最新カメラ事情3
2017.07.08

 自分の場合、メインのカメラはだいたい数年に1回ぐらいのペースで買い換えています。 新たにLUMIX GX8 を入手して3ヶ月
ほど過ぎたのですが、ここではその選択の理由とか、その使い勝手などについてまとめてみました。
 以前の本格的なデジタルカメラが出回り始めた頃には、その技術革新のスピードも早くて、毎年のようにカメラも買い換えて
いたけれど、最近では2~3年に1度のモデルチェンジぐらいに落ち着いてきて、今回の買い換えは実に5年ぶりとなります。
 永くメインカメラとして使用していたのは、LUMIX G3 でレンズ交換式カメラとしてはとてもコンパクト、またフリーアングル液晶
モニターがとっても便利で特に不満もなかったのですが、さすがに5年が過ぎると「解像感」や「表現性」といった部分では最新
のカメラに敵いません。1600万という画素数にしても、できればもうちょっと欲しいなといったところが買い換えの理由です。

ミニチュアやDOLL撮影で使いたいカメラとレンズ
 人形撮影に必要な条件を抜き出しました。ここ数年の機材の進歩から、以前に示した「撮影カメラは何がいい?」や「最新カメラ
事情」のまとめからは少し変化してます。


 基本性能                        補 足
①最短撮影距離(マクロ)
 最短撮影距離は短いほど良い。焦点距離にもよるが、上半身の写真を撮る場合、1/3スケールの人形なら40cm、1/6スケール
の人形なら20cmまで寄れることが条件。コンパクトカメラの場合にはマクロ機能があるけど、これは要注意。広角側のみのマクロ
でなく、全域連続マクロでないと撮影できない場面がある。

②可動式液晶モニター機能  たとえば、屋外で人形を地面に置いて撮影するとき、2軸以上の可動式モニターがあると無理な姿勢をとらなくても撮影できる。
人形カメラマンにとっては絶対に必要な機能です。ともかく撮影写真を撮る自由度が増します。

③画質・表現力   レンズ、センサー、画像エンジンで決まる。カタログデータには出ておらず、専門誌等で知るしかない。画素数で判断はできない。
画素数1.6メガピクセルのコンパクトデジカメより、1.6メガピクセルのデジタル一眼の方が高画質です。一般的には大きくて扱いに
くくてもデジタル一眼を選んだ方がいいです。コンパクトデジカメの方が間違いなく、白飛びや黒つぶれしやすく、ノイズも出やすい
です。


④レンズの明るさ  出来る限り明るいレンズを選ぶ。開放F値3.5以下、できるだけ2.8以下を選びたいです。コンパクトカメラの場合にはさらに撮影モ
ドにマニュアルもしくはシャッタースピード優先モードが必要。

⑤ズーム倍率
ズームレンズの場合、ズーム域が35mm換算で、28mm-85mmの広角側(ワイド側)に寄っていること。150mm以上の望遠は不要。
もちろんたくさんの単焦点レンズをお持ちならズームレンズは不要です。


⑥画素数
 基本的には多いほどよいが、現状どのカメラでもA3サイズのプリントには充分に対応している。ネット上への画像UPが目的なら
1000万画素以上あれば十分。

 むしろ2000万画素を越えるものでRAW現像するときには、PCもそれなりの性能を持っていないと、えらく時間がかかります。
⑦画像素子の大きさ  画像素子が大きいほど、背景のぼけや暗い条件で撮影するときに有利。
⑧重さ 屋外撮影を重視するなら、軽い方がよい。 



購入候補となるカメラ
 ローアングルの縦位置撮影というのはDOLLを撮影する場合に頻繁に起こりうるシチュエーションなので、可動式モニターは
必需品です。更に暗いところでの撮影も考えれば、コンパクトなデジカメはどうしてもメインカメラの候補にはならないです。
 画質に関していえば、それなりの画質は確保されているはずなので、どれを選んでも大丈夫。問題としてはレンズの明るさや
マクロの性能の方が大きいと思います。
 ということで、とりあえずDOLLやミニチュアの撮影に向いている代表的なカメラの例はこんなところでしょうか。予算としては10
万円以内を目安にしています。

画素数 重さ   標準ズームレンズ  ボディのみ  レンズキット
EOS  X9 APS-C 2420万画素 530g   EF–S18–55 IS STM  \92935 -  
EOS  X8i APS-C 2420万画素 520g   EF–S18–55 IS STM \59980   \66498
nikon D5600 APS-C 2416万画素 415g   AF-S DX 18-55 VR \75054  \89517
nikon D5300 APS-C 2416万画素 480g   AF-S DX 18-55 VR \50120  \60250
OM-D E-M5 Mk.Ⅱ M4/3 1605万画素 470g   M.ZUIKO12-50 EZ \87920    
LUMIX G8 M4/3 1600万画素 454g   G.VARIO 12-60 \58000  \109814
LUMIX GX8 M4/3 2030万画素 435g   G.VARIO 14-140 \90918  \112977
   *)いずれもアマゾン調べ(2017.07)

 多分、手元に何もない白紙の状態で選ぶのなら nikon のD5600かその一つ前の機種だったと思います。だってM4/3より軽く
なっちゃうんだもの。センサーもM4/3より大きい分、ぼけに関しても有利です。情報ではライバルの canon からも近く400gちょっ
とのモデルが近々デビューするみたいですね。
 一方でここしばらく使っていたM4/3(マイクロフォーサース)ですが、一時期はGM5みたいに200gぐらいしかない超小型軽量
モデルも人気だったのですが、海外では好まれず、むしろ最近では大きくなりつつあります。これからはおそらくこの400gちょっ
とというあたりが普及機の適切なサイズとして定着してゆくと思います。ただレンズに関してはM4/3の方がコンパクトなので、
依然としてトータルでは、重さの面で言えばまだM4/3の方が有利であることに変わりはないです。
 ちなみにM4/3に関してはボディに余裕が出てきた分、マグネシウム合金を使った堅固なものが増えてきて、防塵防滴仕様に
なっています。それはそれで有り難いことです。



自分の選択
 自分の場合、ここ何年かM4/3を使っていたので、交換レンズも何本か手元にあります。ということでできればM4/3を買いたかっ
たのですが踏み切れずにいました。というのは画素数の問題です。1600万画素あれば充分ということは分かっているのですが、
自分の場合には画像加工することが多く、撮影したものをトリミングして使う場合には、もう少し画素数に余裕が欲しかった訳です。
ところがM4/3の2000万画素モデルは数が限られていて、しかもいちばん安いものでも 9万円します。もうちょっと安くなるのを待つ
しかないか、そう思ってました。
 ところがある日amazonを見たら、中古ではありますが上物のGX8が6万円で出品されていたので迷わず購入しました。付属品は
すべてそろっていて、ショット数はたったの80! もう新古品のレベルですね。
 あとこれに合わせるレンズとして OLYMPUSのM.ZUIKO12-50 EZ も購入しました。なぜかこのレンズは異様に安い時期があっ
て、amazon では13500円という信じられない価格がつけられていました。

 



 ここから先は GX8 と M.ZUIKO12-50 EZ の組み合わせで撮影した画像と、この3ヶ月使用してみての感想などを付け加えて
みたいと思います。





 画像の感じは以前使っていたG3と同じような傾向、ただやっぱり画素数が増えた分だけ情報量が増えた感じがします。
びっくりしたのはオートフォーカスの精度とスピードですね。やっぱ5年も経つと違うなー。







 外にも持ち出して使うことも多いです。GX8 と M.ZUIKO12-50 EZ は防塵防滴仕様なので安心感があります。ほこ
りっぽいところや天気の悪いときには、これまでならそれなりに神経を使ったのですが、この組み合わせならちょっとぐら
い濡れても大丈夫です。







 でも問題がないわけではありません。重さに関して言えばやっぱりもうちょっと軽い方が良いです。防塵防滴仕様の
マグネシウム合金のボディということで従来機より数十g重くなっているわけですが、一日首から下げているとやっぱり
疲れます。(外人さんにはこれがちょうど良いのでしょうが・・・。)







 同時に購入した M.ZUIKO12-50 EZ についてですが、思った以上に良かったです。コンパクトな4.2倍ズームなのですが、
けっこうきっちりと写ります。ぼけの感じもまあまあ。特筆すべきなのはマクロ機能です。もちろん専用のマクロレンズには敵い
ませんが、ちょこっと撮影するには充分な描写です。
(上の画像は1/150のジオラマ、フィギュアのサイズは1cm程度です)
 ほとんどの場合、このレンズ1本で済んでしまう感じです。こういうのを本当の常用レンズって言うんだろうね。これで13500円
は安すぎます。



 あと欠点ではないのですが、GX8には内蔵ストロボがありません。もともとストロボはあまり使わなかったのですが、何も光る
ものがないのも困るので、1500円で小さなLEDライトを買いました。

 

 なぜストロボを使わないかというと、ストロボは点光源なので不自然な陰ができやすく、しかもDOLLのような小さなものを
近距離で撮影すると、部分的に白とびすることも多いです。デフューザーを使用してもうまくゆかないことが多く、また画像を
確認するまではちゃんと撮れているかどうか分からないのも不満です。
 一方のLEDは点光源ではないので、もしかしたらそんな失敗や苦労もなくなるのではと思い、ためしにいちばん小さいのを買
ってみたというわけです。





 で、どうだったかというと、これまで使わなかったのを後悔するぐらい便利でした。夜景も逆光もライトなので見た目通りに
写ります。面の発光なので不自然な陰もできません。ただ光量が今ひとつだったので、もう一つ大きなサイズのLEDライト
を買おうと思っています。
 が、しかしこれでまた機材が重くなってしまい、首が疲れることになりそうです。







 結論として、画質そのものに不満はないです。がしかしこれまで軽量なものを使い続けてきたので重さは常に感じます。
(一般的にはこれでも十分に軽い方なんだろうけど)
 これでまた何年か使うことになるので、早く慣れるようにしたいと思います。



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