目久尻川


寒川から海老名



2022.06.03
 神奈川県の中央部を通る相模線、今回はそのなかの宮山駅と海老名駅の区間を歩きます。ちょうどそこには目久尻川が流れていて、
のどかな景色を眺めながらのお散歩旅になりました。



6.03 FRI 天気:晴れ
 お散歩旅をしていて、ときどき思うことがある。それはやっぱり片道旅の方が楽しいかなということ。
 たとえは車やバイクで面白そうなところに行って歩いたとする。でも結局は車やバイクがあるから、一筆書きのコースで戻ってこなくては
いけない。でも何かの交通機関があるならば、お散歩旅は行ったきりで構わない。止めたり予定変更も自由です。



7:00
 今回も片道旅です。寒川のJR「宮山駅」を出発点にして、目久尻川という神奈川県の中央部を流れる川に沿って歩きます。
 暑いのは嫌いなので、宮山駅に到着したのはまだ涼しい朝の7時でした。




 川自体は上の画像の通り、特別何があるという訳でもない相模川水系の1級河川です。
 ちなみにこのお散歩合旅は、少し前の梅雨の晴れ間の時期に実行しましたので念のため。
 ここ最近の陽気で歩いたら、間違いなく倒れます。




7:20
 宮山駅のすぐそばにあるのが寒川神社です。
 創建は不詳ですが、少なくとも1600年の歴史があるという古社で、年間に200万人も参拝に訪れるというところです。立派な社殿、鎮守の森、
鳥居、すべてにおいて相模の国一の宮の風格を感じます。



 まずはお散歩旅の無事を祈願して出発です。


 

 寒川神社を離れると、そこからは広大な田園風景がひろがる。
 ところどころに野菜の無人販売所などもあったりする、そういうところです。



 目久尻川に沿って散歩道やサイクリングロードはあるけれど、ずっと同じような風景なので、面白そうな道があれば外れてそこを歩きます。
 全体としてはJR相模線に沿って北上してゆく感じなので、疲れたり何かあったらそこでおしまいにするつもりです。目安としては海老名あたりが目標。
 今回のモデルドールは ヘッド部分をリペイントした TBLeagueS35です。


 

 左は小動神社、創建年代等は不詳なれど、江戸時代には存在していたらしい。いかにも村の鎮守様という感じです。
 右側は何ということもない原っぱだと最初は思ったのですが、よく見ると地面を覆っているのは全てスギナ・・・、ということは春先はいちめんを土筆が覆っている
ということ、想像するとけっこうすごい。

 googleマップを見ていたら、通称、中原街道という県道に沿って細い道が続いていることに気付きました。
 こういう道は古道である可能性が高く、いろいろな発見もある。

  

 実際に行って見たらこんな感じで、車がすれ違えるようなところもあれば、林に囲まれて人しか歩けないところもある。
 そしてところどころにお地蔵様とか道祖神、きっとこれも何百年も前からあるような道なんだろうなあ。また目久尻川の河岸段丘の上段なのでここには水田は
全くありません。
 おそらくは中原街道の最も古い旧道なんだろうと思います。



 そして周りはというと、様々な種類の樹木でいっぱい。
 googleマップによれば、周辺は造園業とか土木建築のお仕事をしている会社がたくさんある。このあたりはきっと、昔は養蚕のための桑畑だった、それが東京近郊の
開発とともに、こういう感じで変化していったというところかな。







8:50
 突然、とても素敵なお庭に出くわした。
 何だろうと思って入っていったら、そこはカフェでした。



 その昔、ある植木屋さんの裏手の道は「立小路」と呼ばれていたそうです。今では消えてしまったその名前をこの地に残したい。その思いから、この庭園カフェに
「立小路」と名前をつけたんだそうです。

 

 暑さを避けるために出発は早朝、そのためここについたのは開店の1時間前。
 それでも自分たちの存在に気付いたお店の方がコーヒーを入れてくださいました。
 中原街道自体は何度も通ったことがあるけれど、こういう空間が裏側にあるとは全く考えもしなかった。
 こういう出会いがお散歩旅の醍醐味だね。






 寒川町から藤沢市へ、そして再び目久尻川に戻ってくるとそこは綾瀬市です。
 一帯はのどかな田園地帯です。
 この綾瀬市というのは少し特別な場所で、JRも私鉄も通っていないので移動するには近隣の都市にバスで出るという不便なところ。また新幹線は
通っているけど駅はない。飛行場はあるけれど米軍基地。最近になってようやく東名高速のスマートICが設置されたという、神奈川の中央にありながら
交通手段には恵まれていません。(その分、自然な景観がまだまだ残っているとも言える)




9:40
 新幹線のガード下をくぐると神崎遺跡があります。
 ここは20ほどの竪穴式住居からなる弥生時代後期の遺跡で、復元された住居や資料館などがあります。(入場見学は無料)
 保存状態も良く、貴重な出土品が得られていることから、国の指定史跡にもなっている。

 

 ここに住んでいた人たちは、遠く現在の浜松近郊から移住してきたということらしい。でも何でそんなことまで分かっちゃうんだろ?







 

 目久尻川に沿って歩きます。川に沿ってずっとサイクリングロードが続きます。
 途中、川の駅なる休憩所もありました。






 土手がお花畑になっていてとてもきれい。
 このあたりは少し前の田舎の風景がひろがるところです。





 こちらは江戸時代の建立と伝えられる駒井不動尊です。






10:55
 しばらく進むと、初夏にはホタルの舞う公園があり、その向こうに早川城址があります。
 出土品の分析から、鎌倉幕府の御家人であった渋谷一族により築城されたとも伝えられています。現在も土塁、掘切、物見塚、曲輪などが残っています。
 今は城山公園として整備されて、バラ園や日本庭園などもあります。



 綾瀬市民の憩いの場ですね、訪れる人も多いです。


 さてここまで歩いたところで、歩数計はすでに10kmほどになった。
 ここでお目久尻川から離れ、帰途に就くことにします。意地になって源流まで行く必要はありません。続きはまた今度でOKです。
 このあたりはバス便もあるのですが、最寄り駅の海老名まで3kmほどなので歩いてみることにしました。




 googleマップで最短距離の道を探して歩く。
 山間の細い道を歩き、資材置き場を越えると、そこは東名高速の上でした。
 高台からは、遠く海老名の街が見える。そこ前の間は延々と住宅地が続きます。昔は海老名というと田んぼの中の駅というイメージがあったのですが、今は違う。
あらゆる場所が様々な構造物で埋め尽くされてしまった感じです。




 海老名到着は12:00少し前、歩いた距離は13kmほどでした。



 今、海老名の市街地では急速に高層化が進んでいます。
 「ついこの間までは、今日歩いてきた道とたいして変わりはなかったんだけどな・・・。」
 一気に現実社会に引き戻された気がした。



2022.06
camera: Canon Powershot G9X Mk.2 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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