大井川から金谷





2022.01.02
 今回のお散歩旅は、年末年始に実家に帰省した時のものです。年始早々、大井川から牧之原台地を抜けて金谷に至る13kmを、4時間近くかかって
歩きました。今年も歩くぞ!



2022..01.02 SUN 天気:晴れ
9:20
 今回はお正月に帰省した時のお散歩旅です。
 JR東海道線の六合駅から金谷駅あたりまで歩きます。旧東海道に沿って移動するのが普通なのだけど、今日は大井川を挟んで反対側(空港側)を
歩いてゴールを目指します。地図上は9km以上あるので結構長い、3時間ぐらいはかかると思う。



 

 目的の1つ目は大井川に架かるこちらの蓬莱橋です。明治時代の初期につくられた世界一長い木造の橋です。(右側がギネスの認定証)
 ご存知の通り江戸の守りのため、明治維新までは大井川に橋はかかっていませんでした。ようするに今日は明治以降に新しくつくられた道を歩こうと
考えているわけです。



 実際に渡ってみました。富士山や南アルプスの山々まで見えて、とても清々しい。まあ一度は歩いてみて損はないかと思います。大井川の川幅が
1km近くあるので結構歩きがいはあります。
 映画やドラマの時代劇でも良く出てくるので、こちらを訪れる人は多いです。袂の物産館ではお茶やみかんその他の地元の名産品が揃っています。
 通行料は大人往復で100円、往復2kmのお散歩代が100円と考えるのなら安いと言えば安い。もちろん江戸時代の蓮台越しに暮れべればものすごく安い。
ちなみに一ヶ月定期というのもあって800円となります。蓬莱橋というとよく知られた観光地というイメージだけど、本来は生活道路の一つとしてつくられた
ものです。



 蓬莱橋がそれまでの東海道を少し外れたところに架けられたのには理由があります。その昔、対岸の牧之原台地は未開と言っても良いような台地で、
明治以降、江戸幕府のお侍が入植して開拓がはじまった。そしてその彼らの利便性を確保するために架けられたのがこの蓬莱橋というわけ。
 実のところ、この開拓事業を起こし蓬莱橋をかけたと言われるのが、かの勝海舟で、入口にはその銅像がどんと立てられています。





10:45
 そしてその入植者が始めたのがお茶畑です。かつての原野は、今は見渡す限りのお茶畑、10分歩いても20分歩いても、ずっとずっとお茶畑、
1時間歩くころにはかなり飽きてきた。
 でもいちめんの茶畑と青い空はどこまで行ってもきれいです。
 その青い空をときおり旅客機が通り過ぎてゆく。この台地の中央には静岡空港もある。(行ったことある、結構景色が良い)



 なだらかな上りがずっと続いて、やっとその頂上にやってきた。
 広大なお茶畑はもちろんのこと、大井川の渡しのあった場所、東海道線や新東名、島田、金谷の両宿場町、遠くには富士山や南アルプスの山々、
そういったものがすべて見渡せる絶景ポイントです。



 人間てすごい、そう思った。
 このあとは、まだまだ古く懐かしい風景の残る金谷宿に下りてゆきます。





 下ってゆく途中で見つけた小さな石碑です。
 823年ごろにこの地を訪れた弘法大師が、大井川で命を落とした人たちをここで供養したと伝えられるところだそうです。







13:00
 こちらはレトロな風貌の新金谷駅(大井川鉄道)です。近くにはもう一つ駅があって、そちらは金谷駅(JR東海と大井川鉄道)という。大井川鉄道というと
最初にSLを復活させた私鉄で有名ですが、その起点になるのはこちらの新金谷駅になります。
 やっぱり金谷を訪れたら、ぜひこの駅には立ち寄りたい。

 

 駅前にはプラザロコという建物があって、SLやトーマス号の切符、お弁当屋お土産などを販売しています。そしてちょっとしたミュージアムも併設されて
いて、そこには昔のSLや客車、そして復元された駅舎などがある。(入館無料)
 この日もトーマス号の切符は完売してました。

 

 そして駅構内には転車台があって、SLや実際に使われているレトロな車両も見ることができます。





 この画像はご存じない方もいると思って載せてみた。
 これは老朽化した車体等を運び解体する場所に引き込む支線のようなもので、ふだんは何も走っていないらしい、でもレトロな橋梁が良い感じです。



 

 こちらは駅のすぐ近くにある「日本座衛門首塚」です。(画像左)
 日本座衛門は本名 濱島 庄兵といい、江戸時代中期には見付宿を中心にして300人の手下と暴れ回った大盗賊の頭だったとか。相当な未男子で、
後には白浪五人男のモデルとなったという。
 本人は最終的には自首したものの打ち首になり、金谷の愛人によってこの地に葬られたと伝えられます。
 この首塚は宅円庵という小さなお寺のなかにあるんだけど、六地蔵とか観音様とか、何か普通のお寺とは違う感じがあって、新金谷駅に来訪した際
には立ち寄ることをおすすめします。







13:45
 大井川を挟んで存在した金谷宿と島田宿ですが、宿場町として賑わっていたほか、大井川の水運の中継地点でもあり、こんな感じで荷上場が
残っていたりする。交易品としてはやはり材木かな、大井川上流から運ばれた木材を加工ところが以前はたくさんあったそうです。
(今も家具工場などを見かける)
 ちなみに静岡県には世界的なプラモのメーカーがいくつもあるんだけど、もともとは木製模型をつくるメーカーだったというのは有名な話です。



 山を背負った地形のため、宿場は狭く密集している感じがある。そのため何度か大火もあったみたいで、ものすごく古い家というの少ないかもしれません。
でもところどころに宿場町の風情は残っている。



 こちらは遠州観音霊場利生寺(1605年創建)です。ほかにも立派なお寺や神社はあるけれど、なんとなくこのお寺さんには惹かれるものがある。
 境内には仏像やお地蔵様だけでなく、様々な彫像や陶器の七福神、果てはおもちゃの飛行機なんかもレイアウトされていて、さながらお寺そのものが
ジオラマみたいな感じです。
 何か意味あってのこととは思いますが面白い。



 こちらは巖室神社で建立は1200年頃。
 厳室神社鎮火祭というお祭りが有名だそうで、江戸時代中期には金谷宿内で度重なる大火が相次ぎ、当時の神官が迦具土神(かぐつちのかみ)
の怒りを鎮めようとしたことからはじめられたと伝えられています。
 この神社の一番奥には小さなお稲荷さんがあって、ちょっと神聖な感じのするところでした。





14:20
 予定していたゴールのJR金谷駅に到着です。
 この日の移動距離は13.1km、実は島田市のハイキングのモデルコース(初心者向け)になっていたりもするのだけど、アップダウンも多いので、
結構きついです。冬場に歩いてちょうど良い感じ、夏場だと間違いなく茶畑を越えらんないと思う。



 さて、こうして無事に実家に帰省して年末年始は過ごせたのだけど、次にもう一度、実家を訪れることができるのはいったいいつになっちゃうのかな?
 オミクロンは感染しても大したことないみたいだから、気にしてもしょうがない。だから仕事も学校も遊びも今まで通り、みたいな声というか、雰囲気が
伝わってくるんだけど、それで良いものかどうか。何かちぐはぐな感じがするので、一ぺん整理しておいた方が良いだろうな。
 とりあえず歩き初めをしたこの日、いろいろと難しい状況はあるにせよ、今年1年もこれまで同様、たくさん歩こうと思ってます。



2022.01
camera: Canon Powershot G9X Mk.2 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



サイトのトップページにとびます