2022



蓑沢




2022.09.15 FRI 天気:晴れ
14:25
 世の中は酷暑がようやく収まりつつあるけれど、ここ那須は8月も終わりになると、どことなく秋の雰囲気が感じられるようになります。
 これからはあれだけ草刈りが大変だった別荘の庭も、その苦労がなくなって、すぐにたくさんの落ち葉で覆われる季節になります。


 

 草刈りの必要もないので、お気に入りの場所に立ち寄ってみたりする。
 やってきたのはギャラリーバーンです。 この日はオーナーの清野さんが不在だったこともあって、久しぶりにじっくりと清野氏の作品を鑑賞させていただきました。
 ここギャラリーバーンは基本、レンタルギャラリーとして営業しているのだけど、このコロナ渦では展覧会を開いても人があまり訪れず、ここしばらくは清野さんの
「個展会場」みたいな感じになっています。
(基本、ギャラリー内は撮影不可なのですが、清野さんの作品のみのときには、一声かければだいたいOK)



 今の清野さんは作品作りに忙しいようで、この夏だけで作品を100ほどつくったらしいです。今回はそのなかからいくつか自分の気に入ったものをご紹介します。
 こちらは定番の巣箱でう。実用性が高く、ちゃんと鳥がここで子育てします。



 一つ400円の鳥、こちらも定番ですが、少しずつ進化している。



 この半年ぐらいずっと作り続けている動くおもちゃシリーズです。
 クランクを回すとナマズが動き、更にその上の家が揺れる。いいね、アイディアの勝利ってやつです。

 

 こっちも人気シリーズのペーパークラフトの家です。
 ボロボロなんだけど可愛い。壁や屋根などの劣化、腐食がとってもうまく表現されている。部屋の中に置くだけで癒される感じです。プレゼントとしても人気があるんだろうなあ。
 ときどきしっかりと作り込んだ作品もつくっています。右側のものなどは、自動販売機と看板、こういったアイテムのつくり込みがすごいです。しかもこういう作品を一晩で作り
あげてしまうというのだから敵いません。
 短い時間でコストパフォーマンスが高い作品づくりができるかどうか、それが最終的にはプロとしてやってゆけるかどうかの境目何だろうと思います。





 最近つくり始めたという、1900年代初頭の航空機シリーズです。その多くは第一次世界大戦の軍用機に似てはいるんだけど、その正確なミニチュアではない。よく見れば
当時の航空機の特徴をつかんだうえで制作したオリジナル品になっている。ようするに作者の解釈の加わったアートなんだね。

 

 あとは三次元のコラージュ的な作品の新作もいくつか加わっていました。
 このセンスの良さがたまらない。ジオラマもそうなんだけど、個々のパーツの仕上げはもちろん大切なんだけど、やはり構成力とかがいちばん大切です。
こうやっていろんな作品を眺めていると本当に勉強になります。
 それからオーナーはとっても気さくで面倒見の良い方なので、訪ねたらいろいろ聞いてみると良いと思う。またこちらは那須に在住するアーティストも結構
出入りするようなところなので、いろいろと情報も入手できると思います。



 この3年館、ほとんどイベントなど行われていなかった那須ですが、少しずつ状況は変わってきた。年末に向けてイベントのj開催もあるということでした。

 那須というと、やっぱりテーマパークや温泉、そして那須岳周辺の景勝地が有名なんだけど、自分たちがそいったところに出かけることはあまりない。正直
言うと、もしかしたら観光目的でやってきている方々の方が、ずっとよく知っているかもしれないなどと思うことがある。
 ギャラリーバーンみたいに、むしろ何度行っても飽きなくて、いつも発見のあるようなところに頻繁に行っている気がする。





16:50
 夕方5時、歩いてバー&ギャラリー殻々工房にやってきた。これもいつものパターンかな。
 お酒だけでなくお料理も最高に楽しませてくれる。しかもリーズナブルで文句なしです。
 この日のお酒はオハラズ ラーンフローンという、チョコと果実の香りと味のする黒ビールからスタートして、ワイルドターキー101、ブラックブッシュ、ラムハイボール、
梨とシャインマスカットのカクテル(画像上)などをいただきました。

 

 食べ物は豚の角煮と半熟煮卵(画像左)、エビのフリット(画像右)、タコとカモのスモーク、野菜スティック、エダマメ等々、本格的なお料理まで含めてお腹いっぱい。これで
二人で9000円ぐらいで収まっちゃうんだから、もうこれ以上の場所を探すのは無理なんじゃないかと思う。
 本当に歩いてゆける距離にこういうお店があって良かったと思う。







09.16 SAT 天気:晴れのち曇り
05:40
 翌日は5:30から早朝のお散歩です。

 
nano ( オリジナルヘッド+オビツSBHボディ 26cm 2018 )



 那須岳が早朝だととても澄んできれいに見えます。



 ここは最近見つけた、ずーっとずーっと田んぼが続く、気持ち良い散歩道です。
 田んぼのところどころに彼岸花が咲いていて良いアクセントになる。  





06:30
 途中で立ち寄ったクーロンヌというパン屋さんです。
 時々テレビで紹介されることもある人気店です。6:30開店なんだけど、6時過ぎには行列ができてしまうぐらいです。すごいなあ、昔はそんなことなかったのになあ。



 もちろんその人気の秘密は美味しいからでしょう。
 一番人気はソルティドック(右)、カレーパン(左)も人気です。今日はこれに梨のタルト(上)をつけてみた。
 名店の焼き立てパンを食べられる幸せ、たまりません。



 ガイドブックのトップページにあるようなところに行くもの良いけど、裏通りには秘密にしておきたい素敵な場所がたくさんあります。気がついたら、今回ご紹介したところは、
みんなたまたま入ってお気に入りになったところばかりでした。



8:10
那須と言っても華やかなのは高原地帯の一角だけで、ほかはのどかな田園地帯が広がるところです。特に国道4号線の西側は、白河の関に続く街道(旧東山道、現県道60号)
に沿って古くからの集落が点々と続くようなところです。



 ここ蓑沢は栃木県最北部の集落で、いわば関東の最も北のはずれにある地域。峠を越えると、もうそこは東北です。 また源頼朝が伊豆で旗揚げをしたのを聞いて、奥州藤原氏から
馳せ参じた源義経にまつわる伝説があちこちに残っています。

 

 こ写真の三森家は旧東山道沿いにあって、江戸時代に交代名主を務めていた家柄だそうです。 (前面の長屋門と主屋は国の重要文化財に指定されています。)
 家の前を彩るコスモスが今満開でとってもきれい。
 こういったお花畑を沿道のあちこちに見ることができます。





 こちらは蓑沢彼岸花公園です。自分の知る範囲で最もたくさんの彼岸花の咲くところです。 この日はまだ咲きが2分から3分といった感じでしたが、とってもきれい。
ピーク時にはこの斜面が真っ赤に染まります。







 この感じだと、満開は今週の半ばといったところでしょうか。(ちょっと台風が心配でが)
 この蓑沢っていうところは地味ながらとってもおすすめの場所です。「日本の美しい村をあげよ」と言われたら、自分が真っ先に選ぶ場所の一つだと思います。

 









0920
 蓑沢の彼岸花を見学した後に立ち寄ったのが、那須UTOPIAというところ。廃校になった旧美野沢小学校の跡地を利用して、宿泊施設兼アートビレッジをつくったという
施設です。(入館料1100円)

 

 こちらは校舎の壁面に描かれたSAORI KANDA氏の作品です。こんな感じで校舎そのものがアートで彩られている。
「毎年のように彼岸花を見に来ているのですが、この施設の存在を知りませんでした。」そう受付の方にお話ししたら、今年の6月にオープンしたばかりなんだとか。
 こちらは撮影可のスポットなので、早速お人形を取り出して撮影会です。
 ドール撮影スポットとしてもいけます。





 現在、国内外15名のアーティストの作品が展示されているのですが、最上階はまだ手が付けられていないし、敷地にも余裕のある状況なので、これからまだまだ
作品数は増えてゆくんだろうなあと思いました。





 こちらは蛍光塗料で描かれたちょっと不思議な絵。









 玄関に置かれた衝立です。
 「彼岸花の向こうに那須岳が見え、何かが割れて八房があらわれる。」そんなシーンが描かれている。
 奥州藤原氏に身を寄せていた源義経が、兄頼朝が伊豆で兵を挙げたのを知って、旧東山道を急ぎ馳せ参じようとしている姿を描いたものなんだろうと、
すぐに分かりました。
 このあたりには源義経にまつわる伝説がいくつも残っているようなところです。



 

 県道60号線を北上するとすぐに福島県との県境にたどり着きます。
 その手前にあるのがこの住吉玉津島神社(追分の明神)、791年に坂上田村麻呂が勧請したと伝えられる古社で、旅人から峠神として信仰を集めていた。立ち並ぶ
杉の古木が天に向かってそびえたっている。
 義経も祖である源頼義にちなんでこの神社で鎌倉への無事と戦勝を祈願したそうです。
 白河の関を通り過ぎて、峠を越えるころには東の山の端がやがて明るくなってきた。「月を拝もうではないか」義経はわずかの供を連れて東の山に登り、こうこうと照る
月に手を合わせて、これから行く先々の幸いを祈ったのである。
(那須商工会議所のHP参照)
 なるほどね、この伝説をもとに先ほどの絵は描かれたのかも。



 

 このほか義経伝説を今に伝えるものが、旧東山道沿いにいくつも見ることができます。
 帰りに寄った道の駅「伊王野」で買った豆餅とネギが翌日の朝食になりました。昔の旅人はこんな感じのものを食していたのかな。
 やっぱりここでのお土産は素朴な手作りの食材や新鮮なお野菜だね。





 蓑沢周辺はお散歩するなら最高の場所だと思います。
 プランとしては、たとえば白河の関まで公共交通機関で行き(白河からバスが出ている)、ここから追分の明神、蓑沢を経て、道の駅「伊王野」に至る10kmほどのコース。
義経が伊豆に向かった当時のことを考えながら歩くのも良いのではないでしょうか。特に春や秋は最高だと思う。

 自分が思うに、源義経一行はこの旧東山道を夜通し歩いて峠を越えたわけだけど、きっとそこにコミカルな会話などなく、ただ無言で先を急いだのだと思う。
 そして夜明けが近づいて義経が沈黙を破り、「月を拝もうではないか」の一言があったのではと推測します。
 伝説として残るぐらいだから、きっと決意をあらためて固めるにふさわしい、美しい蓑沢の風景だったんだろうね。秋の始まりの頃、彼岸花が今と同じように咲いていたのかも
しれません。



2022.09
camera: Canon powershot G9X Mk.2 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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