eye4工房番外編

Goshawk


















<眠っていたフィギュアを発掘する>

 またまた押し入れに眠っていたフィギュアをちゃんとした作品に仕上げるという話です。
 今度はGoshawk(オオタカ)という1/24のフィギュアをベースにします。



 こちらの画像は購入したAliexpressのショップからいただいたものですが、クールで引き締まった空気感が気に入って何年か前に購入しました。
 ただその頃はまだまだ仕事が忙しく、手を付けることなく数年が過ぎ、今回押し入れから発掘されるに至ります。



 これが送られてきたキットなのですが、あらためて見てみるとちょっと「え、」な製品。モールドが甘く、ボウガンも形が崩れている。まがい物をつかまされた
可能性が大だと正直思いました。
 そのまま見なかったことにしようかとも考えたのですが、安いものでもないので、これをベースにパーツを補って作品化するつもりです。
 さてこのフィギュア単独だとやはり迫力不足で小さすぎる感じがします。やはりジオラマとして完成させた方が良いと思う。



 そこで組み合わせることにしたのが100均で見つけたこの置物です。これを利用したら面白いかもしれない。
 作品はやはりアイディアの勝負ってところがあるんだけど、過去に撮影した写真や、100均、お散歩していた時に見た風景、いろんなところからアイディアが生まれます。


   1 サーフェーサーを吹き付け、まずはフィギュアをよく観察します。
   

 まずは中性洗剤で洗い、主要なパーツを接着してから塗装しやすいように白銀線を取り付ける。そしてホワイトのサーフェーサーを吹き付けてみました。
ここまでの流れは誰がやっても基本的に同じだと思います。
 自分の場合にはこの段階でしばしの観察です。確かに狩猟をしているような雰囲気は良いのですが、いくつか気になる点を見つけた。

 よくよく手に取ってみると造形的にも手を加えたいところが出てきました。
 最初に思ったのは、筋肉を使ってボウガンをキリキリと引いているように見えないこと。もっと肩の位置を高くしないと小手先で引いているようにしか見えない。
 次にヘッドが面長でバランスが悪い。
 そして下半身が華奢な感じで、大地を踏みしめているような力強さがない。


   2 改修プランを練り、それを実行します。
   

 色々考えたうえで改修プランをまとめてみました。
A 幸いにしてヘアーのパーツは別なので、外して額部分を削り込む。
B 華奢な感じの下半身は腰から太ももにかけて厚みを増し、筋肉質な感じにする。
C 着ているものはオールインワンのスーツタイプのもので、縫い目や包帯もモールドされているのですが、Bの関連でこれらのモールドは削り取ってしまう。
D 新たにショートパンツを再現する。
 まあこんなところです。肩の位置の改修は、直接的には少し厳しいかもしれません。ボウガンがここにはまらなくなる可能性が高いので。1/24というスケール
(身長7cm)だと無理はできない。

 キットに手を加えるって、自分の考えでは悪いことではないと思う。特にリアル系のものならば、より良い表現を追求するのは正しい道であるように思う。それに
よってより可能性が増すわけだから。


   3 瞬間接着パテを盛り、リューターやデザインナイフで
    削って形を整えます。
   

 上の画像はリューターで面長だったヘッドをぎりぎりまで削り込んでいるところです。
 このあと瞬間接着パテで下半身のボリュームを増す作業に入ります。少し盛ってはデザインナイフで削りリューターで磨く、合わせてモールドの甘いところ
などにも手を加えてゆきます。
 こういう細かな修正を連続的に行うには瞬間接着パテがやはりベストでしょう。


 

 3日ほどかけてプランを形にしました。
 全体のバランスはかなり良くなったと思います。肩の位置が低いという点も、面長のヘッドを修正したら少し目立たなくなった感じです。
 バランスが良くなり、力強さも出てきたと思います。


   4 メイクはMr..カラーで基本的な塗装を行い、人間用のチークやシャドウで補う。
   

 さてここからこのフィギュアに色をつけてゆきます。
 自分の場合には多少の器用さは持ち合わせているとは思うのですが、たとえば1/35スケールのフィギュアの目の塗り分けができるほどの腕前はないです。
 自分の能力としては「ぱっと見でなんとなく雰囲気が出ている」という程度に、ごまかして完成させられるレベルだと思います。あと、ともかく自分では作品が
破綻しなければ良いと思っているというのもある。(完璧は求めない)
 拡大して見られちゃうと、大したことないなって言われちゃうと思いますが、虫眼鏡を持ち込んで作品展に来る人はいないので、とりあえず大丈夫かなあという
感じです。
 まずは全体としては肌の部分を仕上げた後に服装、そして細部という感じですすめてゆきます。
 最初に行うのは肌の部分にMr.カラーのNo.111キャラクターフレッシュを塗り、GX113つや消しクリアーを吹き付ける。そのあとに行うのが、顔を中心としたメイク
(A)と影の部分の表現(B)です。

   

 使用するのは人間用のチークやシャドウなどです。自分の場合にはCEZANNEを使っていますが、特にこれでなくてはいけないということもないです。あえて言う
なら入手しやすく、比較的安価、安心の国内産ということかな。
 こだわりがあるというと、下に写っている綿棒の方です。これを使って色をつけてゆきます。
 上から子供用の小さい綿棒、これは比較的広い面積を着色するときに使います。一般的には真ん中のつまようじに綿のついたものが使いやすいです。一番下は
固くとがった綿棒で、細かな溝にチークを落とし込んだり、逆に色がつき過ぎてしまった時にこすって落とすなどにも使えます。

   

 拡大鏡で確認しながら、少しずつ綿棒でチークを塗ってゆきます。1回では大して色はつかないので、再びつや消しクリアーを吹き付けて塗るという作業を繰り返します。
 薄い絵の具を何度も塗り重ねる水彩画の感じかな。  こういう作業だから破綻はしない、誰にでもできます。

 

 チークの作業が終わったら、唇や目を描く、いや描こうとは思わない方が良いかもしれません。とりあえずまずは薄めの塗料で色を少量おくという感じです。超絶技巧の
フィニッシャーさんなら描き切るのかもしれませんが、とりあえず自分はたどたどしく色をおく。
 左の画像は1回目の作業後です。お世辞にも上手とは言えません。ちなみにヘッド部分は8mm×5mmぐらいです。
 ポイントになるのは上の瞼で、この部分の与える印象が最も大きいです。ここがちゃんと描けていないと目や眉毛なども落ち着かない。
 あと筆は極細で最も調子の良いものを使いましょう。高ければ良いというものでもない、何本かの中から選びます。
 乾燥したら拡大してよく見てまた色をおく、たまにはみ出すけれど、それは乾いたらデザインナイフの扇端で優しくでかき取る。筆よりもデザインナイフの方が言うことを聞いて
くれるので自分は多用します。
 右の画像は4回目ぐらいの作業が終わったところです。目の部分はMr.カラーの41 レッドブラウン1色でほぼ描きました。あとは少量のホワイトとブラックのみ。
 全体にボヤっとしていて細かな描き分けもしていません。それでも破綻するよりはましかなとと思って仕上げています。 


   5 Mr.カラーで着ているものを着色します。
    

 こういうものってやはりグリーン系の迷彩で表現するのが一般的でしょう。
 ただそれだと「ありふれたもの」になってしまうので、ここは塗装を一工夫したいと思います。
 乾燥地帯、あるいは乾季のシーズンをイメージして、流行りのくすみピンクをメインにブラウン系の塗装を施すことにしました。ピンクという色はそういう地域での迷彩に
使われることもあり、少し彩度を下げてやれば決して不自然ではないと思います。
 あらためて見てみるとパーツ一つ一つに荒れがあり、モールドが甘い。またショートパンツ姿に変えたので、こちらで不足している造形を補ってやる必要があります。
 基本的な修正は瞬間接着パテの盛りと削り、そして部分的に紙を細く切ってベルト類などを追加してやります。

 最近ではつや消し添加剤や艶消しのトップコートの種類も増えてきました。
 基本的にはMr.カラーの no.30 フラットベース スタンダード、布などの部分は no.188 フラットベースあらめ・ラフを混ぜる、金属や樹脂部分はGX no.114 スムースクリアー
をあとから吹き付ける、というパターンで対応しています。
 あと自分の場合にはやや濃いめの塗料を流し込んで輪郭を強調することはあまりしません、どうしても不自然な感じがしてしまうので。顔のメイクと同じように、必要に応じて
パステルを削り、麺棒で立体感をつける程度で十分だと思います。

   

 ピンクとブラウンだけだと少し地味すぎる感じがしたので、靴とグラブには部分的にトーンを落としたパープルで塗装してみたら良い感じだった。
 ここは事前にPC上でシミュレーションしました。あとでこんなはずじゃなかったと後悔するのは悲しすぎるから。
 ポイントポイントで他の色も使います。紙を赤や緑に着色して貼り付けたら、それらしく仕上がりました。

   

 本体の着色がすすんだら、装備品も着色して装着する。



 1/24スケールのこういうフィギュアをつくるって、ともかく塗り分けが難しい。1日1時間で1週間かかってもこの程度しか作業は進みませんでした。  


   6 装備品の組み立てと塗装を行います。
    

 こちらがそのボウガンとアサルトライフルのパーツなんだけど、どう考えてもこのままじゃ使えない。たとえば矢は曲がっているし、ボウガンの弦は太すぎる。
 パッケージをあけた数年前、見ただけで仕舞い込んでしまった最大の原因はこれです。
 そもそも弦や矢の軸は1mmほどあるけれど、これを1/24で換算すれば、実質2.4cm相当で明らかに太すぎる。2.4cmでは弦じゃなくて、それは太めのロープです。

 ということで自分も玄は糸に、矢の軸は0.5mm径の真鍮線に置き換えて制作することにします。
 3日ぐらいかかって右側の画像の状態までたどり着きました。この間、大活躍だったのは0.3mmと0.5mmのピンバイス、そして瞬間接着剤です。



 ただここから先がまた大変で、ボウガンがボディにぴったりとはまらない。瞬間接着剤で仮固定し、瞬間接着パテを流し込んで再成型するという荒業でなんとかここまできた。
 あとは全体の調整を行います。
 ボウガンを向けた方向にフィギュアの視線がなくてはやはりおかしいので、ここは頑張ってフィギュアの瞳に筆を入れます。墨入れはあまり好きではないのだけど、モールドの
甘さが気になるところに必要最小限、濃いめの塗料で描き入れました。あとは全体のつやを整える等々の作業を行います。

 

 ということで何とか完成し、印象的な点光源で撮影してみました。こういうフィギュアにはぴったりかも。
 でもこれがゴールではなくて、あくまでもジオラマの主人公が出来上がっただけです。これからこのフィギュアのための背景づくりの作業に入ります。





<構図について>
 まずは以前につくったジオラマをご覧いただきます。



 モデルドールは ayumi
  仕様:身長52cm(1/3スケール)テンションゴムを用いたオリジナル球体関節人形(2005年制作、2020年及び2021年にリメイク)
  素材:ラドール、モデリングペーストによる表面仕上げ グラスアイは組み込み、ドールヘアはウイッグ、リキテックスとMr.カラーによる着色 つや消しウレタンクリアー
      及びMr.カラーのつや消しクリアーのコーティング

 今回はまずこの作品のレイアウトについて解説したいと思います。
 ベースになっている石畳は45cm×45cmの正方形、背景のパネルは45cm×80cmの長方形、そしてその中央にドールを置いています。レイアウトとしてはとても安定して
いて、穏やかな感じがします。
 よく写真の世界では「日の丸構図」という言葉が出てくる。
 写真なので風景は長方形に切り取られるのですが、その中央に普通に主人公が写っているというパターンの構図のことを言います。安定感がありすぎて面白くないと一般に
言われます。
 同様にジオラマの世界でも、円や長方形のベースなかの真ん中に主役をぽんと置いてしまうとこういうことが起こります。
 上の作品でも主役は真ん中に置いたけど、少し斜めに置いたことで顔が右寄りになって、「超安定」の状態を避けています。
(なお構図というのは写真や絵画の世界で使われることが多いです。そこで立体的な配置という意味で、ここではレイアウトという言葉を使いたいと思います。)
 あともう一つ言えることは、作品自体を四角や丸のベースの中に完全に収めてしまうと、作品としてその空間内に閉じ込められてしまって、外界からのつながりが途絶えやすい
ということもあります。
 絵画の世界では作品を額縁に入れて展示するのが一般的ですが、これは外の空間と切り離して、絵画独自の持つ空間を守るという意味があると思います。
 さてここで上の作品をもう一度見ていただくとお分かりのように、ただ1点を除いて基本この作品は閉じた空間になっている。ではその1点は何かというと、背景から伸びている
1本のイロハモミジの枝です。
 この枝があることで、その続きとして太い幹があることが意識できるだろうし、もちろんその木を収める更に広い空間があることも想像できる。そして更には人形の視線を上に
持ってゆくことで、この人形が更に広い秋の青空を見ているんだろうと思わせることもできる。
 自分が思うにフィギュアや人形、その他登場人物の制作のうまい下手というのはあるけれど、それ同等以上に重要なポイントになるのがこの「レイアウト」であったり細かな演出の
アイディアだと思っています。
(もちろんこれはあくまでも自分の考えではあるけれど)


   7 主だった構造材とフィギュアでレイアウトプランを練ります。
    

 フィギュアを制作しながら、ジオラマレイアウトもある程度は考えていました。キーワードとしては「近未来」「戦闘」「原野に戻りつつあるほどに荒廃した都市」「乾燥地帯あるいは
乾季」といったところかな。
 レイアウトとしては「人工的なものが破壊されつくした不安定感」「広大な戦場の一部」といった感じを表現したいところです。

 主要なパーツは3つです。台座付きのフィギュア本体、100均で入手したRelaxの置物、そしてこれも100均で買ったトラス(3本で110円、なんでこんなものまで売ってるんだろ?)。
いろいろ配置を考えて固まった基本形が上の画像です。「人工的なものが破壊されつくした不安定感」という意味で、今回は極力、直角や平行なラインをつくらないようにしたい。
だから背景のRelaxとトラスは110°という角度で交差させ、Relaxそのものも地面とは平行に置かない。もちろんフィギュアの位置も中心からずらします。


   8 角材とスチレンボードからジオラマベースをつくります。
    

 ベースボードは100均で買ってきた角材とスチレンボードからつくります。
 左側の画像は上の画像は直交する2つの辺を組み合わせているところです。簡単なんだけど、これが結構丈夫でしかもとってもリーズナブル。
 これを直交する2辺2つを組み合わせて上にスチレンボードを張り付けました。
 ただご覧のように長方形にはしていません。あえて少しだけ斜めに組み上げて不安定感を出します。ご覧いただいてお分かりのように、左側に遠近法の焦点が
あるように見えて奥行きが出てくる。いわゆる錯視というやつです。  

9 スチレンボードを更に組み上げて、基本的な地形
 の起伏をつくります。
10 モデリングペーストで隙間を埋め、ジェッソを塗る。
 あとは粘土で全体をなだらかに整えます。

 予定通りに3つのパーツをこのボード上に配置します。そのあとスチレンボードをカットして、多面体で地面の起伏をつくってゆく。粘土を使っても良いけれど、この方が
軽量に仕上がるし、強度的にも十分です。
 トラスやRelaxがベースボードからはみ出しているけど、これは前出の「空間の広がり」を感じさせるための演出です。



 やっと形になってきましたね。このあと地面の表現を行います。





<地面を表現する>

 ここから先、リアルな地面を再現します。

11 基本はアクリル絵の具とタミヤのテクスチュアペ
 インで着色をします。
11 ざらざらの表現はペット用のトイレ砂を使って行い
 ます。
12 瓦礫はスチレンボードをグレーで着色、鉄筋はエナ
 メル線で表現します。

 真っ白だとわかりにくいので、まずは全体に茶色いアクリルを塗っておきます。(A)
 次にタミヤのテクスチュアペイント「ダークアース」で地面を、「土カーキ」でRelaxの置物を塗り、乾く前にペット用のトイレ砂を撒く。(B)
 更にこれが乾燥したところで、地面のところどころに「草カーキ」を塗って変化を出す。(C)
 作業時間30分ぐらいで岩や地面の質感が出せまする。
 色の調整はあとでもできるので、最初のうち色よりも質感を重視して作業をすすめた方が結果は良いです。

   12 適宜トラス材や、コード類m、砂利などを追加します。
         

 もっと迫力があっても良いように思えたので、さらにトラス材、コード、ストローなどを追加します。ストローは着色すれば工業プラントのパイプに見えます。
 鉄道模型の材料から砂利や砂、木片などを選んで接着し、更に荒れた地面を表現します。


   13 パステルを使って錆や雨だれなどの汚れを表現
    します。
    

 まだ人工物の部分はまだリアルとは言えないところもあるので、次にこれを解決します。
 使用するのはパステルです。今では100均でも18色入りのものが売られているのでありがたいです。
 パステルをカッターナイフで削り、溶剤を含ませた筆にとって塗るだけで様々な汚れが表現できます。
 パステルの茶色、オレンジ、黒を混ぜてボルト部分に塗ってみました。これで簡単に赤さびが表現できます。(A)
 基本、つやは全くない招待で仕上がるのでつや消し添加剤も不要です。
 チャコールグレーを多めの溶剤で溶いて、パイプの上から下に向かって塗れば雨だれで汚れた感じが出ます。(B)
そして黒と焦げ茶を筆にとって、トラス剤の上にぽたりと落とすように塗れば油汚れに見える。(C)
 パステルが使いこなせるようになると割合簡単に汚しや経年劣化が表現できます。
 もちろんパステルは落ちてしまいやすいので、最後はつや消しのトップコートを行います。(D)

    

 更に自分の場合には埃のかぶりやすいところに、つや消しのトップコートに少量のタンを混ぜたものを吹き付けています。(E)
 そのうえで再びタミヤのテクスチュアペイントのダークアース、土ブラウン、草カーキとペット用のトイレ砂で土汚れを追加してやればこんな感じに仕上がります。(F)


   14 スタティックアプリケーターを使って草原を表現します。
   

 例によってスタティックアプリケーターで「枯れ草」を表現します。まずは長さ5mmから10mmのファイバーを何種類か、そして更に鉄道模型用のパウダーとターフを
混ぜて枯れ草の元をつくります。ある程度の種類を混ぜた方がリアルになります。

    

 そしてKATOの「草原糊」を塗ってから、スタティックアプリケーターを振り下ろして草原をつくる。
 1回だけだ少し足りないので何度か繰り返し、今回は最後に茶系のカラーを吹き付けて変化を出しました。

   15 更に大きな草を追加します。
    

 ここから少し背の高い植物を配置してゆきます。ビニル樹脂などでできている草は種類が限られているので、今回は天然のものを使います。都合の良いことに最近は
使えそうなドライフラワーが100均にもおかれているので、使えそうなものを2袋ほど購入してきました。
 但し天然のものは基本的に「乾燥させてあるだけ」なので、何年か放置しておくとぼろぼろになって形を失ってしまう。だからそれを防ぐために、樹脂などを染み込ませる
などの下処理を行う必要があります。
 今回はリキテックスのマッドジェルメディウムを使ってみました。基本は艶消しの盛り上げ剤なのですが、これを水で溶いてつかってやればコーティング剤としても使える
はずです。
 100均で買ってきたドライフラワーをこの水溶液に浸し、乾燥させたのが左の画像です。
 今回は黄色や赤、茶などの絵の具を添加して、好みの色合いに着色もしています。
 これを右画像のように生け花よろしく仮配置してみます。

 基本、最も背の高いものを前景に使うことはあり得ないので”Relax”の文字の後ろに配置して次の流れを検討します。
 そのうえで一様に並べたのではつまらないので、今回は「風の通り道」のようなものをつくってみることにしました。右から左手前に向かって風の通り道(植物が疎)のところを
つくり、一部はトラス材の下を抜けて左側に出る。

   

 そのトラス材の下の状況です。
 トラス材の下には空間をつくって、あとは詰められるだけドライフラワーを詰めてゆきます。大きな植物の足元の部分を埋めてゆくのは生け花の世界と同じ感覚かもしれ
ません。見栄えがぐっと良くなります。
 最終調整に使っている細かな枝のようなものはオランダドライフラワーという市販品です。空間埋めや微調整にはおそらくベストなものの一つです。

 

 そして風の通り道は手前の空間にも抜けてゆきます。
 かなり立体感が出てきた。あとは主人公のフィギュアをここに配置して、全体の微調整をすれば完成だと思います。



<完成画像>
1月からつくり続けていたGoshoawk(オオタカ)という1/24スケールのフィギュアを主人公にしたジオラマが完成しました。ほかの作品と並行して少しずつ作業を
すすめていたら、なんと4か月もかかっちゃいました。









 イメージとしては近未来、荒廃した都市空間が荒れ果て、いったんは植物が繁茂するが、そしてその植物も乾燥化した環境の中で枯れてゆく。
そういうある意味あってはならない空間をつくってみました。

「それでもまだ人類は戦いを止めない。」






 ジオラマ自体は不等辺の4角形で1辺が16cm程度、フィギュアの身長は70mmです。



 ジオラマベースは100均で購入した角材をフレームにして、同じく100均のスチレンボード、トラス材、ドライフラワーなどを使って組み立てています。
おそらくは材料代だけなら2000円もかかっていないと思います。



「戦士たちはいったい何を求めて戦い続けるのか。」



2023.05
camera: CASIO EXLIM EX-ZR4100  & Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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