オリジナルドールヘッド ikumi の製作 1
原型制作とシリコンによる型どり




                                 オビツボディ用につくったnanoヘッドですが、自分ではけっこう気に入ってます。
                                ところがホットスタッフやフィッセン、クールガールといったリアル系ボディとの相性
                                は今ひとつ。そこで今回あらためて、リアル系ボディにも合うようなヘッドをつくって
                                みることにしました。  


1 原型デザイン

 ある程度の数をつくろうと思っているので、シリコンによる型どりとレジン
でヘッドを制作しようと考えています。そのためまずは原型をつくらなくて
はなりません。
 一から作り始めても良いのですが、少しでも手間を省くために、今回は
今あるnanoヘッドを修正するかたちで作り上げようかと思っています。
 下がそのnanoヘッドです。

   

1 写真に撮り、PCにそれを取り込みました。
2 全体に20%ほど縦に引き延ばします。
3 アイホールを縦に圧縮します。

4 鼻を細く、そしてやや長く修正。 5 口を小さくし、そしてやや下方に移動。 6 あごのラインをシャープにします。

7 全体の色調を整えました。 8 眉を描き、アイを入れてみました。


 とりあえずこんな感じを目標にして制作に入ります。
 ここから先、PCの画像の修正過程に準じて、実際のヘッドも修正して
ゆくことになります。

   



9 使用するのはホワイトのパテのみです。このパテ
 は乾燥がやや遅いのが難点。
10 まずはヘッド自体を縦に長く、アイホールを縦方向
 に圧縮します。

11 鼻を細く長く、口を小さくしてやや下方に移動し
 ます。
12 あごと頬のラインを修正し、シャープな感じに
 仕上げます。
13 パテが乾いたあとで、リューターややすりで全体
 を修正しながら磨きます。

14 ホワイトサーフェーサーを吹き付けます。これで
 細かな凹凸がはっきりします。
15 ホワイトのパテでキズを埋め、更にリューターと
 やすりで磨きます。
16 再びホワイトサーフェーサーを吹き付け、15の
 工程を繰り返します。


    17 このままだとイメージがはっきりしないので軽くメイクして、
     アイとウイッグを取り付けてみます。

   

 ちなみに、馴れてくるとアイやウイッグがついていなくても、原型の出来不出来が
分かるようになってきます。
 おおまかな部分がOKなら、ここから細部の仕上げに入ってゆきます。


17 耳の細かな造形に入ります。リューターは必需品
 です。
18 口元、アイホール、鼻孔なをを整形。最後はホワ
 イトサーフェーサーで仕上げます。


 こちらがヘッドパーツの完成画像となります。爪の大きさと比較して
もらうと分かると思いますが、とっても細かくて微妙な作業です。瞼部
分の厚さは0.5mmぐらいです。
 でも世の中にはこれを1/12でやってしまう人もいるわけで、敬服して
しまいます。

   

 こちらのヘッドは2分割式で、上部にはネオジムマグネットを取り付ける穴
があります。従来のヘッドを流用することで、こういった裏面の工作は省略
することができました。

   



2 シリコンによる型どり

 次はシリコンによる原型の型どりです。使用する道具のこまかな説明は
省きますが、ウエーブ等の商品説明を参考にしてください。

19 シリコンを注入するための底板とブロックを組み
 立てます。
20 底板の上に油粘土を敷き詰め、平らにならして
 ゆきます。
21 この上にヘッドの原型を固定します。ともかく
 すき間つくらないことが大切です。

22 レジンの流れる道をプラ棒でつくります。必要に
 応じて粘土ですき間埋めをします。
23 すべての固定が終わったら、適当な棒で深さ3mm
 ぐらいの穴をところどころに開けます。
24 シリコーンを説明書どおりに配合します。ちなみ
 にこちらのシリコーンは硬化が早いです

25 最初はゆっくりと気泡がはいらないように、慎重
 に流し込みます。
26 固まったら底板を外し、粘土を取り除きます。
 細かな部分は楊枝などで綺麗にしてください。
27 再びシリコンを流し込む前にシリコーンバリアー
 を吹きつけます。

28 シリコンを流し込ませたくないところは、粘土で
 補修します。
29 反対側にシリコンを流し込み、固まったら原型を
 取り外します。
30 レジンを流し込ませるための湯口をカッターなど
 でつくります。


 今回はここまで。
 次はレジンの流し込みと、ヘッドのメイクから完成までを解説します。