1:3 オリジナルドールの表面を再コーティングする



 当方で制作した2011年以降のドールについては、すべてつや消しウレタンクリアーで表面を
コーティングしており、創作人形としては塗装膜が強く、汚れや傷に強い特徴を持っています。
ただドールに触れる回数が増えてくると、どうしても表面や関節部分に光沢が出てきてしまい
ます。

対処方法
・市販のウレタンクリアーにつや消し剤を添加して、エアガンで吹き付けるのがベストです。扱っ
ている塗料店は少ないですが、楽天やamazonで見つけることができます。ただ塗装そのものに
慣れていない方にはハードルは高いかもしれません。また少量だととても高くつきます。

・次に一般的な方法を考えてみます。まず模型用つや消し塗料による吹きつけは簡単ですが、
あまり持ちが良くありませんし、関節部分の保護という意味ではあまり役に立ちません。そこで
高耐久ラッカースプレーを使います。なおこちらの方法は2010年以前に制作したドールにも対
応します。



 こちらはシリコン変成アクリル樹脂でニトロセルロースを配合しており、塗装膜がとても強く
屋外でも使用可能というものです。ただつや消しクリアーのつやが「半つや」程度で、光沢が
多めに残ってしまいます。そこでこちらをスプレーしたあと、半乾きぐらい(5分ぐらい)で、Mr.
つや消しスーパークリアーを吹き付けます。見かけは遜色なく仕上がります。
 これらのクリアー塗装は
非常に埃が混入しやすいです。換気は大切ですが、風のない条
件、埃のないきれいな場所で作業を行ってください。また寒いからといって、決してセーター
なんか着て作業しちゃダメです。毛羽立ちのない白っぽい服装での作業がベストです。
 あとは塗装のすべてに言えることですが、最初はプラ版などで様子を見ていただいて、感
じがつかめたところで再コーティングの作業に入っていただきたいと思います。

 またテンションゴムを交換する際には(最近は10年過ぎても大丈夫だったりしますが)、
関節部分にこういった塗料の吹きつけをおすすめします。使用頻度にもよりますが、摩擦に
よって多少なりとも塗装膜は薄くなっているはずなので。

下準備
 まず手足の爪はクリアー塗装してあるのでマスキングします。(あとからクリアーを塗り直
しても良い)。フェイスメイクは繊細なので、基本的に再コーティングはおすすめしません。
眉毛や下睫、アイラインなどがぼやけてしまうことがあります。どうしてもというのであれば、
面倒ですがアイと睫は外して行ってください。

 あとは常識的なことですが、汚れがある場合には、必ず再コーティングする前に落としてお
きます。市販のOAクリーナーあたりで綺麗になればOKですが、ダメならメラミンスポンジ、
800番ぐらいのスポンジヤスリという順番で使用することになります。

 やっかいなのは実は手に付いていた油分です。以前はあまり気にせず素手で組み立てな
どしていましたが、数年が過ぎると、最終仕上げに使用したMr.つや消しスーパークリアーが、
手に触れたところで黄色く変色していました。手袋の着用が大切なのだと認識しました。
 ただウレタン塗料はラッカー塗料に対して耐性があるので、模型用の薄め液でMr.つや消し
スーパークリアーをふき取ってしまうことは可能でした。
 汚れの種類によっては模型塗料の薄め液も使用可能であるのは事実ですが、最終的な
メイクなどは模型用塗料で行っているので、場所によっては下地が見えてしまうこともあり、
あくまでも緊急用とお考え下さい。



                   サイトのトップページにとびます