大山




2017.10.30
  週末ごとの台風の襲来ですが、翌日の月曜日はお天気の回復が思ったより早く、たまたまお休みがとれたので丹沢国定公園内の大山に
登ってきました。紅葉の見頃にはまだちょっとだけ早かったけど、なかなかに良い景色が楽しめました。



10.30(月)
6:30
 大山の参道の入口にある市営駐車場(1日1000円)に車を止めて歩き始めます。土日や紅葉シーズンはすぐにいっぱいになっちゃうので、
ケーブルカーの動き始める9:00前には到着したほうが良いです。
 大山はもともと信仰の山として古くより庶民に親しまれていた山で、隆盛をきわめた江戸時代には年間に数十万人もの人々が大山阿夫利
神社の参拝に訪れたと記録されています。そういうこともあって、参道の両側にはお土産屋さんや宿坊などがずらりと立ち並んでいます。

 



 狭い参道の両側にいろいろなお店がひしめく風景はちょっと独特です。
 江戸時代の中ごろから始まる大山講が庶民のブームになり、その結果、各地から大山に通じる道が整備され、同時にこういった
門前町が栄えることになったんだそうです。




 ikumi (オリジナルヘッド+TBLeague スーパーフレキシブルボディ 28cm 2017 )



6:50
 大山参拝の中心となるのは中腹にある大山阿夫利神社なのですが、今はこの下社まではケーブルカーで登ってくることができるので、
アクセスは比較的簡単です。



 ただこのこのケーブルカーの営業開始は9:00という遅い時間帯なので、自分たちは麓から1252mの山頂まできっちりと自分の足で登り
切ることにしました。



 

 紅葉の事前情報ではまだちょっとピークには早い感じです(例年11月中旬から下旬)。でも標高の高いところではそれなりに
楽しめると期待しての登山です。
 登山道は男坂、女坂の2つがあるのですが、見るものの多い女坂を登るのがおすすめです。
 途中、いくつもの古い仏様、お地蔵様を見ることができます。昔、ここを訪れた人が残していったものなんだろうね。



  



7:05
 龍神堂。もともとは少し離れた場所に、奈良時代建てられたもののようですが、1641年、徳川家光によってこの地に再建されました。



 大山は別名を「雨降り山(あふりやま)」といい農民の信仰を集めていました。そしてこちらはその雨乞いの本尊にあたるものだそうです。
何か歴史の重みというか、その重厚感に圧倒されます。



7:15
 中腹の大山寺に到着、このあたりがいちばんの紅葉の名所です。ただ事前の情報どおり、このあたりの色づきはまだ今ひとつ。



 こちらのお寺の木彫がまた実に見事。名工と言われる人間が彫ったんだろうなあ・・・。
 ちなみにこちらのお寺も江戸幕府からかなりの庇護を受けていたようです。寛永の大修理の際には幕府より1万両が寄進され、落成の祝賀
には春日局が代参したとか。
 ただそれ以前の大山寺はその存在の意味合いが全く違っていたようです。ここには山岳宗教の修験道の道場あったそうで、戦国時代には
それなりの勢力に数えられる存在であったようです。
 そして江戸期になると、幕府と敵対関係にあったため、大山寺に住む多くの修験者は立ち退きを命じられることになります。
(今現在、大山寺は檀家のいないお寺として存在しています。)



7:50
 大山参拝の中核となる阿夫利神社下社に到着です。



 参道の両脇には、赤い文字で名前が記された灯篭や石柱が何本も立っています。神奈川県内はもとより、東京都内をはじめとする全国の
団体・個人が寄進しているみたいです。これもきっと江戸期から続く大山講のなごりなんだろうね。





 紅葉の見頃まではまだちょっと早かったのですが、ちょっと標高の高いこのあたりでは、場所によってはすでにこんな感じで赤や黄色に
染まっています。



 

 こちらのこの拝殿の下には大山名水という湧水があったりします。





 ちょっと遅くなりましたが、こちらの境内で休憩&朝食です。ここから江の島や横浜も眺めることができます。









8:10
 下社の脇から登山道は上に続きます。山頂まではあと1時間半といったところです。





 ちょっと歩いたところにある夫婦杉、樹齢500年以上。










 石柱には「大山登山道 夫婦杉 八丁目」とあります。これでどれだけ登ったかが分かります。ちなみに山頂は28丁目。





 あちこちにもみの木の巨木があります。





 ぼたん岩、卵のような球形の岩。





 天狗の鼻つき岩、左側に握りこぶし大の穴があり、天狗が鼻を突いてできたという伝説があります。



 十六丁目にある追分の碑、長さ4m近くもある立派なもの。よくこんな山の中まで運んだね。











 二十丁目あたり。ここから先はけっこう急な坂になります。









 きつい上りもそろそろ終わり、いよいよ山頂というところで、いちめん雲に覆われてきました。山ではよくあることなんだけど、ちょっと残念。





10:00
 山頂に到着。
 「ふりむけば富士山」」とありますが・・・。










 ・・・ただ真っ白でした。

 山頂は阿夫利神社奥社がありますが、こちらもまだ開いていません。参拝が目的なら、やはりケーブルカーが動き出して
からやってきたほうが良さそうです。

 



 やれやれ・・・。
 しかしながら、あきらめて帰ろうかと思ったときに、こんな感じで急に晴れてきました。



 相模湾から横浜方面まで一望できます。やったね!
 ちなみに空気が澄んでいれば、更に遠くスカイツリーまで見ることができるそうです。ここは双眼鏡を持ってくるべきでしょう。
この絶景を見るために、江戸時代の人もここまで登ってきたんでしょうね。さすがミシュランで★★です。



 今度は別の道を通って下山します。ちょっと距離はあるのですが、傾斜がゆるやかで紅葉の景色のなかを歩いて下山できます。











  途中で出会ったシカ。お互いに10秒ぐらい見合ってました。





 二重の滝、修験者が行を行った場所です。



12:20
 下社まで戻ってきて、今度はケーブルカーに乗って下ります。上りは歩いて下りで利用するのは普通とは逆ですが、最近リニューアル
したばかりなので、ぜひ乗ってみたかったんです。

 



12:35
 参道のお店も開いているね。名物の豆腐やきゃらぶきなんかを買いました。

  

 あとは地元伊勢原のマスコットキャラのくるりんのピンバッジ。それから今回は買わなかったけど、手作りの大山コマも有名です。

 



 お昼ご飯は蕎麦と豆腐料理のセットをいただきました。

 

 大山に至るこの参道のことを「こま参道」というそうですが、この参道沿いの町並みは幕府の命によって下山させられた修験道の
信者たちがつくったものだそうです。
 彼らは下山させられた後も、この地に留まって布教活動を行い、宿坊や土産物屋を経営しました。もしかしてこの参道の風景って、
基本的に江戸時代から変わるところがないのかもしれません。
 江戸中期から行われた信仰登山は大山講と呼ばれ、次に江ノ島、鎌倉を経由して帰るという旅行が大流行したんだそうです。なる
ほど、現代のバブル期にちょっと似ているな、なんて思ったりもします。いずれにせよ、ある意味とっても良い時代だったんでしょうね。





 こちら ikumi ヘッドもちょっとづつ手を加えてけっこう良い感じになってきました。この感じでいくつか仕上げてドールワールドリミテッド
に持ってゆくことにします。



2017.11
camera:Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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