eye4工房番外編



ビーチコーミング

浜辺の出会い




<海を背景にしたジオラマ>

 砂浜を歩いていると、いろいろなものが流れ着きますが、こういうものが流れ着いていたら面白いかなと思ってつくってみました。
 ビーチコーミングって結構面白い。






 主役はトリファクトリー(旧ZLPLA)から発売されている Urbana 、girls in action シリーズの一つでスケールは 1/20、手にしているキャップを削り取るなど、若干の修正を
加えています。



 組み合わせるのはトトロ、もともとはキーホルダーだったものを漂流してきた「ぬいぐるみ」に見立てています。
 たらいのなかにはグライダーやぬいぐるみ、けん玉なども載っている。

 設定としてはおもちゃを満載したたらいを海に持って行って子供たちが遊んでいたら、いつの間にか波にさらわれて漂流してしまったという感じかな。



 この情景のポイントは2つのキャラクターの視線が合っているということ。
 これがすべてで、あとは見る人にここに至るまでの経緯を想像してもらえれば良いかと。



 この作品のタイトルは「ビーチコーミング 浜辺の出会い」としておきます。
 さりげない作品ではありますが、その表現については現在自分が持っているものを100%出して制作した自信作ではあります。この作品は次の個展でも展示する予定です。





<フィギュアの制作>
 韓国のメーカー トリファクトリー(旧ZLPLA)から発売されている girls in action シリーズは、戦闘モノでありながら、様々なポーズ、シチュエーションのものがあって、自分も
良く利用させていただいています。

 

 今回はそのなかの Urbana (1/20)というフィギュアを使って、浜辺の風景を簡単なジオラマにしようと思ってます。

1  右手に持っているのは戦闘帽なのだけど、今回は
 不要なのでカットして下地を作ります。

 よくできたキットなので、基本このまま制作すればよいのですが、一つだけ変更を加えます。
 彼女の右手は戦闘帽があるのですが、これがあるとやはり戦闘後、あるいは訓練の後というシチュエーションになってきます。自分としてはもっと力の抜けたシーン
にしたい。
 そこで1日かけてデザインナイフやリューターで削りを入れて素手の形にしました。
 よく指が折れなかったな。

 次に中性洗剤で全体を洗います。
 乾いたら、あとは基本的に塗装のじゃまにならない程度にできるだけ組み立ててから下地を作ります。パーツの合いは悪くないので接着してから隙間をタミヤパテで
埋めます。Mr.カラーの薄め液を染み込ませた筆で表面をなでてやるとすぐに滑らかになります。
 あとはサーフェーサーを吹き付け、傷を見つけたら瞬間接着パテで埋めて磨く。そして真鍮線を差し込み、仕上げのサーフェーサーを吹き付けたら、下地は完成です。
たのが上の画像です。(D)  これで下地ができました。

 さてこのフィギュアの製造元のトリファクトリーですが、注型によってつくられていた製品を、これからは徐々に3Dプリンターによる製品に置き換えてゆくとのことです。
 プラモが子供のおもちゃだった時代から、大人の世界の趣味に変わってゆくと、生産数は減って高価なものになってゆくことは容易に想像がつく。だから書籍と同様に発売され
続けるものは、人気のある一部に限定されてしまうかもしれない。

 そういう意味ではこの3Dプリンターを活用した少量生産というのは、自分としては意味のあることと思います。
 もちろんデータさえあればどんなスケールにでも変換できるし、フィギュアだったら簡単にポーズや衣装の変更も可能です。
 また「このフィギュアにこれを着せてジャンプさせて見て下さい。」などというオーダーを受け付けるクリエイターも、これからは出てくると思う。

 AIが絡めばそれはさらに自動化されて、着色された完成品がそのまま送られてくる日も近いに違いない。
 でも問題はそれを使ったジオラマを「自分のつくった作品です。」と言い切れるかどうかですね。
 PCやAIに想像力まで奪われてしまわないように頑張りましょう。

2 最初に顔部分を人間用の化粧品などを使って、
 仕上げてゆきます。

 とりあえず自分の場合には、まず真っ先の肌を仕上げる。
 左画像はMr.カラーのNo.111キャラクターフレッシュを塗ったあとに、GX113つや消しスーパークリアーを吹き付けたところです。

 塗装に使うのは人間用のチークです。手元にあるのは全部で16色ですが、今回はそのうち半分を使います。
 フィギュアに色をのせる道具は右側にある綿棒で、左から模型工作用のとがった綿棒、子供用の小さな綿棒、模型耕作用につくられた楊枝タイプの綿棒の3種類です。

 最初に使うのは茶系のチークで凹凸を強調する。あとは頬や唇といった赤みのある部分に色をおきます。
 基本は子供用の綿棒を使い、細かなところは楊枝タイプ、隙間に落とし込むような時には尖ったものを使います。右画像は1段階目の作業が終わったところです。
 1回ではうっすらと色がのるだけですが、だからこそこの方法は失敗がない。
 そして再び GX113 を吹き付けて同じ作業を繰り返します。


 ある程度色がのったところで筆を入れ、目や眉毛、口を描きます。(左画像)
 描くと言っても、最初の段階ではチークで描いた部分をうっすらと強調するぐらいの方が良いと思う。
 作業はメガネ式の拡大鏡をしながら行っていますが、細かなところまでは見切れないので、このあたりで撮影してモニター上でチェックをするほうがよいでしょう。

 このあと微修正をしてゆきます。
 うまく描けていないところをデザインナイフで掻きとったり、(描くより簡単) あとはチークそのものを少量の薄め液を染み込ませた細筆にとって、微小な部分のぼかしを
入れたり、色を補ったりする。やり過ぎたら、とがったタイプの綿棒で少し強くこすると、少しずつ色は落ちます。

 あと、使う筆の方も模型用ではなく、今は1本で50円から60円ぐらいの極細のネイルアート用のものを使ってます。(TEMU等)筆は消耗品ですが、特に極細のものは調子
の良い期間が短い。結局ネイルアート用のものの方がコストパフォーマンスが良いです。
 中画像は2日かけて仕上げた結果です。水彩画のように少しずつ色を足していって雰囲気重視で仕上げているので、正直なところシャープな仕上がりとは言えないかも
しれない。
 長さは1.1cmほどしかない顔なので、きっちりと描き切るのはやっぱり難しい。だから破綻しないことを最大の目標にして、自分は製作することにしています。

 引き続いて胴体部分や下半身も着色してゆきます。
 最初の段階ではこの段階ではあまりつやの状態にはこだわっていません。たとえばズボンはMr.カラーのNo.23 ダークグリーンそのままなので、少しつやアリの状態で
仕上がっています。

   3 素材による質感の違いを塗装で表現します。
    

 まずはいったんMr.カラーのGX113つや消しスーパークリアーを全体に吹き付けて均一につやを消します。なんでGX113なのかというと、UVカットの機能があるからです。
日中に外に作品を出して実験をしたことはありませんが、信じて使ってます。

 ここで自分流の影の出し方と衣類の経年変化のつけ方をご紹介します。
 上の画像で言うと、閉じられた足の接する部分(黒矢印)は光が届かないところなので暗くする必要がある。ここにはチャコールグレーのパステルをカッターナイフで削って
綿棒にとり、軽くこすりつけて影を入れます。
 一方でお尻のあたりや膝の部分(白い矢印)は布がこすれて、衣類の色は少し退色しているはず。またブーツもつま先やかかと部分にも同様のことが言えると思う。そこで
ここもレモンイエローのパステルを綿棒にとってこすりつけます。
 いずれにせよ、色の変化はごくわずかで言われてみないと分からない程度です。
 作業が終わったら、Mr.カラーのGX114 つや消しスーパースムースクリアーに Mr.カラーのNo.118 フラットベースあらめ・ラフを30%ほど混ぜたものを丹念に布部分に吹き
付けて定着させます。

    

 そうするとこんな感じで「ちゃんとした布」のような質感が出てきます。
 髪はMr.カラーのGX114 つや消しスーパースムースクリアーに Mr.カラーのNo.46 クリアーを30%ほど混ぜて半つや消しで仕上げます。再度、少しだけ顔の方も手を加えて
みました。少しだけ良くなったはずです。

 小さなスケールのフィギュアの場合には、その存在感を強調するために陰影を強調したメリハリのある塗装が推奨されることが多く、雑誌等でも紹介されてきました。
 それに比べると自分の場合には、薄い色付けの繰り返しでパステル画や水彩画の仕上げに近いかもしれない。良く言えばナチュラルではあると思う。

 ここから先は私見になりますが、実物を見てもらうつもりなら存在感のある仕上げの方が確かに良いと思う。
 が、今現在こういう作品を直接見ていただけるような機会というのは、限られた模型屋さんの店頭とか、東京や静岡でたまに催されるイベントだけでしょう。
 今ほとんどの場合には、こういう作品の発表の場はNET上なわけで、それならば写真に撮ってみて、きれいに仕上がっているかどうかの方が大切なはずです。

 今回の作品で言えばズボンはダークグリーン一色、パステルで多少の変化をつけるぐらいが妥当なところです。もしこれを明るい部分、暗い部分、更に退色した部分で色を
変えて塗ってゆくと、かえって写真に撮って拡大したときに不自然に見えます。
 同じ理由で自分はスケールモデルを仕上げるときの「墨入れ」もしません、必要があればデザインナイフで溝を強調するだけです。 「小さいスケールだから存在感のある塗装」
という言葉は意味を失いつつあると自分は思う。

 写真に撮ってしまえば 1/6 も 1/72 も同じです。違うのはどこまでアップにした画像を公表できるかという点だけかな。最後の画像は自分自身の能力からすればアップの限界で、
今現在これ以上拡大した画像を紹介することは多分ないと思います。





<脇役の制作>
 主役の視線の先に何を置くかで、このジオラマの性格は決まります。

 

 で視線の先の対象物として思いついたのが左側です。
 当初はこの2つで夏の終わりの海岸のシーンを再現したいと思っていたのですが、並べてみたら釣り合わない。ミッフィーちゃんがあまりにアニメチックすぎてリアリティーに
欠けてしまう。

 次に見つけたのが右、トトロのキーホルダーです。こちらはメルカリでお譲りいただきました。
 早速、チェーンを外してその穴をパテで埋め着色しました。こちらは浜辺に漂着したぬいぐるみとして使用するつもりです。


3 たらいを用意してここにトトロを乗せます。適宜、
 汚し塗装を行います。

 漂着したトトロが全く汚れていないというのは不自然なので、塗料皿を加工してたらいに見立ててトトロを乗せます。
 とても良い感じなのだけど、今度は良く出来すぎていて、トトロのぬいぐるみというよりは、トトロそのものがたらいに乗って海を渡ってきたように見えてしまう。
(まあ、それでも良いかもしれないけど、自分のイメージとは違う)

4 グライダーやぬいぐるみなど、トトロと一緒に漂着
 したものを追加します。

 そこでアイテムを追加します。
 プラ板、真鍮線、ランナーを使って模型グライダーをつくります。けん玉はエポキシパテからつくります。完成した状態が右画像、黄色いのはプラの玉でソフビのボールに見立てます。



 で、こうやってみんなたらいに乗っけてやれば、 「なるほど、たらいにおもちゃを乗っけていたら、潮が満ちてきて流されちゃったのか。いったいどこから来たんだろう?」ということに
なります。
 さりげない情景ですが、やはりディテールはきちんとしないといけません。





<ベースボードの製作>
 登場人物が出そろったところでベースボードをつくります。
 設定としては浜辺にトトロのぬいぐるみがたらいに乗って漂着したという他愛無いものです。



 スケッチしたアイディアとしてはこんな感じです。
 波打ち際にトトロの乗ったたらいを置いて、それに気づいたヒロインが近づいてゆくというシーンです。サイズは18cm×15cmに決定、ベースボード全体に傾斜をつけて、
全体の40%に透明レジンを流し込んで海を表現する予定です。

5 ベースボードを角材を使って組み上げ、質感のある
 塗装を加えます。

 左画像はフレームを組んでいるところです。傾斜をつける関係で、木材はすべて台形状にカットしています。
 今回あらたにTEMUで直角を出す工具を買ってみました。4個セットで257円、絶大な効果があると思ったけど、100均で2個110円のものと効果は大差はなかった。
まあこういうこともよくある。

 完成したフレームに板目紙を張り付けて全体の配置を調整します。(画像中)
 茶色い塊は風化した木の皮で、着色して岩に見立てます。状況としては海が荒れたときにたらいが漂着し、この岩に引っかかって止まったという感じです。
 画面右下が海で左にあるのは足跡です。

 まずは板目紙に高耐久ラッカースプレーをたっぷりと吹き付けてコーティングします。さもないと水を含んだ塗料で凹凸ができてしまいます。
 次にグレーに着色したモデリングペーストに「浴びっこサンド」を混ぜてつくった下地塗料を塗ってゆきます。このとき波の移動する方向に筆を動かしてやると、砂の流れる感じが
表現できます。


 下地塗料を塗って、それがが乾く前に「浴びっこサンド」をふりかけるという作業を何度か繰り返すと、質感のある砂浜ができあがります。
 ちなみに上の穴4つは足跡です。歩いた時、砂が少し沈み込まないと不自然なのでカットして再現しました。このあと裏側から板目紙をあてがうことにします。



 最後に撒いた砂を定着させるために少量のタンを混ぜたMr.カラーのGX113を全体に吹き付けます。するとこんな感じで少し湿ったような砂の斜面ができあがる。
 波打ち際なので、当然のことながら「砂の持つ湿り気」は場所によって違ってきます。
 そこで乾いたところにスプレー糊を吹き付けて「浴びっこサンド」をうすく撒く、これを画像の右上に向かって少しずつ厚くしてゆくと、ご覧のようなリアルな海岸線ができあがります。
 今のところは構想通り、次はリアルな海と波を再現します。

6 UVレジンや透明レジンなどを使って、波のある
 海を表現します。

 次にリアルな波打ち際を再現しようと思います。
 そしてそのために使うのが左画像のシートです。透明なフィルムの上にリアルな白波がプリントされているという、なんとも嬉しいアイテムです。
 実はこちらのシートはジオラマ用のものでなく、ネイルアート用に開発されたもの。TEMUで196円だった。

 このシートを貼るためには平らである必要があるので、UVレジンを砂の上に塗って固め、その上から貼り付けます。(画像中)

 次は右画像にあるように、左上の三角の部分に透明レジンを流し込む準備をします。
 PPシートを両面テープでベースに貼り付け、隙間から透明レジンが流れ出ないように、白い矢印で示した部分にUVレジンを筆で塗って硬化させます。
 こうすれば完璧に隙間はなくなります。


 説明書通りに透明レジンを配合して拡販する。
 今回は思いっきり激しく拡販して、気泡がたくさん入るように頑張った。そして気泡がなくなる前に流し込みを行います。

 画像中は硬化したところです。(おおむね8時間) わざと気泡を残したので、波打ち際らしい感じが出ています。
 流し込みの枠として使ったPPシートは、レジンに張り付かないので簡単に取り去ることは出来るのですが、どうしても表面張力の関係で端っこは平らになりません。
 そこでやすりがけして削り、耐水ペーパーで磨いて平らにします。(白い矢印の部分)

 このままだと水面が真っ平らで水の動きが感じられない。そこで右画像のようにKATOの「さざ波」を塗って起伏をつけます。


 乾くとこんな感じになる。
 白波の行く先にも水で薄めた「さざ波」を塗って湿った感じに仕上げます。
 まだ水面の動きが足りないように感じたので、白波のぶつかるところや、白波の進行方向にモデリングペーストを更に盛って、立体感を出します。
 また白波の後方にも薄くモデリングペーストを塗って、消えてゆく白波を再現します。



 仕上がりはこちらです。流れを整理するとこんな感じです。
A 気泡を含んだ透明レジン、あとで「さざ波」で起伏をつける。
B 透明レジンの上に薄くモデリングペーストを塗って、消えかけた白波を表現。
C UVレジンで平らにして「白波シート」を貼る。
D モデリングペーストを何度か塗って、白波に立体感を出す。
E 少し水を加えた「さざ波」を塗って濡れた感じを表現する。

 いよいよこちらの作品も完成に近づいてきた感じです。


7 全体の組み立てに入ります。雰囲気づくりのための
 パーツも用意します。

 配置のポイントは2つのキャラクターの視線が合っているということ、これがすべてで、あとはそれを取り巻くように、様々なものを配置してゆきます。
 トトロの位置が決まったら、すでに制作してあったグライダーやぬいぐるみ、けん玉などもこのたらいに載せます。こうすればおもちゃを乗せたたらいが漂流してきたって感じになる
という計算です。

 海岸らしく見せるために、更にそれらしいものを追加します。
 画像中は左からエポキシパテでつくった貝殻、1/24スケールのペットボトル(キットで売られている)、手持ちの白化したドライフラワーや木の枝です。
 もちろん置くだけでなく、砂を微かに追加して砂まみれの感じにします。

 

 そして用意したすべてのものをを配置し終えた。
 でもこれで完成ではない、とりあえず写真に撮ってPCモニター上で確認します。人間の目というのは先入観や思い込みがあると明らかなミスに気付かないことがある。
そこで冷静に第三者的に見るために撮影をします。

 時間を置くということも大切です。完成の一瞬というのは若干の興奮状態なので、やはり見落としが出やすい一瞬でもある。1日置いてまた見て、次は3日後といった感じです。
 今回について言えば、最初はこじんまりとまとまった感があったけど、時間が経つにつれて僅かな違和感を感じるようになりました。そして日に日にそれが大きくなってゆく。

 そして1週間後、ついに作り直しを決意。
 これから早速延長戦です。





<ここで大修整>
 その違和感が何なのかというと、波のでき方です。
 よくよく見ると、池の水の縁が白く波立っているような感じがして不自然です。



 透明レジンを流し込んで固め、後で波をつけたから断面はAのような感じになっている。でも海岸の波というのは緩やかなスロープを登ってくるので、まっ平らではなくBのような
断面になるはず。明らかな観察不足です。

 ついでに言うと、水面部分の面積が小さくてイメージした海岸線の広さが出ていない。
 こちらの失敗は間違いなく「思い込み」が原因です。自分としてはずっと「広い海岸線」を思い描きながら作業をしていたのだけど、いざ冷静になって見ると、実際には広さが
あまり感じられない。

8 全体を拡大するというm大修整を加えます。完全な
 二度手間です。

 でどうしたかというと、作り直しです。
 ベースボードの面積を2倍にして、まずは広さを出す。下地塗料を塗って「浴びっこサンド」を撒く、このあたりはもう完全に二度手間なんだけど、やるしかないのだから仕方ない。
不満のある作品を一つ積み上げるよりは、良い作品を作る方が絶対に良いです。



 難しいのは、こういうことをすると、つなぎ目が完全に消えないことがよくある。慎重に質感と色合いを合わせます。
 でも少しだけレジンを流し込んでみたら色合いが同じではなかった。ある程度予想はしていたけど、濡れた部分の色合わせは至難の業だね。

 もともとの部分に比べると、新しくつくった部分の方が赤みがあって暗い。このままではまずいので、丸一日考えて次の一手を打つことにした。
A 暗いものを明るくするのは不可能なので、元の部分にクリアーレッドをベースにして少し彩度を落とした塗料をぼかしながら吹き付け、色を合わせる。
B まだまだ新旧の境界線が見えてしまうので、透明レジンを少量流し込んで、そこに浴びっこサンドを撒く。こうすると砂の舞い上がった感じになって境界線が見えづらくなる。
C 次に透明レジンを流し込んだ後、つや消しホワイトを表面に吹き付け、つまようじでところどころ表面をなでてやる。これで海水に入り込んだ細かな気泡が模様を描いた感じ
になります。



 ということで海岸の再生が完了しました。





<完成画像>


















 これで本当の完成です。
 海岸線を伸ばしてつくりなおしてしたのですが、結果として正解だったと思います。砂浜の広がりが 清々しい。





2025.02
camera: Panasonic DMCーGX9 12mm-32mm2  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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