中山道から飯田



2018.03.29~03.30
 今回は1泊2日で南信州を回ってきました。初日は中山道の宿場町巡り、2日目は秘境路線で有名な飯田線周辺を訪れました。
季節は春真っ盛り、どこに行っても桜が満開でした。


03.29(木)
7:30
 先週は平日に珍しくお休みがとれたので、長野県の南の方を巡ってみました。とりあえず最初の目的地は奈良井などの中山道の宿場町、
そのあとは飯田市内に宿泊の予約を入れているので、時間的な余裕を計算しながら考えたいと思っています。

 

 中央高速を塩尻で降り、そのまま国道19号線を南下します。国道に沿って中山道の宿場町が点々と続きます。



9:00
 下諏訪で甲州街道と中山道は合流し、木曽の国に入って最初の宿場町がここ贄川宿になります。木曽路の入り口にあたる交通の
要所ということで、こちらには厳重な関所が設けられていました。

 

 復元された関所では、様々な資料とともに江戸時代の取り締まりの様子などをお聞きすることができます。(入館料300円)
 ちなみにすぐ目の前にある小さな橋は明治43年につくられたものだそうです。

 あとはぶらりとあたりをお散歩。



 こちらの宿は、通りに面したお宅はもうどこも普通の民家で、観光地化された宿場町を期待してゆくと裏切られることに
なります。でも一方でむしろそれが自然な変化なんだろうなと思ったりもします。

 

 宿場町って人間が自分の足で移動しなければならなかった時代につくられたものなわけで、今のように1日に数百kmも
移動できるようになると、その必要性がなくなってしまうんですよね。





10:10
 こちらは木曽平沢。贄川宿と奈良井宿のちょうど中間にあたる集落だったところで、おそらくは間宿としての役割も果た
していたと思います。

 

 駅を起点にしてこちらもぶらりとお散歩です。



 こちらもメジャーな観光地ではないのですが、茶色と白で統一された街並みは実に見事。ちなみに表通りに面しているお宅の
ほとんどが漆塗りに関係しているという、ちょっと特殊ともいえる街並みです。(重要伝統的建造物群保存地区)
 町ができたのは江戸の初め、漆工町としてこのような発展をとげたのは明治の初めごろだそうです。

 

 開いていた工房は意外に少なかったです。(木曜日だったせいもあると思う)
 漆器が目的なら、近隣の「木曽漆器館」とか道の駅にある「木曽くらしの工芸館」などに行ったほうが良いかもしれません。



 こちらの工房では漆塗りのヘルメットとか、漆塗りのスバル360なんかを展示してました。なんでも漆塗りで仕上げてしまう職人技だね。
ここだけでも中に入ってみたかったなあ。





10:50
 奈良井の宿に到着。さすがにここは観光地、これまでと違って人通りも多いです。外国人観光客もちらほら、でも平日なので、
いちばん多いのは春休み中の学生さん。

 





 手焼きのおせんべいがおいしい。



 こちらは元櫛問屋の中村邸(入館300円、但し贄川関所でいただいた割引券があると100円)

 

 その名前の通り、江戸時代の終わり頃に櫛問屋として栄えた中村屋の建物で、建築としてはこの宿場のなかでも最も古い
1840年頃のものとされています。
 また建物だけでなく、くぐり戸や格子、庇など、細かな部分まできちんと保存され、江戸時代の店先そのものを見ることが
できます。







 このような街並みが1kmほど続きます。300年以上も前から変わらずこのような風景なんだろうなあ。



 

 

 もちろん宿場町だった頃とは違って宿屋は小数、今では旅籠だった建物にいろいろなお店が入っています。こちらの名物は漆器と曲物、
そして五平餅やおやき、蕎麦といったところ、もちろん喫茶店や雑貨店なんかもたくさんあります。



 問題はまわりに杉がとても多いこと。この日は乾燥して急に気温が上がった日だったので、もうどうしようもないぐらい花粉が多かったことです。



12:25
 奈良井の宿を出て更に南下。お昼をすぎたのでそろそろご飯と思っていたところにこちらのお店がありました。

 

 今日はお蕎麦かな? と思っていたのですが、まわりは山に囲まれてなかなか普通に食事がとれるようなところもなさそう。そういうこともあった
のですが、結果としては正解かな。おいしかったし、こちらのセットで870円はお得だと思う。



13:40
 木曽川の浸食でつくられた奇岩が並んでいます。ここは寝覚めの床と呼ばれる場所で、浦島太郎がここで寝覚め、玉手箱を開けてしまった
という伝説が伝わっています。(でも浦島太郎ってこんな内陸に住んでいたのかな?)



 ごろごろとした大きな岩の間を抜けて周辺を散策することができます。
 奇岩の一番高いところにある社は浦島堂、でもよくこんなところにつくったね。

 



15:00
 こちらは近代化遺産「桃介橋」、下流の発電所の資材運搬のため大正時代につくられたものです。

 

 一見、近代的なつり橋のように見えるのですが、近寄ってみると橋脚に一部コンクリートは使われているものの、基本的にはほとんど木でできて
います。長さ247mの橋を正確に作り上げ、今もこうしてその形をきちんと保っているその技術はすごい。





16:50
 今日は飯田市内に宿泊です。妻籠、馬籠といったところは中山道の宿場町のハイライトなのでしょうが、時間の関係でカット! まあ奈良井の宿
に行ったからいいかなということで。

 

 飯田市内にはランドアバウトの交差点が2つあります。ヨーロッパでは一般的なランドアバウトですが日本では初めて見ました。基本的に信号待ちは
ないし、変な渋滞も起こりません。とっても良い形式だと思うのですが、どうして日本では導入しないのでしょう? なぜそんなに信号をたくさん作りたい
のかな? これはずっと思っている疑問です。
 あと飯田は長野県内でも最も暖かい場所だそうで、街中のいたるところにある桜はほぼ満開でした。 1週間後に桜まつりということでしたが、その頃には
ほとんど散っているかもしれません。今年の春は早いです。





 せっかくなので、夕暮れ前の1時間ほど街中を散策しました。







 桜並木はよくあるけれど、こちらはリンゴの並木です。取れたリンゴはいったいどうするのかな?



 

 飯田は城下町なのですが、大火のために古い建造物はほとんど残っていません。蔵を利用したお店がいくつかあるだけで、歴史ある街
としては比較的近代的な建物の多いところです。





 こちらの人形美術館には入ってみたかったけど、今日はすでに公開時間終了でした。

 そのまま飯田城址方面に向かいます。



 飯田の街の中心は町は天竜川水系の川がつくった河岸段丘の上段にあって、以前はここにお城も建てられていました。立地条件は沼田城と
同じだね。段丘面の縁までやってくると100m近い落差を見ることができます。





 こちらは飯田市立追手町小学校、1929年に建てられた鉄筋コンクリートの建物です。(国登録有形文化財) 
 夕暮れ迫る時間帯ということもあって、ひときわ存在感が大きいです。







 

 こちらは城址公園につくられた市立美術館。ここも桜が満開です。
 ちなみにこの美術館の屋上には登ることができて、眺望としてはここがベストです。ちなみに河岸段丘上段のいちばん先端、つまり本来いちばん
眺望の良いところには無条件で行くことはできません。そこはなぜか私有地でお風呂屋さんになっています。本来こここそ市が公園としてきちんと
管理すべきだと思うのですが・・・。



 夕食です。先ほど通りかかった蔵造りの居酒屋さんに入りました。おつまみはいろいろあるのですが、基本的に一品300円ときわめてリーズナ
ブルでした。お店の人もとても一生懸命で好感が持てました。
 二軒目は50年続くという老舗の焼鳥屋さん、こっちは普通だったかな。

 



 ホテルまで今度は夜桜見物して帰ります。





 この空だと、きっと明日も良い天気です。きっと良い写真が撮れると思います。同時に花粉がまたたくさん飛ぶと思います。



03.30(金)
6:30
 早朝、元善光寺までやってきました。長野市にある善光寺のご本尊は、もともとはここにあったんですね。長野市の善光寺にはお参り
したことがあるので、これでめでたく2つの参拝が完了しました。

 

 こちらも桜の名所として知られる場所のようで、今の時期にはけっこう混雑するみたいです。(7時前なので全然大丈夫!)



 こちらは「舞台桜」と呼ばれるとても大きなシダレザクラ。後ろに写っているのは旧座光寺麻績学校校舎。





7:10
 元善光寺を訪れた後、更に天竜川に沿って南下します。
 今日メインに考えているのは秘境路線として有名な飯田線の旅です。そもそも秘境駅って何かというと、その明確な定義みたいなものは
ないようですが、人が住んでいなかったり、とても不便なところにあったりして、そもそもそこになぜ駅が存在しているのかが分からないような
ものを言うようです。



 自分の場合にはそれほど気合の入った鉄道ファンではないので、飯田に宿を取れたのだから、ついでに飯田線にも乗ってみよう、
みたいなノリなので、時刻表も前日にいちばん小さいものを買いました。まあこれが失敗の原因になるのですが・・・。
 当初の予定は金野駅から小和田駅という秘境駅間の往復です。

 

 ここは何処を通っているかというと金野駅に向かっているわけで、県道から外れて谷底に向かって走っています。道はだんだん細くなり
軽自動車がやっと通れるほど、もしも対向車があったら延々と何百mもバックしなきゃいけません。対向車を気にしつつ、落石をよけながら
恐る恐る進みます。
 ただ時間的には8:40ぐらいの発車なので余裕はあるはずです。ここで8:40ぐらいとはどういうことかというと、自分の持っている時刻表は
簡便なもので(軽い方が良いと思った)、それが故にその時刻表には金野駅のような小さな駅は省略されていて、はっきりと時刻が分から
ないんです。(買ったあとで気が付いた) ということで始発となる天竜峡の出発時刻からすると、多分8:40
ぐらいということです。





 谷底に金野駅はありました。そこにいたのはもちろん自分たちだけです。民家はまわりにありません。駐輪場がありますがそこに停められてる
自転車やバイクもないです。  ここで問題発生、何かというと予定していた8:40
ぐらいの電車が駅の時刻表にない!
 これはどういうことかというと、秘境駅では各駅停車ですら通過してしまうことがあるみたいなんです。知らなかった・・・。
 Googleから検索入れてももう遅い! 皆さんもローカル線に乗るときには、ちゃんとした時刻表を買いましょう!
(そんなこと当たり前だと笑われそうですが)



 ということで、たまたまやってきた逆方面の電車に乗りました。(天竜峡行き、こういう時の方向修正は早いです)

 



7:30
 車窓から天竜川の風景を楽しみました。約20分ほどで天竜峡駅に到着です。

 

 下りの列車の出発まで1時間半以上あるので(金野駅にも停まる)、天竜峡周辺の散策をすることにしました。ここもそれなりの
観光地です。

 

 ちょうどこのあたりで塩尻から飯田まで続く盆地は終わり、ここからは天竜川の浸食によってつくられた険しい渓谷の風景が始まります。









 樹齢200年のシダレザクラ。



9:00
 ちょっと早いけれど駅まで戻ってきました。飯田線は秘境路線として有名なのですが、JR東海ももちろんそれを知っていて、その秘境駅
を巡る秘境号という急行列車を走らせたりしています。(今年は4月5日から15日の週末に運転) こちらの列車は秘境といわれる駅に10分
から20分程度停車しながら豊橋・飯田間を往復するもので、けっこうな人気のようです。



 結局ここから豊橋方面の電車に乗り金野駅まで戻りました。そのまま当初の予定通り小和田駅まで行くという選択肢もあったのですが、
目的の飯田線には乗ったし、日中は本数も少ないし、さらには時刻表もあてにならないので、あとは行けそうなところに車でアプローチする
方が自由度は高いと思ったわけです。

 ▼ 下の画像をクリックすると車窓からの風景をご覧いただけます。但し動画のサイズは大きいのでご注意ください。(別枠で開きます )





 秘境駅には必ずと言っていいほど、来訪者の言葉が記録されたノートがあります。やっぱりみんな飯田線でここに着てるね・・・。(これが普通)
 でもこの駅がどういう場所にあるのかは、ここから県道まで1時間歩いて往復しなければ分からないとも思います。



 さてここからは普通の鉄道ファンがあまりやらないような列車旅になると思われます。時間的に見てあと2つ、田本駅と有名な小和田駅には
ぜひ行ってみたいな。





 今何処に向かっているかというと、3つ先の田本駅です。この斜面の下、県道から400mほど谷を下ったところに駅はあるみたいですが、
なかなかその入口が分かりません。駅である以上、入口はどこかにあるはずなのですが分からない・・・。Googleマップにも出ていません。
 ちなみに田本駅は存在感が薄いらしく、地元の方に「田本駅はどこですか?」と尋ねたら、「この県道をすすむと着くよ。」と言われて行っ
てみたら、お隣の温田駅でした。





 結局、県道沿いにこの入口を見つけたのですが、それを探し出すのに1時間近くかかりました。
(10cm×30cmぐらいの木製の小さな案内表示のみ、しかも田本駅の文字はかすれている)



 

 道にかぶさるササをかき分けながら進みます。到底、駅に向かっているような感じじゃないです。

 

 歩いて15分、高低差200mぐらいの崖の中腹に田本駅はありました。がしかし視界を遮られているので絶景というわけではないです。
それがちょっと残念。
 自分たちが行ったら、保線作業をされている方が一人ホームで電車を待っていました。
 ここって利用する人いないんじゃないかな? だってお隣の温田駅は県道沿いにあって、ここから2kmぐらいしか離れていないんだから。
なんでこんな駅ができちゃったのかな? きっと秘境駅マニアしかやってこないような気がする。
 調べたら、そもそも飯田線の計画の中にこの田本駅の設置はなかったそうで、後に地元からの要望によってつくられることになったのだ
そうです。正直なところ、そんな要望があったのか疑問をもつぐらいアクセスが悪いです。





10:45
 天竜村の平岡駅です。このあたりではいちばん開けている駅かもしれません。

 

 駅前の桜は満開です。ちょっと早いけど、駅舎内でお弁当も売っていたので、こちらでお花見しながらお昼にします。







 次は7つ先の小和田駅に向かいます。秘境駅のなかでもランキング3位に位置付けられています。(その根拠は良く分かりません)



 飯田線いちばんの難所がこのあたりなんだろうけど、一方で一番きれいなところでもあるんだろうね。



 途中、対岸に中井侍駅を見つけます。あともう一駅だね。





 このあたりからは先はダム建設によって天竜川の水位が何mも上がってしまった地域です。





 まずは対岸から小和田駅の位置を確認して・・・、と思ったら県道はここから先が通行止め。





 少し戻って川を渡り、直接アプローチしようと思ったらものすごく狭い悪路、道を知らない人間が入り込むようなところじゃないかも・・・。
小和田駅を道からたどるのはけっこう難しそう、ちゃんと調べてくるべきでした。(だから秘境駅No.3なんだろうけど)





 この先、直線距離でおおむね1km、天竜川が下流に向かって左に曲がるところの左岸に小和田駅はあるはずです。周辺に民家はないです。
Googleによれば、おそらくは植林した杉の手入れをするためにつくられた狭い林道のようなもの尾根上にあるはずです。そこまで行って標高差で
100mほど下れば多分駅舎がある、そんな感じでしょう。
 これにて小和田駅へのアプローチは終了です。
 もともとはこの一帯にもちゃんとした集落はあったのですが、ダムの建設とともにその集落は水没。そして今では小和田駅だけが残ってしまっ
たということらしいです。



13:00
 結局、1つ手前の中井侍駅に戻り、対岸から列車の到着を撮影することで満足することにしました。



 でも何かこの風景いいですね。長野、静岡、愛知の3県の境界に近い山深い場所なのですが、ここにもちゃんとした人々の生活があって、
そのパーツの一つとして鉄道が機能している感じがします。
 あとで調べたら、この中井侍駅には、たった1人の女子高生のために毎朝、快速列車が臨時停車していたという話があって、彼女の卒業
する朝には「卒業おめでとう。列車は明日から駅を通過しますが、これからも頑張ってください」という車内アナウンスが流れたとか・・・。
(2003年、自分たちの乗れなかった列車ですね。)
 JR東海ではこれを事実確認できていないとしていますが、何とも良い話ではありますね。



13:28
 予定時刻より遅れること3分、飯田方面行きの列車がやってきました。
 
▼ 下の画像をクリックすると列車の到着シーンをご覧いただけます。但し動画のサイズが大きいのでご注意下さい。(別枠で開きます)



 飯田線の秘境駅めぐりは、やっぱり飯田線でというのが普通かと思います。でも個人的にはこういったアプローチもいろんなシーンを見ることが
できていいんじゃないかなと思ったりもします。もちろん効率はものすごーく悪いのだけれど。



14:10
 道の駅「信州新野千石平」で休憩。旅の終わりに信州のお土産を買います。



 

 買ったのは馬刺し、とってもおいしい。前日買った飯田ではいちばんよく飲まれているという、喜久水との取り合わせも良いです。
あとは市田柿とクリームチーズのミルフィーユが絶品でした。



 あと一つ、天竜村の平岡駅で買ったのがこの秘境駅最中。



 パッケージにあるのは秘境駅のスケッチ、上面に大きく描かれているのがやっぱり小和田駅、その横が田本駅、側面に金野駅と中井侍駅・・・。
こうなると意地でも小和田駅を制覇しなくっちゃね。
 ただネット上で調べたら、小和田駅から自動車が通行可能な林道までは、徒歩で1時間ほどかかるそうです。その方は小和田駅から休憩を
含めて3時間かかって林道までを往復しています。やっぱ電車かな・・。
 今度はまずちゃんとした時刻表を買います。道路情報も入手しておきます。飯田線のコアな部分はだいたい分かったので、天竜村の平岡駅
あたりをベースにして移動すればいいのかな、なんて思っています。

 しかし今回の旅は内容が濃かった。そして疲れた・・・。



2018.04
camera:Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm & CASIO Exilim EX-ZR70 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10


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