佐野



2018.02.10
 今回訪れたのは栃木県の佐野です。全国的には佐野厄除け大師と佐野ラーメンが有名かな。でも一方で城下町、宿場町としての
歴史もあって、ところどころに古い街並みも残っていたりします。



02.10(土)
8:05
 佐野といえば、まずは「佐野厄除け大師」。ただしこちらは通称で、正式には天台宗惣宗寺というそうです.。あとこちらには日本初の
公害事件と言われる足尾鉱毒事件を明治天皇に直訴した政治家、田中昭三のお墓もあります。

 

 厄除け、方位除けの祈願のために、お正月の大祭では百万人の参拝者が訪れるそうです。我が家でも迷わずお守りをお譲りいただき
ました。





 さてそのまま街なかの散策に出かけることにしましょう。







 佐野だから、あたりまえのように佐野ラーメンのお店が目に付きます。佐野ラーメンというと、手打ちの縮れ麺の入ったしょうゆ味のスープ
というのが代表的な形式かな? こちらのお店の店頭にいるのはさのまる君。さのまる君が腰につけているのはイモフライでこちらも名物です。
 ちなみに、さのまる君は佐野のイメージキャラクターで2013年の全国ゆるキャラグランプリ王者。一方、栃木県全体のイメージキャラクターと
してはとちまる君というキャラもいるのですが、さすがにここ佐野ではちょっと影が薄い感じです。

 

 朝ラーしているお店があったら入っていたかもしれないのですが、ちょっとまだ早かったみたいで、まだどこも開いてませんでした。
 佐野駅を目指して歩く途中で見かけたのが、こちらの鋳物です。なかなかアートしてます。

 

  佐野は古くから鋳物の産地として知られ、1000年ほど前に平将門の乱を鎮めた藤原秀郷公が京からすぐれた鋳物師を連れて来たのが、
その始まりだそうです。最初は軍器等の鋳造にあたっていたのですが、戦乱が終わると美術工芸品を鋳造するようになり、これが天明鋳物
と呼ばれるようになったとのことです。



8:50
 佐野駅に到着。JR東日本の両毛線と東武鉄道佐野線が乗り入れています。



 佐野城はこの駅を越えた北側の山の上にあります。建物などは残っていませんが、曲輪の跡や堀切・土塁などが残されて、保存状態としては
とても良いのではないでしょうか。



 でもこのお城、実際には城として完成しなかったんです。
 佐野氏は平安時代末期より下野国で栄えた一族で、もともとは少し北方に位置する堅城「唐沢山城」に本拠を構えていましたが、江戸時代に
入って移転を余儀なくされ(豊臣に近い大名が攻めにくい山城にいてもらっては困る)、1602年に佐野城の築城を開始。更にその後の1614年に
佐野氏はまさかの改易、この城は結局完成しないまま廃城となったそうです。外様大名はつらいね。
 ちなみに「佐野厄除け大師」の惣宗寺はもともとはこの春日丘にあったそうで、築城を期に今の場所に移転することになりました。

 今度は佐野氏が整備した城下町のお散歩です。



 佐野氏が改易になった後、この佐野は宿場町として発展することになります。今もところどころに歴史を感じさせる建物が残っています。
半日ぐらいお散歩するには良いのではないでしょうか。

 



 ちょっとノスタルジックで、少しだけ異国情緒のようなものが感じられる街です。

 

 今回いちおしなお店がこちらの「かまぼこの高橋」さん。

 

 おでんだねをいくつか買ったのですが、ぷりんぷりんでちょっと焼いて食べるのがいちばん! これだけの味を出せるお店は
なかなかないです。地方都市で単品で勝負できる実力のあるお店です。





 この一角がおそらくは宿場町の中心だったところです。左側のお店は大阪屋という和菓子屋さんで、創業は弘化元年(1845年)
という老舗。



 天明鋳物をモチーフにした「天明最中」がお店の看板商品ですが、我が家ではさのまる君をモチーフにした最中を買いました。
あっさりとした甘さでコーヒーによく合いました。









11:10
 佐野ラーメンの開店を待たずに北に向かって移動。葛生地区にやってきました。
 今回はカットしてしまいましたが、このコースだと途中、湧水の豊富な出流原町や磯山弁財天を訪ねるのも良いと思います。

 

 こちらは葛生原人出土跡。発掘された人骨は当初50万年前の旧石器時代ものと考えられていましたが、残念ながら現在では
もっとずっと新しいものとされています。
 こちら葛生の町も少しだけ散策しました。

 

 葛生原人の発掘されたのは厚い石灰岩層からで、この葛生は石灰やそれを原料としたセメント、製鉄などに用いるドロマイトの生産で
栄えた町です。

 

 葛生原人はある意味間違いではあったけれど、石灰岩が大量に産出されるということは、このあたりは昔浅瀬の海だったってことで、
今でもたくさんの貴重な化石が発見されているそうです。
 それを研究・展示しているのがこちら葛生化石館です。(入館無料)





 町の中心地には文化施設がいくつかあるのですが、こちらは葛生伝承館。ひな人形を展示していました。(入館無料)



 壁面はフレスコ画です。こちら葛生では近年地元で採掘された石灰を使ったフレスコ画が制作されており、町中でもそのいくつかを
見ることができます。なるほど、石灰、化石、漆喰、胡粉、フレスコ画、お人形・・・、みんなカルシウムでつながるね。



 あともう一つが吉澤記念美術館。(入館510円)

 

 中をお見せできないのが残念でしたが、とても見ごたえのある作品ばかりでした。特に山本茜さんの、細かく切った箔の文様がガラスの
なかに広がっている作品はすごかった。



 おなかがすいたのでお昼です。内陸なのにお魚? ここは意地でも佐野ラーメンでしょ、という考えもありますが、今回はこちら「ととや」
さんにおじゃましました。

 

 定食は590円からといたってリーズナブル。自分はマグロカツカレー790円をオーダーしたのですが、ボリュームあるサクサクのマグロカツ
に大満足でした。



 あとはのんびりと那須に向かってドライブを続けます。ではまた。



2018.02
camera:Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10


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