大きなプリントをつくる



 最近になって、少しずつエコタンク搭載のプリンターが増えてきて、比較的リーズナブルにプリントができるようになってきました。自分もこういった
機種を1台持っているので、イベントの時のポストカードづくりや年賀状印刷などのときに活躍しています。但し、そもそもが大量印刷を目的につくら
れた機種なので、若干ではありますが画質が劣るという点はあります。(もっともちゃんと調整してやれば、それほど荒れは目立たない)
 あともう一つ有用なのは、巨大プリントを制作するときです。巨大プリントだと粒子の荒さは全く問題にならないので、安ければ安いほど良いです。
 個展まで1週間を切ったけど、帰省するのはやめにしたので時間的な余裕はあります。ということで今回この巨大プリントをチャレンジすることに
しました。



 実はすでに巨大プリントは何枚かつくっていたのですが、2年のうちにしわが寄ったりしていて、見栄えがあまり良くなくなっていた。(上の画像)
 今回はこの作り直しを含めて10枚ほどつくる予定です。
 巨大プリントはプリンターのプロパティー(ポスター)でも設定が可能で、サイズによってA4を3枚×3枚などに分割し、フチなし印刷の後につなぎ
合わせて1枚の大きなプリントをつくることができます。前回はこれで行ったのですが、プリンターの精度の問題もあってなかなかスムースにつな
がらなかったりする。
 もちろん世の中にはA1サイズの印刷が可能なプリンターもありますが、1台14万円でインク1セットが2万円では手が出ません。




 ということで、今回はズームプリント(市川ソフトラボラトリー DL版¥4054)という専用のソフトを使ってみることにしました。
 ソフトに関して言えば、マニュアルなしでも直感的に理解できて、30分ぐらいもあれば印刷にまでたどりつく。




 まずは入口の看板用の画像として用意したのがこれです。四万十川の土手の風景と人形の画像を合成し、そこにタイトルを入れてみた。
 この一連の作業はGIMPというアプリケーションで仕上げています。

 次に仕上がった画像をズームプリントに取り込んで、9分割してA4用紙にプリントします。この分割プリントには3つのモードがあって、
 1 トンボ印刷(高精度)   のりしろを残して印刷し、貼り合わせる
 2 トンボ印刷         余白部分を自分でカットし、裏側からセロハンテープなどで貼り合わせる
 3 フチなし印刷        フチなし印刷し、裏側からセロハンテープなどで張り合わせる

 上の方が高精度ですが、手間はかかるということです。3はプリンターのプロパティーとあまり変わらなそうなのでパス、メーカーのおすすめは2なので、
今回はこれでゆくことにします。
 また費用のことを考えてフォト用紙でなく、詳細印刷も可能なスーパーファイン紙を使用しています。場所にもよるけどマットな紙の方が反射しない分、
見やすいということもあります。




 最初にプリントアウトしたのがこの画像です・・・・。あ、SCENEの綴りが違う!
 やりなおし。ありがたいのはこの真ん中のコマだけやりなおし印刷ができることです。


 

 余白を切り落とします。実はこれがいちばん大切なところです。ガイドに従って正確に切り離す、これが難しい。
 間違いなく小さめの紙で何回か練習してから本番にチャレンジした方が良いです。1mmの誤差があってもプリントは破綻します。
 カット用の下敷きと金属ガイドのついた物差しは絶対必要です。それから自分の場合には刃先の薄いは30°カッターを使用しました。



 刃は真上から下すのが標準的なのですが、そうすると刃の先端と物差しの間に遊びができてしまうので、少しだけ傾けて刃を下すのがコツみたい。
 また最初にカットするのは、つなげる辺だけにしておいた方があとあとやりやすいです。




 全体のつながりを確認したら、必ず中央のコマを中心に裏側からメンディングテープを貼ってまとめてゆきます。はじっこからやりはじめると、破綻する
可能性は高くなります。




 床の上に2枚の用紙を裏返しておいて、2辺をぴたりと合わせる、そして本を重しにして固定し、受けから静かにテープを下ろして貼り付ける。あとはこの
繰り返しになります。




 そのままだったらポスターでいける。今回はパネルにするので底辺の余白を切り落とし、パネルの底辺と合わせて両面テープで固定します。




 次に両サイドになる部分のパネルに両面テープを貼りつける。そして両面テープの剥離紙を少し剥がしてはプリント用紙を押し広げるように固定してゆきます。
 ここも案外、難易度が高いよ。このやり方がベストだって気づくまで、2,3回ほど貼り直しています。
 両サイドの貼り付けの最後の段階で、上辺にも両面テープを貼って、最後は一気に貼り付ける。

 4辺の貼り付けが終わったら余白を裏側から落とします。もちろんここもちゃんと金属ガイド付きのっ物差しを使う方が良いです。
 話としてはこんなところだけど、結構、器用さと経験値が必要です。




 ということで看板が出来上がりました。つなぎ目もそれほど気にならない。
 けっこう手間がかかるという感想が正直なところです。プリントに40分、パネルに貼り付けるまで30分ぐらい。このあと9作品をつくったけど、全部で1日半かかった。




 でも迫力、存在感はポストカードの比じゃないです。目立ちます。これで費用的には1枚300円ぐらいで済むんだけど、その分、労力は必要だね。(スチレンボード代は別)




 これでまた個展に向けて準備が一歩進んだって感じです。
 あと3日でやれるところまでやります。



2020.08
camera: CASIO EXLIM EX-ZR4100 &Panasonic GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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