旅行やお散歩で手軽にドール撮影を楽しめるカメラセット

Panasonic DMC-GM1を中古で買った



<GM1>

 久しぶりに三陸方面に旅行に出かけ、いろいろと撮影してきました。今現在ちゃんとした写真を撮ろうとしたときには Panasonic の GX8 というカメラをメインを
使っています。数年前のマイクロフォーサーズなのですが、今でも市場での評価は高い機種です。画質も良くマグネシウム合金のボディが頑丈なので安心して
屋外でも使える。



 右側がそのGX8、でも久しぶりに持っていったら、やっぱり重かった。
 片手に人形、もう一方にGX8で動き回るって結構大変でした。やっぱりもっと軽量コンパクトなのが良いな、そう思った。
 サブカメラはcanonのG9X mk.2 なのですが、こちらはお散歩カメラとして重宝しています。ただ広角側が28mmというのと、フィルターが使えないというのが、
ちょっと寂しい。
 そこで左側に写っている Lumix DMC-GM1 というコンパクトなレンズ交換式のカメラを買いました。中古で価格は2.2万円。

 これまでのレンズの財産を生かしたいのでマイクロフォーサーズから選びました。新品だとGV-100という機種があるのですが、こちらはちょっとお金が足りません。
 GM1は一昔前の機種なので1600万画素と画素数は控えめです。スマホでも4000万画素という時代ではありますが、結局のところ、HPやブログに画像をUPしたり
A4サイズまでのプリントしかしないのなら、「1000万画素もあれば十分」というのが間違いのない事実です。
 それより思ったような画作りができることの方が大切だと思う。
 先日買った、たった1000万画素のGX7でも全然普段使いで不満はありません。暗さにも強いし、寄れるし、創作活動の記録をするならちょうどぴったりな感じです。



 あらためて旅行&お散歩セットとして最小限の組み合わせはこれかなと思って選んだのがこちらのセットです。 GM1本体と12-32mmズーム、あとはOLYMPUSの
45mm F1.8、これにPLとクローズアップレンズフィルターです。
 GM1は本体が204g、12-32mmズームが70g、45mmF1.8が116g、フィルターつけて全部で420gほど。これって軽さを誇る EOS KISS X10 の標準ズームキットよりも軽い。



 あと余裕があれば小型三脚とNDフィルターがあっても良いかもしれません。
 ズームで普通に写す。可もなく不可もない写りです。

 自分の場合にはRAWで撮影して現像し、GIMPという画像加工アプリで修正を加えるので、ある意味きちんと写っていればそれで良い。ボケとか色合い、味わいなんて
ものは、あんまり気にしません。



 これにクローズアップレンズを取り付ければ、最大でこれだけ大きく写る。



 45mm F1.8 で背景をぼかす。このレンズはポートレート用としても結構使える。

 ついこの間までは画素数や画質がどうのこうのと言っていたけど、結局のところその性能を限界まで使いこなすような使い方はこれからもしないような気がします。
 現在販売されているカメラの普及機と言われる機種でさえ、自分にはオーバースペックになっている感じがします。



<LEDライト>
 GM1と組み合わせるメインのレンズが決まったところで、あとはこれを最大限に生かすアイテムを追加します。
 暗いところで撮影するというと、普通はストロボなのですが自分の場合にはほとんど使いません。必要に応じてLEDライトを使います。



 今回は新規に999円で多機能なものを購入しました。以前は乾電池式だったけど、今は内蔵充電池でかなり軽量化されてます。



 上の画像はGM1の内蔵ストロボを使って人形を室内撮影したものです。
 ストロボをあまり使わない理由は3点あります。(上の画像で黄色い印をつけてるところです)
1 縦位置で撮影していますが、ストロボはカメラの上部についていて、この画像では右側に位置している。だから顔や上半身の右側は明るいけど、ストロボからの距離が
 遠い左側は暗い。人形撮影では20cmぐらいの近距離で撮影することが多いので、このような差は必ず出てくる。
2 人形の顎の下や衣服に、ストロボでつくられた影が落ちている。「自然な感じ」を追求したいときにはやはり違和感を感じます。
3 室内は普通に蛍光灯がついている状況なのですが、ストロボそのものは数メートル先のものを照射する能力を持っているので、背後もそれなりに明るく照射されることに
 なります。

 このような問題は接近して撮影するというところからくるもので、1m以上離れた位置から撮影するなら大きな問題とはならないでしょう。
 基本、接近してストロボを使うなら、できるだけ設定で光量を少なくして、ディフューザーを使用するか、バウンスなどの手段を講じる方が良いでしょう。あとはリングストロボ
というのもある。(専門用語が出てきてスミマセン)



 同じ条件でLEDライトを使って撮影しました。
 LEDを使う利点はともかく「見た目通りに写る」ということでしょう。撮影して初めて結果の分かるストロボより、この点のメリットは大きいです。光量は確かにストロボより
少ないですが、接近して撮影するなら問題とはなりません。

 そしてご覧の通りストロボ光では見られた欠点がかなり軽減されています。
 ストロボが点光源であるのに対して、LEDライトは面で照射し、標準で拡散効果のある乳白色のカバーがかけらているので影が出づらく、遠近の差も少ないです。
 あとは背景の違いが大きいです。LEDは部屋全体を明るくする能力はないので、このように背景は暗く、対象物のみ浮かび上がらせて撮影することができます。
 ちなみにスマホのライトもLEDですが、点光源で拡散効果のあるカバーもついていないので、ストロボと同様の問題を生じますので念のため。



 LEDライトがストロボより劣るとすれば、屋外で撮影するときの光量不足でしょう。最近のLEDは800lm程度の光量を持ちますが、明るい屋外では1mも離れると、画像に
その効果があらわれなくなります。
 上の画像は完全な逆光状態で何もしないで撮影したものです。ドールとの距離は50cmぐらい。カメラはオートで、そのままRAWデータを現像しました。ドール自体は暗く
写りすぎていて、画像修正しても多分うまくゆかないです。



 LEDライトを照射して同じ条件で撮影してみました。改善はされているけど、さすがに完璧とは言えない。
 そもそもこういう完全な逆光は、カメラにとっては特に酷な条件です。
 ドールに青みがかかっているのは、こういう場合にはやむを得ないところ。また白く霞んでコントラストも小さいのはレンズ性能の問題もある。



 そこで画像補正します。色温度とトーンカーブを調整したらこのぐらいには修正できます。基本的にLEDライトは遠方から明るく照らすのは厳しいけど、「レフ板」の代わり
にはなるというのが結論です。
 もし本当に遠方から照らす必要があるなら、それこそ内蔵ストロボを使えば良いだけの話です。



 こちらはサイド光、顔に強い影ができていて、こちらも修正には手間がかかります。



 こちらはLEDを使用した場合です。LEDライトで強い影がかなり軽減されているのがお分かりかと思う。



 このLEDライトは999円だったけど結構使える。多機能で光量調整はもちろん、色温度を変えたり、様々な発光色、発光モードがあって、リモコン操作も可能、もうこれ以上は
望むものはないという感じです。
 しかも軽量なので、自分はアームを経由して常時固定して使うことにしました。



<レンズフィルター>
 撮影可能な範囲を広げるために、さらに最小限の3種類のフィルターを用意することにしました。



 黒いのはPLフィルター、それ以外の2つはクローズアップレンズレンズフィルターです。
 最後はこのフィルターについての考察です。



 PLフィルター(偏光フィルター)は光の振動方向に制限を加えて反射光をコントロールし、鮮やかな発色やコントラストが得られるフィルターです。
 画像のように青空をより鮮やかにして、雲の輪郭をより明確にする。また水面やガラス面、建物などの乱反射を抑えて、被写体本来の色彩を引き出すこともできる。
 このフィルターは風景写真には絶対に欠かせないと思う。



 次はクローズアップレンズフィルターの話です。
 上の画像は標準ズームでめいっぱい近づいて撮影した画像です。だいたい1/6ドールの上半身がきっちり入るぐらいです。



 これに+3のクローズアップレンズを取り付けました。より近づくことができて、顔のアップまで撮影できるようになります。

 ただ良いことばかりではなく、昔からクローズアップレンズを使うと、特に周辺部では外に流れるような歪みが出ると言われています。ただそれも通常のモニター画面や
A4プリントではほとんど分からないので、実用上はそれほど問題にはならない。



 実際にクローズアップレンズを取り付けて直径5mmぐらいの花を拡大撮影してみましたが、このサイズの画像だと歪みのようなものは感じないです。



 あと問題なのはピントの合う範囲が狭くなること、またピントそのものが合いにくくなることです。
 これを避けるには専門のマクロレンズなるものを購入すればよいのですが、高価でやや重いのが欠点です。今回は軽快さ重視でクローズアップレンズを迷わず選択します。

 ここで専門的な解説です。
 クローズアップレンズには+1から+10までの種類があって、番号が大きいほど近くに寄れて大きく映る。一方でピントは合いにくくなって前出の歪みも大きくなります。
 +1とは焦点距離1000mm(1/
1m)ということで、理論上、無限遠のピント位置が1000mm(1m)となる。どういうことかというと+1のクローズアップレンズを取り付けると、その
カメラでは1m以上にはピントは合わず、だいたい33cmから1mがピントの合う範囲になります。
 +2は焦点距離500mm(1/
2m)、ピントの合う範囲は25cmから50cm
 +3は焦点距離333mm(1/
3m)、ピントの合う範囲は20cmから33cm
   ・・・
 +10は焦点距離100mm(1/
10m)、ピントの合う範囲は8cmから10cm といった感じです。

 だいたい+3があれば、1/3から1/6ぐらいのドールやフィギュアだったら十分ではないかと思います。
 またカメラのピントは余裕をもって設計されているので、特に広角側では+1から+3ぐらいのクローズアップレンズをつけたままでも無限遠にピントが合ったりします。
 +5から+10あたりになるとピントが合いにくくなって、マニュアルでのピント合わせが必要になります。
 これらのフィルターで自分の撮りたいものの97%ぐらいはカバーできるかな?

 次にあった方が良いのはNDフィルターです。わざと光量を減らしてスローシャッターにする。
 たとえば滝や小川などを撮影するとき、その流れを止めずに白く線として写し出したり、また動く被写体を追いかけながら撮影してスピード感を出す(流し撮り)などをする
ときに使用します。
 たまに欲しくなることもあるけど、そんなときに自分は先のPLフィルターで代用しています。(こちらも光量が減る)





 こちらはOLYMPUSの45mm F1.8 を絞り開放で撮影したものです。背景は思いっきりぼける。
 こちらはお手頃な価格で買えるポートレートレンズとして購入したのですが、実はこちらはドール撮影用としては少々問題があった。最短撮影距離50cmというのは、
1/6ドールだとここまでしか寄れない。



 そこで今回はこちらに+1のマクロレンズを取り付けてみることにしました。だいたいピントの合う範囲は33cmから150cmぐらい。使ってみたらとても具合が良い、そこでもう
レンズプロテクターがわりに「つけっぱなし」にすることに決めました。
 早く気づけばよかったと後悔少々です。

 ちなみにこのレンズを購入したあと、Panasonic から、42.5mm F1.7 という同等品が発売された。こちらは最初から30cmぐらいまで寄れるので、フィルターの必要はない。
自分が今買うならこっちです。



 こちらが「旅行やお散歩に行ったとき、手軽にドール撮影ができるセット」のまとめです。
 GM1は本体が204g、12-32mmズームが70g、45mmF1.8が116g、これにLEDライトと接続のためのアーム、フィルター3種、予備バッテリー2個、そしてこれをコンパクトな
カメラケースに入れる。
 これを秤にのせてみたら858g、おそらくは誰もが軽いと感じるはずです。APS-Cの普及機でこれだけそろえると多分倍ぐらいの重さにはなると思います。
 今これをそろえるには、だいたい中古でも6万円ぐらいはかかるかな? でも高画質を売りにしているスマホより安いし、いろんなものが撮れるので自分としてはしばらく
これでやってゆこうと思います。



 あとはこの中古のGM1が何時まで持つか、なんだけどこればっかりは分からない。
 少なくともほとんどキズなどはないので、それなりに大切に扱われていたってことだと思う。



 今回いいろいろ撮影してみて思ったけど、手軽さっていうのは「撮影のしやすさ」につながり、それは「楽しい」にもつながる。
 楽しい気分で撮影していれば、きっと良い写真が撮れると思う。



2023.11
camera: Pnasonic DMCーGM1 + 12-32mm  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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