足摺・四万十・室戸
2019.08.21~23
個展が終わった後、自分たちへのご褒美ということで旅行に出かけることを計画していたのですが、あいにく全国的にお天気が良くなく、
晴れているのは鹿児島県と高知県の南部のみという予報でした。
休みも限られていることだし、それならまだ行ったことのない足摺岬と四万十川あたりを見てこようかということになりました。
8.21(水)
06:00
四国行きの決定は前日、その日の夜に1泊目のホテルの予約も入れました。あらためて地図を眺めてみると移動距離は800km以上、
どう考えて見ても我が家の軽自動車では10時間以上かかるな・・・。

早朝4時に出発して、ただ今静岡県内を走行中です。
おや? 知らないうちに新東名の制限速度が120km/hになっている。でも我が家の軽自動車ではそのスピードを維持するのは困難なので、
あまり意味なし。
10:00
新東名、新名神を経由して明石海峡大橋へ、やっと本州を脱出。

四国に入ったところでもうお昼。徳島ラーメンを食べて再び出発しますが、四国の高速道路は基本的に片側1車線、70km/hの速度制限なので、
とりあえずの目的地である土佐中村についたのは、もう3時過ぎでした。やっぱり遠かった。そして長かった。
15:40
途中立ち寄った入野県立自然公園、海沿いのものすごく広大な公園です。様々競技場やキャンプ施設もあります。

とってもきれいな海岸だけど、海水浴やサーファーの数は少なめで、普段よくみる湘南の海とはぜんぜん違う。密度的には1/300ぐらい?
運が良ければホエールウォッチングもできるみたい。

更にただただ広い緑の公園には歩く人もいない。清々しく美しい風景です。
16:30
時間も時間なので、このあとは軽く土佐中村(四万十市)の市街地を散策することにします。

土佐中村は清流で知られる四万十川の最下流にある町です。まずはその河原をお散歩。天気予報通りきれいに晴れ渡って
良い感じです。

山の上に見えるのは、お城を模した市立資料館です。すでに資料館の開館時間は過ぎているのですが、とりあえず一帯は城址公園に
なっているようなので登ってみることにしました。
土佐中村は戦国時代には土佐一条氏の城下町だったところです。もともと公家だった一条氏は都の文化をこの地に取り入れ、今でも
土佐中村には「土佐の小京都」と呼ばれるような風情が残っています。

土佐一条氏が都より勧請したと伝えられる須賀神社(祇園社)。

土佐一条氏の館のあったと伝えられる一條神社。


地方都市というと、今は寂れた感じのするところが多いですが、ここ土佐中村は足摺岬や四万十川観光の拠点となっていることもあってか
ホテルや飲食店も多く、比較的に賑わっている感じです。

18:40
散策ついでに夕ご飯をいただくお店を探します。そして選んだのが「いなか」というお店。

ご覧のカツオ、サバ、タイ、キンメなどのお刺身の盛り合わせが1300円! 清水サバ(関サバと同等のブランド)の塩焼きが500円、
あと地酒の利き酒セット800円(だったと思う)・・・、もう最高です。
8.22(木)
06:00
今日はとりあえず足摺岬に行ってみようかと思います。

通りかかったのは土佐中村駅。たまたま特急列車のアンパンマン号が停車中でした。このほか普通列車に至るまで、いろんなラッピング車両が
あるみたいです。

今回はぎりぎりの予定を組んでしまっているので、残念ながら乗車計画はなし。とりあえず撮影のみで良しとしよう。


画像は四万十川の河口に近いところで撮影したもの、夜が明けたばかりのこの時間帯にしか撮影できない美しい景色でした。
07:05
足摺岬に到着したのは7時ごろ、今日も快晴です。運が良いとしか言いようがない。

風と波が作り出した絶景。あと海の透明度がむちゃくちゃ高い。
さすがにこの時間帯だと観光客もほとんどいません。


途中のコンビニで買ったごはんをこちらでいただきます。もう最高の贅沢です。

散策路脇にあるこの石は、弘法大師が爪で「南無阿弥陀仏」と彫ったとされる弘法大師の爪書き石。このあたりで弘法大師は
修行をしていたんだそうです。

四国お遍路の38番札所である金剛福寺。こちらも弘法大師ゆかりのお寺です。

日本最大と言われる白山洞門。ものすごく迫力があるんだけど、見に行くためには崖を上り下りする必要があるのでちょっと大変。
あとフナ虫がたくさんいる!?
8:40
今度は海岸からちょっと離れ、唐人駄場遺跡という場所にやってきました。

遺跡と言っても、実際には自然に巨大な石が積み重なっている場所です。いちばん大きなもので8mぐらいの大きさがあるそうです。
けっこうな迫力で、パワースポットとしても有名みたい。

石の上に上ってみると太平洋が見えて水平線が丸い! あまり期待していなかったけど、ここはけっこう良かった。
足摺付近にはこのほかにも水族館とかジョン万次郎記念館があるのですが、開館時間前だったのですべてパス。ちなみに
NHKの大河ドラマでジョン万次郎が取り上げられるみたいで、いっぱい幟が立っていた。来年は観光客も増えるんだろうね。
10:05
再び土佐中村に戻ってきました。昨日回り切れなかったところがあったので、そのあたりをまずは散策するつもりです。

最初にやってきたのは「四ケ村溝の水車」、江戸時代に灌漑目的でつくられたのがその始まりで、現在は観光用に十数機が回っています

でも水車より印象に残ったのは、その向こうに見えた緑の土手です。
これは四万十川の支流の一つである田野川の土手、延々と緑が続いていてとてもきれい。

もちろん名所でも何でもないけど、個人的には日本一美しい土手に認定したいと思いました。

旅は四万十川の沈下橋巡りへと続きます。 現在四万十川には47の沈下橋が架けれれているそうです。

ただ四万十川下流に沿って続く道は細くて、必ずしもアクセスが良いとはいえません。(ダンプも多い)
しかしながら、沿道にはところどころに集落があって、きっと四万十川の恵が豊かなんだろうな、とも思いました。
10:35
走ること20分、やっと最初の沈下橋が見えてきた。


こちらは佐田の沈下橋。こちらは土佐中村からも近く、駐車場も整備されていて観光客もやや多め。
四万十川の最も下流にある沈下橋で、その長さもいちばんです。

岩間の沈下橋です。ポスターなどに使われることも多いだけあって、とてもフォトジェニック。但し現在橋の一部が流されていて
通ることはできませんでした。

上流に近い中半家の沈下橋。上流になると水量も減って、川遊びのできるところもあちこちにあります。

それにしてもこの青さと透明度はすごいな、土佐中村から山中のみちを1時間以上かけてやってくる価値は十分にあります。
12:50
そろそろおひるご飯かな、と思ってやってきたのは土佐大正という町です。以前、旅番組で紹介されたこともあって、ちょっと興味があって
立ち寄りました。
こちらはJR予土線の土佐大正駅です。なかなか良い感じの駅舎です。
でもここから予土線に乗って、ちょっと移動するみたいなことは考えませんでした。だって日中は2時間から4時間に1本という感じなんだもん。

ということで駅周辺を散策することにします。といっても、地元の方が言っておられましたが「この町って何にもないんですよ。」
確かにちょっと寂しい感じの通りが300mほど続くだけではありました。アユ料理でお昼ごはんみたいなことも考えていたけど、
とてもそんな感じじゃなかった。

もともとこの地区は大正町という独立した自治体だったようですが、10年以上前に3町村が合併して現在の四万十町になったようです。
こういう合併をすると、庁舎の残らなかった自治体の中心街は間違いなく元気がなくなる。
行政の効率化がすすんで公務員が減り、出入業者や近隣の商店街は少なからず影響を受けます。そしてそれをきっかけに地区の
人口減少が一気に進むという感じかな。
あと町の中心をバイパスする国道ができたのも、影響が大きかったのかもしれません。これだと観光客の車が町中に入ってくることは
少ないと思う。

それでもちゃんとがんばっているお店もあります。
こちらは無手無冠酒造さん。以前より栗焼酎 ダバダ火振りは結構好きでした。その製造元がこんなところにあったんだ・・・。あと土佐では
あちこちでどぶろくもつくられているんだけど、こちらのどぶろくは辛口でキレがあってとてもおいしかったです。

13:30
お腹がすいたのでお昼にします。入ったのは道の駅「四万十大正であいの里」

自分はさっぱりと冷やしうどん(500円)。

連れはうなぎの石焼混ぜご飯(830円)、やられた・・・。

再び走り始めると、めったに出会うことのない予土線の車両が走っている。しかもトロッコ列車。
追いかけたんだけど、やっぱり単行のディーゼルは早くて追いつかない。

ちょっと諦めかかったところに駅があった。ここでやっと追いつく。再び走り始めたところで撮影、これは運が良かった。
しかも分岐したこの道が次の目的地への入り口でもありました。
14:05
土佐大正地区でもう一つ外せないのが海洋堂ホビー館です。(入館800円)

何でこんなところに・・・ってほど山奥にあります。途中の道も細く見通しも悪い。どうやら海洋堂の創業者である宮脇修氏がこの地区出身
だったということもあって、廃校になった小学校を利用してつくられたそうです。

展示室のメインになっているのは体育館だったところです。どーんと真ん中に帆船が置かれ、大阪の模型屋さんに過ぎなかった時代から、
ガレージキットの時代を経て現在に至るまで、60年余りの海洋堂の歴史そのものが展示されています。

モー娘にときメモのフィギュア、懐かしい・・・。

海洋堂の誇る造形師のコーナーです。

ワールドタンクミュージアムや世界名作シリーズあたりは自分もけっこうはまりました。
こんな感じで海洋堂が大ブレイクした食玩やミュージアムショップ等で販売される精巧なミニチュアなんかがずらりと展示されていて、
その数7000点。まさにここは聖地だね。

楽しい旅も明日で終了です。自家用車で土佐にやってくるのに11時間かかったので、帰りのことを考えると少しでも東に移動しておきたいところ。
四万十川で遊んだ後、ネットで検索を入れたら高知市内のホテルに予約を入れることができました。
17:40
高知市内に到着です。もうぼちぼち暗くなる。


ホテルへの到着は5時過ぎだったので、これから市内をあちこち見学するのはちょっと厳しい。
それでも繁華街をぶらぶらして、高知城から路面電車で帰ってきた。

高知市内の路面電車って、いろんなタイプ、いろんなラッピングがあって見ていて楽しい。
19:50
散策ついでに晩御飯をいただくお店にもチェックを入れていたのですが、土佐づくりをイチオシにするお店がやっぱり多かった。本場だしね。

そして我々が選んだのは駅前に近い「みさと」というお店です。

もちろんカツオのたたきからスタートです。(800円) あとはウツボや天ぷらの盛り合わせとかを注文しましたが、きっちりとした仕事で、
どれもおいしかった。こちらも一人3000円ぐらいでけっこう楽しめるお店です。
8.23(金)
7:00
翌朝はホテルを6:00に出発。今日は旅の最終日、海岸に出て東にすすみ、室戸岬経由で家に帰るつもりです。
お天気は何とか10時ぐらいまで持ちそうな予報ではありましたが、最初の目的地である安芸城址に着くころには雨が降り出した。

上の画像は「野良時計」、アメリカから取り寄せた時計を参考にして明治20年につくられたもの。ちなみに部品一つ一つが手作りだそうで、
現在まで止ることなく動き続けています。

ここは安芸市街から北に外れたところで、重要伝統的建造物群保存地区に指定されているところです。
基本、雨は嫌いだけど、こういうところだと雨に濡れてしっとりとした風情がまた良いね。


安芸城址の周囲は土居廓中と呼ばれる武家屋敷の立ち並ぶところ、そのまんま時代劇に使えちゃいそうです。
8:40
こちらは、天然記念物のシダ植物の生い茂る伊尾木洞にやってきました。

海蝕によってつくられた穴の向こうに、更に渓谷が続いています。実に神秘的な空間なのですが、さすがに雨の降る中の渓谷散策は厳しい。
足場も良くないので、その入り口付近だけ見学です。
9:15
海岸線から少し入って北川村へ。

こちらは「モネの庭」という公園です。(入園700円) ご覧の通り、モネの絵画を再現した池や庭が見学できます。

ここでほんの20分ぐらいだけだったけど、嘘のように陽ざしが差し込んだ。
何という幸運! 色とりどりの睡蓮が咲いていて本当にきれい。

公園全体がすごく自然な感じでまとめられていて、本当に素晴らしいです。


こちらは同じ公園内の「花の庭」。
モネ自身も自宅の庭に池をつくり、花を植えていたんだそうです。なるほどモネの見ていた風景がここにあるってことなんですね。

11:20
最終目的地の室戸岬に到着です。

灯台の下には、幕末に活躍した土佐藩の志士中岡慎太郎像があります。

浸食された岩が立ち並ぶ荒々しい景観。
延々と波に洗われ続け、少しずつ姿かたちを変えてきたんだろうね。
このあと高知で最も東にある東洋町の道の駅で休憩をとり家路につきます。(ここも晴れていたらとってもきれいなところ)
ナビの到着予定は8時間後、やっぱり遠いなあ・・・。
でもとっても楽しかった。またきっといつか行ってみたい気がする。やっぱり「はじっこ」は楽しい!
2019.09
camera: Panasonic GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm & Canon Powershot G7X
/ graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy
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