eye4工房番外編

第2水源地



<三陸海岸のいちばん南に田代島という猫の島があります>

 2023年9月、三陸海岸を訪れる旅をしました。
 三陸を目指した理由の一つに「猫の島」に行ってみたいというのがありました。あとは「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったとも言われているところです。



 石巻港から網地島ラインに乗って田代島に向かいます。
 画像正面に見えるのが田代島で、石巻からは1時間程度(大泊まで1250円)の船旅です。途中の景観はなかなかにきれいです。

 現在は50名足らずの人口で、震災によって島を離れた人も多いと聞きます。主な産業は水産業、宿泊できる民宿や市営の宿泊施設もありますが、今回は予約が叶わなかった
ので日帰り旅になります。
 フェリーは早朝、昼、午後の3便のみ。だから昼の便で上陸し、午後便で帰ってくるという観光客は多いと思う。

 乗船してみたら観光客と思しき方々は十数名ほどでした。そしてその半数が外国人だったから、海外でも田代島は「猫の島」として、かなり知られているらしい。
 自分たちは二つある港のうち、大泊という手前の港で下船し、そのままぐるっと島を一周する予定です。だいたい徒歩で3kmほどだから、2時間の滞在時間でちょうどぴったりな感じです。




 そのまま島の中心部にある猫神社(美與利大明神)、全国的にも珍しい猫を祀った神社です。小さな神社ですが猫の置物がたくさん置かれていて独特な雰囲気です。
 この島では養蚕業が盛んだった時期があって、蚕を天敵のネズミから守るために猫が飼われていた。
 また漁師たちは猫の動作から天候の変化や豊漁・不漁などを予測したことから、猫は島民からは守り神として大切にされてきたということです。

 この画像の猫はじっとして動かない、するどい眼光でこのあたりの主かもしれません。



 少し歩くと「島の駅」という食事処に出ます。でも残念ながらこの日はお休み。
 ただこのあたりは本当に猫が多いところで、あちこちでごろごろしている風景を見ることができます。きっとこのあたりでいつもご飯をもらってるんだろうな。
 ちなみにこの島の駅は小学校の跡地にあります。校門や二宮金次郎像などが残っている、もしかしたら建物自体も校舎の一部なのかもしれません。



 この子は警戒心なさすぎ。
 ちなみに島のなかにも車は何台かある、大丈夫なんだろうか?



 島で最も開けた仁斗田地区です。懐かしい感じの街並みが続きます。
 でも今あるその住居の多くには、もう人が住んでいない。

 島の中央部にはいくつもの民家跡が残っているし、小学校の跡地もある。
 現在の島の人口は50名程度、猫はおおよそ100匹と言われていますが、その昔はもっとたくさんの人が住んでいて、賑やかだったに違いないです。
 生活に必要なものはすべてフェリーで運ばれてくるとはいえ、やはり不便なことは間違いない。小さくて美しい島なんだけどね。




 島には数軒の飲食店があるのですが、そのうちの一つ「クロネコ堂」さんにおじゃましました。自分たちはかき氷をいただきましたが、人気メニューは「猫カレー」。
 こちらその昔は簡易郵便局だったようですが、今では喫茶店+田代島歴史資料館として営業しています。昔の田代島の人たちの暮らしが分かる写真が沢山ありました。
 なかには学校やお祭りの風景が写っているものもあって、かつての賑わいが感じられました。



 入口には親猫二匹と子猫が三匹。



 入口にお人形をおいて撮影してたら、興味深そうに眺めてました。



 二時間の滞在の後に再びフェリーに乗って石巻に戻ります。
 三陸の海は美しい、そう思いました。




<クロネコ堂さんの玄関を再現してみました>







 









<制作プランを練る>
 ちょうどオリジナルドールの youki のリメイクが完了したこともあって、今回はこちらのクロネコ堂さんを1/3スケールの情景として仕上げようと考えています。
 さて1/3スケールということは、いわゆる1間(約180cm)が60cmになるということ、ドア1枚が60cm×30cmに相当する大きさになるから、とても家1軒など作ることはできません。先の写真で
言えば軒のある入り口周辺だけを再現するというのが現実的です。

   1 図面を引く
   

 ということで簡単に図面を引いてみました。いろいろと検討してみたら最終的なサイズは底面が50cm×80cm、高さ85cmという大きさになりそう。
 再現するのは玄関の部分だけで、ジオラマとしては最小限の範囲かな。

 問題は張り出した「軒」の部分で、一体成型するのは難しい。だから構成としては土台部分、壁+引き戸、そして軒の3パーツ構成とします。
 材料ですが、できるならスチレンボードだけで作り上げるのが軽量で安価です。もちろんこれを目指したいのですが、今回は3パーツになって、しかもしっかりと軒を固定する必要がある。
そういう理由から土台部分は、木材を部分的に使ってがっちりと作ることにします。

 

 登場人物は、オリジナルドールの youki 、そしてTEMU で購入したネコ3匹です。



2 ベース部分の骨格を角材で組み、スチレンボードで
 形をつくってゆきます。

 すべてを実物と同じように木材で制作することは可能ですが、重くなってかえって壊れやすくなる、扱いも面倒なので、使用する木材は必要最小限で骨格のみとします。
 設計図に従って枠組みをつくります。最初の組み合わせが最も大切できっちりと直角を出す(DVDケースはそのため)。あとはボンドが固まるまで動かないようにするための
クランプは必須です(最近は100均でも売ってる)
 画像右は土台部分の最初の枠組みが出来上がったところです。
 部分的にスチレンボードが張ってありますが、ここが最初の画像にあるコンクリート部分で最下層になります。


3 塗装は浴びっこさんとを混ぜた特性の塗料で行い
 ます。



 着色したモデリングペーストに「浴びっこサンド」を加えて、砂交じりの塗料をつくります。踏み石の形に成型した発泡スチロールの上にティッシュペーパーをのせてこの塗料を
上から塗ります。
 そしてこれが乾く前に再びぱらぱらと浴びっこサンドを撒いてざらざらを再現します。

 昔のプラモづくりだと、組み立てて塗装、それで終わりみたいな感じだけど、それじゃリアルでなものはできない。
 いろいろ試したけど自分がミニチュアを制作するとき、その手順としては、1 造形、2 質感表現、3 着色、4 汚し+エージング処理、5 コーティング+つや調整 だと思っています。
 そしてその向かう方向はリアルでなく、自分の思うイメージを再現することかな。




4 スチレンボードを組み合わせて、スノコ部分をつく
 ります。
+)裏側から見るとこんな感じです。



 スノコは2段重ねになっているので重ねます。
 資料画像から見るに、上段の方はいったん茶色で塗られていて、その上に白くペイント、それが少し剥げてきている感じがしたのでこのような表現になりました。
 実際には茶色で着色した後、荒くホワイトを塗布しています。

5 次は壁部分をつくります。一体化させると運べない
 ので、分割可能にします。
*) 強度を保つために、ジョイント部分には木材を
 使用しています。

 次は壁とドアです。こちらもスチレンボードが主材料です。
 但し地面と壁は分割可能としていて、こちらも接続部分は木材で補強しています。

 何故分割式にするかというと、これも保管と輸送を考慮してのことです。もちろんリアルな仕上げは第一なのですが、それと同等に軽量でコンパクトにまとまるということはとっても
大切なことです。実は一度失敗したことがあって、部屋の中で頑張って大きな作品を組み立てていたら、その大きさゆえに外に出せなくなったことがあります。
 ついでに言うと、単に分割可能というだけでなく、いかに直方体の形状の収納箱にコンパクトに収められるかってことも考えなくてはいけません。
 うまくまとまらなければ設計変更することもあります。もうほとんどパズルみたいなものです。


6 次は引き戸をつくります。材料は5mm厚のスチレン
 ボードとPPシートです。
*) 念のため可動式にしました。

 ドアを作り始めました。材料はやはりスチレンボードが主役で、薄い部分はスチレンペーパー、すりガラスは半透明のポリプロピレンのシートです。ポリプロピレンのシートは大きな100均等で
売ってますが、それ専用の接着剤を使用しないと張り付きません。
 またポリプロピレンは完全な透明でなく、薄い乳白色をしていますが、若干透明度が高いので、スポンジやすりで表面を磨いてすけ具合を調整します。
 ちなみに引き戸は可動式としました。固定したほうが頑丈なのですが、飾る人形や演出によっては開き具合が変わる可能性がある。ここは汎用性重視です。とはいえ、ちょっと面倒では
ありました。




 ここから更にその上の小窓と軒の部分をつくってゆきます。  

7 壁とドアを延長するかたちで、軒の部分をつくって
 ゆきます。

 すでに高さは65cmを越えています。梱包サイズの一辺が90cmを越えると扱いが難しくなるので、コンパクトにまとめるために、ここも分割式にします。
 分割式にすると、当然のことながら接続部分の正確さが必要になってきます。スチレンボードのカットや組み立てには細心の注意を払います。

 最上部なので、バランスを考えて軽量化をはかります。スチレンボードで枠をつくって、あとは板目紙を張り付けてかたちをつくる。
 軒の上の部分はトタンの波板なのですが、適当なもの、軽いものがないので郵送に使うダンボールを使うことにしました。
 4.5畳の部屋の中で大きなジオラマをつくると、それに作業スペースに取られてしまって、他は何もできなくなってしまうのがつらい。



 なんだかんだで、全体像が見えてきました。この勢いで家一軒作れちゃいそうですが、今回はやめときます。
 最終的には底面が50cm×80cm、高さ85cmのサイズになりました。作品の大きさとしては限界かな。でも頑張って分割式にしたので、梱包サイズは80cm×60cm×25cmの直方体におさまる
見込みです。



 こちらの「クロネコ堂」におじゃましたときには、入口には親猫二匹と子猫が三匹いました。
 あとはどういうシーンにするかを考えながら、塗装や小物類の制作に入ってゆきます。

 たとえばこんな感じ、お店から出てきたら猫と目が合ってしまった、みたいな。
 ちなみにモデルドールは volks の初代スーパードルフィー nana です。確か2000年ごろの発売で、当時の価格は54,800円だったかと。
 店頭で初めて見たとき、その輝きに目を奪われてしまって1週間悩んだ末にお小遣いをはたいて買ってしまった。いわば自分の人形趣味の原点です。当時は恋月姫さんほか、
可愛く美しい創作球体関節人形やビスクドールが人気になっていた頃で、その後のドールズパーティーなどでは10万人もの入場者が押し寄せるという、今では考えられない状況が
ありました。



<塗装します>
 次は塗装です。白い壁なんだから、そのままで良いのではと考える人もいるかもしれませんが、結果は全く違います。ある意味、色を重ねるというのは素材の質感を出したり、色に
深みを加えるという意味もあります。
 油絵などでも、風景を描く前にいったんカンバスを真っ黒にしたり、肌に深みを出すために補色である緑を塗ったりと、工夫の仕方はいろいろある。自分も創作人形に色付けをする
ときにクリアーブルーをよく使います。
 今回は色の深みや重厚感、金属感などは不要ですが、海の近くの建物ということで、強い風や雨雪にさらされて経年劣化した感じは欲しいところです

8 下地には部分的に茶系の塗料を塗って、経年劣化
 した塗装を表現します。

 ベストな方法は木材としての質感を出した塗装を行ったうえで、白いペンキを塗り、風化した感じを加えたら良いのですが、それをやるとなるとかなりの塗料が必要になる。
(地面に置かれたスノコの一部はそれれでやった)
 時間もお金ももったいないので、少し簡略化した方法を試すことにしました。
 方法としては、実際の画像を見ながら、ペンキが落ちて少し下地が出ている部分に白+茶の+黒のアクリル絵の具を混ぜて塗るという方法です。
 少しずつ白の割合を増やしていって、全体に塗り広げてゆけば、少し塗料の落ちかけた壁が出来上がるという感じです。

 多分使用する塗料は1/3ぐらいで済んだと思います。もちろん手間も1/3、かかるお金も1/3です。ベストな方法ではないけど、自分的には68点ぐらいのぎりぎりOKの点数はあげられる。

9 「クロネコ堂」の看板をつくります。まずは鉛筆で
 下書きします
*) 木目表現も追加しました。

 軒の部分の「クロネコ堂」「田代島歴史資料館」の文字と絵を入れます。写真を見ながら鉛筆で下書きして、アクリル塗料で色を入れます。たとえばマリンブルーそのもので塗ると色ムラが
出るので、少量の白を加えます。すると塗料の透明度が落ちてムラが出にくくなります。
 平坦で面積の広いところは変化に乏しいので、茶+白のパステルを混ぜたもので年輪を薄く描き加えてみました。方法としてはMr.カラーの薄め液をしみ込ませた細筆にパステルを少量
とって塗るというやり方です。

 

 とりあえず全体が整ったところで人形と猫を置いてみました。
 今後の展開を考えるうえで、これは欠かせません。イメージを膨らませて必要な演出などを考える必要があるからです。


10 塗料の剥がれや、錆びたくぎの表現など、細かな
 部分の塗装を行います。

 さてだいたい形は整ってきたのだけど、自分としてはもう少し手を加えたい。石巻港から船で40分、三陸の冬の海は経験したことがないけれど、きっと厳しい風雪にさらされていると
思う。そういうところの建物にふさわしいエージング処理を加えたら、よりリアルになると思います。

 基本的な塗装の中で塗料が少し落ちてしまった感じは表現していますが、更にもう一段、塗料の落ちを再現します。
 まずは木材の材質のイメージでパステルを何色かカッターで削り、さらにそこにグレーのパステルを混ぜて彩度を落とします。そしてMr.カラーの薄め液を含ませた綿棒でこれをとって
塗ってゆきます。但しべちゃっとならないように、綿棒の先端から1cmぐらい後方に少量の薄め液をスポイトで少量含ませると、ぱさっとした感じで具合が良いです。
(左画像では白い矢印のあたりです)
 これをするとフレームの輪郭が強調されてメリハリが出てきます。また塗料の欠けや剥がれなどもこの作業で表現できます。

 次は釘の表現です。離島なので木を打ち付けた釘は例外なく錆びます。きっと家屋の修復も大変だろうと思います。
 ここはスノコの部分に錆びた釘の表現をしているところです。
 まずは茶から赤系、黄色などのパステルを削って混ぜないで、塗料皿の中に入れます。混ぜちゃうと色がみんな同じになって、変化がなくなります。
 表現方法は実に簡単で、Mr.カラーの薄め液をしみ込ませた爪楊枝のお尻でこのパステルをとって、ぐりぐりするだけです。ちょうどよい具合にスチレンボードも凹みます。  あとはMr.カラーの薄め液を含ませた綿棒で、ところどころちょんちょんとつついてやると、錆が木にしみ込んだ感じになります。(画像中と右)


11 錆の垂れた感じや、下の方には土汚れを感じるよ
 うな塗装を追加します。

 壁の場合には錆は垂れる、だからこちらは筆で何度か下向きにこすってあげたら、リアルな錆の雨だれになります。
 これら一連の作業が終わったら、パステルを固定するために艶消しのクリアーを吹き付けます。今回は高耐久性ラッカースプレー 艶消しクリアを使いました。
 更に質感を高めます。
 Mr.カラーのタンに多めの艶消し剤を添加して、スノコや壁・扉の低いところに吹き付けてゆきます。地面に近いところは砂や土がつきやすいので、自分は必ずこの作業を行います。
 右画像がその結果だけど、下の方が少し黄色っぽくなっているのが分かるかな?
 ジオラマ製作の最後の方って、こういうよく見ないとわからないみたいな作業の繰り返しになることが多いです。



 今回の作業結果がこちらです。
 遠目にはあまり変わっていないのだけど、自分的には数段納得のゆく仕上がりになりました。





 このままではあっさりとしているので、お店らしい雰囲気を醸し出す小物類をつくります。
 まずは撮影してきた画像を整理して、そのなかから使えそうなものを実際の1/3に縮小してプリントアウトします。
 こういう作品の制作を前提にして撮影してきているわけではないので、なかなかよいものがない。斜めになっているものはGIMPを使って長方形に直します。

12 カフェの看板やメニュー、その他の小物類を製作
 します。

 左画像は黒板に書かれたカフェの説明です。プリントした紙を板目紙に貼って、木枠を取り付けたらほぼ同じものができます。というか、写真が元になっているので当たり前ですが。
 中はは店頭のメニューです。イーゼルの上に置かれていたのですが、こちらは可動式でちゃんと畳めるようにしました。少々面倒ですが、畳めるようにした方が収納しやすいし、
小さくなるので壊れません。
 右はスチレンボードに起伏のある壁紙を貼り、その上に田代島で撮ってきた自分の写真や、たまたま写っていた古いホーロー看板、フェリーの時刻表などを張り付けたものです。
昔の島の様子を写した写真もあったけど、こちらは肖像権というものがあるはずなので、あえて解像度を落とし、わざと小さくして雰囲気を出すぐらいのレベルにとどめました。



 場所こそ違うのだけど、ドアを少し開けて背後にこれを置く。
 このジオラマは背景になるクロネコ堂さん入口あって、ドアは閉めたままでもするんだけど、こうやって店内がちらりと覗けるようになっているとストーリー的にも奥行きが出てきます。
 現在の島民は50名足らずと聞いていますが、戦後は政府の政策もあって開拓がすすめられ、一時期は1000人を超える住民が島に住んでいた。昔は島内に学校もあったし、お祭りなど
様々な行事も行われていたという。
 今この田代島に住む人たちは、きっとこの島の歴史や文化をずっと残しておきたいと考えているに違いないです。そしてそれを代表するものの一つがこの「田代島歴史資料館&クロネコ堂」
さんなんだろうと思う。
 小さな写真がちりばめられた、たった45cm四方のパネルなんだけど、これがあるのとないのでは大違いです。





<猫をつくる>
 実際のクロネコ堂さんにも、たくさんのネコさんたちが集まってきます。やっぱりジオラマにする以上は、このネコさんたちがいないと格好がつかない。



 そこで早速、安く買える1/3スケールのネコを探しました。フエルトで一から作る方法もあるみたいだけど、やったことなないし時間もないので今回はパスです。



 結局、ネコはTEMUで買いました。立ち姿のものが739円、寝姿のものも2匹購入して、こちらは1匹が577円です。
 でもパッケージを開けてしばし考え込んだ、せっかく購入したネコさん達ですが、あまり出来が良くありません。クロネコ堂さんの猫に似せるのは無理だとしても、できるなら
ちゃんとした脇役として、もう少しネコらしくしたい。

 

 ネコのリメイクなど経験したことはありませんが、ここはやるしかなさそうです。まずがPC上でシミュレーションします。
 左が元の状態です。目が吊り上がって瞳孔が丸い、そしてまるで豚さんのような鼻、長いお髭も省略されていて猫らしくない。右側はPC上のシミュレーション結果です。目と鼻、
そして口まわりを改めました。

13 シミュレーション結果をもとにして、3匹のネコの
 リメイクをします。

 次はこの画像を元にしてリメイクを始めます。問題の鼻はエポキシパテで延長、固まったところでリューターで成形します。(画像左)
 鼻の部分は白色で塗装したあと、おなかのあたりのフェイクファーをちょっとだけ切り取って上に貼り付けました。(画像中)
 目の輪郭は黒のフェイクファーで表現されていましたが、少しきつい表現なので剥がしてしまいました。
 目や鼻、口、などはチークやシャドウを綿棒にとって少しずつ塗り付けて、自然に仕上げます。(画像右)



 お髭はテグスを長さ4cmぐらいに切って、その先端にゴム系接着剤を塗った後にファーに埋め込んで固定します。
 立ち姿のネコさんは瞳孔部分をMr.カラーで描き直し、上からUVレジンを塗って硬化させています。
 ちゃんとしたネコになったね、やればできるって感じです。





<完成画像>



田代島歴史資料館&クロネコ堂
 三陸海岸の一番南、石巻港からフェリーで40分のところに田代島という「猫の島」あるいは「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったとも言われている島があります。
 2024年時点で住民は50名足らず、一方でネコはその倍以上住んでいます。
 この島には一軒だけクロネコ堂というカフェがあります。暑い日だったので自分たちはかき氷をいただきました。



 こちらが実際のクロネコ堂さんの店頭です。
 入口にクロネコの親子がいてごろごろしてました。人気メニューはやっぱり「猫カレー」。田代島は釜石港からフェリーで40分、猫の島として知られ外国からやってくる観光客も
多いです。
 今は住む人も少ないですが、その昔は1000人を超える島民のいた時代もあり、学校があってお祭りなどの様々な行事が催されていたようです。



 店内にはそういった昔の様子の記録写真などもあります。



 この情景は猫なくしては成立しません。
 3匹のネコはTEMUで購入、立ち姿のものが739円、寝姿のものは577円でした。但しそのままだと可愛くなかったので、鼻を中心に手を加え、化粧品等で顔は描き直しました。



 モデルドールは粘土でつくったオリジナル球体関節人形の youki 、9年前に制作したものを今年リメイクしました。(56cm)



 ジオラマのスケールは1/3、サイズは底面が85cm×45cm、高さ90cmとかなり大きい。自分のつくった作品のなかでは、これまでで最大です。
 いつもこのジオラマを広げておくわけではないので、コンパクトに収納できる工夫をしています。



 情景そのものはスチレンボードを主材料として組み立て、角材等で補強しています。
 画像からは分かりにくいですが、強い日差しや風雪によって塗装が傷んでいる感じや、鉄のさびなどを表現してリアルな感じに仕上げてあります。



 眠っている猫が可愛い。
 田代島は三陸海岸のいちばん南にあって、簡単には行けません。滞在時間も宿泊しなければ2時間ほどに限られる。でも本当に思い出に残る島でした。



2022.08
camera: Panasonic DMC-GX8 & ZUIKO 24-50mm  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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