光地なので、高山市内の宿を出発前に予約しておきます。

7:45
 出発から3時間、無事に中央高速の松本ICから国道158
号線で乗鞍方面へ。
 「無事に」と書いたのは、中央高速が途中から通行止めに
なっていたからです。
(後で分かったのですが、前夜に土砂崩れがあったみたい)

 途中、松本電鉄のかわいいラッピング電車に遭遇して、
思わず笑顔です。

 道の駅「風穴の里」でしばしの休憩。道は上高地・乗鞍高原に向かって延びています。本当に山深いところです。
こんなところを昔は徒歩で往来していたんだなあ・・・。



 ここで若干の問題が・・・。実は最初、上高地に寄ってから高山に抜ける予定だったのですが、案内掲示によれば、
どうやら上高地ってマイカー規制で現地にはバスかタクシーで行くしかないみたい・・・。尾瀬やなんかと同じだね。
 更に調べてみたら、まずは近隣の駐車場に自家用車を止め(駐車料金1日600円)、そこからシャトルバスで20分程度
(料金片道1250円~)で上高地に着くみたい。きゅうきょ行き先を変更したので、分かっていないことが多すぎる、持って
きた「るるぶ」は2001年板だし・・・。
 ここにきて挫折。
 かるく「上高地に立ち寄って」という考えはちょっと無理みたい。駐車料金+バス代がものすごーく高いし、すでに駐車場
はけっこういっぱいで、行っても間違いなく混んでいるだろうしということで、ここは乗鞍方面に予定変更です。



9:30
 乗鞍高原の入口にある番所大滝。幅15m、落差40m (駐車料金200円)、なかなかの迫力です。浸食でものすごく
深い谷が削りとられています。

 



10:00
 乗鞍観光センターに到着。
「あれ!? こっちもダメじゃん・・・。」
 ここから先もマイカー規制で、乗鞍岳方面へはバスかタクシーに乗り換えです。(バス1450円~) 
 さてどうしたものかと考えていたら、観光センターのパンフレットにはこの周辺を4時間ほどで回ることのできる、
お手軽トレッキングコースもあるみたいです。
 ということで、自分たちはパンフレットに従って、お手軽散策コース(一ノ瀬園地)をすすむことにしました。



 ちなみにこちらのコースでも十分に自然を満喫できます。それにとってもすいている。たまにハイカーとすれ違う程度。



 ときおり金属のパイプと棒が吊してあります。
 熊さんと出会うのは遠慮したいので、たたきながら先に
進みます。





 善五郎の滝。水が青い。





 牛留池。向こうに雪を戴く乗鞍岳が見えます。







 こちらのトレッキングコースは草原と木立が交互にあらわれてとても爽快。
 途中、いろいろな植物やキノコを観察することができます。
 ところどころに紅葉し始めた木々もあって、もう秋の気配です。

 

 

 上右の樹なんだけど、岩を2つに割って伸びてる。すごいね。



 ちなみに今回自分が着ているのは短パン+レギンス。
トレッキングだと長ズボン長袖が基本なんだけど、軽快に
歩きたかったのでこのスタイルになりました。
 スパンデックスでできたレギンスっていいね。吸湿と水分
の発散に優れているので素肌より涼しく感じる。ストレッチ
性もあるので長ズボンより膝を曲げやすいし、加圧タイプ
のものは疲れも出にくいと、まさに良いととづくめです。
 この旅の後、また何枚か注文してしまいました。
 しばらくこれにはまりそうです。



 あざみ池。うーんきれい、まさに天国の風景。







 なーんだ奥まで行かなくてもけっこう楽しめる、というのが素直な感想。
 一周4時間ほどの散策路を更にショートカットして歩いてきたのですが、変化のある美しい景色に大満足でした。
静かなところをゆっくりとお散歩したい方にはおすすめです。



12:50
 コースの終点というか入口にあるお蕎麦やさんでお昼に
しました。一見、喫茶店のようですが、ちゃんとした手打ち
蕎麦でした。

 





14:25
 国道158号線を西にすすんで高山に着きました。本日の宿泊はここ高山のホテルに予約を入れてあります。
 ここ高山は昔の街並みの残る古都で、内外から観光客が訪れるところです。今更解説の必要もないですね。
ちなみにあまり知られていない事実としては、高山は日本の市町村のなかでその面積が最大なんだそうです。





 市営駐車場に車を留め、まずは街の北半分を巡ります。
 こちらは宮地家住宅です。(入館無料、高山市内で拝観料が無料のところは少ないです) 高山は明治8年
の大火で焼失した家が多く、こちらはその直後に建てられた町家です。かつては米や酒などの商売を営んで
いたということです。



 高山は城下町であると同時に、越中街道の宿場町として栄えていた歴史があり、こういった町屋が市内に多く
保存されています。戦争の影響も少なかったことも幸いしているようです。

 

 職人さんの使用した道具類が展示されていました。
 高山は木製品の産地で、そのなかでも一刀彫は有名。市内にはたくさんの一刀彫の職人さんがいるようです。

 



 桜山八幡宮の門前です。このあたりに一刀彫のお店は多いです。



 こちらの八幡宮が建立されたのは4世紀ごろとも伝えられていますが、建物自体は明治8年の大火の後に
建て直されたものです。



 高山というとお祭りで有名ですが、秋のこちらの神社の例祭は、春の日枝神社の例祭とともに国の重要無形
民俗文化財に指定されています。敷地内には高山祭屋台会館があって、そのときに使用される山車や様々な
資料が展示されています。(入館料820円、おとなりの日光館と共通)
 

 おとなりの桜山日光館では日光東照宮のミニチュアが展示されています。なんでここで東照宮?と思ったの
ですが、当地の宮大工が東照宮の大修繕に関わった後、自らこちらの模型を制作したということで納得。
 1/10スケールなので、けっこうな迫力です。高山祭りの屋台や各地の寺社、御殿の建築にこういった技術が
行かされているんだろうね。

 



 今度は街の南側に向かいます。ざっと歩くだけなら高山の市街地は2時間ほどで一周できると思います。



 街を東西に貫く江名子川のあたり。この界隈はとても静かでしっとりしていて好き。明治の初めごろの
建物がたくさん残っています。

 





 最初は気づかなかったけど、街のあちこちに小さな祠があります。
 これはどれも秋葉神社から分祀されたものみたいですね。秋葉神社っていうと以前このサイトで紹介した
磐田の秋葉神社がその起源の一つらしいけど、もともと火よけの神として広く信仰され続けてきた神社だと
聞いています。

 





 駅に近づくとちょっとだけ時代が新しくなる感じです。大正時代の終わりに高山に鉄道が伸びて、
駅周辺に街が拡大したってことでしょうか。





 高山市内をお散歩していて飽きることはありません。明治以降のそれぞれの時代の代表的な建物が
たくさん残っていてレトロ感満載です。

 







16:00
 さて高山にやってきて、ここだけは外せないという場所はこの高山陣屋でしょうか。(入館430円)



 江戸時代中頃までは大名領だった高山ですが、豊富な森林資源に目をつけた幕府は、ここを直轄地として、
ここに陣屋(支配の拠点となった役所)を置いたという経緯があります。
 ちなみに郡代役所の主要建物が残っているのは全国でもここだけということです。
 

 広い敷地にものすごーく立派な建物。とてもきれいなお庭・・・。さすが直轄地だけあって、並みの大名なんかの
お城よりずっと立派です。お金があったんだろうねえ。



 さて閉館時間までの間になんとか陣屋の見学を終えて、再び街の中に。陣屋前の赤い橋(中橋)から北に抜ける
長さ300mほどの細い通りが「三町伝統的建造物保存地区」です。

 

 最も有名な観光スポットらしくものすごい混雑です。特にすごいなって思ったのは外国人の多さ。
 確かにおしゃれなお店は多いんだけど、これだけ混雑していると落ち着かないね。周辺には同じような風景でしっとりと
した街並みもあるんだけど、どうしてここにだけ集中してしまうんだろ?
 高山がミシュランの旅行ガイドでは★★★を得ているということもあるんだろうけど、もしかして net で情報が偏って拡散
しているってこともあるかもしれない・・・。



18:10
 ホテルでチェックインを済ませて再び街中に。今度は晩
ごはんの場所を探して歩きます。
 感じからするとやっぱり駅周辺を回った方が、お店は多い
かな?

 こちらは741年に建立された飛騨国分寺。室町時代に再建
された本堂他が国の重要文化財に指定されています。
 三重塔と太さ2mもありそうな巨大な銀杏が目を引きます。
この銀杏が色づいたところを見てみたいです。

 



18:30
 ぐるぐると20分ほどあたりをうろついて、結局選んだのが
こちらのお店です。
 正直、高山って観光地だけあって、拝観料や食事などは
若干お高いように思います。ところがこちらのお店は特別
なものを除けば、基本的に1品330円という破格の安さです。

   

 揚げ物、焼き物、煮込みなどを、ひととおりおすすめメニューから選んでオーダーします。
飛騨牛の串焼きまで330円です。「大丈夫かな?」という若干の不安はありましたが、それは
すぐに吹き飛びます。どれもこれもおいしいです。

 

 板前さんの腕も素材も確かなようなので、〆に厚焼き玉子と焼きおにぎりをオーダー。これも
330円です。満腹になるまで食べて飲んで、最後のお会計は二人でなんと
4750円でした。
 今度またこちらに来る機会があったら、絶対にこのお店でまた食べたいです!



 宮川で灯篭流しをしてます。夏の風物詩。



 今日は乗鞍高原で歩いて、高山でもいっぱい歩いて、持ち歩いている歩数計は3万歩以上、距離にして
30km近く。これはこれまでの最高記録。そんなこんなでホテルに戻ったところまでは覚えていますが、
気づいたらもう次の日になってました。






08.20(日)
7:20
 翌朝は朝市からスタートです。
 朝市というと新鮮なお野菜や、このあたりだと赤カブの
おつけものとかが有名だけど、おしゃれなお店もちらほら。



 本格的なカプチーノなんかもいただけます。とってもおいしかったです!
 自分たちが最初のお客だったのかな? この画を見たあと、こちらの露店に列ができてました。



 

 カプチーノの後はちっちゃなたい焼きで甘いものを補給。 あとはお土産に赤かぶの漬物などを買って帰りました。



 さすがミシュランの旅行ガイドで★★★を得た高山だね。街もきれいで見どころも多い。
 でも何で有名な観光スポットにだけ観光客が押し寄せちゃうんだろ? 観光にやってくる人間の問題かもしれませんが、
このままだと街全体がある意味人工的なというか、テーマパークに似たような雰囲気を目指しちゃいそうで心配です。



 旅はここから富山方面へと続くんだけど、それはまた別の話としてUPしたいと思います。





2017.08
camera:Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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