大多喜



2016.03.31
 いろいろ調整したら、平日の今日この日に休みが取れそう。
しかもお天気も上々、ならば普通なら絶対に混んでいるところ
に出かけてしまえ。ということで、菜の花と桜が同時に楽しめる
「いすみ鉄道」に乗ってみることにしました。

03.31
(木)
 
6:40
 ここは千葉県内の圏央道、高滝湖PAです。
 天気良いです。
 ただ急に寒い日が続いて、桜の開花はちょっと遅れ
気味ではあります。
       
 今回の予定では、まずは起点となる大多喜に入り、
自家用車を止めて、いすみ鉄道で上総中野駅と大原
駅の間を往復、帰りにちょこっと養老渓谷に立ち寄る、
そんな計画です。
       
 

6:50
 大多喜駅に到着です。
 いすみ鉄道は基本無人駅で、唯一駅員がいるのは
この駅のみです。
 いすみ鉄道は旧国鉄の木原線を引き継いだ第三セ
クターの運営する鉄道会社です。
 今回は観光目的で往復するので、便利でお得な一
日フリー乗車券を買いました。(1000円)

       
 ここ大多喜は徳川家康の重臣、本田忠勝の本拠だ
ったところで、駅構内にも銅像や記念撮影のコーナー
があったりします。
 何か地元ではNHLKの大河ドラマを誘致しようという
活動をしているようです。







 まだ最初の列車の到着まで時間があるので、駅構
内をうろうろします。平日のこの時間帯ではあります
が、人は少ないです。
 いすみ鉄道の経営は楽じゃないんだろうなあ、と思
ったりします。

      

      


         あちこちにムーミンとその仲間達のステッカーや絵があり
        ます。なぜムーミンなのか分かりませんが、いすみ鉄道の
        トレードマークなんですね。

      

      

      
        *)今回のモデルドールはオリジナルドールの nano 。
          OFはいつもお世話になっている PastelFlower様の作品。
          お花いっぱいの風景に似合います。

7:29
 上総上野行き「いすみ351」が到着。
 大多喜は近隣でいちばん大きな町なので、高校生
やら仕事に向かう人などがみんなが降りてしまい、
車内は自分たちだけになってしまいました。



       菜の花が続きます。
       総延長26.8kmのうち、2/3の区間は菜の花が見えるん
      だって。


     


       数は少ないけど、八重桜は満開。

     

     


       途中駅で乗車する人もなく、終点まで連れと二人だけ、
       お人形もあちこちに座らせたり経たせたりで、撮影し放題
       です。
        早くやってきて本当に良かったです。


     



7:52
 いすみ鉄道の一方の終点、上総上野駅に到着。
 まわりに観光地や目立つようなものはなく、7分後
に出発する今きた車両で折り返すことにします。
       
   ここから西には小湊鉄道が接続しています。
 反対側にそのホームがあります。

 市原方面から乗り継いできたのでしょうか、折り返し
の列車はちょっとだけ乗客が増えました。
 

       

7:59
 今度は東に向かって出発。
 あとで調べたら、里山の風景がムーミン谷に近いと
いうことで、ムーミンがイメージキャラクターに選ばれ
たんだって。
 そうかそういえばムーミン谷って花がいっぱいあった
なあ。
       
   

      

      


         田んぼに水が入り始めました。

      


         やっぱりまだソメイヨシノは早いみたい。
         このところ少し寒い日が続いたので、開花も遅れ気味。
        でも満開になったら、この区間がきっといちばんの撮影
        ポイントになるんでしょう。

      


          あと西大原という駅の手前に池があるのですが、そのまわり
        にムーミン谷の住人がたくさんいました。
        (急に出現したので撮影はできませんでした)

      



8:49
 50分ほどで、いすみ鉄道の東の端、大原駅に到着
しました。JR外房線に乗り換えることができます。

       
 大原駅の近くには若山牧水の歌碑のある八幡岬や
海浜公園などがあるのですが、海岸に出るまで3km。
 ちょっと遠いので、結局コンビニでアイス買って、30
分後に引き返すことにしました。
 乗るのは再び「いすみ351」、結局この車両に一日お
世話になりました。



   9:24
 人増えました。
 ちょっともう、お人形を出して撮影できないな。
 観光目的の方も多いようで、車内はカメラを構える
方が多数。






9:49
 大多喜の1つ手前の城見ヶ丘駅で降り、ここから
大多喜まで歩くことにしました。
 せっかくなら車外から撮影するのもいいよね。
 最後に「いすみ351」の後ろ姿を1枚。
  

     


       タンポポいっぱい。

     


       オオイヌノフグリの群生です。
       こんなにたくさんあるのって初めて見た。

     

     


        いすみ鉄道車内から撮影した動画(MP4)をご用意しました。ただ
       データ量が多いのでご注意を。
        まずは左の4秒間の動画をお試しいただき、具合をみていただくと
       良いかも。
        (注意:音声付き、長時間見ると酔います)


  いすみ鉄道1 (18MB)    いすみ鉄道2 (262MB)
   

         ご紹介できませんでしたが、ちなみに国吉という駅ではムーミン
        グッズを売っているお店があるらしいです。



10:20
 30分ほど歩いて大多喜の町に戻ってきました。
 夷隅川の河原から大多喜城が見えます。大多喜
は城下町として発展した町で、いまでもたくさんの
歴史的建造物が残っています。
       
 夷隅川(えすみがわ)と御禁止川(おとめがわ)に
囲まれた中州に大多喜の町は発展し、川を外堀
として小高い丘の上に大多喜城は造られました。
 今日はこのあと街道を北から南に向かって移動
しようと思います。

     



 町の北の外れにある豊乃鶴酒造。
 母屋ほか、赤レンガの煙突、酒蔵、元精米所等
が国の有形文化財に登録されているそうです。




     
     
       
   つくっている銘柄は大多喜城。
 こちらで特別純米酒を購入、さっそくこの日の晩
ごはんでいただきました。
 ちょっと甘口で昔ながらの酒といった感じかな

 
   
   

 江戸時代の初期、本多忠勝は大多喜城に入ると
同時に城下町も整備しはじめます。
 特に大多喜街道沿いの新丁・桜台・久保町は町の
中心で商家や旅籠も多く、たいそう繁栄していたそう
です。
 明治時代には夷隅郡役所が置かれ、やはりこの
地域の政治的、経済的な中心でした。

     


        こちらは重要文化財の渡辺家住宅。江戸時代末期の
       代表的な商家づくりだそうです。

     

     

     



11:10
 いろいろと回って大多喜駅に戻ってきました。
 朝とはうって変わって人が多いです。タクシーが列
になっていたり、駐車場には観光バスが止まってい
たりします。
 実は大多喜を訪れるのは2回目で、最初は20年ぐ
らい前のこと、以前はこんな感じじゃなく、はっきり
言って寂れていました。
 印象としては「城があったなあ」ぐらいしか覚えて
おらず、記憶に残らない町だったように思います。
 変わるものですね。
       
 駅前の物産館で手作り甲冑を展示してました。
 甲冑の制作教室もあるみたいです。

 こちらと駅の売店でおみやげを物色。
 お目当てはいすみ鉄道の車両模型! でも絶対
あると思っていたのにどこにもない。

 こちらでのお土産はやはりムーミングッズかな。あ
とは地元の特産品。我家はおせんべいなんかを買
いました。がんばってほしいという思いを込めて、営
業に協力いたしました。
 でもやっぱりムーミンラッピングのいすみ鉄道の
模型がほしいです。絶対に売れると思います。
       
11:25
 もうそろそろお昼です。こちらは駅前の番所という
食堂。
 イノシシがよく取れるそうで、連れは「猪十六丼」
自分はタケノコのシーズンということで、蕎麦とタケ
ノコの天ぷら、ごはんのついた御膳をいただきまし
た。
 店主の情熱というか、気合いのようなものを感じ
ました。
       
   



12:05
 桜満開!
 大多喜城はちょっとした山の上にあるので車で移
動します。桜がまさに満開です。
 こちらの建物は大多喜城の本丸跡に建てられた
城郭様式の博物館です。
 (県立博物館の分館の扱い)
 刀や鎧、衣装等の展示や大多喜周辺の歴史解説
があります。

     

     

     

 外見は城なのですが、基本は博物館なので、いち
ばん上まで登っても展望スペースはないです。風景
は窓から見るだけになります。
 ちょっと寂しい。



 こちらは夷隅神社。
 特に縁結びの神様としての御利益のある神社とい
うことです。
 大多喜城下には10以上の神社仏閣があったらし
いですが、夷隅神社はそのなかでも最も古いもの
の一つ、建立の年代は不詳ですが、建物は1587年
ごろのものらしいです。
 また毎月0と5のつく日には、こちらで市が開かれ
るみたいです。



13:40
 せっかく大多喜にやってきたので、有名な養老
渓谷に立ち寄ることにします。
 ベストシーズンは秋の紅葉の頃なのですが、今
の新緑の時期も良いかな、と思ったわけです。
 が、しかし・・・。
 行ってみたら水がない!
 こちらはいちばんの見どころの粟又の滝ですが
こんな状況でした。
 川底を少し散歩して帰りました。
  

     

     



14:50
 家路を急ぐ途中で素敵な場所を見つけました。
(といっても知らないのは自分たちだけで、実際に
はかなり有名かも)
 こちらは市原市の石神というところです。菜の花
がすごい、これだけの菜の花畑を見たことがありま
せん。
 線路が真ん中を通っているってことは、ここを小
湊鉄道の列車が通過するんですね。

     

     


       20分ぐらい待ってたら、やってきました。

     

     

 今回は菜の花畑を満喫した一日でした。
 沿線ではたくさんの菜の花やそれ以外の綺麗な
花を見ることができたけど、それってみんな地域の
方々のボランティアのおかげなんだそうです。
 ローカル線てみんなに愛される存在なんだね。



2016.04

camera:Canon Power shot G7X / graphic tool: Digtal Photo Pro. + Ichikawa Daisy Collage 10