トキワ荘


漫画界の聖地く



2025.02.12
 手塚治虫をはじめとする様々な漫画の巨匠たちが住んでいたというトキワ荘に行ってきました。
 トキワ荘は1982年12月にいったん解体されましたが、それを惜しむ声も多く、2020年7月現在の地でマンガミュージアムとして復元・開館されることになったのだそうです。
(都営大江戸線「落合南長崎駅」A2出口より徒歩5分)



 建物の外見は当時とほぼ同じ、アパート内はかなり作り変えられていて1Fは事務所と企画展のスペース、2Fが復元された漫画家たちの部屋という感じです。
 この日の企画展は「島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編」でした。
 ちなみに入館料は500円で缶バッジ1個付きという超格安、人気施設なので基本的には完全予約制です。ただ平日ならば前日の予約でも結構入館できると思います。



 入館者は半数が外国から来た人って感じでした。
 2Fの復元スペースへ、こちらは見た通りの共同トイレ。
 トキワ荘は1952年の建築で、家賃は当時3000円だったそう。トイレ共同、風呂なし、共同炊事場という、当時としてはごく普通のアパートだったみたいです。



 こっちは共同炊事場、よくあるパターンで、全く漫画の巨匠たちが使っていたという感じがしない。今の学生アパートの方が、ずっと贅沢です。
 基本、館内撮影禁止とありますが、それは著作権の関係する部分だけで、実際には常設部分の90%は撮影できます。



 トキワ荘には最初、手塚治虫が住み、その後は藤子・F・不二雄と藤子不二雄Aをはじめとするたくさんの漫画家が入れ替わる形で居を構えた。そして漫画家が住む
アパートとして有名になってゆく。



 部屋のいくつかはこのように復元されていて、実際の漫画家たちの日常が分かるようになっています。こちらは漫画家・動物絵作家であり、トキワ荘最後の住人と言われる
山内ジョージ氏の部屋です。
 4畳半で手を伸ばせば何でも届く、寝る前にはそれを押しのけて布団を敷くという生活が見えます。
 ちなみに窓の外の風景は描かれたもので、当時の2Fからの景色を再現したものです。



 こちらは、よこたとくお氏の部屋、「マーガレットちゃん」や「電気のひみつ」などが代表作です。



 ちなみにほ公開されているほとんどの部屋に、当時は贅沢品だったテレビが置かれていた。それだけでなくステレオとレコード、高級なカメラ、散在する映画パンフレットや
雑誌等多数で、部屋はけっこう密度が高い。



 聞けば家賃は3000円でも、みなさんそれなりに遊ぶのが好きだったらしい。いろんなものに興味を持ち、様々な体験をしてゆく。
 そしてそれが自らの漫画に生かされてゆく、やはりそういうことなんだろうと思う。
 やはりトキワ荘は、漫画の巨匠たちが若き青春の日々を過ごした伝説のアパートでした。





 トキワ荘マンガミュージアム自体の見学時間は、おそらく長くても1時間ぐらいではないかと思う。それだけで1時間半かけてやってくるのももったいないので、事前に他に面白い
ところはないかと調べておきました。



 こちらも豊島区の施設で「昭和レトロ館」、ありがたいことにこちらは入場無料で見学できます。
 無料なんだけど、昭和をテーマとした資料館としては内容が豊富です。



 こちらは昭和の生活を再現した部屋、このほかにも企画展として、この日は地元作家の個展や、昭和の給食を再現した展示なども行われていました。
 入るとなんか懐かしい気分になれます。






 常設展示としてはジオラマがすごい。こちらは昭和の時代の池袋駅周辺を再現したものですが、ものすごくリアルです。こういうものが3つぐらいありました。



 こちらはフィギュアが主役になっている作品です。






 レトロ感が半端ない。
 いいな、こういうのって大好き。







 施設は変わって、こちらも「マンガステーション」という豊島区の運営する、いわば漫画の図書館です。50分間ここで懐かしいマンガを無料で読むことができます。
 50分間というのはどういうことかというと、そのあと10分間の空気の入れ替え時間があって、その間は利用できないという意味です。



 こちらは「トキワ荘通りお休みどころ」、名前の通りの休憩施設で各種案内やお土産なども購入できます。
 ちなみに最初に紹介した「トキワ荘マンガミュージアム」を含めて、今日紹介した3館をすべて回るというスタンプラリーがあって、それをクリアすると絵葉書のプレゼントを
こちらでいただけます。
 なんか500円しか使ってないのに至れり尽くせりです。
 豊島区は太っ腹だな、と思いました。










 トキワ荘マンガミュージアムがあるのは、南長崎花崎公園なのですが、ここには漫画家たちの似顔絵とサインが刻まれたモニュメントがあったり、公共トイレも様々な
漫画で飾られていたりする。
 これからの桜の季節はもっとたくさんの人で賑わうに違いない。まさにマンガの聖地です。



 これはトキワ荘近くにあった電話ボックスを再現したもので、実際に漫画家たちはここから出版社と連絡をとり合っていたという。スマホはおろか電話を引くってことが贅沢
だった時代もあったわけです。
 ちなみにこの電話ボックスには鍵がかかっていて入れません。
 入ると電話がかかってきて、たとえばアニメのタイトルソングなどが聞けるようなギミックがあるといいな、と思いました。



 トキワ荘ゆかりの場所は、この二又になった左奥の道に集まっています。今この道は「トキワ荘通り」と名付けられていて、結構レトロな商店街だったりします。前に出てきた
「トキワ荘通りお休みどころ」「マンガステーション」「昭和レトロ館」なども、この通り沿いにあります。

 




 こちらは1710年ごろに建てられた「子育て地蔵尊」です。古い歴史を持つ街並みなのですが、おそらく存在としてはこのお地蔵様が最も古い。戦前は四のつく日の縁日には
たくさんの露店が立ち並び、たいそうな賑わいだったという。
 ただ戦後そして現在に至る間に、少しずつ古いものがなくなって新しいものに置き換わっていった。



 戦後間もないころに建てられた「トキワ荘」もその一つで、今は子育て地蔵尊の近くに、そのモニュメントだけが残っています。



 当時の雰囲気を伝えるという意味では、この「松葉」という中華料理店の存在は大きいと思う。この界隈に住む数々の漫画家も訪れたといいます。
 ただ国の内外を問わずファンは必ず立ち寄るところらしく、この日もひっきりなしにお客が出入りしてました。



 目的地は「トキワ荘マンガミュージアム」だったのだけど、行ってみたらほかにもいろいろ面白いとことがあって、このあたりで軽く1日遊べてしましました。



2025.03
camera:Canon powershot g9X Mk.2 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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