最近のコンデジって?



2018.02.03


 小さな作品やNゲージのレイアウトをきちんと撮影するのは現在の機材ではなかなか難しいです。
 接近してすべての部分にピントを合わせるっていうのは、大型のカメラになればなるほど難しくなる。一方で小さなカメラセンサーを
搭載したスマホなどでは画像を合成してすべての部分にピントを合わせたりすることもできたりするけど、画質の点では今一つ。
 ところがカシオの exilim EX-ZR70 というコンパクトなデジカメには全焦点マクロという機能がついていて、接近してすべての部分に
ピントの合った写真が簡単に撮れてしまうみたい。その新古品がアマゾンで16000円だったので思わず買ってしまいました。今回は
このカメラの使用レポートです。

 

 とりあえず適当に身近なものなどを撮影。説明書を読まなくてもそこそこ撮れちゃいます。(というか多機能がゆえに説明書がものすごく
厚くって読み込もうとは思わない。)
 画素数は1610万、1/2.3型CMOS(裏面照射型)、10倍光学ズーム、最大ISO25600という仕様は一昔前なら高級機並みのもの。といっても
昨今の状況からすると、このぐらい積みこまないとスマホに負けちゃうからね。


1 全焦点マクロ
 さて目的の全焦点マクロをまずはテストします。
 以下の画像は明度のみ調整しています。写っているのは1:150の鉄道模型のレイアウト。軽トラックは幅2cmぐらいです。

 

 左側が通常のオート(マクロモード)、右側がこのカメラ独自の全焦点マクロモードです。最初に撮影してびっくり! 全焦点マクロだと手前数cm
から1m先ぐらいまでピントが合っている。これはすごい。このような機能はスマホにもありますが、画質を考えるととてもかないません。




 ただこの機能はまだ完璧とはいえない部分があるようで、よく見ると部分的にピントが合っていません。上の画像では奥の踏切の部分と手前の
標識の支柱だけがなぜかボケている。
 どうやら全焦点マクロ機能というのは、ピントの異なる画像を何枚か撮影し、カメラ内部でピントの合っている部分だけを取り出して1枚の写真に
合成する機能のようです。だから撮影物が複雑な場合などではカメラが判断ミスをしてしまうみたいです。

 とりあえずはできるだけ明るい状況をつくってあげて、合成前の画像の絞り値を上げてやると、破綻は少なくなるみたいです。あとは少しズーム
とか撮影位置を少し変えて何枚か撮影してあげれば良い結果が出るように思います。











 Nゲージの車両は長さ10cm、フィギュアの身長は1cmほどです。
 このほか、過去につくったNゲージのレイアウトもこのカメラで撮りなおしてみました。









 条件付きではありますが、確かにこの全焦点マクロという機能は小物撮りにはとても便利です。普通のカメラじゃこんな写真は撮れません。



2 屋外撮影
 さてこちらは屋内専用の小物撮りカメラというわけでもないので、外に持ち出して使ってみることにします。いろいろな撮影モードがあるみたい
なので、とりあえずモードを変えつつ何枚か撮影します。


A プログラムオート


 顔認識すると肌をなめらかに明るく再現してくれる機能がついています。この娘もヒトとして認識してもらえたみたいで、肌が美しく写っています。
ただ全体としてはけっこうシャープネスが強いというか、解像感を高めた仕上がりになります。センサーサイズが小さいからやっぱりデジタル一眼
に比べればボケは小さめです。



B プレミアムオートPRO


 プログラムオートより空が青いです。あとお人形の影も少し柔らかくなっている。空は青く、肌は美しく、そして白トビや黒ツブレを抑えてくれる
というモードでけっこう効果は高いです。必要に応じて複数枚撮影し、カメラ内部で合成しているみたいです。彩度は高めでフィルムカメラの時代
のポジみたいな色合いで好きかも。カシオとしてはこのモードがイチオシなんだろうな。




 何気ない写真だけど、さりげなくすごい。普通ならもっとコントラストが高く、日陰部分は黒くつぶれてしまうのですが、ごく自然にHDRが利いて
いて日陰部分が明るく補正されてます。


 

 左側は普通のプログラムオート、右はプレミアムオートPROモードです。同じ建物ですが、プレミアムオートPROだと彩度が高く調整されて、
まるで違う建物みたいに見えちゃいます。基本的な2つのモードはこれだけ違います。



C 全焦点マクロ


 ここで全焦点マクロを使います。明るい場所なのでほぼ全面的にピントが合います。問題は全体的にやや明るく仕上がってしまう点、これはあとで
調整できるとしても、顔が白トビしてしまうともうどうにもならないです。美白系のお人形を日なたで撮影するのはちょっと無理かも。

 このモードはピントを変えて複数枚撮影し、カメラ内で合成しているので、その間にお人形が動くとこんな感じになっちゃいます。



 このモードで撮影するなら、基本的にはカメラもお人形もきっちりと固定した方が良いね。こちらのモードは効果的でおもしろいんだけど、何かと制約が
多いモードでもあると感じました。



 もう一度同じ場所で3つのモードを切り替えて撮影したものをご紹介します。

A プログラムオート


 いちばんナチュラルな仕上がり。


B プレミアムオートPRO


 仕上がりはやや派手、そして黒ツブレは解消されてます。


C 全焦点マクロ


 全体にピントが合ってます。日陰だと良い感じに仕上がります。



 このほかにもこのカメラにはアートショットとベストショットといった様々なモードがあって、その数50種類ほど。とりあえずこんな機能もあるよ
ということを画像でご紹介します。

 

  

 

 このような効果についてはソフトウエア上での処理も可能かな。だから自分の場合には最初に紹介した3つのモードだけで普段は十分ですね。



 センサーサイズの小さなカメラの場合、暗い場面での撮影が一般には苦手と言われていますが、このカメラの場合にはどんな感じかな?
 夜明け前の暗い条件で撮影してみました。

 

 どちらもプレミアムオートPROというモードで撮影したのですが、思ってたよりぜんぜん良いです。裏面照射型センサーであるということと、必要に
応じて複数枚撮影するというパターンで黒ツブレさせていないのがいいね。



 最後にお散歩に持っていったときの画像をご紹介します。必要に応じて3つのモードを切り替えています。



 美肌効果利いてます。
 sayakaの着ているお洋服はヤフオクで nextno10815 様よりお譲りいただいたものです。

 

 ここまでプログラムオート。静かな田舎の風景撮影にはこちら。




 プレミアムオートPRO。顔認識した部分は陰影を弱く調整し、白トビしそうなところは明度が押さえられている。けっこう完成度高いです。






 最後は全焦点マクロ。


 こちらの exilim は入手しやすいお値段のコンデジですが、けっこうよくできてる印象です。盛りだくさんの機能は慣れないと使いこなせない
ほどです。最近のスマホについているカメラはそこそこ写るので、それ以上の画質や機能を持たせる必要があるということなのでしょう。
 個人的には、全焦点マクロモードでも露出補正ができるようにしてほしいです。でないとかなりの確率で顔が白トビしてしまうので。





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