eye4工房番外編

小さな丘 初夏 遠い昔



 小さな丘の風景の3つめは、郊外のお花畑に囲まれた小さなおうちの風景にしようと思っています。イメージとしてはスコットランドやアイルランド
あたりかな。スケールは今回も1/150、ジオラマサイズは20cm×25cmです。

 ベースは1作目の雪景色のジオラマから型どりしたものからつくります。やり方は基本的に前回と同じです。
    1 ラドールプレミックスという粘土を棒で薄く延ばし、この型に押し付けて成形する。
    2 TAMIYAの情景テクスチャーペイント土ブラウンを全体に塗る。
    3 同じく草カーキで枯草表現を加える。

4 住居となる部分をマスキングしたあと、TOMIXの
 若草色のパウダーを全体にまく。
5 建物となるところを平らに成形しました。木はオラン
 ダドライフラワーをベースにつくりました。
6 建物類は1mm厚と2mm厚のスチレンペーパーを
 組み合わせて制作します。
 

 丘の上の樹はオランダドライフラワーに水で薄めた木工ボンドを塗り、コースターフ、グリーンのパウダーの順に貼り付けて表現しています。


   7 建物類にリキテックスで着色を終えたところです。壁はモデリングペーストで質感を出し、
   屋根は紙紐をほぐして板葺を表現しています。
   

 画像からは分かりにくいですが、大きさは主屋で2cm×3cmほどです。実際にはこのあとウエザリング(少し汚れた感じ)をこのあと加えています。


   8 建物類を地面に配置したところです。
   

  前作をご覧いただいた方はお気づきになったかもしれませんが、季節は夏にすすんだのに樹が前作より小さくなっています。 これはこの丘の
何百年か前の風景を再現しようとしているからです。雰囲気としては15世紀ごろのアイルランドかスコットランドあたりのイメージなんだけど、どうかな?


9 お花畑の材料は主にミニネイチャーシリーズの
 の花々、これをセンス良く貼り付ける。(難しい)
10  池と小川ですが、極めて少量なのでKATOの
 さざ波を筆で塗って表現することにします。
11 草原部分が変化に乏しい感じがしたので、ターフ
 などをブレンドしたものを適宜撒きます。

 お花畑のメインとなる素材はミニネイチャーから発売されている野草のお花畑です。けっこうな種類が発売されているので、これを何種類か
組み合わせてゆけば、それなりに雰囲気が整ってゆきます。
 最後の草原に変化をつけるためのパウダーですが、そのレシピはターフ、 TOMIXのパウダー、NOCHの繊維素材を1:1:1の割合で混ぜ
込んだものです。これを撒くと草原にふっくらとした厚みが出ます。



12 生活感が欲しいので小物類を追加します。こうい
 ったものは多ければ多いほど雰囲気が増します。
13 手持ちのフィギュアから登場人物をセレクトし、
 リペイントします。

 フィギュアについては、いつもすべてに手を加えてしまうので、今回は Preiser の無塗装のフギュアも使ってみることにしました。物にもよりますが
完成品だと数体で1000円ぐらいするので、こちらの方がずっとお得です。しかもけっこう精巧な出来で、身長1cmのボディながらその表情もきちんと
再現されているのがすごいです。
 小物類ですが、ベンチ以外は適当なものがなかったのですべて自作しています。



   14 あとはフィギュアの配置と全体の調整を行って完成です。
   

    ガーデン入口のゲートはつる薔薇、そのお庭の手入れをする女性。苗を植えているところを再現したつもり。

   

   テーブル上には花の苗、小屋には看板なんかも追加します。

   

    井戸とパン焼き釜、物干しと洗濯物、洗い桶、はしご・・・、こういったものを追加することで、より生活感のようなものが出てきます。

   

    馬小屋、市場にお花を売りに行くつもりなら、馬と荷車は必要かなと思った。



 ということで、10月ぐらいからちょっとずつ作っていた小さな丘の風景はこれで完成です。



 ジオラマの大きさは20cm×25cm、スケールは1/150です。粘土で型取りし成形したベースにハンドメイドの建物や市販されている植物、
パウダー類を組み合わせて作り上げています。




 場面設定としては、少し前のスコットランドかあるいはアイルランドあたりの地方都市郊外、そこに若い夫婦が住みついてお花畑に囲まれた
家を建てましたという感じです。



 旦那さんは小学校の先生、お花畑は奥様がおもに世話をしていて、週末にはこのお花を摘んで市場に売りに行く、そんな一時代前の理想的な
風景を再現してみたつもりです。実際、こんな風景があったかどうかは分かりませんが、この20cm×25cmの小さな空間の中では話として成立して
いるんじゃないかと思います。



  娘と屋根に上って遠くを眺めます、その目には何が映っているのかな?
  地球温暖化とか異常気象とかそんなこと無関係にみんなが生きていた時代があって、人間もそんな自然界の一部だった。
今現在の自分たちって、本当にその頃の人々より幸せなんだろうか?



 前作、春の風景では一人の女性がこの丘を訪れていたけど、遠い昔ここに住んでいた祖先をたどってやってきたっていう設定です。

 小さな丘のシリーズも冬、春ときて、この初夏で3作目、本当はこのあとの構想もあるのだけれど、この3作品で一つのストーリーが
出来上がったので、これにていったん区切をつけようかと思います。
 次のいジオラマは再び1/24、Alice's Dreamy Bedroom というドールハウスキットをベースにしたものをつくり始めています。



2019.12
camera: CASIO EXLIM EX-ZR4100 / graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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