センス オブ スケール展
2019.06.14
今回は横須賀美術館で開催されているセンス オブ スケール展のレポートです。内容的は絵画から写真、立体造形まで多岐にわたるもの
でしたが、自分的なみどころは田中達也氏をはじめとする様々なドールハウスやミニチュア作品です。
2018.06.14 FRI 天気:晴れのちくもり
14:00
極小の世界から宇宙レベルのひろがりまでを体感することのできる特別展が開催されているというので、横須賀美術館までやってきました。
(会期 4/13~6.23 入場料700円)

絵画、写真から立体造形までいろいろなものが展示されていたのですが、ミニチュアや立体造形のものはその多くが撮影可だったので、
今回その一部をレポートしたいと思います。

「京浜工業地帯の掟」と題された平松公氏の作品です。4m×3mの巨大なパネル3枚に横浜から横須賀までが描かれた大迫力の作品です。
(このほかの写真や絵画の撮影は基本的に不可でした)
今回の特別展の中心とも言えるのが、こちらはNHK朝の連ドラ「ひよっこ」のオープニングで一躍注目を浴びた田中達也氏の作品です。
「見立て」というジャンルを確立し、今はどこに行っても大人気です。


1/32から1/150のフィギュアで様々なシーンを独特の切り口で再現していますが、その発想の豊かさに感心してしまいます。

シュレッダーの雨、そして指輪でできた雪だるま・・・。素敵だね。


制作されている作品は、こういった日常的なものを別なものに見立ててフィギュアを配置したものです。使用されているフィギュアは
おもに Preiserの1/87(HO)と1/150(N)。
見立てるというアイディアと、それを見せる作品に仕上げる技術がすごいな。

こちらはサンドイッチでロッククライミングのシーンを再現してます。いつも思うんだけど食べ物の再現が本当にうまいね。
(もちろん作品は食べられないものでできてます)
内容的にはこジオラマ等の実物展示と写真をあわせて30点ほどが展示されていました。
(以前に静岡で拝見したものと内容的な重なりはありませんでした)
ちょっと変わった作品といえばこれ。

白い上の真ん中に2色の色鉛筆の線が引かれているというシンプルな作品。作者は2色の芯の入った色鉛筆自体を制作
しているみたい。

こちら2枚は和風ドールハウス作家の高橋勝美氏の作品。左は自らのアトリエ(1/12ぐらい)、右は理髪店(1/32ぐらい)。
圧巻なのは青森の朝市を再現した一連の作品です。


スケールはおおむね1/24程度。ただ単に空間にぎっしりと詰め込んでいるだけでなく、季節とか時間帯、生活感のようなもの、そういった
シチュエーションやディテールが実に緻密で破綻がないです。

水平線を境目にして上下対象につくられた帆船。インパクトあるな・・・。(岩崎貴宏氏の作品)

その下にあるのはコンビニやファミレスなどの看板・・・、実はこれ自体が地図に則って配置されているそうです。

こちらも岩崎貴宏氏の作品です。壁一面が銀色に塗られていて、よく見るとところどころに無数に白い点が打たれている。(まるで宇宙のなかの星みたいに)

そしてその上に、こんな感じで更に銀色のパネルが貼られている。
そのパネルを虫眼鏡で覗くと、こんなシールが無数に貼られている。これ自体も横須賀や広島を表現する地図でなんだそうです。
(ちなみに銀色の表面はガムの包み紙)
これもまた気が遠くなるような作業だな・・・。

こちらは高田安規子・政子氏の実に小さな作品。
右側は切手をジグソーパズルにしちゃいました。一片が2mm四方の範囲に入るぐらいの大きさです。まさに紙業(神業)だね。

こちらは写真での展示です。庭に生えたコケに手を加えて、フランス式の庭園にしちゃいました。

同じくこちらは直径は7~8cmぐらいのコロセウム。一見砂でどうやって作るのか疑問に思ったけど、実際は軽石を加工したもののようです。
今回ご紹介したのは特別展の内容の一部ですが、こちら横須賀美術館自体の所蔵品も豊富なようで、その常設展示のボリュームがまたすごい。
レストランも人気スポットのようで、浦賀水道を行き交う船を眺めながらのお食事やお茶も良いと思います。
今回の会期は6月23日(日)までと、あとあまり時間もないのですが、特にミニチュア好きでなくとも十分に楽しめる内容になっていておすすめです。


2019.06
camera: Canon PowerShot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7
+ GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10
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