ボディの造形
型抜きしたパーツからドールを完成させる
4 造形 まずはまっすぐに立たせてみます。きちんと関節が仕上がっていれば、 バランス良く立ってくれるはずです。そして次に関節を曲げてみて違和感 がないことを確かめます。 今回はまっすぐに立ってはくれたものの、若干調整が必要な部分があ りました。
関節の調整が終わったら、まずは全体をながめ、ボディラインをどうする か構想を練ります。 今回は完成度の高くなった原型のポテンシャルを確認するため、全体の メリハリをつけることを目的に調整、造形をすすめます。 なお基本的に関節部分をこれ以上いじることはしません。もしいじると、す べてのバランスが崩れる可能性があるからです。 自分の場合には軽量化のため、粘土は極力薄くして仕上げることにして います。従って削りによる修正には限界があり、おもに粘土の盛りで対応す ることになります。 また盛りによる修正になることを前提に、型どりしたパーツはやや細めに なるよう原型を調整しています。 ということで、今回の調整は、粘土を盛ることによる筋肉や骨格の強調が 中心となります。 4 鉛筆で粘土を盛る部分(黒)と削る部分(オレンジ)でチェックを入れ ます。
9 今度は積極的にDOLLを動かしてみて、2回目の修正に入ります。 曲げたときでも違和感のないラインを意識します。
5 下地の仕上げ まずはビス埋めです。マグネットピアスほか様々なものが固定できる
ような工夫です。下の画像の赤い印のところに埋め込みます。
首にはネオジムマグネットを埋めます。金属の柱などに固定できる ようにするためのアイディアです。
ここから凹凸やキズを消し、ボディ表面を平滑にならしてゆく 作業に入ります。
ここがポイントになると思うのですが、自分の考えている 粘土の盛り方と削り方のイメージです。 理想的なラインはグレーで示してありますが、粘土を盛 った段階ではまだ不均一な状態にあります。 削りだけで解決しようと思うと、削りすぎの状態になって しまいます。 そこでおおむね7割ぐらい削る感覚で磨いてゆくと、下 のような状況になります。このとき深い溝は残ったままで す。 今度は深いキズにやや多めに粘土をすり込んで埋め ます。 次にもう一度ヤスリをかけて仕上げます。 乾燥後、まだ凹凸が残っているようであれば、この作業 を繰り返します。 基本的に自分の場合にはキズの埋め直しだけでなく、 塗装面の仕上げについても「7分削りで」対応しています。 少なくとも自分の場合にはベストな修正方法です。
下の6つのパーツはレジンでできています。力が加わって破損しや すいパーツなので粘土から置き換えました。 まずはレジンパーツの表面処理です。レジンは親水性がないので、 前処理が必要になります。
ホワイトサーフェーサーは黄変対策のためと、次のジェッソの塗膜が剥がれ にくくする働きがあります。ただ後で出てくるウレタンクリアーとの相性が悪く、 キズの確認が終わったら、すべて磨いて落としてしまっても良いかなとも思い ます。 ここは今後の検討課題です。 次は粘土でできたボディの方です。細かなキズや表面の毛羽立ちなどが まだ残っています。 表面の仕上げに入る前に、細かな部分の修正を行います。粘土は 微細な造形に向かないので、瞬間接着パテを用います。
240番の布ヤスリで磨かれた表面は粘土の毛羽立ちがあって、細かな
キズなどを見にくくしています。普通は固く絞った布でその毛羽立ちを押 さえるのですが、自分の場合にはここで一工夫。イージースリップ(旧名、 現在の商品名はモデリングキャスト)を水で薄めたもので表面を整えます。 イージースリップを塗布することで、粘土表面を硬く強化することができま す。
乾燥させ、斜めから光をあててやると、がっかりとするほどたくさんのキズ があらわれます。全部毛羽立ちの下に隠れていたものです。 今度はこの微細なキズや凹凸を消します。
粘土を盛って、乾かして、ペーパーで磨く、最後はイージースリップ
の塗布。この単純な作業を幾度となく繰り返すことで、DOLLの肌はど んどんきれいになってゆきます。 根気の必要な作業ですが、完成度の高さに直結する作業なのでが んばります。 ちなみにヤスリの番手は400番に落としました。番手を落とすことで 毛羽立ちは小さくなります。 頃合いを見てアイホールを開けます。イージースリップのおかげで 粘土が固まり、一連の作業はやりやすくなっているはずです。
このままだと粘土パーツとレジンパーツの質感が異なっており、 また瞬間接着パテの露出している部分もあって、このままでは塗 装にふさわしい下地になっていません。 そこで白色の統一した下地をつくるためにジェッソを塗ってゆき ます。
次は表面塗装とメイクなど最終仕上げになる予定です。 ただちょっと手間をかかっているので、完成画像のUPは3週間ぐらい先に なってしまうかもしれません。
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