遠藤原


中井町から平塚市に続く丘陵地帯

2023.05.24~26
 梅雨入り前、晴れ間を見つけてお気に入りのお散歩コースに出かけました。もうこの時期になると朝食もそこそこに出かけて行って午前の
10時ぐらいに終了みたいなペースでないと、暑くて楽しめない。







5.24 WED 天気:くもり
8:45
 やってきたのは神奈川県中井町にある「厳島湿性公園」というところ。
 ここは水源地になっていてたくさんの湧水があふれ出し、その中央にある島にはその名の通り「厳島神社」があります。まわりにはクレソン
などの水生植物が育ち蝶が舞う、ときおりカワセミも姿を現します。
 これからの時期だとホタルも見ることができる。
 東名高速の秦野中井ICの近くなので都心から60km、車で30分ちょっとのところにこういうスポットがあるというのは、地元民としては少し自慢
できるかもしれません。







5.24 WED 天気:くもり
7:30
 ここから東側にひろがる丘陵地帯を上ってゆくと平塚市の遠藤原という地域になります。
 もともと水源に乏しいところなので、こちらは開拓されて様々な野菜などが植えられている。



 いちめんの蕎麦畑。
 ここからはトウモロコシ畑の向こうに富士山が見える。
 麦畑と富士山、放置されたワンボックスが画になっている。



 こういう場所を歩くと、間違いなく元気になれます。




 こちらは蕎麦畑。



 トウモロコシ畑。
 最近のトウモロコシは本当に甘い、ラップしてチンするだけで、あとは何もいらない。



 ごくごく普通の原っぱがきれいです。



 畑の向こうに見えるのは丹沢大山国定公園の山々です。
 中央に見えるのは、江戸時代には年間20万人もの人々が訪れたという大山です。



 このあたりからでは、どこからでも富士山と先ほどの大山が見えます。
 こういう写真を見ると、まるで北海道や信州にやってきたような感じで、ここが東京から1時間以内で来られるような場所とはとても思えません。
 夏の盛りを除けば、お散歩コースとしては最高の場所です。





 この地が切り開かれたのはかなりの昔の時代のようで、集落の周りや道端には道祖神や石碑の類がものすごくたくさんあります。
 石碑の左側に見える大山は古くから山岳信仰の対象になっていました。その起源はなんと旧石器時代に始まると言われています。



 近くにある日枝神社も大山信仰の流れをくんでいると伝えられます。(とっても古いらしいのですが、その詳細は分からない)
 またこういう開けた地形だから、北条早雲と三浦一族、あるい北条と武田信玄など、何度かここを舞台に合戦が繰り広げられた場所でもあります。



 また一方で悲しい事件も記録に残っています。
 江戸時代末期、現在の中井町と平塚市の土沢惣領の家の間で婚約が整い、挙式の日を迎えた。花嫁は花籠に乗り、媒酌人及び親類一族ともども
その一行がここを通りかかった。
 そのとき一人の若者が突然に現れて、花籠の花嫁を刀で刺して逃げ去ったという。
 以降この場所は「花籠の台」と呼ばれ、婚礼の際には通行禁止の場所となった。その後この禁を破ったものもいたが、やはり不幸が訪れた。
 そういうこともあって、今でもめでたい時にはここを通らないようにする習慣が今も残っているということです。
 とってもきれいなところなんだけどね。



8:10
 遠藤原とはこの丘陵地帯の総称で、基本的に水場は乏しい。けれどいくつもある谷筋は湧水も多くあって自然豊かなところです。蛍はもちろん、
カワセミやオオタカまでいる。



 次は丘陵を下って、沢筋の集落を訪れます。
 このあたりは丘陵の中腹、七国峠の手前あたりです。
 このインパクトのある建物はすごい、昔、香港にあった九龍城砦みたい。継ぎ足し継ぎ足しでつくられていていて迫力がある。調べてみると、お城でも
なんでもなく工務店のようです。



 あとはゴルフ場とか産廃業者の建物とかそんな感じです。
 ちなみに七国峠とは、そこから関東七国が見渡せる場所で、鎌倉時代にはのろし場があったという。このあたりは岡崎、土屋、真田など鎌倉幕府の
有力武将の所領だったところで、鎌倉幕府との重要な通信手段だった。



 

 湧水が集まってできた河川のうちの一つ、座禅川に沿って歩きます。
 座禅川とは修行僧が川のほとりで座禅を組んだところから名づけられたとか。
 このあたりの風家は夏休みに訪れた田舎の風景にそっくりな感じ。数十年前にタイムスリップしたよう。




 こちらは芳盛寺、土屋弥三郎宗遠の菩提寺として1204年に創建されました。季節折々に様々な花の咲く境内は訪れる価値ありです。
 ちなみに土屋三郎は源頼朝が最初に挙兵した時から付き従った武将の一人です。



 このあたりの歴史は古い。
 鎌倉幕府とつながりのあった武将も多いことから、あちこちに「プチ鎌倉」みたいな雰囲気の場所があります。


 

 あとこのあたりのお土産といえば、やはりお野菜でしょう。あちこちに無人販売所があって、新鮮なお野菜が1000円もあれば両手に抱えられないほど買えます。



 一周してまた丘陵地帯に戻ってきた。
 この風景、電柱i以外は鎌倉時代から変わらないんじゃないかと思う。実に清々しいです。


 momoko (セキグチ 26cm 2010ごろ)



2023.07
camera: Canon Powershot G9X Mk.2 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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