丸子


旧東海道の宿場町



2023.11.18
 先日、那須に行く途中、いつもとはルートを変えて会津田島に立ち寄りました。会津田島を訪れるのは5年ぶり、新しいお店などもできていました。
決して派手な観光地ではないですが、お散歩旅をするなら良いところです。



2023.11.18 SAT 天気:晴れ
11:15
 那須に行く途中、いつもとはルートを変えて会津田島に立ち寄りました。
 会津田島は久しぶりです。前回行ったのは真冬、雪がドーンと降った後だったので、行って見たかったお城見学は雪道に阻まれて行けませんでした。



 会津田島の駅前です。広々としていてきれい、無料の駐車場もあるのが嬉しい。

 会津鉄道は少し特殊な路線で、会津若松の2つ手前の西若松駅と会津高原尾瀬口を結んでいる。西若松と会津若松は基本JRなんだけど、基本すべての
列車が会津若松まで乗り入れている。ところが会津若松から会津田島にやってくると、そこが終点で今度は乗り換えて会津高原尾瀬口に向かう。

 何が何だか最初は分からなかったけど、ここ会津田島から北は非電化、南側は電化ということと、少しずつ各路線が延伸されたことで、こういう複雑なことに
なっているらしい。あとは東京浅草から東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道の路線を乗り継いで、この駅までを結ぶ東武鉄道の特急が毎日運行されているというのは
すごいことかも。



 駅の傍らにはC11機関車が展示されている。でも残念ながら触れることは出来ません。
 もともと会津鉄道は国鉄会津線が廃止されて発足した第3セクターで、その関係でここに機関車が残されているんだと思う。

 さてこの会津田島というと、他の会津西街道の宿場町と同様、それほど観光客であふれるようなところではない。この会津田島より北には湯野上温泉や
塔のへつり、大内の宿など点々と観光名所があるのだけど、どちらかというと通過点になってしまっているかもしれません。









11:30
 最初の目的地「鴫山城址」にやってきました。直江兼続の弟である直江実頼が城代をつとめていた。1627年に廃城となりますが、保存状態が良く福島県の史跡に
指定されています。
 ここから街を見下ろす眺めは良い。



 この地区は江戸時代には天領でした。天領は飛騨高山のように税制的にも優遇されていて庶民の暮らしは比較的に裕福だったと、一般には考えられています。
ところがこの会津田島周辺は幕府財政の窮乏による過重な年貢と、豪雪地帯であることが災いして度々飢饉に陥ったという。



 こちらは六地蔵です。1720年についにこの地域で大きな一揆が起きた。この六地蔵はそのとき江戸に直訴に向かって死罪・獄門になった6人の霊をなぐさめるために
建立されたというものです。





 そのあたりの話は、こちらの旧南会津郡役所に展示されている資料からうかがい知ることができます。
 こちらの建物は1885年に落成した福島県指定重要文化財です。

 

 きれいに保存されていて調度品も昔のまま、お人形撮影にもぴったりかな。
 さて一揆のあとどうなったかというと、農民たちの要望はほとんど通らず、苦しい生活が続いたんだとか。

 徳川の世も中盤以降は天下を取っていることが当たり前になり、政(まつりごと)自体がどんどん劣化していったのは周知の事実。
 いつの世、どの世界でもそれは同じような気がする。







 こちらは田出宇賀神社、鎌倉時代に創建されたと言われる国重要文化財です。宇迦之御魂命が祀られています。
 7月末にはここを中心に日本三大祇園の田島祇園祭が行われている。こちらもまた国の重要無形民俗文化財に指定されています。前回来たときにはここも
見落としていた。
 国の重文という割にはこぢんまりとしていて装飾も地味な感じです。これもまたこの地域が貧しかったからなのかもしれないと、ちょっと思いました。







 次は会津田島の街中を歩きます。
 まず会津田島駅を降りて駅前通りを歩くと、一際立派で古い旅館が目に入る。
 こちらは泉屋旅館さんで江戸時代から続く老舗(現在で20代目)、料理自慢のお宿で源泉かけ流し、しかも調べてみたら一泊二食付きで1万円ぐらいから泊まれる。
すごい!





 この会津田島の商店街は国道121号線に沿って、だいたい800mほど続くのだけどおそらくは会津西街道の宿場町だった頃から、街のつくりは変わっていないの
だろうと思う。
 レトロで、そこそこ寂れた感じは確かにあるのだけど、頑張ってるなってお店がたくさんある。肉屋さん魚屋さんをはじめとして、上のようなうなぎ屋とか本屋さんなど
一通りのお店がある。今のこの時代、こういうところに本屋さんが生き残っているってことは、とってもすごいことかもしれません。



12:35
 飲食店もそれなりにあるのですが、前に来たときにはなかった CAFE JI-MAMA というお店に入ってみました。レトロな看板建築ですが、なかは現代風に作り変えられていて
落ち着いた雰囲気です。

 

 無水カレーが人気メニューのようで、抜群に美味しい。あとガトーショコラとコーヒーをいただきましたが、ここはかなりのハイレベルなお店です。ちょっと大きな町ならきっと
行列ができてます。

 

 伝統的なお土産ならこちらの三浦屋さんの「鴫山」という和菓子かな。サブレ生地の中に胡桃やレーズンの入ったバター風味の餡が入っている。和菓子なんだけど洋菓子の
テイストが抜群のバランスです。お店にはケーキなども置いてあって、ものすごく努力しているのが伝わってくる感じです。
 ちなみにおかみさんは確か「バス旅」で田川さんの道案内をしていた人だと思います。

 

 通りに面してある創業100年の「国権酒造」さんです。
 今回は山廃仕込みの純米酒を購入しました。とってもしっかりとした味わいでお料理を引き立たせるにはぴったりです。こちらの蔵も近くに来たときには必ず
立ち寄るところです。

 

 このあと駅の反対側の「会津田島祇園会館」とか「南会津ふるさと物産館」の方にも行ったのだけど、だんだんと天気が悪くなって、最後には雪が舞い始めた。



 この会津西街道沿いはけっこう雪深いところで、内陸であるがゆえに冬はものすごく寒い。



 この会津田島は自然豊かでのどかで、そして見どころいっぱいの良いところなんだけど、冬は結構大変みたいです。
 以前真冬に訪れたときには雪が屋根に50cmぐらい積もっていたこともあった。
 そのとき、たまたま「和泉屋旅館」のおかみさんと通りで話すことがあって、「ここが気に入って移住してきた人がいるんだけど、冬のことはあまり知らないで
来てしまったので、今は少し後悔している。」みたいな話をしていました。

 でもほんとに良いとこっろではある。近いうちにまた来ると思います。



2023.11
camera:Panasonic DMC-GM1 &12-32mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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