「ラボラトリー」笹本晃展
「9つのプロフィール 1935 >>> 2025」


東京都現代美術館



2023.09.02
 日千葉に行く用事があって、せっかくなので帰り道に東京都現代美術館に寄ってみました。東京8の美術館巡りって本当に久しぶりです。
 しかしながら、まずは東西線「木場駅」から徒歩20分が、暑くて長かった。一体日本はいつからこんなに暑くなってしまったんだろう。





「ラボラトリー」笹本晃展
 とりあえずのお目当ては「ラボラトリー」笹本晃展です。
 彼女は10代で単身渡英し、その後はアメリカに渡ってダンスや美術を学ぶ。20年にわたる活動は彫刻やその他の造形物のほか、ダンス、パフォーマンス、映像や
インスタレーションなど多岐にわたります。
 自分としては、たまにはいわゆる前衛的な活動を見るのも、良い刺激になるかと思ったわけです。



 
x × y = 1
 こちらは最初の展示室にあった作品で、座れない椅子です。





 
Strange Attractors
 天井から様々なものが吊り下げられていて、その中にはいくつかのビデオカメラもある。訪れた人の画像がプロジェクターによってあちこちに映し出される。画像と音が
加わったインスタレーション。



 こういうものを見慣れていない自分には、少し難しいと正直なところちょっと思った。





 
Wrong Happy Hour
 パフォーマンスについては、映像化されたものが流されていました。
 これらの映像作品のなかでは、この作品が面白かった。でもなぜ森の中にドーナッツなんだろう?





 ところどころに良く分からないスペースがある。実はこれ、ご本人の登場するパフォーマンスの行われる場所になっている。(おもに週末の開催)





 
Sprits Cubed
 一見すると蒸留器のよう、展示のなかには水の三態に関するものもあった。こちらもパフォーマンスの会場だけど、やはりもう少し説明が欲しい。





 Catch or be caught
 バネにつながれた浮きのようなものが、様々に振動し、それが全体に伝わってゆくという立体造形。





 
Social Sink Midrocosm #3
 流し台に置かれた貝殻が、風で動き、それが背後の大きなスクリーンに投影される。



 感想としては、まずは難しかった。
 自分はアートを見慣れている方だとは思いますが、それでも作者の意図がつかめないものが多かったです。知識や経験のある方、上級者向けの企画になっていると
思います。
 そういう意味ではパフォーマンスのある日、アーティストトークのある日を選んで行った方が良いと思う。



「9つのプロフィール 1935 >>> 2025」
 メインの「ラボラトリー」笹本晃展に入場すると「9つのプロフィール 1935 >>> 2025」と題された、いわゆる常設展部分も入賞可能になります。(こちら単独であれば500円)



 こちらは美術館が所蔵する3500点の作品から選ばれた、その時代を代表する作品を10年ごとに区切って、9つのパートに分けて展示するものです。全体として、並の
常設展とは言えないほどのボリュームがあって見応え十分でした。また後半の3つのパートは撮影可能というのもありがたい。



 
怒濤の閉塞艦 (風間サチコ)
 ものすごく大きな版画で迫力がある。こういうテーマの木版画はあまり見たことがなく、とても斬新に思えた。





 
泥絵・素足の大地 (浅井裕介)
 高さ10mに近い巨大な壁画です。自分にはナスカの地上絵を、現代風にアレンジして着色したもののように見えました。





 
News From Nowhere (Taylor)  (青山 悟)
 基本的にはドローイング、衣服の部分はビンテージプリントに刺繍というちょっとおしゃれな感じの人物画です。



 

 最初はなんだこれって思った。マックの紙袋が真ん中の部分でボロボロになっている。
 袋のなかを覗き込んだら、切り取られた袋の側面が1本の木になっていました。
 おしゃれだな。





 立体的なコラージュ、こういうのって自分は大好き。自分の好きな空間を構成できるから楽しい。





 一見して地球儀なんだけど、日本の沿海に黒い砂鉄の輪ができていて、それがくるくると動き回っている。おそらくは台風をイメージして制作された作品だと思うけど、
こうなるとアートというより、よくできたおもちゃだね。
 アイディアが面白い。





 
それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く (宮島達男)
 こちらは常設展部分の催芽に飾られている作品です。
 1728個のデジタルカウンターが異なるスピードで1から9までを数える。1998年にこの作品が設置されたというから、もう37年も時を刻んでいる。

 ときおり人形やジオラマをつくっていて、自分が狭い世界でごちゃごちゃやっているだけのように思えることがある。
 自分のイメージした世界を作品にするのは良いのだけど、結局イメージというのは、自分の過去の経験や知識をベースにして生まれてくるものに違いない。
 だから自分は、できるだけたくさんのものを見て、心の中にはイメージを再現するための、できるだけ大きなステージを用意しておく必要があると考えています。



 そしてふと思い出したのは2001年宇宙の旅というSF映画の名作のこと、HAL9000というコンピューターが、狭い宇宙船のなかで最後は人間を支配しようと試みた。



 近い将来は下手な国の政府よりも、よくできたAIの方が、正しく情報分析して、人間よりもまっとうな政策をとることができるようになるかもしれない。
 そしてAIが感情を持つことになったとき、むしろ人間の方がAIに好かれようとする日が来るかもしれません。



2023.09

camera: Panasonic DMC-TZ60 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 3.0


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