野田



2016.01.09
 野田というとお醤油で有名ですが、調べてみたらけっこう古い建物などが
あって面白そうです。
 ということで新年早々訪ねてみることにしました。

01.09
(土)
 
7:10
 東京都内から常磐道を北上、流山ICから野田に向
かいます。
 7時をまわってやっと夜が明けてきました。一面に
霜が下りていてとっても寒いです。

     

      



8:05
 散策の起点になる東武鉄道の野田市駅です。近く
の駐車場に車を留めました。
       
   駅のどこかに観光マップがあるかと思ったのですが、
ここには用意されていませんでした。
 やむなく壁面の観光案内図を撮影して利用すること
にします。














 駅前だけどここに商店街はありません。駅正面には
工場の長大な壁が続いています。
 土曜日の早朝なので、歩いている人もとても少ない
です。
 

     



8:25
 撮影した地図によると、すぐ近くに桜木神社がある
らしいので行ってみることにしました。
 でもこれがけっこう遠い。観光地図ってそのスペー
スにまとめるために、部分的に縮尺を変えたりするこ
とがあるのですが、多分それです。
 地図上ではすぐそこに見えて、実際には15分か、
それ以上かかりました。

       
   こちらの桜木神社ですが、その起源は平安時代に
さかのぼり、野田ではいちばん古く、名前の示す通り、
その季節には桜がとても美しい神社だそうです。
 植えられている桜は30種類、約400本で、なかには
今咲いている種類もありました。
 境内では桜をモチーフにしたお守りなどもおゆずり
いただけます。
 思いがけなく冬の花見が楽しめました。
 

     

 周辺を散策します。
 野田には大きくて古い神社やお寺がたくさんありま
す。
 (右:長命寺 下:香取神社 下右:須賀神社)

       
     

 住宅街の一角に立ち並ぶ一連の石碑を見つけま
した。何か特別なもののような気がするのですが、
その所以についてはまったく分かりません。



9:15
 延々と歩くこと40分、上花輪歴史館に着きました。
もともとは江戸時代に醤油の醸造を始めた高梨氏
のお屋敷だったそうです。
 書院の庭は枯山水と月山のある本格的な庭園と
いうことですが、残念ながら冬季は開館しておらず、
外から眺めるだけになってしまいました。
(国指定庭園)



 ちなみに現在のキッコーマンは、こちらの高梨家
と茂木家など、野田周辺の醤油醸造家がひとつに
まとまったのがその始まりということです。


       



 県道17号線(流山街道)に沿って歴史のある町並
みが続きます。雰囲気は昭和30年代。
   
 なんとなく側面に迫力があるので一枚。
 あくまでも直感ですが、こちらのカジュアルバー
は良さそうな感じです。




   9:40
 こちらは旧野田商誘銀行の建物。
 調べてみたら野田の醤油醸造業者らが明治33年
に設立した銀行のようで、名前は醤油の語呂にちな
んで付けられたものとか、ようするにダジャレですね。
 その後、千葉銀行の野田支店となり、現在はキッ
コーマン系列の千秋社の所有にな っているというこ
とです。
  

     

     



     9:45
 こちらは醤油の醸造会社の寄付によって設立さ
れた交易財団法人興風会の建物。
 ロマネスク様式を加味したこの建物は登録有形
文化財、また近代化産業遺産の指定を受けている
そうです。
 こちらは内部の見学も可能なので、さっそくおじゃ
まさせていただきました。



 建築された当時(1929)としては千葉県庁にならぶ
規模の建築物だったそうで、繁栄の時代がしのば
れます。
 ここは野田でいちばんのDOLL撮影ポイントです!
    

     

     

     



 野田せんべいの大川や。
 醤油の町ですから、あたりまえのようにせんべい屋
さんは多いです。
       
   
       
10:10
 こちらはキッコーマン創業家のひとつ、茂木本家
の運営する美術館です。
 葛飾北斎、横山大観の浮世絵や日本画が所蔵
されているということなのですが・・・、残念ながら
こちらも冬季は休業しているようです。



 再び駅周辺に戻ってきました。
 周辺の広大な土地は、みなキッコーマンが所有し
ている土地のようです。

     

 というか、そもそも東武鉄道野田線は醤油の原料と
製品輸送の目的でつくられたみたいです。昔はキッ
コーマンの工場内にも運搬用の駅があったらしいで
す。

       
 キッコーマン本社。ここだけは現代的な建物。
 よくよく地図を見ると、町中にキッコーマン関連の
建物があります。工場以外にも研究開発施設、食
文化研究センター、そして総合病院まで。



 キッコーマン本社の裏側の通りには、豪邸と言え
るような昔の建物がいくつもありました。

     

     

     



10:20
 赤い塀に囲まれたひろーいお屋敷。
 いったい何かな?

     

 入ってみてびっくりしたのですが、こちらはなんと
市民会館でした。
 もとは現キッコーマンの創業家の一つ茂木佐平治
家の邸宅の一部だったそうで、その後、野田市に寄
付されたんだとか。
 すごいね。
(国登録文化財)

 ちなみに内部はたくさんの和室があって、市民が
借りられるようになっています。
 この日も書道、俳句、コスプレ撮影会などのイベ
ントが行われていました。
 ちなみに1部屋50円から借りられるようです。
 すごいね。

       
 同じ敷地内に郷土資料館もあります。
 昭和の風景や醤油醸造の解説なんかがあります。
(入場無料)
       
   
       
 ちなみにこちらでやっと散策マップを手に入れる
ことができました。
 お願いですから駅にも置いてほしいです。




10:50
 こちらは愛宕神社。
 923年創建という、とても古い歴史を持っており、
農耕守護、五穀豊穣の神様を祀っているそうです。

 ちなみにこれだけ長い竹の門松は初めて見まし
た。
       
 こちらの祭礼で演じられる津久舞が有名らしいで
す。
 そしてその舞というのは「十数mの柱の上に取り
付けられた醤油樽をめがけて踊りながら登るもの」
ということです。

 こちらの神社、さすがに風格があります。木彫も
すごいです。
   
     

 野田醤油発祥の地があるというので行ってみま
した。
 野田で醤油作りが始まったのは戦国時代末期。
記録の残っている最も古い醸造所の跡地にこの石
碑はあります。

       
 そのすぐ近くにあるキノエネ醤油さんの工場。
 白醤油の分野では業界最大手だそうです。




11:50
 お腹が空いたのでコパという中華料理に入りました。
580円(だったと思う)から食べられる定食類が充実
してます。
       
   
       
 卓上のお醤油はもちろん伝統的な容器に入った
キッコーマン醤油。



12:25
 ここまできたら、せっかくなんでキッコーマンさんの
工場見学もしましょう。
 (見学無料)

     

 高梨家・茂木家など在郷醤油醸造家が合同して
野田醤油醸造組合を設立、その後、株式会社とな
って現在のキッコーマンに至っているということで
す。

 工場内部の見学も一部できますが、内部は撮影
禁止になっています。
       
 見学の中心はキッコーマンものしり醤油館になり
ます。こちらではしょうゆの製造工程などが詳しく
解説されています。
   
 売店の脇に小さな食堂があって、冷奴とかうどんが
食べられます。
 一品50円から食べられるので、お昼を節約したいと
きには良いかも。
       
     
       
 またお土産に一人一本のお醤油がいただけます。
 至れり尽くせりです。
 


13:20
 野田には遊園地もあります。
 森の遊園地です。
(入場無料、乗り物は別途)
       
 観覧車に乗りました。
 500円で10分間の空中散歩が楽しめます。
   
   

     

     



 野田って、やりようによっては観光でも売ってゆけ
るほどの観光資産があると思います。
 でもそういう方向には向かっていないね。どちらか
というと、持っているものを市民が分かち合っている
ような感じで、それがむしろ良いかもしれないと思い
ました。




2016.01

camera:Canon Power shot G7X / graphic tool: Digtal Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10