藤野
2025.02.25
藤野は芸術のまちとして知られており、「ふじのアートビレッジ」などが整備され、多くのアーティストが住んでいるという。また甲州街道の宿場町として
知られるところです。訪れる観光客こそ少ないですが、やっぱり豊かな自然は見どころと言えるでしょう。

9:30
JR中央本線「相模湖駅」周辺に車を停めて、一駅分電車に乗ってお隣の「藤野駅」で降りました。
この日はここから橋を4回わたって最後は相模湖駅に戻る予定です。

駅から南側を望むと「緑のラブレター」という巨大な屋外彫刻が見えます。
藤野は芸術のまちとして知られており、「ふじのアートビレッジ」などが整備され、多くのアーティストが住んでいるという。

駅前の国道20号線を渡ると、並行して旧甲州街道が通っている。
一見してはこれが甲州街道とは気付かないでしょう。

一つ目の弁天橋を渡ります。
眼下の相模川は相模湖と一体化している感じで、深い青緑に染まっている。


県道の吉野上野原停車場線を東に向かって歩くと、いくつかの屋外アートに出会います。「芸術の道」として整備されているそうで、眺めながら歩くのも
楽しい。

こちらは「あなたと・・・明日の空の色について」という作品です。金属のパイプが空と赤い直方体を結び付けている感じだね。

「両側の丘の斜面
まわりの景色と作品は異質なものなのだけど、何故か馴染んでいる感じです。
作者の意図するところはQRコードで読み取ることができます。

こちらはグダンコーヒーという自家焙煎のコーヒー屋さんです。テレビ東京の「昼めし旅」で紹介されて、ぜひ行ってみたいなと思ったお店だったのですが、残念ながら営業
していなかった。

お地蔵様と郵便ポスト。
そういえば「昼めし旅」でこのあたりを歩いていて、コーヒー屋さんから先、結局誰とも出会えず場所を変えていたことを思い出した。

自分たちも一つ目の弁天橋から先、ずっと誰とも合えていない。
いったいみんなどこに行ってしまったのだろう?
結局、芸術の道を1時間ほど歩いたけど、その間誰ともすれ違いませんでした。

10:30
2つ目の橋、秋山川にかかるこの「秋川橋」からの眺望が実に美しい。まだ季節は冬と言っても良い時期なのに見応えがあります。
もしこれが新緑の季節、あるいは紅葉の季節だったら、更に美しく訪れる人も多いのではないでしょうか。
橋を渡ったところでローソンを発見した。警察や銀行、学校などもあって、この地域の中心地であるらしいです。
ここで飲み水などをこちらで補給して、お昼ご飯はどうしようか考えました。グーグルマップで確認すると、この先にいくつかお店があって、それなりに評価も高い。
ならばちゃんとしたお店に入ろうということになったのですが、実はこれが間違いの始まり。

道をそのまま南下すると、芸術家たちが多く住むというアートビレッジ方面にすすむけれど、今回の目的は古い集落を巡ることなので、県道520号線に入って
東に向かいます。

この県道こそが、甲州街道に対して相模川の対岸を東西に貫く古道で、その風情も感じられます。
茅葺屋根の家こそないけど、明治以前の建築と思われる古民家もときおり見かけたりする。この先に何があるか楽しみです。

高台を行く、道が二股に分かれる眺望の良い場所には、お墓やいくつもの石仏が並ぶ。でもこれが何なのかわからない。グーグルマップには印さえついていない。
このあたりの地名を日連(ひづれ)というのですが、もちろん観光地でも何でもなく、その成り立ちなどは調べても分かりませんでした。

こちらは3つ目の橋である「日連橋」からの景観です。
高さは十分にバンジージャンプができるほどあって、下を覗き込むのが怖い。歩道の一部を透明にしたら、きっと観光名所になると思います。
さてお昼ご飯の方なのですが、何軒か通り沿いにあることはあったのですが、ここまでは全部お休みでした。
「もしかして平日はどこもダメ? お腹空いた。」

こちらは青蓮寺、相模川を背にして立つとっても静かで立派なお寺なのですが、なかでもこの観音堂の佇まいと木彫がすごい。
こちらのお寺、けっこうな歴史はある感じですが、やはり創建等についてはっきりしていない。

こちらは「日連神社」です。こちらもびっくりするぐらい歴史を感じる神社なのですが、やはり歴史的には不明なところが多いです。
拝殿は彫刻が多くて、けっこう凝った造りになっている。青蓮寺の観音堂と同じく、おそらくは半原の大工衆の仕事と思われますが、技術的なものだけでなく芸術性も
かなり高い。

日蓮というところは、すごく歴史があるのは分かるのだけど、Google map 見てもほとんど情報が出てこない。だから謎は深まるばかりでした。想像するに庄屋さんとか
お寺さんが火事で焼けて、記録などがすべて失われてしまったってことなのかな。

あと一つ言うなら、このあたりにも美味しそうなレストランやピザ屋さんがあったけど、お休みでした。
テレビ東京の「昼めし旅」では、人がいないと、どこかの飲食店に入って「尺をかせぐ」のが常なのですが、このあたりを取材したときに、あっさりと取材場所を
変更した理由が分かったような気がしました。
11:25
日蓮という地区を後にして相模川を渡ります。今日最後の橋となる勝瀬橋を渡り終えると、その先は再び甲州街道となります。
お昼時を過ぎても、なかなか昼食にありつけません。橋を渡ったところに、評価4.4という高評価のレストランがあったのだけど、やっぱりここもお休みでした。
結果、このあたりのお散歩をするなら、コンビニ以外は頼れないという結論です。

50mほど藤野方面に戻ると、そこが甲州街道「吉野宿」なのだけど、今は国道20号線そのものが真ん中を通っていて、江戸時代までの風情は全く感じられません。
吉野宿もまた小さな宿場町で、甲府方面に向かう旅人だけが利用できたようです。

まずは本陣跡に向かいましたが、その面影はなく1つの石碑と土蔵のみが残されています。
こちらには五層楼の豪勢な建物があったと伝えられ、明治天皇も利用されたと伝えられている。しかしながら1896年の吉野宿の大火で焼失してしまった。

本陣跡の向かいにある「ふじや」という旅籠跡です。
こちらは大火の後に再建されて、現在は旧藤野町の郷土資料館として利用されています。但しこちらも入館できるのは週末のみということで、やっぱり何も見られない。

本陣跡の脇から再び甲州街道を歩く。
こちらは高札場跡です。だいたい本陣と高札場ってセットになっているね。

この先、道は舗装されているものの、結構細くてアップダウンが厳しいところです。最終目的地の相模湖駅までは2kmほどなのだけど、この区間を1時間以内で歩くのは
しんどい。夏場に訪れたら、間違いなくギブアップする人がいると思う。

途中にはお地蔵様や道祖神など、様々な遺物が残されているのだけど、それがいったい何なのか読み取るのはかなり難しいです。
結果、ただただ歩くだけって感じになってしまう。

吉野宿から更に45分ほど歩いて、もうヘロヘロ状態。
そしてもう少しで相模湖駅という場所で、突然巨大な鳥居と上に伸びる参道が出現しました。
ここが余瀬神社の入口で、ここが本日最後の目的地になります。
疲れてはいるけれど、ここで上らないのはもったいない。最後の力を振り絞って参拝します。

幅広い階段を上り切ると、オレンジ色のステージのような場所に出ました。
ここは幅20mはあろうかという参道の一部です。正面左側から上に伸びるのが余瀬神社に続く参道、そして左側に見えるのが慈眼寺という天正年間(1573~1591)に
建立されたお寺です。
こちらのお寺はもともと余瀬神社の別当(神社の管理をしていた)だったということです。

そして横を見ると、下を中央高速道が通っていた。
つまりこの参道自体が中央高速を渡る橋になっている。

振り返ると相模湖。
こういうシチュエーションてなかなかない。中央高速とこの橋、そして相模湖自体も人工的なものなのだけど、360°がちょっとした絶景スポットに仕上がっている。
( 相模湖駅からだと近いのでぜひ訪れてみると良いと思う。)

けっこう急な階段を登りきるとそこに「與瀬神社」があります。
創建は不詳、但しなかなか風格のある神社で、木彫も立派。由緒はとしては、この地の地元の民が相模川で漁をしていた時、御神躰が引っ掛かかり、それを祠に祀ったのが
始まりと伝えられます。

途中までは、みんなどこもお休みで、今一つ大きな感動がなかったのだけど、最後の最後で来たね!って感じでした。
2025.03
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