ドール関連イベント
ここ1年間、ドールを中心としたイベントに出展してきましたが、それぞれのイベントについてまとめてみました。
もしこれからイベントに参加しようと思っている方の参考になれば幸いです。但しその内容は2014年前後ですの
で、その後内容が変更になっている場合にはご容赦下さい。
ドールズパーティー http://www.volks.co.jp/jp/ 略称 ドルパ 主催 volks |
第1回は1999年。SDやDDを世に送り出したボークスの主催するドールイ ベント。年に7回程度、東京、大阪、名古屋、仙台、京都、福岡で開催され る。 ボークスの新作紹介や限定品販売、お茶会、カスタマイズドールコンテ スト、メイク教室、クイズ、ビンゴなどのイベントが盛りだくさん。またディー ラーの出展もSDとDDの服飾品が中心。 東京では東京ビッグサイトで開催され、入場料は2000円。 ●ディーラー参加のデータ(東京の場合) 開催時間帯: 10:00〜17:00 テーブルサイズ: 180cm×45cm 募集ブース数: 500 出展料: \10、000〜 *)成人もの不可 *)版権ものの取り扱いあり 以前は創作ドールコンテストやガレージキットの扱いもあったけど。今は SDやDDを中心としたイベントになってます。ディーラー参加の場合もこれ にあわせて1/3ドール関連が合いそう。 入場者数の公式発表はなし、以前は3万人近いとも聞いていましたが、 今はそれほど多くない感じです。昔は人気のブース周辺は身動きがとれ なかったけど、今は余裕があります。入場者の男女比はおおむね 7:3。 イベント時間が長いので一人での出展は大変。ちなみにお客様の数は 14時をまわるころになると急に減るので、このあとは他のディーラーさん を回ることができます。 |
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I・DOLL http://www.idollweb.net/ 略称 アイドール 主催 ユウメディア |
ドール関連商品の展示販売イベント。ディーラーは個人の服飾品販売 が中心で、複数の企業の出展もある。 年に10回程度、東京、大阪、名古屋で開催されるが、2014年は台湾で も開催。 ブース出展のほかには撮影スペースの提供などもある。 東京では都立産業貿易センター(浜松町)で開催され、入場料は 1000円。 ●ディーラー参加のデータ(東京の場合) 開催時間帯: 11:00〜15:00 テーブルサイズ: 90cm×90cm〜 募集ブース数: 500 出展料: \3、800〜 *)成人もの不可 *)版権ものの取り扱いなし 1/3ドールを中心とした服飾関係中心のイベント。ディーラー参加の場 合も、1/3ドール関連が向いていると思います。 入場者数の公式発表あり、vol41ではおおむね3,000人程度。 入場者の男女比はおおむね 7:3。 出展料もお安く、回数も多いので、服飾関係の初出展に良いのでは? ただイベント時間が短いので、他のディーラーさんを回る時間がないで す。 変更:東京会場は2016より東京ビッグサイト、出展料¥6800〜 |
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ドールショウ http://www.dollshow.net/ 略称 ドルショ 主催 ドールショウ事務局 |
第1回が1998年と古い、ドールイベントの草分け。基本的には他のドール イベント同様、個人の服飾品販売が中心で、複数の企業の出展もある。 年に3回程度、東京を中心に開催される。 東京では都立産業貿易センター(浜松町)で開催され、入場料は1000円。 ●ディーラー参加のデータ 開催時間帯: 11:00〜16:00 テーブルサイズ: 90cm×90cm〜 募集ブース数: 500 出展料: \4,500〜 *)成人もの不可だが、LTDエリアでは裸体ドールも出展可能 *)版権ものの取り扱いなし こちらも他のドールイベントと同様、SDやDD向けの服飾関係が出展の 中心だが、1/6ドール、1/12ドール、創作系などの出展も他のイベントに 比較して多いのが特徴。全体として出展のジャンルがひろいように思え る。 入場者数の公式発表はないが、4000人ぐらいとも言われています。 入場者の男女比はおおむね 7:3。 一般的なドールイベントのなかで、1/3以外のジャンルのドールや、 創作系ドールを出展するなら、それでもここがいちばん向いているかも。 変更:会場は2016より、池袋サンシャインシティ(出展料¥7000〜) または都立産業貿易センター台東館) |
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ドールワールドフェスティバル (ドールワールドリミテッド) http://www32.ocn.ne.jp/~japandollworld/ 略称 DWF(DWL) 主催 ミクニドール |
ミクニドールが主催する創作ドールの数少ないイベント。ドール本体の ほか、ビスクドールのドレスや、小さなサイズの雑貨類などが販売されて いる。 6月のドールワールドフェスティバル(DWF)は2日間、11月のドールワ ールドリミテッド(DWL)は1日のみの開催となる。 場所は都立産業貿易センター(浜松町)で入場料は無料。 ●ディーラー参加のデータ(DWF) 開催時間帯: 2日間 12:00〜17:00 及び 10:00〜16:00 テーブルサイズ: 90cm×90cm〜 募集ブース数: 160 出展料: \15,000〜 ●ディーラー参加のデータ(DWL) 開催時間帯: 1日のみ 12:00〜17:00 テーブルサイズ: 90cm×90cm〜 募集ブース数: 80テーブル分(最大160) 出展料: \8,000〜 *)できるだけ服を着せてあげて欲しいとのコメントあり *)版権ものの取り扱いなし オリジナルドールを出品するならここしかないという感じです。ビスク ドール、創作ドール、様々なサイズ、制作方法のドールが集まります。 入場無料なので、おそらく入場者数のカウントはしていないと思いま す。推計で1日あたり1000人を少し切る程度だと思います。入場者は 女性の方が圧倒的に多いです。 変更:会場は2016より、都立産業貿易センター台東館 |
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ワンダーフェスティバル http://wf.kaiyodo.net/ 略称 ワンフェス 主催 海洋道 |
長い歴史を持つフィギュア中心のイベント。古くは素人によるガレージ キット販売が中心だったが、年々質が向上し、高い技能を持つアマチュ アと企業ブースが中心になっている。それに伴い、販売品もキットから 完成品中心へと移行しつつある。コスプレも有名。 夏と冬の年に2回開催される。 会場は幕張メッセで、入場料は2,000円 ●ディーラー参加のデータ 開催時間帯: 10:00〜17:00 テーブルサイズ: 180cm×45cm 参加ディーラー: 約1800 出展料: \27,000〜 *)成人ものは制限された区画内のみOK *)版権ものの取り扱いあり 「ガレージキットの祭典」とされているが、実際、様々な分野の3次元 造形物の集まる世界最大のイベントといって良いと思う。 入場者数は多いときで5万人、男女比は圧倒的に男性が多い。 造形レベルが全体として高く、参加料もちょっと高めなので、気軽に 参加というわけにはゆきません。でも数万を超える入場者があるので PRとして参加したいところ。 |
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デザインフェスタ http://designfesta.com/ 略称 デザフェス 主催 デザインフェスタ |
アマチュアを中心としたアート系のイベント。規模がとても大きいのが 特徴。数は少ないが創作ドールやフィギュアの出展もある。 芸術系の学生の出展も多く、若さがあふれている感じ。出展数が多い ので1日ですべて回るのは困難。バラエティに富んでいて、とてもおもし ろい。 会場は東京ビッグサイトで、入場料は前売り1日800円から。 ●ディーラー参加のデータ 開催時間帯: 2日間 11:00〜19:00 ブースサイズ: 180cm×90cm〜 (面積による) 出展数: 約3000 出展料: \12,600〜 *)オリジナルデザインであることが出展の条件 ドールイベントではないので、ドール関連用品の販売を目的として出展 しても苦しい。ただ入場者数がとても多いので、PR目的の出展は良いと 思う。 入場者数の公式発表なし、6万人以上と推計されています。入場者の 男女比は半々。 とっても開催時間が長いので、複数での参加をおすすめします。 |
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追記 2015.02.23
1年半で上記のイベントにひととおり出展しての感想やデータ分析などをまとめてみました。
1 1/3オリジナルドールはイベントで売れませんでした。理由は、自分の腕のせい、レイアウトなどの演出の問題、
PR不足、知名度の低さ、お値段の問題など、いろいろと考えられますが、ただ実際に展示しているドールについ
ては、様々な方からお褒めいただいており、またオークションでは実際に複数の落札があったりするので、即断す
るにはちょっと高額だったのかもしれません。でも実際にこれ以上お安くするのは苦しいです。
1/6オリジナルヘッド+オビツSBHは入れ眼でウイッグタイプのドールで、最初は自分が欲しくて試しに作り始め
たものです。思ったより可愛く仕上がったのでイベントに出してみたら、思った以上に好評でした。1/6でこのタイプ
のドール市販されていないこと、お値段が手頃だったことも良かったと思います。やっぱり1万円以内?の即決で
きるもののほうがイベント向きですね。
2 一連のイベント出展は自分作品のPRが第一の目的だったので、すべてのイベントで名刺をブースに置いておき
ました。概数で1日にはけた枚数は多い順に、
デザインフェスタ 100枚
ドールショウ 70枚
ドールワールドリミテッド 60枚
I・DOLL 40枚
ドールズパーティー 40枚
ワンダーフェスティバル 25枚
はけた名刺の数は、自分のブースの前で足を止めて下さった方の人数に比例するはずなので、ある意味、実質
的な注目度を知ることのできる貴重なデータです。
自分のサイトにはアクセスカウンターが設けられているので、イベントとの関連でアクセス数がどれだけ変化した
かが分かります。サイトのアクセス数はイベントの2週間ぐらい前から増えはじめ、2、3日前にピークになる感じで
す。下の数字はピーク時におおむね何倍になったかを示しています。
ドールワールドリミテッド、デザインフェスタ、ドールショウ ×3〜4
I・DOLL 40、ドールズパーティー ×2〜3
ワンダーフェスティバル ×2
この数字はイベントの規模のほかに、そのイベントのサイトで、どの程度詳しく自分のサイトをご紹介いただけてい
るかと関係があると思います。ドールワールドリミテッドがいちばん詳しく、ワンダーフェスティバルではサイトの紹介
自体がありません。
PR効果という意味では、自分のような出展内容だと、ドールワールフェスティバル(リミテッド)、デザインフェスタ、
ドールショウあたりが良さそうです。
3 結果としてイベントで大切なことは、規模そのものでなく自分のDOLLにあったものイベントを選ぶこと、即断できる
お値段のものをそろえること。けっこう当たり前の結論になりますが、これが確認できたことだけでも価値があると思
っています。
回を経るごとに、遠方からおいで下さった方や、もう一度お買いあげ下さる方も出てきて、とても嬉しく思います。ま
たイベントに出展することは、PR以外にも様々な方にお会いできるというメリットがあります。ここでどういった方々か
はお話しできませんが、貴重なアドバイスをいただいたり、勇気づけられたりします。
また自分自身はOFを制作しておりません。こちらについてもご提供していただける方がいて、とても助かっていま
す。モノをつくるってことは、決して最初から最後まで一人で行えるってものではありません。この世界で成功する
だなんてとても遠いことなのだけど、足を踏み込んでみたら、いろいろなつながりができて楽しいです。
追記 2016.09.26
ここ3年間で状況もがらっと変わってきたように思うので、再度の追記です。
1 まずは一般的なドールイベントについてです。まずこれらのイベントはドール本体でなく、ドール服や雑貨の販売
が中心であるということに変わりはないです。
変化として一番大きいのは、明らかにスケール的に1/3 から1/6 もしくは1/8、1/12といった小スケールへの移行
がすすんでいること。以前、たとえば浜松町でドールイベントを開催していた時代には、4フロアのうち1/6は1フロア
の半分ぐらいって感じだったけど、今では雑貨やアクセサリーを含めて、このスケールで制作している人は全体の
半分近くある感じです。
次にアニメや漫画の影響を受けたキャラクター系ドールの割合が増えていること。表現方法で言えば、1/3 だと
SDより大きなアニメ系アイのDD、小スケールもやはりキャラクターヘッド、更にヘアーの表現もプラやキャストによ
るものを多くみるようになりました。
一方でリアルな創作系は一般的なドールイベントではほぼ壊滅状態、数年前まではドルパで創作人形コンテスト
なんかもやっていたのになあ・・・、もうそれは遠い過去です。
PR効果としても一般的なドールイベントのなかでは、創作系ドールは厳しいです。
以前はイベント前になるとサイトのアクセスが3倍ぐらいに、また当日さばける名刺の数も50枚以上はあったので
すが、久しぶりに出たドールショウではアクセス数はいつもよりこころもち多いかな程度、はけた名刺も20枚ぐらい
しかありませんでした。明らかに来場者の求めているものが違うという感じです。
2 創作系ドールイベントは、といっても誰もが参加できるのはドールワールドしかないのですが、こちらはありがたい
ことに少しずつ知名度が上がってきているという感じです。出展希望者も多く、募集分のブースはすぐに埋まってし
まう状況です。
ですが売れるかという点について言えば、やっぱり厳しい。誰が見ても美しく完成度の高い作品を、そんなにお安
くしていいんですか? みたいな状況でもなかなか売れないようです。
3 その昔、創作人形のブームがあったそうですが、今ではイベントにお人形を展示してもなかなか売れないです。
特に大きなサイズ、リアル系といったところはますます厳しい。
本気でオリジナルを売ろうと思ったら、ワンダーフェスティバルで売られているようなフィギュアを可動化したもの
がいいでしょうね。スケールとしては1/8〜1/12、アニメ系ヘッドで必ずしもOFが布であることや、リアルなヘアーで
あることにこだわらない。コトブキヤの FRAME ARMS GIRL あたりに代表される可動フィギュアは、ここから数年
間は間違いなくこの分野の主流になると自分は思っています。
ワンダーフェスティバルはもちろん、最近のAKガーデンの賑わいはすごいし、出版の方でも常に巻頭はガンプラ
中心だったホビージャパンが、すでに2回も特集で扱っている・・・。流れてますね、特に男性は。
プロだったら多分、その流れにのってゆくんだろうけど、自分の場合にはまず造りたいものを造るというのがある
わけで、多分これからも作風は変わりません。でも現状維持を目標にしたら、その流れに逆らうこともできなくなる
わけで、これから更に何ができるか考えてます。