eye4工房番外編
第2水源地
<水面に映る桜のジオラマがつくりたい>
前作「雪景色の門出」というジオラマが完成して一段落したので、そろそろ次のテーマに取り組むことにしました。
基本、やっぱり作ってみたいのはお散歩旅で出会った印象深い風景です。
でもあまり有名なところは何故か作る気になれない。
こちらは瀬戸酒造に行ったときに見かけた開成町の第2水源地付近の風景です。水源の管理棟の下にたくさんの馬頭観音、まさにぽかぽか陽気の時にお昼寝したくなるところです。
傍らには桜の古木が3本。
いいね、この桜の咲いた風景はジオラマにぴったりです。
レイアウト上のポイントは、まずは水源の管理棟と馬頭観音、桜の3つをどのように配置するかということになります。このお散歩シリーズは1/72のスケール、基本となる大きさは
25cm×20cmで統一しているので、ある程度空間を凝縮して再現する必要がありそうです。
1 角材とスチレンボードを組み合わせて、まずは
ベース ボードをつくります。
2 PC上の画像を参考にしながら、ボード上にレイアウト
をしてゆきます。
ベースボードは5mm厚のスチレンボードと角材からつくる。以前はホームセンターで断面が6mm×18mmのものを買って使っていたのですが、今は
1cm角の棒材を買ってきて、その角が交互に組み合わさるようにして作っている。(赤い印)
この方が丈夫に仕上がるし、なんたって110円で手に入るので格段に安い。
季節ですが、これについては迷いがない。桜の時期、正面の田んぼには水が入り始めたとき。あとは演出、やっぱり家族連れでハイキングという明るい
感じが良いと思う。
こうやっていろいろなイメージを膨らませてゆくのが大切です。ジオラマって手先の器用さってポイントもあるけど、それ以前に想像力が試される。そして
その想像する力っていうのは、普段どれだけの景色を見てきたかに関係するんじゃないかと最近思い始めた。
ようするにいろいろなものを見ることによって、頭の中に想像したものを構築する空間がつくられてゆくのではないかと。
言い方は難しいですが。
<ベースボードをつくる>
実在する風景がテーマになるので、撮影画像をもとにしてベースボードにきちんと構造物の配置を描く必要があります。
往々にしてあることなのですが、この景色をそのままジオラマにしてしまうと間延びした感じになってしまいます。スケールが小さければ小さいほど、ポイントになる
ところを強調し、全体の密度を上げてゆく調整をした方が良いです。
今回は上の画像をもとにして、おおむね左右に20%程度縮小して再現することにしました。
3 まずは5mm厚のスチレンボードで土手の高さを
出します。
4 あとはこれを骨格として1mm厚のスチレンボードで
斜面の形を整えてゆきます。
5 石垣部分は2mm厚のスチレンボードをけ゚がいて、
それらしく表現します。
地形的に言えば、ここは酒匂川によってつくられた自然堤防と後背湿地の水田ということなのでしょうが、この起伏は人間の手が加わっていて、それほど単純な
ものではないです。
そこでまずは自然堤防の部分を5cmほどかさ上げしてから作業を開始します。
スロープ部分は1mm厚のスチレンペーパーを三角形に切り取って1枚ずつ張り付けてゆく。1時間待って糊が乾いたら更にまた1枚という感じで作業をすすめます。
もちろん時間はかかりますが、これだと資源は無駄にならないし軽量に仕上げることもできる。多面体として組みあがってしまえばそれなりの強度も出ます。
もちろん過去には積層した発泡スチロールをカットするとか、粘土を盛るといった一般的な方法も経験済みですが、結果としてこちらの多面体工法の方が正確に
仕上がります。
おおむねここまで仕上がるのに1週間ほどかかりました。
6 形が整ったら、隙間埋めをして全体をなめらかに
仕上げます。
スチレンペーパーを組み立て終えた段階では、まだ単なる多面体なので、ここから手を加えなくてはいけない。
A まずはスチレンペーパーの隙間やつなぎ目をモデリングペーストでうめます。これだけでかなり強度が出てくる。
B 全体にジェッソを塗ります。これで粘土や水性アクリルがスチレンペーパーにのるようになる。
C 起伏が不自然なところに粘土を盛って形状を補います。(上の画像)
<水面をつくる>
このあとベースボードを着色してゆくのですが、今回はまず水の表現を完成させてしまいたいと思います。
今回目指したいのは、こういう水田の静かな水面にくっきりと風景が映るような感じです。
水を再現するには各社から様々な素材が発売されているのですが、まっ平らにするというのはけっこう難しい。固まるにつれて湾曲したり、表面張力で縁の
部分が湾曲したりする。そこで今回一工夫してみました。
7 説明書どおりにクリアーエポキシのA,B液を混合し、
よくかくはんします。
8 少量のクリアーエポキシ混合液を流し込む。すると
例によって縁が湾曲します。
9 混合液が固まる前に、形を合わせたアクリル板を
落とし込みます。
着色した地面にクリアーレジンを流し込んだ後、水田の大きさに合わせてカットした薄いアクリル板を表面にのせると、縁の部分から余ったクリアーレジンが染み
出してきてしまうのですが、完全に固まってしまう少し前にこれをヘラで取り除き、Mr.カラーの溶剤で拭き取ってみたら、結構きれいに仕上がった。
10 川の部分は、着色後にKATOの「さざ波」を少量
塗って、筆で流れを表現します。
あとは2~3日かけて乾燥させればOKです。
歪みない水面に景色が映っています。これで第一関門はクリアーです。
田んぼって一面に稲が育ってゆく風景も良いけど、田植え前に遠くの山々が水面に映っている景色も美しい。
<地面を作る>
次はリアルな感じの地面を作りましょう。けっこうここは簡単です。
11 石垣はグレーで着色、そして多めに艶消し材を
混ぜた明るめのグレーでドライブラシします。
12 地面部分は砂を含んだ下地塗料で仕上げてゆ
きます。
石垣はグレーで着色したのちに、多めに艶消し材を混ぜた明るめのグレーでドライブラシします。これでモールドが浮き上がる。
こういう人工物をつくるときのポイントはずばり明度の調整と艶消し材の添加量の調整です。
基本コンクリートは明るめ、アスファルトは暗め。そのうえで乾燥して風化が進んでいそうなところはやや明るくつや消し多め、湿っているところは暗くつや消し
少なめ。そのうえで土汚れがついているような場所にはつや消しのタンを最後に吹き付けてあげると、表現の説得力が増します。
次は土の表現です。これは砂を使って再現します。
まずはモデリングペーストをリキテックスで土色に着したものを用意し、ここに10%ほどの木工ボンドを加える。これを筆で塗ることができるほどに水を加えて
下地塗料をつくります。
これをベースボードに塗って、すぐさまペット用の細かな砂を上から撒いてゆきます。
今回は土の地面のつもりですが、もちろん色合いや、砂を別なものに変えたり混ぜたりすれば、様々な種類の地面をつくることができるはずです。
13 塗料が乾く前に適宜砂を撒き直します。
砂のまき方を場所場所によって変えてゆくと、こんな感じでリアルな地面が出来上がります。
このあと必要に応じて、たとえば湿っているところがあれば、暗めの塗料を吹き付けてあげると変化が出ると思います。
14 この地面に草の表現を加えます。鉄道模型のパウダー類を3種類ほど混合した
ものを、水で溶いた木工ボンドを塗った上に撒きます。
月面が地球上に変わったみたいだね。
1/72スケールだと背の低い草は鉄道模型のパウダー類が入手できるものの中では最適だと思います。単色だと変化に乏しいので、最低2種類はブレンドするのが
コツです。
今回は2種類をブレンドした黄色いパウダー(枯草)、3種類をブレンドした若草色のパウダーを用意しました。
まずは乾燥して植物の育ちにくそうなところや人通りのあるところに、黄色のパウダーをメインにして撒いてゆきます。接着には水で薄めた木工ボンドを使います。
そして育ちの良さそうなところには若草色という感じで変化をつけてゆく。このあたりは水彩画を描いているようなつもりで、薄く少しずつ作業をすすめてゆくと良いと思う
春、水田に水が入ったばかりの景色がとりあえずできました。
<管理棟と馬頭観音>
次はここに水源地の管理棟や馬頭観音など、人の手によってつくられたものを配置してゆきたいと思います。
こちらがその管理棟です。この管理棟をつくろうとして、ミスをしていることに気付いた。 ジオラマというのは基本的には実物を正確に縮小するというのが基本では
ありますが、そのままだと間延びした感じになるので、イメージを損なわない程度に空間を圧縮して密度を高めることはよくある。
今回も全体的を2/3ぐらいに圧縮させたのですが、いざ管理棟を作り始めると敷地内にこの管理棟が入らない。もしも管理棟自体を縮小すると、今度はドアの高さが
1.5cmぐらいになって、1/72のフィギュア(身長2cm)と釣り合わない。ということで、ここは管理棟の設計を変更して完成させることにしました。
今つくっている「ご近所シリーズ」は、ぜひ統一したスケールで完成させたかったので、これは仕方ないことだと思う。
ちなみにこのスケールで使っているプライザーのフィギュアは、そもそもが1/87スケールで身長が大人で2~2.2cmといったところなのですが、これは日本人に当て
はめるとややサイズオーバーになる。そこで自分はこれを1/72スケールのジオラマのなかで使っています。
(本当は1/72だと小さすぎなのですが、乗り物に乗せられるメリットもある)
1/72のスケールだと、多くのプラモやミニカーなどを流用できるという点は見逃せません。
15 設計変更した管理棟を1mm厚のスチレンペーパーからつくります。
窓は0.2mm厚の透明プラ板にevergreenのプラ材を接着してつくります。
16 プラ棒とエポキシパテで電柱をつくります。
細かなところはプラペーパーを活用します。
2mm径のプラ棒にエポキシパテを巻いてコロコロすると、根元と先端で微妙に太さの変化する電柱を簡単につくることができる。あとはプラ材を巻いたり貼ったりして
全体の形を整えます。
17 柵や手すりといったところは写真を参考に、金網や
プラ材からつくります。
柵は金網を切って、エポキシ接着剤でプラ材を張り付け、枠に見立てた。 この出来が良くない・・・、もろくなるけど瞬間接着剤の方がきれいに仕上がったと思う。
とりあえずなんとか仕上がったので、まくゆかなかったところは、あとで雑草などで隠してしまおう・・・。(よい子はこういうことしないでね)
設計変更はしたけど、実物のイメージはちゃんと残っていると思う。管理棟の大きさはこれで2cm×2cm×3cmといったところです。
18 次は20体の馬頭観音をつくります。基本はエポキシパテで、像のあるものは
フィギュアを切断して張り付けてつくります。
なぜここにこれだけの馬頭観音が集められているのかは知りませんが、日本人にとって馬は家族のようなものだったということなんだろうね。ご覧の通り丸いもの
四角いもの、像の彫られているもの、文字だけのもの、いろんな種類があります。
ベースになるのはエポキシパテ。像の彫られているものは、これにamazonあたりで買った300体1000円とか、そういう得体のしれない1/150のフィギュアを組み合わせ
てつくります。 着色はダークグレーから始まって、少しずつ明るい色を塗り重ね、最後に艶消し剤を多めに入れたライトグレーでドライブラシして仕上げました。
頭観音の大きさは5mmから1cmぐらいです。
<春の草原>
現状では、地面はただ茶系の塗装の上に、鉄道模型用の細かなパウダーをまいただけなので、ちょっと変化がなさすぎる。そこで手持ちのジオラマ用の植物でアクセント
を加えることにします。
19 手持ちのものの中から、情景用の植物をアクセントとして追加します。
自然のものを使う時には必ずクリアーラッカーを吹き付けておく、さもないと経年変化でボロボロになります。
管理棟の横に背の低い樹木、手前に少し大きくなった草、似たようなものをストックのなかから選んで取り付けてゆきます。
次に細かなパウダーやファイバーで更に変化を持たせることにします。
追加するポイントを整理しました。
A 管理棟の周辺などは過去に草刈りが行われたものの、背の低い草が生え始めているのでこれを表現する。
B 道は草の成長がないので、そのまま何もしない。
C 斜面の一部は草刈りがすすんでいないので、ここは伸びてしまった草を再現する。
20 緑と黄緑のターフ、それからNOCHの短いファイバーを混ぜ合わせ、これを水で薄めた
木工ボンドを塗ったところに上からぱらぱらと撒いてゆく(Aの部分)
21 スタティックアプリケーターを使って草むらをつくります。(Cの部分)
使用するスタティックアプリケーターは静電気を発生させてファイバーを立たせる装置です。
まずは草を立たせたいところに「草はら糊」を塗り、上から3色のファイバー(5mm長)を混合したものをスタティックアプリケーターから振り下ろすだけです。
ということで、かなり実際の風景に近い感じになってきました。
ジオラマというと、1/35あたりの戦争ものや1/150の鉄道関係が主流なんだけど、やはりそこにはメーカーがその分野に力を注いだという事実を抜きには語れない
ものがあると思う。
多分タミヤがなければ「情景」という言葉がひろまることはなかっただろうし、多くのメーカーによって様々な便利アイテムが発売されなかったら、ミニチュアを楽しむ
ということ自体、もっとハードルが高かったはずです。このスタティックアプリケーターという装置もその一つです。
<修正>
いろいろあって、制作が遅れに遅れ、ついに桜のシーズンになってしまった。「第2水源地」もすでに満開を迎えている。
ということで何か参考になるだろうと、ジオラマに桜の木を植えこむ前に実際の風景を眺めに行ってみた。ソメイヨシノの古木が3本並んでいたのですが、
すでに散り始めで何とかお花見ができる程度でした。
桜の咲く風景はそれなりに参考にはなったのですが、一方でジオラマの間違いにここにきて気づいてしまった。水路のいちばん上流側にあるこの桝を自分は
作っていなかったのです。
22 水路の桝を追加します。
最初が左側で一本の水路が折れ曲がっているだけ。右が修正後です。
誰も知らないようなところなので、そのまま作業を継続するという選択肢もあったのですが、ここは作り直しました。そしてさらに水路があることを警告するための反射板も
あわせて追加しました。
23 桜を植えます。
このジオラマは敷地全体を2/3ぐらいに縮小しているので、植える桜の木は実際より1本少ない2本ということでバランスをとります。
このKATOの桜は既製品の中では最もその雰囲気が良いのですが、少しでも増えれると花びらがポロポロと落ちてきてしまうのが難点です。
今回は落ちてしまった花びらを集め、まばらに撒いて地面を賑わしてみることにしました。(固定は木工ボンドを水で薄めたもの)
ちょっとだけ桜吹雪の舞う感じが出たかな?
話は少し変わります。
5年前、自分が最初に個展を開催したとき、「これあなたが作ったんですか!?」と一つのジオラマを指さして大声を出した人がいました。「何でこんなものつくったんですか!?」
この人は何か喧嘩でも売っているのかなと最初は警戒したのですが、話を聞けばそうではなかった。
その作品は由利高原鉄道「曲沢駅」です。(スケールは1/150、20cm×50cm)
由利高原鉄道は秋田県の第三セクターが運営する路線で、羽後本荘と矢島を結ぶ23kmの区間に10の途中駅が設置されています。その一つが「曲沢駅」で、ここは周囲1km以内
には民家などなく、ただただ360°、どちらを向いても田んぼが広がるというところです。そしてその向こうに鳥海山が見えるという何とも清々しい景色。
その方はもともと秋田県出身の方で、何と1km以上離れた自宅から毎朝自転車でこの駅にやってきて、ここから由利本荘市の高校に通っていたそうなんです。
この方からすれば、こんな田舎の駅を目にとめて、ましてや神奈川県に住んでいる人間がジオラマにするなんてことは、思いもよらなかったのでしょう。
「すごいです。本当にこんな感じです。」
この方はそう言っておられました。
もちろんこちらもものすごくうれしい。
実のところこのジオラマは実物をそのまま正確に縮小したものではありません。そのままジオラマにすると閑散とした風景になってしまうので、今回と同じように全体を縮小してやや
密度を高めています。
また作り込めないところや、微細な省略などもあります。それでも「こんな感じ」と言っていただけるのは、全体の雰囲気を損なわないよう、ポイントとなる部分だけはきちんと作り込んだ
からだと思う。
話は桝のことに戻りますが、「どうせ誰も知らないようなところなので、そのまま作業を継続する」という選択は確かにある。でもね、反射板を含めてここは省略できない部分なんじゃない
かって感じがした。
桝も反射板もつまらないアイテムですが、土手に駆け上がる小道の下、30体の馬頭観音の脇という場所を考えると、ここを知る人は必ずその存在に気付いているはずです。だからもし
これを省略しちゃうと「うん、こんな感じです」とは言ってもらえないような気がした。
ジオラマづくりで何を省略し、何を残すのかっていう判断はものすごく大事なことだと思います。
<フィギュアの追加>
さあ、あとはフィギュアを選んで配置すれば完成なんだけど、残念ながらこの作品の制作はここでいったんストップです。骨折して右肘が曲がらないので、身長2cmに満たないフィギュアの
加工や塗り分けは困難です。
再開したのは1月後のことです。
手持ちのフィギュアのなかから使うものを選びます。自分がよく使用するものはプラーザ―のHO用です。
選んだのは3体で、バイクの方は塗装済み。とは言っても、いかにもプラスチックという感じなので塗り直します。あと2体はホワイトフギュア。なぜ水着なのかというと、この方がが改造を
加えやすいからです。削りを入れて裸にするより、パテ盛りして服を着せる方が簡単。
24 まずはバイクの方からです。金型の合わせ目が残っているのでまずはやすりがけします。
その後ペイントをし直す。
自分もそうだけど、バイクに乗るときって荷物は背負うのが普通です。あとはプリンターを使ってナンバープレートをつけたりする。こういうひと手間が目を引くきっかけになると思う。
25 ホワイトフギュアの方はパテ盛りして服を着せ、同じくパテでバッグなどをつくってみた。
あとはデザインナイフで細かなところに手を加え、塗装を行います。
ペイントしたあとは、肩ひも(糸)や、女の子のシャツプリント(模型用転写シール)など細かな追加もしています。
登場人物3人が出来上がりました。
ただ完成度としてはまだまだ低いので、もう少し手を加えるかも。
さああとちょっとでジオラマは完成です。
<完成画像>
神奈川県の開成町にある「第2水源地」というところの風景を1/72スケールのジオラマにしてみました。
骨折やらいろいろあって、完成までに5ヶ月もかかってしまった。作り始めたのが1月の半ばだったので、桜の咲くころまでに完成させられると思っていたのですが、桜どころか
アジサイの季節になってしまった。
桜咲く土手に親子二人でやってきた。
こちらは実際の風景です。
土手の反対側にはもっとたくさんの桜があって、ちょっとした桜の名所として地元では知られる場所です。
使用しているフィギュアはプライザーのホワイトモデル(1/87スケール)で、身長は2cmぐらいです。
もともとは水着姿なのですが、これにパテ盛り加工と着色をして仕上げています。
馬頭観音は基本的にエポキシパテから作りあげています。
傍らには20体もの馬頭観音が並んでいます。
明治のころまでは馬は農耕のためのパートナーとして大切に扱われ、死ぬとこのような観音様を立てて供養したそうです。ただ昭和の時代になると馬は農業機械に置き換わり、
それとともに馬頭観音も邪魔者として扱われて捨てられるようになったといいます。
いつの頃かは分かりませんが、周囲の水田を見下ろすこの土手に馬頭観音が一つ二つと放置され、今ではこのような状況になっていると、立て札には書いてありました。
「お母さん早く!」
こどもが駆けあがってゆく先には満開の桜
この作品で、まずやりたかったのはますは水面に登場人物や景色が映っている風景です。通常はクリアーレジンなどで仕上げるところを、波打たないよう透明なアクリル板で仕上げました。
土手や道は鉄道模型用のパウダー類で下地をつくり、ミニネイチャーシリーズの草花、KATOの桜の樹などを適宜配置しています。
一台のバイクが通り過ぎ、それがきっかけで桜吹雪が舞う
来年こそは、もっとのんびりとお花見をしたいな。
遅くはなりましたが、やっと「第2水源地」というジオラマが完成しました。
2022.06
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