eye4工房番外編



映画「紅の豚」

ポルコロッソのアジト



<隠れ処 秘密基地>

 今回つくってみたのはスタジオジブリの映画「紅の豚」に出てくる主役ポルコロッソのアジトです。
 地中海のとある島にあるのですが、真中にぽっかりと穴が開いていて、隠れ処感たっぷりです。映画自体はそれほど感動しなかったけど、このアジトは印象に残りました。










  




 こうやってみると「サンダーバード基地」みたいな感じで、子供の頃に一生懸命つくっていた秘密基地を思い出してワクワクする。







<サボイア>

 またジブリ関連のジオラマ作りをしてみようと思う。ジブリ関連のプラモは今でもいくつか出回っているのですが、なかには入手困難になりつつあるものもあります。



 こちらは SAVOIA S21F、「紅の豚」に出てきた戦闘飛行艇です。これでポルコロッソの洋上のアジトをつくってみるつもりです。見た瞬間に決めました。こちらもまた押し入れの
奥にあって、その存在を忘れていたキットです。先日、押し入れを整理していて発見しました。
 ファインモールドから発売されていたこの模型は、以前は前期型、後期型、ライバルのカーチスとともに、3つとも店頭に並べられていましたが、今ではamazonの売り場からも
姿を消しています。(但しもうすぐ再生産されるらしい。価格は2200円)
 今回使用するキットはエンジンを強化し、補助席を追加した後期型です。

1 パーツを台所洗剤を入れた水に一晩つけておいて
 乾かします。
2  飛行機の常として操縦席は真っ先につくってしま
 います。

 フィオのための補助席も少し手を加えたのだけど、完成後はほとんど見えなくなっちゃうので、この程度でも十分です。1/72スケールの飛行機だと、たとえば正確に操縦桿を
つくろうと思えば太さ0.3mmにしなくちゃいけない。作り込むこと自体に無理があるのでキットのままとしました。

3 あとは説明書に従って、組み立てられるだけ組み
 立てて塗装をする。
4 マークソフターでデカールを馴染ませて、あとは
 トップコートして仕上げます。

 大きなデカールを張り付けるときには、事前に白く塗っておいて下地が透けないようにしておくのが良いです。(デカールの発色が良くなる)




 とりあえずはこんな感じで完成です。こういう機体にあっては、汚し塗装は不要でしょう。

 

 正直言うと、映画「紅の豚」は黎明期の航空機を取り扱ったジブリの映画だけど、わくわく感のある中盤までの展開に比べて、子供向けのエンディングがあまり
自分としては好きになれなかった映画です。
 ただ今となってはレアな存在となってしまった戦闘飛行艇が実にマニアックに描かれていたのが良かった。
 根本的にはフロートの存在や胴体から離れたエンジンなどは、空気抵抗の増す原因となって、速力や機動性、航続距離の面からも不利であることは間違いない。
おそらくは飛行機の黎明期であるが故に許された存在なんだろうと思います。



<地形の製作>
 戦闘飛行艇サボイア S21 F を完成させたので、ここからいよいよ背景づくり(ポルコロッソのアジト)を始めます。



 構想とすれば、ぽっかりと真ん中に穴の開いた島をつくれば良いのですが、劇中のシーンをそのまま再現すると、ジオラマの直径1.5m、高さ50cmというとてつもない大きさに
なってしまいます。
 そのまま再現するのはとても無理なので、ここは直径50cmぐらいで何とかならないか検討することにします。

A B C

 劇中のシーンをそのまま縮小したのがA案です。これは最もお話に忠実ではあるけど、暗くて見にくくなるだろうし、撮影したいと思ってもアングルが正面と真上だけに
なってしまいます。
 そこでこれを半分にカットして、壁自体を入江状にしたのがB案、更に崖の高さを低くして見やすくしている。実はこれと同じ発想の市販品もあります。
(但し生産は終了しているみたい、参考価格28,000円)
 でもなんというか、アジト(隠れ処)というオリジナルの雰囲気が薄れるし、「覗き込む楽しみ」のようなものも少なくなる感じですね。
 ということで崖を低く、覗き込める穴を複数にするというのがC案、中間的な発想だけど、これがいちばんバランスが良いかな。こうすればいろいろな方向から撮影もできるし、
内部の明るさも確保できる。


   5 プランを図面化します。
   

 今回は複雑な地形になりそうなので、計画的にことをすすめないといけない感じがします。きっちり四角で囲むような感じではないので、角を丸めた台形に近い形としました。
 基本は劇中のシーンと同じなのだけど、できる限り重なるものを多くして、奥行きが感じられるような配置にします。

6 図面に従ってスチレンボードをカットして、まずは
 第一層目を置いてみました。
7 二層目以降も少し傾けながら載せてゆきます。プレート は少しずつ大きさを変えてゆきます。

 層構造を表現します。地層は含まれる成分によって浸食されやすい層とそうでない層が混じっていることが普通なので、これを表現してゆきます。具体的には1mmから1cmの厚さ
のスチレンボードを少しずつその形や大きさを変化させながら積み重ねてゆきます。
 一方で地層の重なりは常に水平ということでなく、傾斜したり褶曲、あるいは断層を形成したりする。これも普通に見られることなので、あわせて再現します。 劇中、アジトに向かって
下がってゆくような傾斜と中央に縦の断層が確認できたので、スチレンボードの重ね方でそれを再現します。



 地形的な構造が完成したところです。ぽっかりと開いた上から見るとこんな感じです。

 

 小さく開けられた穴はカメラのレンズがかろうじて入るような大きさにして、覗き込めるようにしてあります。「隠れている」というイメージがこのジオラマのポイントだと思います。
 そして正面から見ると、今にも飛び立ちそうな感じのサボイアが見えます。

 ちなみにポルコロッソのアジトについては、そのモデルとなったところがあるそうです。ギリシャの西部イオニア海に浮かぶ島のうちの一つザキントス島、その北西部に
ナヴァイオビーチという実にプライベート感いっぱいの美しいビーチがあるんだそうです。行ってみたいかも。





 現時点では全ての層を接着してしまうと作業ができなくなるので、上中下の3層に分割できるようになっています。
 次は最下層の砂浜づくりを行います。

8 スチレンペーパーをカット&トライでベースボードに
 張り付けて地形をつくります。
9 ティッシュペーパーと砂をつかって海岸の質感を
 出します。
10 着色したモデリングペーストを塗っているところ、
 ここでも砂を使ってざらつきを出します。

 現状、青いところが海水面で、砂浜やポルコのアジトの再現もしていません。海水の透明度は高いので、まずは海底の地形から砂浜までを再現する必要があります。
自分の場合には軽量化のため、スチレンペーパーを使って多面体を形成し、地形をつくっています。カット&トライで貼り付けてゆくのですが、慣れればそれほど時間は
かかりません。
 多少の隙間は問題はないです。すべてを張り付けたら接合面や隙間にモデリングペーストを塗り込んで乾かせば、かなりの強度が出ます。

 「質感を出す」工程ではティッシュペーパーを1枚にはがして地形の上にのせ、上から水で薄めた木工ボンドで湿らせる。そしてすぐさま小動物用の「浴びっこサンド」を
撒きます。すると簡単にざらっとした地面の質感が再現できます。

 着色についてはモデリングペーストを水で薄め、アクリルで着色したものを上から塗り、更に「浴びっこサンド」を撒いています。このとき塗り方は均一でなく、濃淡を出した
方がリアルに仕上がります。

   11 変化を出すために小石も撒きました。
   

 実際の景色をイメージしながら、塗料の色合いを変えたり、浴びっこサンドに鉄道模型用のバラストを混ぜるなどして、砂の大きさを変えてゆくとこんな感じで、下地がスチレン
ボードだとは分からなくなります。
(これを延々と2週間ぐらい続けました)

   12 ドライブラシで風化した感じを出します。
   

 最後は「風化」した感じを加えます。モデリングペーストに加えるアクリルカラーの量を徐々に減らして、全体として白っぽい塗料にしてゆきます。地層ごとに風化しやすさも違う
はずなので、地層を微妙に塗り分けしてこれを再現します。
 最後は水で薄めたモデリングペーストでドライブラシを行い、地形の角を出します。こういう地形や地層の色合いなどは実在しないのかもしれないけど、それなりに説得力のある
仕上がりになったと思います。コツとしては薄めの塗料で少しずつ色を足してゆくこと、そして全体として濃いめの色合いから、徐々に白に近い色合いに塗料を変化させてゆくこと
です。





<植物の表現>

 次に植物の表現を行います。劇中では島自体がもこもこの状態で、森の中にすぽんと穴が開いている感じでした。また海自体もとても豊かなところで、かつまた透明度も高い。
従って海藻なども表現をする必要がありそうです。

13 鉄道模型用のパウダーやライケンなどで海藻類を
 表現します。
材料1 材料2

 最初は海中に生える藻や海藻から表現します、といっても1/72スケールの海藻などが売られているはずもないので、まずはパウダー類とターフ、そして短いファイバーなどを
調合して短めの藻や海藻を表現することにします。(材料1)
 注意点としては地上の植物とは違って、緑以外にも赤や茶色のものが存在することです。そのことをイメージしながら4種類ぐらい混ぜ合わせて、糊を塗った海底地形の上に
これを振りかけます。
 次はやや大きめの海藻類を再現するのですが、幸いにしてストックの中にライケン(左)とプラスチックたわしの破片(右)があったのでこれを利用することにしました。(材料2)



 これらを海底に貼り付けた状況がこちらの画像です。少しあっさりとしすぎているかもしれませんが、この後に着色した透明レジンを流し込んで海水を表現すると、結局海底は
よく見えなくなってしまうので、このぐらいで十分かと考えました。

   14 ポルコロッソの寝室をつくります。
    

、ポルコのアジトそのものを中段につくります。スチレンボードをカットして部屋をつくり、板目紙でつくった壁とドアを張り付けます。アルミホイルで透過光が漏れることを防いだあと、
1mm角の超小型LEDを埋め込みます。


   15 背の低い地表の植物を表現します。
    

 次は地表の植物を表現します。まずはグリーン系のパウダーと短いファイバーで背の低い草を表現し、そのあとでグリーン系ターフとコースターフを追加してやや大きめの草を表現する。
結果はこんな感じです。
 正直なところ超リアルな空間はできません、せいぜい自分の想っているイメージが伝わればよいかなという程度です。1/72というスケールだと、葉を1枚1枚再現することはできないので、
結局こういう表現にならざるを得ない。
 本当にリアルなものをつくりたいなら、1/35以上のスケールでつくればよいです。逆に言うと1/72や1/150となると、割り切ってこまかなこだわりは捨てられるので、自分としては楽です。

 更に言うならば、自分はきっと1/48には絶対に手を出さないと思います。プラモの世界では飛行機も戦車もある便利なスケールですが、元来、鉄道模型のために開発されたターフやコース
ターフ、あるいはフォーリッジと言った製品は1/48スケールの中で使うと荒すぎて、写真に撮った時にまるで「手を抜いている」ように見えてしまう。
 そこでリアルにしようと思って頑張ると、やはり小さすぎて無理だ出てしまう。結局は作り切れない。



 背景は背景と割り切り、主役のサボイア戦闘用飛行艇を置いてみました。小さいものを撮影すると、ピントの合う範囲は狭くなって、その前後はボケる。上の画像は飛行艇とポルコの
アジトに合っていて、手前の崖上段の緑の部分はボケている。ボケていれば荒さも気にならない。このあたりは狙い通りです。



 次はもふもふの森をつくる。材料はやはり鉄道模型や小スケールのジオラマ素材です。
 森といっても1/72スケールで葉っぱを一枚一枚再現することはできないので、ここもスポンジ素材のものを利用することになります。こういうものはKATOやTOMIXといったメーカーが
製造、あるいは輸入しているのだけど、メーカーによってその呼び名が違うので、とりあえずKATOの製品名で説明します。

1 ターフは着色したスポンジを細かくしたもので、前回は草原を再現するのに使いました。(今回は使わない)
2 それより少し大きめの粒子のものがあって、これをコースターフと言います。これが今回のある意味の主役です。大きさが1~3mmぐらいで、1/150スケールだと「枝一つ分」という感じです。
3 このコースターフを綿に絡めたものをフォーリッジといいます。
4 コースターフを樹脂で固めたものをフォーリッジクラスターといいます。これを3~5mmぐらいにちぎって使うと,1/72だと「枝一つ分」の塊になります。

 そしてこれらの各製品には何色かあるので、適当なものを組み合わせて使うことになります。単色はダメで最低限3色ぐらいは使った方が良いです。

16 森を構成する樹木を用意します、リアルでないも
 のはパウダー類で欠点を補います。
材料3

 市販品にもある程度リアルな樹木はあるのだけど、まとめて使うと結構なお値段になってしまうので、格安の樹木をamazonあたりで見つけてこれを加工します。
 やり方としては、あまり出来のよくないけど安い樹木(右)に接着剤を塗ってフォーリッジでくるっと巻いてしまうというものです。ただこのフォーリッジは表面のコースターフが簡単に
落ちてしまうのが難点で、作業しているうちにボロボロになる。綿の繊維も目立つので、これをこれを使う場合には再び糊を吹き付けてコースターフを張り付ける必要がある。
 フォーリッジの品質改良を望みます。



 右が完成した樹木です。真ん中はファイン リーフ フォーリッジといって、天然素材の小枝にコースターフを接着した市販品で、今回は中ぐらいの樹木にします。左はフォーリッジ
クラスターを適当にちぎったもの。これらをメインにして、今回はこのほかにもあまり出来のよくない市販品をベースにして樹木をいくつかつくりました。


  17 完成した樹木を配置します。
   

 まずは大きな樹木を取り付けます。この樹の高さは8cm程度なので1/72で換算するとスケールサイズは20mほどに相当します。高さとしてはピッタリなんだけど、これですべてを
覆ってしまうと、中の空間が見えなくなってしまいます。
 そこで奥の方にだけ大きな樹を配置することにします。目立つものなのでできるだけ自然に配置する、その基本は不等辺の三角形を連続させる意識かな。

   

 中サイズの樹木を取り付ける。いろいろこれまでやってきたけど、この段階で意識するのは大きな樹木の根元を見せないように配置することです。同じとは言いませんが、この点は
生け花の世界でも意識されているみたいですね。

   

 最後はフォーリッジクラスターでバランスをとる、密集させずふわっと仕上げるのが大切です。3から5mmにちぎったフォーリッジクラスターを積み上げてゆくように接着するのですが、
ところどころに隙間をつくる意識で作業をすすめます。(青い印)






 ちなみに宮崎駿氏は地中海に実在する島をモデルにしていると言われていますが、やはりその実物の写真は劇中のシーンとは違っているように見えました。作業をしていてなんで
こういうシーンに自分が惹かれるのか、その理由が少し分かってきた。もうこれは子供のころに興味を持った「秘密基地」そのものだね。


17 桟橋をつくっているところです。浮きは竹パイプに
 パテを巻いたものです。

 慎重にレイアウトを決める。単に上から見た位置だけではダメで、どのような高さに飛行艇を浮かせるかまで考えないといけない。
 ベストポジションはこの位置のみ。

18 まずは透明プラ板で壁をつくり、着色した透明
 レジンを流し込んで海を表現します。

 次は「海を表現する」なのですが、透明レジンが流れ出ては意味がないので、まずは透明プラバンで縁をつくります。(左)高さは想定した水位より5mm高めです。そのうえで隙間から
透明レジンが漏れないように、まずは粘性の高いUVレジンを接着面に流し込んで固めます。

   

 いよいよ流し込み作業に入ります。今回は作業時間の取れる24時間硬化タイプの二液型レジンを着色して使用することにします。



 作業は3回に分けて行います。まずAの深い部分に青緑のレジンを暑さ3mm流し込む。これが固まったところで飛行艇を接着し、今度はBの部分に青のレジンを3mm、そして最後は
薄い藍色を4mmという具合です。
 光というのは波長の短な紫から青、緑という順番で水に吸収されるので、上のような色の積み重ねにするとリアルになります。



 レジンに根本的な問題があるとすれば、それは平らにならないことでしょう。縁との相性で親和性が高ければAのようになり、低ければBのようになる。

    

 砂浜の部分とは親和性が低く、ヘラでレジンを引き寄せることになる。透明プラバンとは親和性が高いので、固まったところで削り落とす。

   

 あとはヤスリを入れてクリアーで処理をすれば傷は目立ちません。





 最後は例によってKATOの「さざ波」で波を表現しようかと思いましたが、この鏡のような水面もなかなか美しく捨てがたい。結果、地中海の凪の時間帯なら、こういう水面であっても
良いだろうと考え、そのままゆくことにしました。



<ポルコと隠れ処をつくる>
 飛行艇と地中海の誰にも知られていない孤島を再現できた。劇中のシーンとは違うところもあるけど、雰囲気は出ていると思います。あとはポルコ・ロッソと様々な小物アイテムを
追加すれば完成です。
 とはいってもプラモのキットに入っているもので使えるものはごくわずか、だからこちらも、ほとんどのものは手作りしないといけない

19 飛行姿勢のポルコロッソをビーチベッドに寝そべる
 姿勢に変えます。

 キットに入っているもので、唯一使えるものがポルコロッソのフィギュアです。身長が2cmほどなので、肉眼で見ただけでは出来が良いのか悪いのかもわからない。写真に撮って
みてちゃんと「使える」ことを確認しました。小さいけれどサングラスかけてるし、ゴーグルもついている。
 ポーズとしては飛行艇に乗って操縦桿を握っているという、飛行機のプラモに付属する飛行士のよくあるパターンです。ここは劇中にあるように、ビーチベッドに寝転んで踵をテーブル
の上に乗っけたくつろいでいるシーンにしたい。
 ということで足を切断してエポキシパテで固定、まっすぐ足の伸びた姿勢に改めます。

20 基本塗装を終えた後、透明プラ棒を加工して、
 ワインを飲んでいるポーズにしました。

 左は最初の段階の塗装が終わったところです。1/72だと身長は2cmにも満たない。塗った結果を確認するために撮影してみました。サングラスの大きさが左右で違う、左髭がうまく
描けていないなどの問題をこの後に修正します。
 一通りの作業が終わったところで透明なプラ材を手に握らせる、下半分はクリアーレッドで着色しておきます。こうすれば操縦桿を握っていたポーズはワインを飲んでいるポーズに
早変わり、もうここはこれしかないと思いました。




21 燃料や飲食物を保管するテントを紙と発泡
 スチロールでつくる。
22 手漕ぎボートは内型を紙粘土でつくり、薄く伸ばし
 たエポキシパテで包んで成形します。


23 樽は竹パイプとエポキシパテ、細く割いた紙から、
 オールは真鍮線と厚紙がベースです。
24 ビーチベッドとその周辺の小物類をつくっている
 ところです。

 テーブルと日よけの傘、バケツ、ワインボトルとラジオ、グラス。それらはプラ材、厚紙、エポキシパテそんなものでつくっています。
 自分がこういうものをつくるときって、やっぱり最終的にはエポキシパテが中心になる。おそらくはこのサイズで細かなものを成形してゆくならポリパテがいちばん良いです。
半日してまだ柔らかいうちにデザインナイフで形を整え、完全硬化したあと磨きを入れる。これが基本パターンです。
 でも一方で直線的なものは作れないので、何かをつくろうと思いと様々なサイズの真鍮線とプラ材を手元に置いておくことが必須になる。使うか使わないか分からないものを
用意しておくというのが、やっぱり今は金銭的につらい。

   25 制作してきた小物類も組み立てて着色しました。
   

 組み立てと調整がまた面倒、ポルコに合わせてチェアーをつくり、かかとの高さに合わせて机の高さを決める。連動してるんです。
 最初は予定してなかった電話とか本、ビーチマットなどもつくってみたら、だんだん劇中のシーンに近づいてきました。1/72スケールということを考えれば、もうこれで十分だと思う。







<完成画像>
 スタジオジブリが制作した映画「紅の豚」というと、今となってはレアな存在となってしまった戦闘飛行艇が実にマニアックに描かれていたのが良かった。そしてもう一つ、ポルコのアジトが
とても素敵なところで、実際こんなところがあったら住んでみたいとも思いました。



 ということで、地中海のどこかにあるというポルコロッソのアジトを1/72スケールでつくってみました。






 ポルコロッソと並ぶ主役は SAVOIA S21F という戦闘飛行艇です。今回使用したキットはエンジンを強化し、補助席を追加した後期型です。

 劇中のシーンをそのまま再現すると、ジオラマの直径1.5m、高さ50cmというとてつもない大きさになってしまいます。そこで雰囲気を損ねない範囲で縮小させていただきました。
浸食されて穴が開いてしまった状態は、厚さ1mmから1cmのスチレンボードを少しずつその形や大きさを変化させながら積み重ねて表現しています。

 地面部分の質感はティッシュペーパーと小動物用の「浴びっこサンド」から出しています。
 植物は、まずは鉄道模型用のパウダー類で草を表現し、そのあとやはりジオラマ素材の樹木等で森を再現しています。但しそのままだとモフモフ感に欠けるので、ターフやフォー
リッジクラスターで補っています。



 主役のポルコは、サボイアのキットに入っていた操縦姿勢のものに手を加えてつくっています。ビーチベッドに寝そべってワインを片手にラジオを聞いているというシーンです。
ポルコの身長が2cmにも満たないので、精密感はこのぐらいが限界かな。
 ビーチベッド、テーブルと日よけの傘、バケツ、ワインボトルとラジオ、グラス。それらはプラ材、厚紙、エポキシパテなど身近な素材が元になっています。



 2ヶ所に1mm角の超小型LEDを埋め込んであるので、こういった夜景も再現できる。






 海は着色した二液型レジンを流し込んで再現しています。
 海なので最初は波を再現するつもりだったけど、サボイアが穏やかな海水面に写っている姿がきれいだったので、そのまま完全な凪の状態で仕上げました。地中海で周りを
崖に囲まれているシチュエーションなら、こういう状況があってもおかしくはないと考えました。
 この正面から眺めるサボイアとその周りの景色が自分としてはお気に入りです。やっぱりサンダーバード基地に似た隠れ家感が良いと思います。








2024.02
camera: panasonic DMC-LX7  /  graphic tool: GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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