eye4工房番外編

8月10日



<少し前の水車小屋のある風景>

 少し前の時代の水車小屋のある風景を1/72スケールのジオラマでつくりました。
 夏休みの風景をつくろうと8月末からつくっていましたが、完成までに5ヶ月近くかかって、すでに季節は真冬です・・・。
 ジオラマサイズは25cm×20cm、フィギュアの大きさは1.5cmから2.2cmぐらい。南足柄に実在する風景の、その昔を想像してつくってみました。

  時は昭和30年(1955年)8月10日、母と二人で清流の流れる集落を歩いていました。



  夏休みも半ば、お盆の時期が近づいて、始めて母の実家に帰省することになりました。
 今住んでいる街から電車とバスで2時間半のところに母の実家はあります。



  重い荷物を抱えながら、ゴトンゴトンと大きな音を立てている小屋の前を歩きます。
 その日はとても暑い日で、ハンカチはすぐに汗で濡れ、その役割を果たさなくなっていました。

  しばし大きな樹の下で休憩します。






  その小屋は水車小屋で、米をついたりするときに近所の人がやってくるそうです。
 こちらもこの日初めて見ました。



  このあたりはあちこちから湧水の溢れるようなところだそうで、川の水もとてもきれいです。



 その川では男の子たちが水遊びしていました。
 せき止められた水路にはスイカが冷やされている。
 「きっと遊んだ後に食べるんだろうな・・・。」 少しうらやましく思いました。



  そのとき傍らを鐘を鳴らしながら、1台の自転車が通り過ぎてゆきました。



  すると農家の軒先から一人の少年が飛び出して、その自転車を追いかけてゆく。
 その自転車に乗っていたのはアイスキャンディーを売りに来たおじさんでした。

  「私たちもアイス食べよっか。」 おかあさんがそう言いました。
 これが母の実家を初めて訪れたときの最初の出来事です。





<竹松農民組合精米所のその昔>
 8月も後半、個展も終了したところで次のジオラマ製作に入りました。
 ここから先はこのジオラマの製作の記録です。



 こちらは個展で展示した「竹松農民組合精米所」というジオラマで、スケールは1/72、ベースのサイズは25cm×20cmです。



 こちらは実際の風景で、精米所の脇には水路があり、精米所は本当にぎりぎりのところに立っている。
 見た瞬間に、ここには昔水車小屋があったに違いないと思いました。水車が干渉しないように川底に窪みまでつくられている。
 いったいどんな景色だったのだろう? これはきっと楽しい作品になるに違いない・・・。

 

 一から作り始めるととても手間がかかるので、何か利用できないか探してみました。
 そして見つけたのはマイクロエースの「水車小屋」、1/60という何か中途半端なスケールなのですが、いくらかは役に立ちそうな気がしました。
 ところが蓋を開けてみたら、水車小屋自体が大きいし、その表現も今ひとつでした。使えそうなのは水車と荷車などの小物だけ・・・。それでもまあ、水車だけでも
使えそうなのでよしとしましょう。


   1 配置図をつくります。
   

 この日のために前作「竹松農民組合精米所」の配置図はとっておきました。
 頭の中に昭和の初め頃の状況を思い浮かべて、その配置図にいろいろと書き込みを加えてゆきます。もちろん地形的には同じなんだけど配置されるものは時代を
反映したものです。



 こちらも「竹松農民組合精米所」を別の角度から見たところです。これはこれで良いと思うのですが、その昔はもっと違う景色であったに違いないです。そしてそれは
今とは違った懐かしさを感じさせる原風景だったような気がします。
 コンクリートやアスファルトも使われていなかったとすれば、水路や道の雰囲気も全く違うはず。


   2 ベースの地形をつくります。
     

A 100均で買った角材を組み合わせてフレームをつくり、その上に厚紙をまずは貼って、1cm厚の発泡スチロールと5mm厚のスチレンボードで地形をつくりました。
B スチレンボードや発泡スチロールなどの間にできた隙間をモデリングペーストで埋めます。
C 全体にジェッソを塗ります。これで水性塗料や塗れるようになるし、粘土が安定して張り付きます。
D 表面に粘土(人形制作用)を使って起伏をつけます。
E エポキシパテを丸めて石垣の石をつくりました。
F これを川の側面に貼り付けます、接着剤として用いたのは土の色に着色した粘土です。
G 更にこの粘土に砂を加えてざらざらとした質感を持たせたものを、川底になる部分に塗ってゆきます。これだけであっという間にリアルな地面が出来上がります。



 この精米所は3本の川と水路が合流・分岐するところにあります。コンクリートやアスファルトがなければ、石や木材で地形を整え、流れを制御していたと考えられます



   3 イメージをスケッチとして表現します。
   

   自分のイメージした「その昔」はこんなもの。  川辺であったから、農具や作物をここで洗い、きっと洗濯なども行われていたに違いない。そしてそれをやりやすくする
ために堰などもつくられていた。
 もしかしたらこれは「本当の昔」とは違うかもしれません。
 でも話としてはこの25cm×20cmの空間の中に矛盾のない空間が出来上がっていれば良いのではないかと思います。


   4 地面の質感を出しながら着色してゆきます。
   

 最も簡単に仕上げるのなら、タミヤのテクスチャーペイントが良い。いろいろな種類があるけれど、ダークアースを2回ほど塗ってあげるだけで、ざらっとした質感の
地面が出来上がります。
 ただそれだけだと変化がなさすぎるので、たとえば湿っていそうなところにはダークグレーを薄めて染み込ませるように塗る。また道などの家宅乾いたところには、
水で薄めた木工ボンドをさっと塗り、その上からペット用の細かな砂を撒いてあげると、それらしく仕上がります。
 あとは橋や堰などの人工物を着色する。石垣や石でできた橋は、艶消し剤を多めに混ぜたタイとグレーでドライブラシすれば、よりリアルに仕上がります。

 普通ならこのあと草木の再現をして、その後に建造物や大きな樹などをバランスを見ながら配置してゆくのだけど、今回は水車があるために、先に建造物を配置した
方が作業はやりやすい。


   5 水車小屋の内部をつくります。
    

  水車小屋は中まで見ることができるようにするつもりなので、プラ材を加工して臼をつく杵やそれを支えるフレームなどをつくります。・・・・なんか面倒なことをやり
始めてしまったかもしれない、ちょっとだけそう思った。
 アリイのプラモデルから拝借した水車と合体させて、水車の開店とともに杵が上下する仕組みを再現しました。
 実物の仕組みもこんな感じだと思います。


   6 小屋本体をつくります。
    

 杵やうすを取り囲むように水車小屋本体をつくります。
 畳一枚の長辺の長さである180cmは1/72スケールに換算すると2.5cmということになります。日本は古来より尺貫法を使ってきたわけで、これを無視せずにこの半分の
1.25cmや、1/3である0.83cmなどを単位として意識しながら設計をすすめてゆくのが良いと思う。
 今回は完成したときの質感のことを考えて、基本的に厚紙を組み合わせて組み立ててゆくことにします。
 そのうえで縦に細く切ったケント紙を張り付けて側面の板張りを再現し、屋根は薄い杉板を張り付けて杉皮葺きの質感を出します。
 そして試しにジオラマに配置したのですが、何か全体に比べて大きすぎる感じがしました。そこでこの後、いったん分解して全体を2割ほど縮小しました。


   7 本体の着色をします。
   

 全体を着色し、そのあとで屋根の杉皮を抑える竹材を表現してみました。(こういう屋根は実際によくみられる)



   8 背の低い草と小石の表現を加えます。
    

 地面の方は、まだ全体が「一様な土」のままです。
 ここでまず変化をつけるために少し粗目の砂粒を置いてゆきます。人が通らないような道の脇とか、人の手の手の加わっていないようなところに多めに撒くと
自然な感じになります。
 次に背の低い草や苔などを表現します。



 ここは鉄道模型用のパウダーを使うのですが、ここは単色でなく、若草色のものを中心に緑やカーキのものを少量混ぜてやるとリアルな感じに仕上がります。
固定には水で薄めた木工ボンドを使います。


   9 少し背の高い草の表現をします。
   

 人が歩かないような場所は草丈が大きいので、ここは先ほどのパウダーにNOCHなどから発売されている長さ3mmぐらいのファイバーを混ぜ、これをスタティックアプリケーター
から振り下ろします。
 拡大するとこんな感じでファイバーが立ち、草原の表現が簡単にできます。
 このスタティックアプリケーターのおかげで、草原の表現はずいぶんと簡単になった。自分にとってはもはや必需品です。


   10 川や水路の底に植物の表現をします。
     

 水車の横に石ころをいくつか置いてみた。実際にこういう方法で水位の調整をしていたはずです。
 水草の方ですが、地面に比べるとやや濃いめの色のパウダーをベースにして苔の表現を行います。その後、手持ちの天然素材の中から、マツモのように長く伸びる植物に
似たものを探し出し水底に貼り付ける。
 ここまでやるとジオラマが一気に本物っぽく見えてきます。
 ここまでの作業はそれほど難しいものではないです。実際の風景をよく観察し、似たような素材を選ぶこと。そして一気に景色を完成させようとは思わず、水彩画を描くように
少しずつ塗り重ねてゆくように作業をすすめるだけ、ただそれだけです。


  11 更に植物表現を追加します。
   

 使うのはNOCHの「草むら」、Green Lineの黄色い花、それから鉄道模型用のパウダーを3色混合したもの、これにターフを加えたもの、更に3mmほどの長さのファイバーを
加えたものの3種類です。
 いろいろな表現方法はあるとは思いますが、1/72から1/150ぐらいのスケールだとこれ以上の微細な表現は難しいです。
 「草むら」や黄色い花を接着した後、3種類のパウダーで空間を埋めてゆきます。




   12 樹をつくります。
     

 市販品は多数ありますが、そのまま使うといかにもおもちゃなので、少しでもリアルに仕上げたいところです。
 今回は市販の樹の心材(ウッドランド?)にフォーリッジクラスターをちぎって貼り付け、大まかな形をつくります。(左の画像)
 次に同じ色のフォーリッジをちぎって絡め、隙間を補ってふわっとさせます。
 糊スプレーを吹き付け(中央)、その上から2種類ぐらいの色を混ぜたパウダーをまけば葉っぱらしい感じが出てきます。(右の画像)。
 この作業はものすごく部屋が汚れるので、広い面積を新聞紙などで覆って作業します。完全に無風なら外でやった方が良いと思います。

 

 仕上がりはこんな感じです。
 パウダー類は基本長さ1mmほどのおがくずなので、1/72だと大きさ7cmぐらいの葉っぱの表現にぴったりという訳です。
 あともう一つノーブランドの樹もこの方法で仕上げてみました。
 垣根は green stuff world から発売されているものをそのまま使っています。



     13 フィギュアを追加します。
    

 今回のジオラマは夏の季節感が溢れるものにしたい、そこで思い浮かんだのは子供たちが水遊びしているシーンです。
 本当は背景の完成した後にフィギュアは配置したいところなのですが、(破損の恐れがあるため) 今回は順番として水の表現を先にしなくてはならないので、フィギュアの配置も
同時に行わなくてはいけないです。
 素材として選んだのはプラーザ―の1/87スケールのホワイトフィギュアです。(身長1.5cmぐらい) あとはエポキシパテでつくった球を3つ。(直径5mmぐらい)
 プライザーのフィギュアは衣類を削りポーズなどを少し加工してから着色します。柔らかい素材でできているので、手足の角度変更などは指先だけでできてしまいます。
 エポキシパテの球はスイカの模様を描きます。


   14 水の表現を行います
     

 水の表現はUVレジンで行います。少量ならばこの方法が最も簡単です。
 ポイントとしては、UVレジンは硬化の際に熱を発生させるので、作業は何度かに分けて行うこと。水深のあるところは僅かに青や緑で着色して深みのある色合いにすること
などです。
 またUVレジンは硬化後でも少しべたつき感が残るので、事後にクリアーなどを吹き付けるなどしてべたつきを止めるのが良いと思います。
 このままだと水面に変化がないので、KATOの「さざ波」を筆にとってところどころに水流のようなものを表現するとリアルな感じになります。(画像中央)
 水車のあるところや落差のある場所にはモデリングペーストを筆にとり、水が泡立っているかのように、点々と塗り重ねてゆきます。(画像右)
 水遊びする子供たち、そして手前には水流で冷やされたスイカが3つ。これだけで一気に季節感のようなものが生まれる。


   15 雑多な小物類をつくります。
    

 ただこれだけだと生活感のようなものとかは感じられないので、いくらかのアイテムは追加します。
 一週間ほどかけて、農村地区の営みを感じさせるようなものをいくつか作ったり、集めてみたりしました。そしてさりげなくこれらをあちこちに配置する。

 

 これがなければジオラマは成立しないということでもないのですが、あればそこに説得力のようなものが出てくると自分は思っています。
 これを見て、「あ、誰かがお米をつきにやって来たんだな。」そう理解してくれたら良いわけです。
 そういうものがいくつかあって、だんだんとその時代とか状況が定まって、頷けるような情景になると思います。



 作業の途中で忘れ物があることに気付いた。子供たちの脱いだ衣服や履物がない!
 さっそくそれらをつくって追加しました。たとえばサンダルの大きさは 3mm×1.5mm、1/72スケールだとこういう大きさになっちゃう。
 ジオラマではやはり整合性というか、つじつま合わせは必要で、匂い以外はできるだけ再現したいところです。それが「なるほど」という説得力みたいなものになると思う。


   16 ホロー看板やポスターをつくります。
    

 次に思ったのは、共同で管理している水車小屋なら当然、そこには多くの人々が訪れるはずで、そういったところには昔ならホーロー看板などがたくさん掲げられていた。
 ということでネット上から昭和の代表的なホーロー看板の画像を集め、それを縮小してプリントアウトします。
 もちろんそのままでも使えないこともないけれど、ホーロー看板には独特の丸みがある。そこでUVレジンをその上に薄く塗り、LEDで硬化させます。ただそのままだと光沢が
ありすぎるし、硬化直後はUVレジン独特のべたつきもあるので、半つや消しのクリアーをさっと塗って光沢を整えます。



  懐かしいね、蚊取り線香と言ったら由美かおる。ボンカレー、カルピス、オロナミンC・・・、もうすでにこの世には居られない方もいる。そう昔はPanasonicじゃなくてナショナルだった。
 それらの左にあるのは映画のポスター、夏休みになると怪獣ものや妖怪もの、SFやアニメなどの子供向け映画がたくさん上映されていた。

 

 さっそくこれらを取り付けてみました。合わせて水車小屋にもエージング処理を加え、杉皮葺きの屋根には石ころなども乗せてみました。
 すごいな、看板とポスターだけで雰囲気が変わった。


   17 再びフィギュアをつくります。
     

 更に時代と季節を演出するフィギュアを追加したいと思います。例によってプライザーのフィギュアから使えそうなものを探します。選んだのは左の画像の2組4体、
身長は1.3cmから2.2cmといったところ、1円玉に乗るようなサイズです。
  真ん中の画像は自転車に乗った男性に組み合わせる小道具です。スチレンボードや紙、エポキシパテでつくりました。



 その昔、夏になるとアイスキャンディーなどを自転車の荷台に乗せて売りに来る、いわゆる訪問販売というのがあった。右手前はハンドベル、「からんからん」というこの音を
聞いて、子供たちが駆け寄ってくるというのが、夏の風景の一つだった。
 男性フィギュアはリューターやデザインナイフで削りを入れて、白い法被と短パン姿に、それを追いかける子供も少し加工してTシャツと短パン姿にした。



 洋装のご婦人はポーズを修正します。手を振るポーズだったのですが腕の角度を変えます。少し乱暴な感じですが、まずは細いペンチで無理やり曲げる。プライザーの
フィギュアは柔らかめの素材でできているので、こういうことが可能です。関節等に多少不自然な湾曲ができるときには、足りない部分に瞬間接着パテを盛り、反対側をデザイン
ナイフとやすりで削ってゆく。
 ただこの方法では45°を越えるような角度の変更はできないので、その場合には切断して切断面を成型、瞬間接着剤で接着ということになります。(強度は落ちる)
 ご婦人の左手にはハンカチーフを持たせて額の汗をぬぐうポーズとしました。あとは全体的に夏らしい色合いに変更します。





<昭和はもはやレトロな世界>
 これでめでたく「水車小屋の風景」のジオラマが完成しました。スケールは1/72、大きさ25cm×20cmです。
 この風景は神奈川県の南足柄市に実在する場所で、その昔の景色をイメージして製作しています。



 100均で手に入れた角材とスチレンボードでベースを組み、水車小屋や納屋などを自作して取り付けています。
 水車小屋は内部まで作り込んでいるのですが、完成後はほとんど見えなくなっちゃった。(よくあること) こちらは一から作り始めるととても手間がかかるので、マイクロエースの
「水車小屋」(1/60スケール)というプラモの使用できるパーツを流用しています。






 そのほかの小物類はほぼ手作りで仕上げています。
 材料は雑多なジャンクパーツやエポキシパテ、プラ板やプラ棒などです。



 フィギュアは基本的にプライザーのものを利用しています。(1/87スケール)
 但しそのまま使えるようなものではないので、削りやパテ盛りなどしてから彩色し直しています。

 田舎では昔は(といってもどの時期からどの時期までと、明確には断言できませんが)、様々な物売りが集落を巡回していました。夏になると鐘を鳴らしながら
アイスキャンディーを売りにくるというのもその一つ。(箱は大きなドライアイスで冷やされていた)
 もちろん金魚や駄菓子というのもあったし、冬になると焼き芋売りもやってきた。
 「物売り」「行商」は日本の伝統的な文化で、それが最近まで生き残っていたわけです。そして移動方法も徒歩から自転車(+リヤカー)、バイク、軽トラへと進歩
していった。考えたらスーパーの移動販売なんてのも、その延長線上にあるのかもしれません。
 ただね、「アイス売り」もバイクになってスピードが上がったら子供の足では追いつけなくなった。そういう経験をお持ちの方もいるかもしれない。

 

 今回水の表現にはUVレジンを使っています。少量の使用なら、これが一番簡単です。コツは少しだけ青緑色に着色して少しずつ固めてゆくことです。


 高度成長の過程ではまだまだプールのない小学校もあって、川は夏の遊び場として最も人気のある場所だった。
 そして傍らにはスイカや野菜、飲み物などを冷やしておくというのはよくある風景でした。ちなみに浮き輪は贅沢品で、かわりに古タイヤのチューブなどが使われていました。



 リアルな地面づくりは最近やっと、自分でも板についてきたように思います。
 基本は着色した粘土にペット用の砂を混ぜて塗る。変化をつけるために小石を撒く。植物はパウダー類を撒いてから、スタティックアプリケーターでファイバーを立たせる。
その後に背の高い草を取り付ける。こんな流れです。(詳細は以前の記事を参照して下さい)
 フィギュアはあえて垢ぬけた(浮いているともいえる)服装のものを選びました。久しぶりに帰省したシーンを演出するには良いと思ったので。
 ちなみに今回のこの作品のタイトルは「8月10日」としたいと思います。


 自分自身も田舎育ちなので、たまに都会人と出会ったり転校生が来たりすると、「やっぱ違うな―」って思ったりしました。



 こちらは時代を表現するアイテムです。これがないと明治からつい最近の時代までのどこなのかが特定できない。


 も人気のあるホーロー看板ですが、もともとは耐久性を持たせるために作られるようになったもの。それが大量消費の時代になって、人が少しでも集まるようなところには
片っぱしから貼り付けられるようになって現在に至っています。

 とっても細かくて良く見えないかもしれませんが、この水車小屋の入口に掲げられている表札は「竹松農民組合精米所」です。つまり表札だけは次の時代に引き継がれている
という設定です。 (多分説明しないと誰も気づかないと思うので)




 ちなみにこちらがその画像です。

 

 夏休みの娯楽というと、あとは映画と夏祭りでしょうか。
 映画全盛時代には子供向けの怪獣モノ、SFもの、怪奇モノなどが盛んに上映されていました。ちなみに近くに映画館のないような田舎では、業者が巡回して神社やお寺の
境内などでも上映されることがありました。



 こういう風景が遠くない過去にありました。
 そして昭和はもはやレトロです。
 古臭いとか言わないで、そろそろとっておいた方が良い時代になってきていると私は思います。
 今回の製作はとっても時間がかかったけど、つくっていてとても楽しかったです。少し前の時代を想像して表現するっていうのは、何かワクワク感がある。
またやってみたいと思います。



2023.01
camera: CASIO EXLIM EX-ZR4100  & Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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