2024



宇都宮ライトレール



2023.03.09 SAT 天気:晴れ
8:30
 久しぶりの那須です。今回はその途中で昨年8月に開通した宇都宮ライトレール(LRT)に乗ってみることにしました。
 LRTは宇都宮と芳賀・高根沢工業団地の間を結ぶもので、途中たくさんの学校や住宅地、工場などを経由しています。所要時間は普通列車で44分です。
 ライトレール というのは路面電車と通常の電車の中間的なもので、排気ガスを出さない分、自動車などに比べると環境に優しい交通機関と言われています。



 やってきた駅は「飛山城跡駅」です。今日はここから「宇都宮東駅」までの間を往復する予定です。
 何故この区間を選んだのかというと、一つには飛山城址を見学するつもりだったこと、駅に無料駐車場があること、そしてここから芳賀方面は工業団地になってしまうので、景色がそれほど良くないのでは
ないかと思ったからです。(違っていたら、ごめんなさい)
 このLRTが画期的なのは、駐輪場はもちろんいくつかの駅には駐車場がそなえられていて、LRTにリンクしてバス停があったりコミュニティバス運行されているということです。地域の交通手段をLRTの駅を
中心に整理しなおしたってことだと思う。
 運行は日中でも12分間隔、もちろん交通系ICカード使えます。



 駐車場に着いたときLRTがちょうど出発するときだった。「あー、やっちゃった」って感じだったけど、すぐ次がやってきた。素晴らしい。



 乗ってすぐ鬼怒川をLRTで超える、景色がとっても良いです。



 運転席のすぐ後ろに陣取って、運転席周辺を眺めていた。
 まず言いたいのは運転席が中央にあってせっかく一番前に陣取っても、前方が見にくいことです。あと基本的に富山で見た景色と同じなんだけど、かなり運転に感じては自動化されているみたいです、
 運転士は、おそらくは緊急ブレーキと思われるレバーに右手を置いているけど、操作自体はドアの開閉のみで、あとはほとんど自動化されている感じです。
 ドアの開閉と料金の受け渡しさえなければすぐにでも無人化できるでしょう。
 多分、将来的にはそうなる可能性が高いです。



 宇都宮市外に入ってくると交差点が多くて、信号待ちが頻繁に起こります。  LETはスピードについてはバスに近く、料金は電車に近いイメージかな。



9:05
 宇都宮駅の東口に到着です。19分間、250円の旅でした。
 通勤通学を主目的として考えられたLRTということでしたが、行ってみたら土曜日だったこの日も満席状態でした。ニュースでも滑り出し上々と伝えられていたけど、結構な人がこのLRTを目的にやってきている
ような感じでした。



 宇都宮ライトレールのHPを見たら、平石駅にある本社の基地見学会が開かれるとか、ラッピング電車のスポンサー募集とかのお知らせがありました。
 可愛いラッピングのNゲージのLRTが出たら、きっと自分も買うと思います。





9:30
 ただ飛山城跡と宇都宮の間を単に往復するだけではつまらないので、ちょっとだけ宇都宮市内もお散歩してきました。そういえば宇都宮を訪れるのも久しぶりです。
 宇都宮の繁華街はライトレールの終着地でもあるJR宇都宮と東武宇都宮の間に広がっていて、主だった施設や庁舎もこのあたりに集中しています。とはいっても関東の南部に比べると、高層建築と言える
ようなものはまだないです。

 

 こちらは宇都宮二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ)は、宇都宮の中心部、明神山と呼ばれる標高135mの小高い丘にあって、ここから市街地が一望できるようなところです。
 創建は353年というから、その1600年以上もの歴史があるある古社です。ちなみに宇都宮の地名は、ここが神社の格付けで下野国一宮であることから、「いちのみや」が転じて「うつのみや」なったという
説があるそうです。
 日光にも二荒山神社がありますが、こちらの読み方は「ふたらさんじんじゃ」であって、直接の関係はなく祀っている祭神も違うそうです。



 こちらはオリオン通りです。懐かしいアーケードが残っているのは珍しいかもしれません。しかも全国には寂れてしまったアーケードが多い中、結構にぎわっていて、市民広場のオリオンスクエアでは常にイベ ントが
開催されているところです。
 1931年に東武鉄道新栃木―宇都宮間が開通すると宇都宮はたくさんの人の集まるところとなり、こういった賑やかな商店街が誕生することなった。歴史の古い商店街だからこそ、今はやりのお店だけでなく、乾物屋さん
だったり、駄菓子屋さんだったり、すでに全国では消えてなくなってしまったようなお店がたくさんあって、自分には貴重な風景に見えます。



 でもやっぱり人が集まるのはここ、宇都宮FESTAです。(自分のような人間は、ということですが)
 ボークス宇都宮ショールームを筆頭にして様々なフィギュアやプラモデル、模型工作用品などを取り扱うお店が集います。北関東随一というけれど、もうここは秋葉原そのものです。

 

 オリオン通りを少し外れたところにある「かまがわプロムナード」です。
 宇都宮市の中心市街地を流れる釜川を憩いのスペースとして整備しています。街中にこういうスペースがあるのは貴重です。

 

 この川を見下ろす喫茶店で今回は休憩しました。



 旭町にある大いちょうです。宇都宮城三の丸跡に位置し、2020年現在の樹齢は約400年と推定されています。
 第二次世界大戦では宇都宮空襲で被災したものの、翌春には芽吹いたことから、宇都宮の復興のシンボルと称されているところです。

 

 カトリック松が峰教会は大谷石建築としては現存最大級のロマネスク・リヴァイヴァル建築です。1932年に建造されるも戦禍で被害を受け、その後修復されて1998年に国の登録有形文化財に登録された。
 入館は無料なんだけど、この大谷石でできた建物には維持管理のための費用が必要とのこと、自分たちもいくばくかの寄付をしてきました。
 あらためて見ると、宇都宮って新旧が入り混じっていて、しかもコンパクト。けっこう面白いと思います。





12:15
 飛山城址駅と宇都宮東駅を往復した後、駅名になってる飛山城を訪れてみました。ちなみに宇都宮ライトレールのなかで最も景色が良くて、最大の観光スポットはこの飛山城址駅だと思う。



 こちらが城址公園の入り口です。ごらんの通り土塁や堀がきれいに保存されている。天守閣の残っているお城ならともかく、400年以上も前に廃城となったお城で、これだけ保存状態の良いものはないと思います。
(国の指定史跡)
 飛山城は鎌倉時代の後期に宇都宮景綱の家臣・芳賀高俊によって築かれたといわれ、その後300年以上の長きにわたり様々な攻防の歴史を経て造成が続けられ、最後は豊臣秀吉の命によって廃城となる。

 

 このあたりの歴史や背景、そして城郭のジオラマなどは隣接する「とびやま歴史体験館」で見ることができます。入館無料なのはありがたい。
 あとこちらでは頻繁にイベントなども行われているので、HPなどで確認してから行ってみるタイミングを考えると良いかもしれません。



 鬼怒川の東岸の段丘面を利用して築城されているので、特に城の北側からの眺めは絶景です。
 現在残されている遺構は約14ヘクタール、そこに7つの曲輪と何重もの堀が残されていて、当時の宇都宮氏の一大拠点だったことが分かります。

 

 現在では発掘調査の情報を基にして、敷地内にいくつかの兵士の詰め所や貯蔵庫などが復元されています。また出土品のいくつかは先のとびやま歴史体験館にも展示されている。



 お花も咲いていて、とっても素敵なところなんだけど、人は結構少なめです。
 自分が思うに、名所というのは人が集まるところやネット上の評価が高いところじゃなくて人それぞれによって違う。自分はきれいな花が咲いていて、さりげなく歴史を感じるところが好きです。





14:25
 長い寄り道の後、やっと那須にたどり着いた。那須に行くと必ず立ち寄るのがギャラリーバーンとBUZZなのですが、またまた面白いものが出現していました。



 ギャラリーバーンでは例によってオーナーの清野さんの作品が大量に展示中されていました。
 コーヒーなどいただきながら、最近の那須の状況とか、作品制作の方法や様々なアイディアについて会話がはずむ。

 

 これはいわゆる起き上がりこぼしというおもちゃで、もちろん清野さんの手作りです。
 かわいい。トトロやこういう動物たちをデフォルメして起き上がりこぼしにすると、また別な可愛らしさが出てきます。

 

 こっちはボックスアートの新作です。こういう構想ってジオラマにつながるものがあって面白い。参考になります。

 

 感心するのは質感の出し方です。ペーパークラフトなんだけど、ちゃんとさびてる。

 

 こっちはBUZZに展示されていたものです。ペーパークラフトの家を白い壁に貼り付けて展示している。
 こういう感じで空間を埋めるというアイディアが素晴らしい。



 こちらはスルメ、どこから見てもスルメ。
 でも食べられません。こちらも清野さんの制作物でその表現力には脱帽です。







17:10
 晩御飯は例によって、ギャラリー&バーの殻々工房です。
 暖かい時期だと、予約なしでは入店できないことも多いのですが、さすがにまだ人の多くない時期なので、すんなりと入れました。

 

 暖かいラムがしみる。
 身体が温まったところでいただいたギネスとエビのフリッターが、本日のベストチョイスでした。



 ふと気付くと、外では雪が降り始めていました。
 まだまだ4月までは長い冬が続きます。





2024.03.10 SUN 天気:晴れ
5:50
 やることもないので早起きしました。

 

 寒いとはいえ、春は近い。庭に置いてあった巨神兵が雪から顔をのぞかせている。



 寒いので朝ご飯はカレーうどんと宇都宮餃子です。





8:40
 翌日は久しぶりに歴史散歩をしようと、大田原市の黒羽地区を目指します。今でこそ東北自動車道や国道4号線が北に向かう最も主要な道だけど、その昔は今の国道294号線にあたるところが東北と関東を結ぶ
街道で、今も宿場町の面影を残すところがいくつもあります。

 

 こちらは黒羽にある物産センター「くらしの館」です。移築された古民家には人間国宝の竹細工や雛人形が飾られていました。
 物産センターの方も人気があって、新鮮なお野菜が安く手に入る。あとはお蕎麦が美味しい。









 こちらは笠石神社です。江戸時代に大金重貞によって、現在は国宝となっている那須国造碑がこの地で発見された。当時この碑のことを知った徳川光圀はこの碑の調査と保護を命じ1691年に笠石神社が
創建されたという。
 解説には「日本考古学発祥」の地とあります。

 

 こちらは近くにある「大田原市なす風土記の丘湯津上資料館」です。(入館100円) 右側の画像は国宝に指定されている那須国造碑のレプリカです。
 館内にはこの碑の建立をテーマにした展示や、縄文から古墳時代に至るこの地の様々な出土品とその解説があります。

 碑の文面によれば西暦700年、当時の那須国を治めていた那須直韋提(なすのあたいいで)の没後、その子である意斯麻呂(おしまろ)父の偲んで建碑したと記されている。また使われている「永昌」という
元号は、日本でなく当時の中国のもので、下野毛国に帰化した新羅人が碑文に関わった可能性が高いとされています。



 こちらは資料館の前にある上侍塚古墳で西暦400年ごろの築造と推測されています。全長114mの巨大な前方後方墳で、こちらも徳川光圀の命により日本最初の学術発掘調査が行われました。



 周辺は古墳群の宝庫と呼ばれるところで、その数20基、それらはみな田んぼの中にあってちょっとしたハイキングコースになっています。
 古代が最も近い地域、そう言い切れるような場所です。





 

 こういうところだから、お地蔵さまや石仏、そして様々な碑文や道標のようなものがあちこちにある。  この旧東山道をいったいどれだけの人々が往来したのだろう?

 

 小さな農産物直売所があったので入ってみた。なかではおばちゃんたちが5~6人集まって談話中でした。
 こちらもお野菜が安い。あとは卵を買いました。ちなみに500円で20個ほどあったのですが、抜群に美味しかった。



 

9:55
 こちらは光丸山法輪寺というお寺です。但し「光丸山」のほかに「正覚山」の部分があって、異なったお寺が複合されているという。また三つの鳥居があって、11月3日の本祭では寺院としては
珍しい神輿の渡御が行われ、今も神仏習合の形態を色濃く残しているのも特徴です。
 こちらは慈覚大師円仁によって860年に開山されたと伝えられるが、こちらも諸説ある。
 右は大天狗面で高さ2,14m、重さ1トンで木製の天狗面では日本一といわれています。



 こちらは西行桜と呼ばれる巨大な枝垂桜です。
 本当にこちらのお寺には見どころと謎がたくさんあります。



 多少なりとも歴史が好きならば、国道294号線(旧東山道)沿いはとっても良いところです。想像力を働かせると、昔の風景を思い浮かべることもできるかもしれません。
 ちなみに法輪寺の三つの鳥居ですが、三つ目の位置がやっと分かりました。(二つはすぐに見つかる)
 こちらは桜が満開の時に訪れてみようと思います。



2024.04
camera: Panasonic DMC-TZ60 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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