Alice's Dreamy Bedroom
新しく1/24のドールハウスをつくりはじめました。1/24はフィギュアやプラモ、ドールハウスのスタンダードなスケールなので、いろいろ
組み合わせることができたり市販品が多かったりで、制作にはいろいろと便利です。
今回も市販品のドールハウスキットをベースにしてゆくつもりです。選んだのはこちらの Robotime というメーカーの Alice's Dreamy Bedroom
という商品です。
基本的には完成画像に含まれるすべての素材と解説書がついています。パーツ数はざっと200ぐらいありそうですが、これまでこのシリーズを
買ってパーツに不足分があったことはなかったです。
お値段は買うところによってまちまちでアマゾンでは現在4000円ぐらい、原産国の中国では3000円ぐらい、自分はAliexpressのセールの時に
購入して2300円でした。内容から考えるととっても良心的なお値段かと思います。
さっそく製作開始ですが、基本的には説明書どおりにつくってゆけば1週間ぐらいで完成すると思います。
1 部屋の制作
1 まずは付属の説明書をざっと読み、袋に整理され
ているパーツを正しく選ぶ。
ジオラマのベースにするつもりなので、細かなところは後回しにして、部屋そのものをまずはつくります。
3 関連するパーツを加工し組み立てる。ここは説明書
どおりにやれば間違いはないです。
3 部屋の組み立てが終わったら、全体にジェッソを
塗ります。
4 例によって壁はモデリングペーストをたたくように塗ってその質感を出します。
5 後で工作するのも難しいので、この段階で照明器具
もとりつけます。
6 更に窓とベッドも取り付けました。
基本ここまではキットの説明書通りです。でもここで何か物足りない感じがして作業を中断します。
このままだと空間的なひろがりがないし、タイトルの「夢見る寝室」というには今一つ遠い感じがします。本当に夢のようなきれいなお部屋にするか、
そうでなければ想像という意味での夢のある空間にするか、何か工夫が必要な感じがします。
7 ロフト部分をつくり、そこから小さなバルコニーに出られるように
壁を延長しました。
8 ロフトとバルコニーは透明なプラ番で分離します。またロフトの床にも透明な
プラ番を敷いています。
9 スチレンボードで屋根をつくります。このあとダーク
グレーで着色。
10 ロフトにつながる階段と手すりなどをプラ棒と
真鍮、スチレンペーパーでつくります。
ということで中間的にはこんな感じでまとまりました。
屋根の形状も考えて、部屋から外にひろがってゆく感じを演出しました。もともとのキットとは違い、最終的には360°どの方向からも
鑑賞することができるようば作品に仕上げる予定です。
2 室内
部屋の概形が出来上がったので、次は家具その他の小物類をつくることにします。
11 まずはキットに入っているパーツを組み合わせて、
本や雑貨、家具などをつくります。
*) この編み上げカゴの制作がむちゃくちゃ難しい。
これを説明書どおりにつくるのは至難の業。
基本は説明書の通りですが、スケール感のないものはつくらなかったり、縮小したりします。
キットのものを流用して、それでオリジナル作品と言えるのかって話もありそうですが、そこはプラモと同様、ゼロから作り始めたら、
その何倍もの時間がかかるわけで、ここはあるものは使うという姿勢で良いのではないでしょうか。
構想の中で、宇宙が一つのテーマになるので、関連するものを少々追加します。たとえば上の画像では惑星のパネル類などはキットに
入っていなかったものです。
もともとが「雰囲気を重視したキットなのでなかにはスケール感のないものや、こんなもの女の子の部屋にはないでしょ、みたいなものも
混じっているので、そういうものはつくらない。そうするとスペースに空きができるので代わりものをつくる必要がでてきます。
第一段階として作り上げたのがこれだけです。
これらをとりあえず部屋の中に仮配置してみます。
やっっぱり足りない感じ、一見これで良さそうな感じもするけど、もうちょっとごちゃごちゃした感じにならないと、生活感のようなものが
出てこないです。
それでまた小物類の追加工作です。ペットボトルとコップ、筆記用具、オーディオセット、ノートパソコン、まずはそういったありそうなんだけど、
ここになかったものをつくります。そして思いつくものがなくなったら、あとはともかく箱をつくる。しょっちゅう使うものでなければ、普段は箱の中に
しまってあるはずだから・・・。
ドールハウス的なもののリアル感って、どうしても小物類の密度とか、ごちゃごちゃ感に関係するところがあるので、この作り込みは必須。
あとはどこで切り上げるかがポイントです。
このとき、通販で良さそうなものを見つけた。1/24のドリンクセットです。これ使える。
そして再度配置し直す。かなり密度が増しました。
1/24なので、たとえば手前のごみ箱は直径1cmぐらいの大きさです。
3 庭づく
り
Alice's Dreamy Bedroom という1:24スケールのドールハウスをつくり始めて3ヶ月、いろいろ手を加えていたら予定の3倍ぐらい
時間がかかっちゃった感じです。
360°どこからでも眺められるよう、今度は裏庭もつくってみます。
植物の表現はWAKOのペーパークラフトをメインにして、ジオラマや鉄道模型でよく使われるミニネイチャーシリーズやNOCHの
繊維素材、KATOのターフといったところを素材として活用します。
12 背の低い雑草をとりあえずおいてみたところです。
この段階でいろいろとイメージをひろげてゆきます。
13 WAKOのペーパークラフトを組み立てて着色した
ものを配置してみました。
14 それらしい雑草をツタにみたて、パンチで切り出
した葉っぱを1枚1枚貼り付けます。
バランスを見ながら少しずつ手を入れて行く、ここが今一番楽しいところ。植物についてはこれった感じで一種類で済ませるのでなく、
いろんなものを少しずつ組み合わせるのが自然です。もちろんそのためには素材をたくさんストックしておく必要があることは言うまでも
ありません。
ツタはそれらしい雑草を道端から抜いてきて使いました。自然素材にはやはりそれなりの説得力のようなものがあります。
アクセントとして1:24のモンキーを置いて裏庭は完成。秋らしい感じにまとめてみました。
4 天体望遠鏡とシルフィ・ココシュニック
ようやく完成に近づいたジオラマというかドールハウスですが、ここからはまだ大きなポイントが2つ。
ひとつはこの部屋の住人の個性を出すためのアイテムづくりです。
15 シュミット式の天体望遠鏡を組み立てています。
こちらはろんな素材やジャンクパーツから組み上げて着色前の状態です。
スーケールを考慮した口径は40cmほどで、おそらくはアマチュアが手にする最大径のものです。
特に何かモデルがあるわけでなく、その原理から想像力をはたらかせてつくりました。
ダークグレーを基調にした塗装で仕上げてみました。ちゃんと方向、角度ともに変えられます。
こういったところは固定式にしちゃった方が簡単だし強度も高くなるのですが、ついついこだわってしまうんですよね。
次はいいよ主人公のフィルフィ・ココシュニックです。
16 レジンキットの表面を磨き、サーフェーサーで下地
をつくったところです。
17 肌部分にキャラクターフレッシュを塗り、少しずつ
人間用のチークなどで色づけをしているところ。
18 フェイスを仕上げ、全体に色を置いてゆきます。
全体の雰囲気をミリタリー調にまとめてみました。
とりあえずの仕上がりが良くなかったので、結局もう一回やり直すことにした。でもアニメ系のメイクが苦手で苦手で・・・、もう誰かに代わってもらいたいぐらい。
肉眼だと良く分からないので(顔の大きさが5mmぐらい)、撮影した画像を拡大して確認し、少しずつ問題点を修正してゆきます。
細部をリペイントしてちょっとだけ可愛くなった。
こうやって拡大してみてしまうと、まだまだ詰めが甘いところもあるのだけれど、1/24スケールの小スケールだとぱっと見は大丈夫。
ちなみにいろんな角度から撮影したけれど、この斜め後方からのアングルがお気に入り。小さいけど魅力的なフィギュアです。
19 専用の保存箱をつくってます。
ここで主人公を飾り付けて完成としたいところですが、その前にやっておきたいことが一つあります。完成したジオラマを放置しておけば
埃をかぶったり、様々な劣化がすすむのは明らか。そこで専用の保存箱をつくります。
今回は多少の衝撃があってもがたつきがないように、スチレンボードでつくったフレームにはめ込んでから、その大きさに合わせて作った
ダンボール箱におさめます。
4ヶ月かけて少しずつ制作していた Alice's Dreamy Bedroom ですが、ようやくというか、とりあえずの完成にこぎつけました。
もともとは1:24スケールの小さなドールハウスキットですが、ロフトとバルコニー、外壁、屋根などを付け加えて360°どの方向からも見られる
ような作品にしました。
ベッドルームにある家具や様々な物品は、そもそもキットに入っていたものだけでは不足していたので、更に手づくりしたものを加えています。
作品の大きさは底面が20cm四方、高さが25cmぐらいです。 画像のシュミット式の天体望遠鏡はジャンクパーツから作り上げたものです。
裏庭は少しずつ北風が入ってくるような季節を演出してます。 遠くに見えるバイクはガシャポン、家主が活動的な女の子である雰囲気を出してます。
窓から覗く、何を考えてるのかな・・・?
フィギュアは装甲騎兵ボトムズのフィルフィ・ココシュニック。スケール1:24、身長7cmぐらい。いい感じ、特におしりのあたりが・・・。この発言はブーですかね?
この娘、何を夢見ているのかな? 見ている人にそう思わせたらこのジオラマは成功なんだろうな、と思ってつくってました。
夢って見るためにあるんじゃなくて、実現するためにあるって誰か言ってたけど、この歳になって夢を見ること自体が幸せなんだと思うようになってきた。
そしてジオラマってその夢を表現する一つの方法なんだ。
2020.03
camera: CASIO EXLIM EX-ZR4100 &Panasonic GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10
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