eye4工房番外編

calling you



<バグダッドカフェ>

 廃墟になってしまったガソリンスタンドを舞台にして、1/64スケールのジオラマをつくりました。
 3ヶ月かかってようやく完成したので、早速その画像をお送りします。






 イメージは1950年代のアメリカ、寂れた町はずれの国道沿いに、今は廃墟となってしまったガソリンスタンドがあったという設定です。
 大きな作品見えると思いますが、1/64という小スケールなので底面は27cm×18cmしかありません。1/64というスケールだと、このサイズでもかなり広範囲を
描写した作品をつくることができます。



 作品の中心となるガソリンスタンドは、amazon経由の海外通販で1560円でした。なんでこういうキットがあるのか分かりませんが、今はいろんなものが出回っている
ので、ありがたく使わせていました。
 もちろん細かなところはいろいろと手を加えています。



 この情景に登場するフィギュアはこの一体のみです。(Aliexpressで465円)
 身長は28mm、ポーズを修正して、キャリーバッグなどを自作しました。



 フォルクスワーゲンのバスはT1というタイプのもので、1950年代に発売された当時の人気車種、これであちこち旅行に出かけた人も多かったらしい。
( Aliexpress で535円)
 もちろんエージング処理も怠りない。






 こういうノスタルジックな作品はときどき見かけるのだけど、ただそのまんまじゃ面白くない。そこで フィギュアを1体つけることで、これを現代の作品として完成
させました。
 ヒントになったのは往年の名作「バグダッド カフェ」です。この映画を知っている人なら、このシーンが新しい物語の始まりだということに気付いていただけると
思います。ここから先の展開は見る方の想像力にお任せです。
 こちらの作品名は「Calling You」、もうそれしかない。







<ガソリンスタンドを作る>
 その昔、アメリカ西部を舞台にした「バグダッド・カフェ」という映画がありました。荒廃した景色の中、皆が疲れ果て、すさんだ生活をしていました。
 そしてそこにジャスミンというドイツ人女性があらわれて、少しずつ世界が変わってゆくという、大人のファンタジーみたいな映画でした。あとはくすんだ黄色い世界が
印象的で、ホリーコールの Calling you が心に沁みた。

 

 いろいろ考えたのですが、バグダッドカフェという宿泊施設兼飲食店という建物など、とても作ることはできなさそうなので、砂漠地帯を通る国道にありそうなものを、
いろいろと探していたら、こんなものを見つけました。
 これは窓ガラスのない、枠組みだけになってしまったガソリンスタンドです。
 なんでこんなものがキットとしてあるのかは分かりませんが、自分のイメージにはぴったり。(amazonで1560円)

1  まずはキットを組み立ててゆきます。必要に応じて
 部品を追加・加工します。
2

 キット自体はMDF合板をレーザーカットしたもので、厚さは2mmほどです。但しかなり柔らかいので、水分を含むと膨らむ可能性があると考え、ゴム系接着剤で
組み立てることにしました。
 厚さが一様に2mmなので、扉などは必要に応じて、裏側から削る。組み立ては簡単ですが、全体にタイトな感じがします。そこでガイドとしてついている突起を少し
削ってみたら、簡単に組み合わさった(左画像のピンク色で示した部分) また引手やハンドルなどは省略されているので、洋銀線などで補います。(左画像の黄緑)

 ガソリンスタンドだから給油機ももちろんある。でもかなり雑な内容だったので、最低限としてノズルとホースは自作して取り付けた方が良いと思う。自分はジャンク
パーツと被膜付きの動線でつくりました。(画像中)

 少しでもリアルな空間に近づけたいので、看板を照らすライト2つ(右画像ピンク)、それから屋根下の蛍光灯(黄緑)を追加、これだけでかなり見栄えが良くなりました。



 仮組してみました。リアルな感じに仕上げるには、まだまだ少し時間はかかりそうですが、雰囲気は良い。
 スケールは1/64から1/72といったところで、ここに錆びついたミニカーを置くだけでも画になりそうです。そして1/72で仕上げるなら戦車もあり得る。



 こちらは今回ハンドルを作ったときに使用した新しい道具で、簡単に好みのアーチを作ることができる。(TEMUで384円)  





 そして急きょ購入したアイテムも注文して5日で到着しました。このジオラマにぴったりです


2 角材とスチレンボードを組み合わせて、まずはベース
 ボードをつくります。

 これらをすべてガソリンスタンドのキットに乗せることは可能ですが、ジオラマとしては少し余白があった方が良い。そこで、100均で購入した角材と5mm厚のスチレン
ボードで、簡単なベースボードをつくりました。



 さっそくレイアウトしてみる。
 イメージした空間に近いものができつつある感じです。

 しかしながらよく見ると、100均で購入したもの以外はみんな海外通販のものだな。昔は普通にAmazonで購入していたけど、50000円のAmazonギフト券をAmazonに
没収されてからは、プライム会員もやめました。 ( Amazonはギフト券の転売を禁止していて、それが知られると没収される、自分は全く知らなかった。)

 自分が利用している海外通販は現在3種類あります。
 今いちばん多く使っているのはTEMUかな。後出のAliexpressよりも商品数は少なめだけど、使い方によっては安い。利用者が急増しているみたいで、今はPayPayが
使えるようになった。(送料無料で発送してもらうには総額で2000円以上の購入が必要です)
 お店の方も比較的信頼できるところが多くて、最短5日で商品が到着します。 (Amazonの一般会員だと到着まで3日かかる。しかも送料無料になるのは3500円以上、
海外からだと2000円なのに、なんで国内が3500円なのか、やはり矛盾を感じる。)

 あとは Aliexpress、さすがに老舗だけあって何でもかんでも格安で手に入る。けれどそれなりにトラブルもあって、なかには怪しいお店もみかける。Choice!商品以外
だと到着もやや遅めで、一ヶ月近くかかることもある。(一部商品はPayPay可)
 もちろんトラブルがあったらヘルプセンターにその事実を報告すれば返金は受けられるのだけど、あまり良い気分にはなれない。

 そして3つ目がAmazon経由の海外通販、最近は到着が早くなって2週間はかからない。
 あとは shein というのもあるけど、アパレル以外は弱い。でも最短4日間で到着というのは魅力です。以前はセカイモンも利用していたけど、円安でメリットがなくなって
しまった。

 海外通販が安いのはなぜか?
 もちろん中間マージンがほとんどないというのもあるけれど、消費税10%がかからないというのも大きいでしょう。また関税もかからない。基本、個人輸入ということで、
海外旅行に行ってお土産を持って帰るのと同じです。

 でも大量に買って転売するというのはダメ、その場合にはちゃんと関税を払う必要がある。
 自動車など高額なものや生鮮食料品は無理だけど、これからアメリカ国内ではきっと海外通販ブームが起きるような気がする。そして転売する人が当然出てきて、
大きな問題になるかもしれませ。



 イメージがまとまったところでガソリンスタンドをベースに固定します。
 段差はスチレンペーパーを重ねて揃えます。できた隙間はモデリングペーストで埋めました。

3 ベースボードの塗装を行います。使用するのは砂の
 入った塗料です。
>

 2mm厚のスチレンペーパーを使ってベースボードとガソリンスタンドの高さを合わせたあと、ガソリンスタンドの給油スペースに細い切れ込みを入れてみました。(左画像)
これは1枚の板のままだと、あまりに単調になりすぎると考えたからです。 (この時点では、ガソリンスタンド上の構造物はすべて取り外せるようになっている)
 塗装した後、この切れ込みに草を生やしたら、荒廃した感じが出て良いかなと思った。
 このあと給油スペースはライトグレーを基本色として、少量の茶色、黄色、チャコールグレーなどでドライブラシを行い、細かな変化をつけてゆきます。

 給油スペースの塗装が終わったら、地面の着色を行います。
 モデリングペーストを茶色を帯びたグレーで着色し、同量の「浴びっこサンド」を混ぜて下地塗料を作ります。そしてこれを筆でたたくように塗ってゆきます。
 1回では下地が透けるので、これを3回繰り返します。

4 ところどころに小石を置き、砂をまいてなじませて
 ゆきます。
5 糊を用いて、道路をひび割れた感じに表現する
 クラック塗装を行いました。

 そして3回目の塗装が終わったら、この下地塗料が乾く前に、鉄道模型用のバラストや細かな砂を3種類ほど混ぜて、上から撒いてゆきます。また大きな粒は簡単に取れて
しまうので、ここは木工ボンドで一個づつ取り付けます。
 ただそのままだと 後で撒いたバラストや砂が、赤茶色の地面から「浮いている」ように見えてしまうので、更に下地塗料と砂を撒いて馴染ませます。(左画像)

 次はちょっとだけ見えている道路を、クラック塗装で仕上げます。具体的には事務用品の糊(何でもよい)を地面に塗って上から水性塗料を盛るように塗るだけです。これで糊が
乾燥する過程でヒビが入ります。
 但しヒビの入り方は神のみぞ知るで、特にこういうざらっとした表面だと難しい。今回はヒビが入りすぎでした。上に塗ったチャコールグレーの塗料が薄すぎたのかもしれない。
入りすぎたヒビは細筆で丹念に埋めてゆきました。

 このクラック塗装も変化をつけるための工夫です。
    荒廃したガソリンスタンド > 交通量のあまり多くない道 > 道路の補修もあまりされていない
 そういう発想で荒れた道にしたという訳です。

   6 まばらな草表現を施します。
   

 最後に黄色と黄緑色のパウダーと短いファイバーで草表現を行いました。草を生やしたい場所に「くさはら糊」を筆で塗り、パウダーとファイバーをスタティックアプリケーターで
振りかければ作業は終了です。
 ここでも想像力を働かせることは必要です。砂漠の乾燥地帯では草の生えるところも限定的です。時々しか降らない雨は、アスファルトやコンクリートを流れて、その縁から地面に
染み込む。またガソリンスタンドの建物がつくる日陰が、少しだけ乾燥を遅くする。自分としてはそういうイメージで草が生えやすい場所を選びました。
 都会の歩道に短い草が苔が生えることがありますが、実際こういうところに生えています。
 どうでも良い小さなことの積み重ねが、情景のリアル感やシーンとしても説得力につながると自分は考えています。





<ガソリンスタンドの建物を完成させます>
 次は合板を組み合わせてつくられた建物部分を完成させてゆきます。

7 ガソリンスタンドの建物を塗装します。もちろんリアル
 に見せるのであればエージング処理も必要です。

 形はできているけど、接合部分はかなり荒い感じがします。そこでまずは隙間部分にモデリングペーストを塗って乾かし、やすりで磨いて平坦化します。(左画像)
 下地ができたら、筆でこすりつけるようにして、まずはアクリルのホワイトを塗る。きれいに塗らないのは塗装の剥げ落ちた木材の質感を出すためです。
 あとは水色とピンクでパネルを色分けする。特にモデルになったガソリンスタンドはないのだけど、この建物を建てたオーナーが少しでも楽しい仕事場にしたいと
思ったら、こういうこともするだろうなって思ったわけです。
 今回汚し塗装で使っているのはオイルパステルです。表面がざらっとしたものだと、これがいちばん簡単。(右画像)

8 1950年代のアメリカにふさわしいアイテムを追加
 します。

 1950年代のポスターやホーロー看板をプリンターで縮小印刷してみました。まわりに何もない砂漠地帯なら、きっと簡単な飲食物の提供もしていたに違いない。
つまり元のオーナーは小さなオアシスのような空間を作ろうとしていたということです。ここにこのジオラマのストーリー性がある。
 右はフォルクスワーゲン バスです。もう使われなくなって錆が出ている感じを出してみた。まずは茶系のパステル3色を削って粉にする。そして薄め液を染み込ませた
筆にとってドライブラシします。そのままではつやがありすぎるので、最後にMr.カラーのGX113つや消しクリアーを吹き付けます。これであっという間に錆びた感じが出ます。



 ベースにこの二つを置いてみると、ちゃんと馴染んでいて一安心。
 ただこれだけでは物足りない。やはりここに人が長く生活していたのであれば、その痕跡は色濃く残っているはず。だから次にそれをここに追加してゆく、それがジオラマ
としての説得力のようなものになります。



 ちなみにさりげなく新規に導入したものが2点あります。
 上に乗っかっているのはA4サイズのカッティングシートで厚さ3mmある。487円でちょっと高かったけど買ってみたらすごく使いやすい。(TEMU) 薄くてペラペラはダメ、しっかりとした
ゴムで自己修復するものがベストです。
 下に敷いてある黒いシリコンマットは撮影用の背景です。この上にパーツを置いて撮影するためのもの。背景がシンプルでないと分かりづらいので買ってみた。

9 ガソリンスタンドの横に瓦礫を置くことにします。幸い
 そのキットが見つかったので利用します。

 とりあえず現在までに完成しているのは、窓ガラスもない、枠組みだけになってしまったガソリンスタンドです。
 このガソリンスタンドだけでジオラマをつくることはできますが、それだけでは奥行きがなくて面白みに欠けます。そこでいくつかアイテムを追加します。左画像は3Dプリンターでつくられた
「瓦礫セット」です。このベース上に10個のアイテムが乗ってます。
 なんでこんなものがキットとしてあるのかは分かりませんが、廃墟となってしまったガソリンスタンドの雰囲気を補強するにはぴったりでしょう。こういったものは、自分でも作れないことは
ないのだけど、買ってしまった方がやはり手っ取り早い。
 問題はお値段との兼ね合いで、今回は中身を考えると安いと思って購入しました。(amazon経由の海外通販で1399円)

 もちろん安いのには理由がある。3Dプリンターでつくられる製品は、プリンターにしっかりと固定されている必要があるので、こういうランナーがたくさんつながっています。フィギュアの場合
には、制作者の手によってすでに取り除かれていることが多いのですが、こちらの製品はランナーがついたままになっていました。
 無理に取り除こうとすると、パーツが割れてしまう可能性が高いので、手持ちの工具をあれこれと取り換えながら、少しずつ崩してゆきます。



10 さらに細かな瓦礫をジャンクパーツのボックスから
 選んで配置します。

 こういうものにはやはり「ごちゃっとした」感じが不可欠です。ジャンクバーツボックスから、いろんなものを拾い上げては、瓦礫として追加してゆきます。
 そして最後にホコリまみれの感じを出すため、GX113に少量のタンを加えたものを吹き付けて調子を整えます。

 

 建物の反対側です。
 ドラム缶の赤錆は薄め液を染み込ませた筆に、パステルを削ったものを少量取って、ドライブラシの要領でこすりつけて雰囲気を出しています。

11 給油機に操作パネルを追加し、それらしくエージング
 処理をします。

 給油機を仕上げます。 何にもしないと、レーザーカットされたキットだから変化がなくて見栄えがしない。
 昔の給油機の画像をネット上から探し出して縮小プリントして操作パネルに貼り付けた。これで一気に給油機らしくなる。

 汚しの基本は古いものから始めて、だんだん新しくするのが基本です。
 まずは塗料の経年変化からです。色は薄くなって紫外線の影響で少し黄ばむ。そこで ピンクのパステルに少量のベージュを加えて、赤い塗料の劣化を表現します。長異年月を
経て、コンクリート部分には地面の赤茶色の成分が浸み込むはず。これもパステルで表現した。
 あとは塗装の薄くなったところから錆の進行が始まる。こちらは赤から茶系のパステルで表現します。
 最後に雨だれや、水分の浸み込んだところにカビ、変質した油の跡などを、チャコールグレーをベースにして濃淡や色合いを変化させてゆけば、50年ぐらい放置された感じに
仕上がります。



 もうこのあたりはいかに想像力が発揮できるかが勝負になります。

12 あとは気付いた細かなところに手を加えてゆく、
 やればやるほどリアルになる。

 さてここから先、一気に仕上げてしまいたいところですが、まずは情景自体に矛盾がないように一歩引いて観察をします。
 たとえば現時点で一番激しい汚し塗装をしているのはこの給油機で、塗装の劣化、錆の進行、更には雨だれや、水分の浸み込んだところのカビ、変質した油の跡などを再現
しています。
 一ヶ所だけ汚し塗装が目立っているとおかしい感じがするので、ここから先は「馴染ませる」という作業をします。
 給油機を配置するコンクリート部分やまわりの地面にも、同様な汚し塗装を加えます。そうすることで一体感が出てくる。給油機を取り付けたあと、コンクリート部分にうっすらと
スプレー糊を吹き付け、地面の表現に使った細かな砂を軽くまきます。これも馴染ませる作業の一環です。 「馴染ませる」作業によって少しずつ境界線はぼけて、共通する時間
の流れが感じられるようになります。(左画像)

 スタンドの屋根には看板を照らすスポットライトを追加しました。(画像中)

 電気すら通っていないというのもおかしな話なので、電柱(A)と送電線の受けの部分(B)をつくりました。あとはガソリンスタンドの地下にはガソリンと軽油の巨大なタンクがある
のですが、そこへの補給口(C)を作ってみました。(右画像)
 補給口はどこのガソリンスタンドにも最低3つあるのですが、今回は省略して2つにしました。
 これらは、なければないで済んでしまうものですが、あれば「なるほど、よく観察しているな」と情景自体の説得力のようなものが増します。


 乾燥したところだと、折れてしまった植物の枝が強風で吹き飛ばされてくる。それを表現するため、アクセントとして「オランダドライフラワー」(さかつう)を追加します。そのままだと
多分長持ちしないので、水で薄めたパーマネントマットバーニッシュに漬け込んでから乾燥させます。
 右画像は思いつきで追加するホーロー看板です。こちらはステーを追加し、錆塗装を施しました。






 すべての作業が終わったら、Mr.カラーのタンに多めの艶消し剤を添加して全体にうすく吹き付けます。これは「埃」を表現し、つやを整えるための作業で、最後の「馴染ませる」
作業になります。
 あっさりした感じから、少しだけごちゃっとした感じになってきた。
 効果的なものをいくつか追加することで、以前はここに人が住んでいたという生活感のようなものが出てきます。





<フィギュアをルくります>
 使用するフィギュアは一体のみです。今現在1/64スケールのフィギュアは30体ほどストックしているけど、今回の作品のイメージにぴったりでした。

13 フィギュアのポーズを一部変更したうえで、着色
 してゆきます。

 問題点があるとすれば唯一、うつむき加減なのがいただけない。
 そこで首のラインで切断し、カッターで角度を調整してから瞬間接着剤で再度つなげる。このとき瞬間接着剤はたっぷりと使って、瞬間接着パテに付属する粉の硬化剤を振り
かけてやる。
 これである程度の溝は埋まるので、あとは瞬間接着パテで更に隙間を埋めます。
 こだけでは細かなキズは消しきれないので、高耐久ラッカースプレーを筆にとって、上から何回か塗ってやると目立たなくなります。(画像中)

 あとはいつも通りMr.カラーのNo.111を上から塗ってやれば、ご覧のように切断した跡はほとんど残りません。
 あとはいつも通りGX113つや消しクリアーを吹き付けて下地を作り、人間用のチークで色をのせてゆきます。使うのは模型用の細めの綿棒で、1回ではうっすらと色がのるだけ
なので、何度となく GX113 を吹き付けて色を重ねてゆきます。(右画像)


 そして最後に塗装に「芯を入れる」つもりで、極細筆にMr.カラーをとって目や眉毛、唇といったところに最小限の色のせをします。
 並行して彼女の持ち物をつくる。プラ板と洋銀線でキャリーケース、エポキシパテでボストンバッグとボディバッグという感じです。小さなスライドマークを活用しながら塗装を
すすめます。
 最後はGX114を吹き付けて表面を保護し、つやを落ち着かせる。

 

 今回の作品は1950年代のテイストで、自分なりの「バグダッドカフェ」のオープニングをここに再現します。
 つまり廃墟となったガソリンスタンドの終わりでなく、新たな歴史の始まりです。





<完成画像>






 こちらがこの作品の全体を撮影したものです。
 廃墟になってしまったガソリンスタンドは、市販のキットを加工したもの、フォルクスワーゲンのT1バスは市販品をエージング処理したものです。そしてこれらを自作の
ジオラマベース上に配置しました。
 実はこの作品は見るだけでなく、撮影して楽しむという目的もあって制作したものです。



 室内照明だと、なかなか乾燥した空間の強い日差しまでは再現できないので、晴れた暑い日に外に出て撮影をしてきました。見え方がぜんぜん違う。
 こういう小スケールのものを撮影するときには、センサーサイズの小さなカメラを使い、絞り切って撮影するのがポイントです。使用したカメラは Panasonic の DMC-TZ60 です。
撮影モードは絞り優先で、絞り値はその焦点距離の最大値です。



 撮影は左手で作品を持ち、光の角度を調整しながら右手のカメラで撮影しています。

 

 画像からは、かなり大きな作品に見えるかもしれませんが、1/64という小スケールなので底面は27cm×18cmしかありません。
 左の画像でも見栄えは悪くないですが、ベースボードの縁が左下に写っていたり、背後の山々が青々としているのは、少々雰囲気を壊しているかもしれません。
 そこでGIMPというフリーのグラフィック アプリで手を加えてみたのが右画像です。アメリカの乾燥地帯を通る国道そのものとは言いませんが、かなり雰囲気はそれに近くなります。






 こちらの作品名は「Calling You」、映画「バグダッド カフェ」の挿入曲の一つからとりました。
 この映画を知っている人なら、このノスタルジックなシーンが新しい物語の始まりだということに気付いていただけると思います。



 こういう画は1/64というスケールだからこそ撮影できると思う。
 次の個展では作品そのものと、これらの画像を同時に展示することになると思います。



2025.06

camera: Panasonic DMC-GX8 M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm ほか/ graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 3.0


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