aimi & chie
再会
chie & aimi (オリジナル球体関節人形 54cm 2016)
卒業テストの終わった日、たまたま昔仲の良かったあの娘と出会った。
以前なら、きっと気づかない振りをして通り過ぎていたに違いないけど、今日は違った。
もしかしたら、今日で少しだけ煩わしさから解放され、少し自由を感じとっていたからかもしれないし、特に予定のないこれからの1月半に何か
ピースを埋め込みたかったからかもしれない。
彼女とは以前親友だった。
けれどちょっとした私の裏切りから疎遠になり、そしてその関係を修復する間もなく別々の学校にすすむことになってしまった。
3年間のブランクもあったせいで、特に共通の話題などあるはずもなかった。声をかけたことを少しだけ後悔した。
それでもありきたりのどうでもでも良い話題で時間を埋めた。
それなのに彼女もなぜかそんなつまらない話題につきあってくれる。
電車を1本見送ったところで彼女は言った。
「明日、ここを発つことになった。しばらく戻ってくることはないと思う。」
「え!?」
「最後におまえに会えて良かった。」
「そんな・・・、私はただあのときのことを謝りたかっただけ・・・。」
「もういいさ、ちょっとしや行き違いがあった。それだけのこと・・・。」
そして彼女は自分の夢とこれから行く国のことを語り始めた。
私はそれに頷くことしかできなかったけど、なぜかそれがとても嬉しかった。
明日私は彼女を見送りに行く。
そしてきっといつかまた彼女と再会するに違いないです。
2019.02
camera: Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10
高校も大学も卒業が決まってから2ヶ月ほどの自由な時間が与えられるのだけれど、今思うとそれをどうやって過ごしたのか思い出せないです。
確かにいろいろと遊んだような気はするのですが、明確にこれをしたって言える印象深いことは残念ながら何もない。自由な時間がいかに貴重なのかは
働き始めてからそれを知ることになるのですが、当時はその価値が分からなかったんだろうなあ。
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