eye4工房番外編

Kittyの部屋



 ふだんから色々なものをつくっているのですが、次はドールハウスにチャレンジしようかと思っています。ドールハウスのスタンダードサイズは
1/12ですが、今回はそのハーフサイズの1/24を選びました。このスケールはプラモとドールハウスの分野が重なっている大きさで、様々なパーツ
が流用できるというメリットがあります。




 主人公は例によってマスターボックスのこちらのフィギュア。出来はそこそこなのですが、1:24スケール1体で1136円はちょっと高いな。まあ大量に
売れるようなものでもないので仕方ないかも。
 普通、ドールハウスの世界ではフィギュアを置かないことの方が圧倒的に多いみたいですが、今回も積極的に配置してストーリーの感じられる世界を
表現しようと思います。




 組み合わせるドールハウスは、屋根がシースルーのサンルームみたいなもの。(アマゾンで¥2998) 植物がたくさん配置できるようなキットです。
 制作の方はフィギュアからです。今回はポーズ等の変更はなしでストレートに組んでゆきます。


1 フィギュアの制作

1 全体を中性洗剤で洗い、乾かしたのちに組み立て
 ます。パーツの合わせも特に問題なし。
2 わずかな隙間をパテで埋め、400番ぐらいの耐水
 ペーパーで磨き、サーフェーサーを吹きます。
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3 Mr.カラーで全体をざっと塗り分けたあと、ルーペで
 確認しながら細部を塗り分けてゆきます。
4 陰影や頬などの表現は、手持ちのメイク道具を
 使って行い、最後につや消しを吹きます。
5 ドールヘアーを適当な棒に巻き付けてお湯パーマ。
 これをフィギュアに貼り付けます。

 キットにもヘアーのパーツはついているのですが、やっぱりこちらの方がリアルに見える。
ここは人形をつくる者のこだわりとでも言うのかな?






 3日ほどでフィギュアは完成です。
 何ともこの無防備な感じがいいね。



2 ドールハウスの制作

 次はドールハウスの製作です。
 サンルーム、暖かい、気持ちよく眠れる、みたいな連想でこちらのキットを選びました。



 このキットは、すでに着色されているパーツを選んで接着剤で組み立てて行くというもの。中国製ということで、パーツ不足などがちょっと不安でしたが、
このキットについていえば数百に及ぶパーツがきちんと整理されており、説明書も詳細、工具や接着剤などもちゃんとついていて、とても良いキットでした。
 値段のことを考えれば大変におすすめです。(アマゾンで2899円)
 とても良心的なメーカーなんだろうと思います。


6 まずは家具類から作ります。カットされたパーツの
 合いも良く、仮組は不要です。
7 全体をジェッソで白く塗り、乾いたところでやすり掛け
 をして塗料の剥げを表現します。

 家具の多くを白ベースの塗装に変えたのは、そのままの色合いだと全体がおもちゃのように派手な感じになってしまい、そのなかでは主人公のフィギュアも
きっと目立たなくなってしまうだろうという判断からです。

8 アクセントとして置かれる車輪は平面的な表現
 なので、支柱をつまようじに変えました。

 もちろん説明書通りに造っても良いのですが、こういった感じで手間をかければかけるほどリアルになります。(もちろん限度はあるのだけれど・・・。)

 

 たとえばこちらはイーゼルとそこに乗せられた油絵のパーツです。一般的なドールハウスとして仕上げるのなら、これはこれで良いのでしょうが、
リアルなジオラマとしてはちょっとデフォルメしすぎです。

   9 ということでスケール感やリアルさを求めて、結局はスクラッチしてしまいました。
   

10 入口のドアに掲げられたwelcomeの表示はパソ
 コンからプリントアウト。
11 玄関マットは手持ちの布からつくります。(下)
 (キットは上の画像のような紙でできたもの)

   12 そのほかもろもろの家具類も手を加えながら完成させます。
   



 次はこのドールハウスキットの特徴である30種類近い植物の制作に入ります。

   13 ポットを組み立てて、説明書どおりに植物をつくり、植えてゆきます。
    

 大きな鉢植えはけっこうリアルな仕上がりで、ほとんど手を加える必要なし。

   14 こちらは紙を切ったり折ったりして完成させるタイプの観葉植物です。こちらはけっこう細かな作業が必要です。
   

 実際の作業はこんな感じです。まずは紙を型紙どおりに切り、説明書どおりに切れ目や折り目を入れて組んでゆく。

 

 一見なかなかに良い仕上がりなのですが、こういった植物を20種類ぐらいつくると、どうしても変化に乏しい感じがする。また小さな植物は再現が
難しく、どうしてもスケールオーバーになってしまう。
 そういう理由で観葉植物の制作については作業を中断し、作戦を練り直すことにします。



15 本のパーツもキットに入っています。こちらは
 スケール館が十分でそのまま制作します。
16 植物の世話をする道具。少し大きめなので、すべ
 てややスケールダウンして表現します。

17 スコップや蛇口、ホース、そしてパレットと筆、
 こちらはキットのものを使わずスクラッチ。

 こちらのキットは本当に良心的で良いキットなのですが、経験の浅い人でも2週間ぐらいで完成させることができるように考えられているので、
小さいパーツは1/24でなく、1/12ぐらいのサイズで設計されています。(そうしないと小さすぎて多分つくれない) そういったわけで、小物類は
ほぼすべて作り直している状態です。このままだと2週間どころか2か月ぐらいかかっちゃいそうです。



 ただ全体のイメージみたいなものは出来上がっているので、あとはこのベースボードの上に一つ一つパーツを制作して組み合わせてゆくのみ。
完成をお楽しみに。







3 組み立てと調整

 植物の表現が単調になりそうだったので、結局、他のキットやN-ゲージのストラクチュアから流用することにしました。

   18 和巧のジオラマアクセサリーシリーズの組み立てと
    塗装を行います。
   

 こちらのシリーズは少々コスト的には高くつきますが、リアルさという点では優れている
製品だと思います。

 

19 こちらはNゲージのストラクチュアからの流用。
 ミニネイチュアやノッホ社のものが使いやすいです。
20 変わったところではプラッツの盆栽なども使える
 かな?



 ということでフラワールームに収める花や小物類がやっと出来上がりました。その数100点ほど。



 結局キットそのままというのはほとんどなく、いろいろと手を加えたり、追加したりしてそろえました。でも実際のところは
まだまだこれでも足りないかも知れない。このあたりは数が多ければ大ほどリアルさは増すと思います。



21 このフラワーハウスを乗せるベースはキットの
 ものを拡大して使います。
22 100均で購入した目の粗い芝生をこのベースボード
 に合わせて貼り付けます。


23 基本は説明書通りに組み立てますが、屋根は取
 り外せるように加工しました。
24 母屋に続くところは追加しています。フレームは
 白で統一。。

   25 LEDランプを取り付けました。点灯テストもOKです。
    ドアは開閉式とします。
   



 ドールハウス本体ができあがったところで、植物や小物類を配置してみます。







 盆栽はさすがにちょっと合わないな・・・。


   26 キットに含まれる車輪の上に鳥の巣箱を置いてみました。
    植物を垂らすと良い感じ。
   





 母屋に続く蒼いドアは青い紙を貼り付けて表現しているのですが、これではちょっと寂しい。


   27 壁をくり抜いてドアを表現しました。ドアノブ、蛇口なども追加します。
   





 部屋の中のセッティングですが、今ひとつ落ち着かない。


   28 そこで色分けされたフロアパネルをはがして、代わりにコルクシートと
    布でカーペットを作ってみました。
   

    そのあと全体のバランスを見ながら少しずつ固定してゆきます。



29 これらの作業と並行して、このフラワーハウスを
 収納する箱をつくります。

 完成したあと外に出しっぱなしじゃ埃をかぶってしまうので、適当な収納スペースをみつけるか、こういった箱に収めることを考えなければ
なりません。完成した段階から作品は徐々に汚れたり劣化したりする、そういう意識がないとしばらくして悲しい思いをします。



 とりあえず完成画像をまずはご覧下さい。







 細かいことを言ったらきりはないでしょうが、とりあえず植物が植物らしく見えているので一安心。







 ドアを少し開けて、このアングルからのぞき込むのが良い感じ。
 見てはいけないものを見てしまったような、微かな罪悪感と、ちょっとした幸運?

 

 そのドアから迷い込んだ蝶。



 屋根は取り外し可能にしたので、気づいた点があれば改良するつもりです。






 でも気持ちよさそう・・・。
 ぽかぽかの温室内だったらこうなっちゃうよね、という共感のようなものを感じていただければ幸いです。

 ドールハウスってドールやフィギュアを置かないのが主流のように思いますが、ことこの作品については
フィギュアを置くことに意味があると思っていますがいかがでしょう?



 部屋の照明を落として、フラワーハウスのLEDだけで作品を鑑賞することもできます。





 今回の作品は2千数百円ほどのキットをベースにしているわけですが、とても良心的で良いキットでした。
 ここまで手間暇をかけなくとも、そのままでもちゃんと見られる作品になります。また同様のシリーズもいくつか発売されている
ようなのでチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。また経験を積んだ方のベースキットとしてもおすすめです。



2019.01
camera:Casio EXILIM EX-ZR4100 & Canon PowerShot s100 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10




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