雪解け
(新潟から福島)


2015.05.02
 諸事情によって、ゴールデンウイークの前半からまともな休みがとれる
なんてこと、もう何年もありませんでした。
 今回は新潟から会津若松を経由して那須に向かう旅です。ゴールデン
ウイークって、どのぐらい混雑するのか、恐る恐るお出かけです。




5.02
(土)
5:00
 渋滞を避けるため、今日は4時起きで行動開始
です。
 幸いごらんのとおりのご覧の通りの良い天気。
 ここのところ週末の天気は今ひとつだったけど、
今日からしばらくは大丈夫そう。いい写真がとれ
るかな。
 
 自宅のある神奈川から那須高原に向かうつもり
なのですが、日程的に余裕があるので、ちょっと遠
回り。関越道の小出ICから会津若松を経由しようか
と思っています。
 会津若松周辺はガイドブックで紹介されるような
スポットがたくさんありますが、今日はまず圓蔵寺
を目指してすすみます。







7:30
 交通量は多かったけど、関越自動車道はなんと
か渋滞なく通過。
 小出ICから国道252号線に入ります。世の中もう
ぽかぽか陽気なのに、このあたりはまだまだ雪が
残っています。
 

      


          国道252号線に沿ってJR只見線が走ります。
          この風景のなかで列車が通ったら、画になるなって思って
        少し待ちます・・・・、待ちます・・・・。やっぱり来ないなあ・・・。
         おそらく2〜3時間に1本ぐらいしか通らないんだろうなあ。

      


          道の脇にはたくさんの土筆。
、          土筆とスギナだけで一面が覆われていて、ある意味すごい!

      



8:30
 コンビニを探して旧道にはいると、突然に大きな
茅葺きの旧家が目に入ります。
 ここは魚沼市の管理する「目黒邸」、寛政9年
(1797年)の建造物だそうです。
 入場料500円、(国指定重要文化財)
 資料館も合わせて拝見することにしましたが、
家の造りのすごさだけでなく、目黒家がこの地域
で果たした役割の大きさがよく分かるような展示
になっています。
 目黒さんてものすごく偉かったようです。
       


 



       
 ちなみに4月の後半までは敷地内に1mもの残雪
があったそうで、それがこの1週間ほどの暖かさで
一気に消えてなくなったとか。
 やっぱりここは豪雪地帯なんだなあー。
 ちなみに雪解けしてまもない地面からは、ふきの
とうが芽を出していました。
 

   
 快適なドライブが続きます。
 越後の山々を背景に雪解けしたばかりの平原。
ここで列車が走ってきたら画になるなあと、ここで
もしばらく待ちますが、やっぱり来ない。
 世の中、そんなに都合良くゆかない。
 JRの時刻表を検索して待てばよいのは分かっ
てはいるんだけどね・・・。
       
      

      


10:30
 早朝行動でもうそろそろお腹が空いてきました。
そんなこともあって道の駅「いりひろせ」で休憩。

 ありゃ!
 どうやらこの先は通行止めのようです。まだまだ
山間は雪深いということですか。


 
 

 
   
 ということでルート変更。
 だいぶ遠回り(1時間ぐらい)になりますが、栃尾
を経由して会津若松に向かうことにします。
 また道の駅で得た情報では、たまたま栃尾で何
かのイベントをやっている様子、どうせならちょっと
だけ立ち寄ってみることにしましょう。
       



10:30
 栃尾に到着です。町の真ん中を西谷川が流れ、
それに沿う街道沿いに町並みができあがっていま
す。もともと城下町として発展してきた町で、歴史
ある寺社もたくさん残っています。

 ここではゴールデンウイーク中、「雁木あいぼ」
というイベントが開催されていました。
 雁木とは雪深い地域で、降雪の影響なく人々が
移動できることを目的に造られた長い軒のような
ものです。
  
     
     
       
 イベント自体は町のいたるところが会場になって
いて、フリーマーケットがあったり、通りで焼き物
作りをしていたり、お寺が絵画展の会場になって
いたりという感じです。
   
   
     
 こちらは「栃尾てまり」の展示・販売の会場になっ
ているお寺です。
 気に入った手鞠を3つほど購入しましたが、デザ
イン的にも技術的にもレベルが高く、その手間を考
えたらとてもお安いと思います。
(ちいさいもので500円ぐらいから)

       
 
       
 


 栃尾でいちばん有名なのは「あぶらあげ」かな。
 一般的な油揚げの3倍ぐらいの厚さがあって、
その分うまみが濃いように思います。
     
 たまたまはいった「よしみや食堂」さんで、この
あぶらげをいただきました。ボリュームがあるの
はもちろんのこと、みそダレが良く合います。
 お昼なのでラーメンもいただきました。こちらも
昔ながらのラーメンでおいしかったです。
       
     


 栃尾といえば織物も有名、端切れを売っていた
ので、こちらも何種類か購入。
       
 こちらは造り酒屋の「越銘醸」さんです。試飲販売
していました。運転手は飲めないので連れが試飲。
 純米大吟醸はもちろんおいしいのですが、本醸造
の無濾過生原酒はお値段のことを考えるいちばんの
おすすめではないでしょうか。濃いめで力強く、フレ
ッシュなので氷を入れていただいても良いです。夏
向きです。
       
       
     
 ちなみに古くからの酒屋さんなので、蔵の中を
整理していると、昔のポスターなんかがたくさん
出てくるんだそうです。
 このポスター欲しいです。
 でも非売品です。
       


     



13:00
 再び会津若松に向けて出発。
 郊外では田植えの準備が始まっています。このあ
たりだと、雪が溶けるのと同時にすべての作業が始
まるんだろうなあ。



 途中、五泉市で水芭蕉公園の道路案内を見つけ
て行ってみることに。
 もう花は終わっていましたが、森の中に湿原がひろ
がっていてちょっと幻想的な雰囲気でした。
       

      



 盤越自動車王にちょこっと乗って先を急ぎます。
 西会津で降りて県道をすすむと、名前もよく分か
らない山間の集落たどり着きました。
 別にガイドブックに紹介されているわけでもない
けど、とてもきれいな場所でした。



14:30
 やっと当初の目的地、圓蔵寺につきました。
 着いて早々、そのロケーションのすごさに目を奪わ
れます。川を臨む崖上に寺は築かれていて、まるで
難攻不落の城郭のよう。
 ガイドブックの扱いはそれほどでもなかいのですが、
こちらは間違いなく一見の価値があります。
       
   
       
 

 

 

 
   
   下は「人形塚」、全国から送られてきた人形が埋葬
されているということです。もちろん自分もきちんとお
参りしました。
 右は高さ1mほどの「赤べこ」。なんでもこのお寺が
赤べこ発祥の地なんだとか。
 
       
     

      

      

 周辺にはいくつかのお土産やさんもあります。
 あわまんじゅうが名物のようです。控えめな甘さと
素朴な味わいがあります。
 ほかに重要文化財の奥之院弁天堂もあったのだ
けれど、現在改装中ということで、全体を拝見する
ことはできませんでした。
       
     
 


   
15:20
 こちらはすぐ近くのJR会津柳津駅。
 蒸気機関車C11を展示しています。
       
     
   もうどう考えてみても今日中に那須まではゆけま
せん。
 幸い会津若松に宿を取ることができたのですが、
ゴールデンウイーク中だったので、かなりラッキー
だったかも。

 
       

      



18:00
 会津若松に到着です。
 まだまだ明るいのでホテルに自家用車をおいて
あたりを散策します。
 さすがに歴史の古い町、伝統的な建築物がたく
さんあります。
       
   
       
 会津の街の特徴をあげるなら、明治期から昭和
初期の西洋風建造物が数多く残っていて、それが
古い町並みや和風建築と融合しているところかな。
そしてそれを現代風にアレンジしている。

 古い建物と新しい感覚が結びついて、ひとうひと
つがものすごくおしゃれに見えます。
  
     
     
       
       



 暗くなってきたので、そろそろ夕ご飯。
 ここ会津若松には居酒屋の名店「籠太」があり、
今日もこの店に入ろうと、実はこの店にいちばん
近いホテルをとったんです・・・・が、しかし行って
みたら籠太は予約のみで満席。
 やっちまいました。

 それでしばらくうろうろして、選んだのがこちらの
「会津っこ」というお店。
 なんとか席は確保したものの、だいぶ混んでい
る様子で、おかみさんは「お料理の方、お待たせ
するかも」とおっしゃっていました。
       
   たくさん歩いたのでまずはビール。そして混んで
いるということもあって、ある程度まとめてオーダー
しました。
 左はアスパラの和え物、福島のアスパラは今が
旬のようで、甘くておいしい。
 下は地鶏のたたき、おいしい。
 下右は食べたことのない、かながしらの刺身、
小さい魚だけど、甘みとうまみが強いです。
 
       
       
 追加したのが串焼き、塩のみの味付けだけどおい
しい、素材の良さを感じます。
 下左はつぶ貝と馬刺、上質のつぶ貝の肝がたま
んないです。
       
       
       
       おかみさんは「おまたせするかも」といって
ましたが、ぜんぜんそんなことなかったです。
 こちらのお店、感動的においしかったです。
それにものすごーく混んでいたのに盛りつけ
がとても綺麗で手抜きなしって感じです。
 ぜひまた訪ねてみたいお店が一つ増えまし
た。



5:00
 翌朝、朝食前のお散歩です。
 今回宿泊させていただいたのはセンチュリーホテル。
(ダブル・朝食付き二人で9000円)
 ゴールデンウイークの混雑時に飛び込みで宿泊させ
ていただいてありがたいです。

       
 北出丸大通りを鶴賀城に向かって歩きます。
 さすがにこの時間に車は走っておらず横断歩道の
真ん中で撮影。
 ゴミ一つない大通りには、整然と旧家や大きな蔵
が立ち並んでいます・・・。でもこれって実はすごく
ない? この時間帯って誰もまだお掃除してない
わけだから、みんなが街を汚さないように気を遣っ
てるってことですよね。
 なんとなく街自体がきっちりとしていて、神経が
行き届いてるような印象を受けるのは自分だけで
しょうか?
       
   
       
「ならぬことはなりません」
 会津藩校、日新館の「什の掟」の最後を締めくく
る言葉として知られています。
 よく「駄目なモノはだめ」という意味で使われるこ
とが多いようですが、本来の意味はちょっと違うよ
うです。
 ただこういった教えがあって、現在まで使われて
いる、みんなが知っているってことの意味は大きい
です。
 礼儀正しいとか、我慢強くとか、人を敬うとか、あ
る意味ちょっと煙たがれるようなことが、当たり前の
こととして伝えられているってことですから。
 それが自分には良い意味でのプライドになって
街の雰囲気を造っているような気がします。
 うーん、まっとうなことを書いてしまった。

 NHKの大河ドラマ「八重の桜」以降、会津若松を
多くの人が訪れたことでしょう。
 鶴ヶ城内も案内掲示が整備されたり、八重の銅像
があったりと、以前訪れたときにはなかったものが
たくさんありました。大河ドラマの影響って大きいな。

 視聴率があまりよくないようだけど、山口県もがん
ばってください。

       
     
       
 街のなかにも八重の桜に関係した人物の案内が
あったりします。こちらは大山捨松の生家跡。
(といっても何も残っていないけど)
 写真から察するに、本当に美人だったようです。



 お城は今まさに八重の桜が満開。そちらを背景に
撮影させていただきました。
       

      

      

      



7:30
 予定外の一泊でしたが、予定もあるので早めに那須
に向かって出発します。
 ルートとしてはここから大内の宿に向かうのが普通か
もしれないけど、混んでいるような気もするので、猪苗
代湖に向かう山越えの道を選びました。

 ここは峠にさしかかったところ、後方に会津若松の街
が一望できます。
 さよなら会津、でもまた来るからね。

      

      


         そして前方には猪苗代湖。

      



 猪苗代湖の湖畔に向かう途中、農道にたくさんの
タンポポの咲いている場所を発見。
       
   
       
 まっすぐな農道の行き着く先に猪苗代湖はあり
ました。北岸は観光地って感じだけど、こちらでは
ありのままの湖が見られます。

      


 ということで、今回の内容盛りだくさんの旅はおしまい。
 自分も背筋を伸ばして凛とした生き方をしたい、とちょっ
とだけ思いました。



2015.05

camera:Canon Power shot S100 / graphic tool: Digtal Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10