球体人形の制作(発展編)
How to make a doll?

 こちらは「球体人形の制作・改良編」です。第1シリーズの人形制作講座をお読みになってない方は、まずはそちらで人形制作の概要をご理解下さい。
 このシリーズは前回以降の制作で得たノウハウをまとめたものになっております。

                      4 表面のコーティング


●2009.10.06 天気:雨
 外は雨、おりしも台風接近中とのこと。
 最新作の ayana は実質3週間で作り上げたものですが、彼女
にはコーテングや、こまかなところでの工夫があります。
 今回はそのあたりのことを、ちょっとだけ説明してみたいと思いま
す。
                   


1 表面コーテング
 粘土で作られた人形の宿命として、どうしても強度不足で指の
細いところが折れたり、どこかにぶつけて身体にキズや凹みがで
きたりといった事故が起こってしまいす。
 そこで見つけたのがパジコ社の液体粘土イージースリップです。
この製品は石こうの型に流し込むことで、ビスクドールと同等の
強度を持つ人形ができるというものです。もしこれを表面仕上げに
活用できたら、強度が増すに違いありません。
 期待しながら荒削りの終わった人形の仕上げに入ります。




1 こちらがイージースリップです。2kgで\3675、少々
 高価です。
2 とても粘性が高いので、水で3倍程度に薄め、この
 なかに「えい!」とパーツをつけ込みます。
3 途中で気づいたのですが、気泡ができやすいので、
 事前にパーツをぬれたティッシュ等で拭いておいたほ
 うがいいです。


4 乾燥させます。持つ部分がないのでパーツに針金を
 つけておくこかないと、あとが面倒です。
5 イージースリップは収縮率が高く、乾燥するとヒビが
 入ってしまいます。
6 このヒビはパジコのプレミックス(粘土)にジェッソを
 少量混合して水で柔らかくしたものを塗ってペーパー
 がけします。これでヒビは目立たなくなります。

7 イージースリップ漬けを3回ぐらいすると、1mm程度
 の層ができます。(指は2回ぐらいで十分!)
  これを中目のスポンジペーパーで磨きます。
8 基本塗装ですが、もともとイージースリップが人形
 ための粘土なので、112キャラクターフレッシュの濃淡
 だけで十分に良い感じになります。



9 塗装が終わったら表面保護層をつくります。
 レシピは、水に溶かしたモデナ(樹脂粘土)とクリアー
 ジェッソを4:1で混ぜたもの。これを3回塗布します。
10 最後にスーパークリアー(つや消し)をまんべんなく
 スプレーします。

   
ということで完成です。
今回はウイッグ等、できる限り市販のものを活用しています。