只見 2017.08.26 かねてより計画していた只見線沿線の旅に行ってきました。 只見線は新潟県の小出と福島県の会津若松を結ぶJRの路線で営業距離135.2km。(現在、災害の影響で一部区間が不通) 谷間を走る絶景の路線として有名で、ローカル線の人気投票をすると常に上位にくるとか。そういうわけでぜひ乗ってみたいと 思っていました。 08.26(土) 7:05 入広瀬8:33発の列車に乗るつもりで家を4:30に出ました。今回の旅は1日3往復半の只見線を中心に旅の計画を立てています。 ただお天気はご覧のとおり、関越道は7:00時点で土砂降りです。 天気予報では前線の通過する朝までは激しい雨、でもその後は一気に回復して晴れるということです。 それを信じて車を走らせます。 8:00 関越道を降りる頃、嘘みたいに雨はあがってきました。天気予報えらい! 本日最初の目的地、JR只見線の入広瀬駅です。 こちらは無人駅なのですが、ホームの待合室以外にも「雪国観光会館」という休憩施設?があって、誰でも利用できます。 中にはかつてここが入広瀬村だった頃の資料が展示されていたりします。 列車の到着まで30分ほどあるので、ちょこっと散歩してみることにしました。 このあたりは生活道路である国道252号線が、11月下旬からほぼ半年間にわたっても通行止めになってしまうというほどの 豪雪地帯です。(以前ゴールデンウイークにやってきて、えー! 本当にまだ通れないの?だった。) でも駅周辺はタイムスリップしてしまったかのような雪国らしい建物もあって、やってこられるなら冬の方が素敵な景色なんだ ろうなと思いました。 破間川にかかるこの赤い橋が何ともフォトジェニック。ちょうど天気も回復してきて、そのシルエットが美しいです。 この橋の周辺にJAや商店街などがあって、きっとこのあたりが旧入広瀬村の中心街だったんだろうと思います。 とりあえず時間になったので、いったんここを離れ、列車で只見駅に向かいことにします。 8:32 只見行の列車が到着です。 このシーンは下の画像をクリックすると動画でご覧いただけます。▼(但しデータ量が大きいのでご注意下さい) 末沢川に沿って谷間をすすみます。もちろん景色は山と川、そしてときどき田んぼと民家、長ーいトンネルといった感じです。 大雨の降ったあとなので流れるのは大量の濁流、いつもはもっときれいなんだろうね。
9:15 変化のある景色を楽しみながら只見駅に到着しました。 天気も一気に回復。きれいな景色を背景に列車の姿をカメラに収めました。 只見線はこの只見駅から先の区間が現在不通になっています。だから到着したこの列車は15分の後に再び小出方面に 引き返します。自分もそのまま戻るつもりですが、ほとんどの人は代行バスで会津若松方面に乗り継いでゆきます。 この先、金山あたりでもまたすばらしい渓谷美を見ることができます。 (金山には以前訪れたことがあり、その風景をこのサイトの別ページでも紹介してます。) 9:30 さて、しばしの撮影タイムの後に折り返しの列車に乗り込みます。 このシーンは下の画像をクリックすると動画でご覧いただけます。▼(但しデータ量が大きいのでご注意下さい)
お天気が回復した分、景色はさっきよりずっときれい。 何もないといえば何もない。 あるものといえば日本の原風景のみ。 10:10 入広瀬に戻ってきました。1時間半の鉄道旅は終わりです。 この季節も清々しくて良いけれど、特に只見線で人気が高いのは紅葉のシーズンと深雪に覆われたシーズンだそうです。
早朝出発なので、昼前なのにおなかがすいてきました。大白川駅のお蕎麦やさんを思い出して訪ねてみますが、 まだ開店前でした。 そこでちょっと山奥にドライブ。やあ、ここもなかなかの絶景だなあ。 11:00 この大白川駅の2階にあるのが蕎麦処「平石亭」。ちなみにお昼時には只見線を見ながら蕎麦をいただける・・・。 と書きたいのですが、お昼時に通過する列車はありません。 ちなみにほかに開店を待つ方も何人かいて、もしかして有名店なのかもと思ったりします。 注文したのは鬼面そば(1200円)。 山菜の和え物と天ぷらがセットになってます。 すごく透明感があって歯ごたえも充分。正直、こんなにおいしいお蕎麦は久しぶりです。あとで調べたら、やっぱり そこそこの有名店で遠方から訪れる人もいるみたい。 11:45 ここは国道252号線の六十里トンネルの手前、これを抜けると福島県に入ります。 冬になるとこのあたりは数mの積雪があり、谷間のこの国道は完全に埋もれてしまうってことなんでしょうね。 長いトンネルを抜けると急に景色がひらけ、眼下にダムによってできた田子倉湖が望めます。 ちなみに只見線はこの下を通って福島県方面に抜けています。 こちらは鉄道旅では見ることのできない絶景です。
線路の向こうに神社が見えるのでまずは行ってみることにしました。 この木彫がすごい! これだけのものを彫ることが出来る人ってそうそういない、まさに芸術品のレベルです。 1本の樹から彫りだしているので、むちゃくちゃ高価だと思う。 説明書きによれば、只見川はたびたび氾濫をおこし、毎年のように民を苦しめていたそうです。そしてこの只見川を鎮める ためにこちらの滝神社が建立されたのは1733年のこと。 大雨が降るとあたりの山から水が流れ込んでくるような土地なんでしょうね。こちらの神社の裏には湧水があり、周辺には 水生植物が生い茂っています。 12:50 先にすすんで、ゆり平からの風景、只見の町が一望できます。 今は全く見ることはできませんが、6月ごろにはその名の通り、ヒメサユリの花がいちめんに咲くということです。
今見ごろになっているのがこのピンク色の花はキツネノカミソリというそうです。 持ってかえって庭に植えたいぐらいに可憐できれい。 今度は町のなかを散策します。 この一際目を引く鉄塔(物見櫓?)にやってきたら、SLが展示されていました。 かつてはこの機関車が只見線を走っていたんでしょうね。 国道252号線に並行する旧道、おそらくはこちらが元々の街道なのだと思います。 山深い所を抜ける国道252号線なんだけど、もともとは群馬県の沼田と会津若松を結ぶ主要な街道だったそうです。 おそらくは只見の町も宿場町として繁栄した時代もあったんでしょうね。 昔の町並みや風景がそのまま残っていて、お散歩が楽しいです。 とてもゆったりとした時間が流れています。 13:35 ぐるりと町を一周して駅に戻ってきました。 一日4回しか列車がやってこないので、お昼時の駅はとても静かですが、観光案内所ではちゃんと地元の名産品なども 販売しています。まずはジャージー牛のアイスを食べてと・・・・ 行かなかったのを少し後悔していた三石神社のお守りがあったり、かわいい樹のマスコットがあったします。 あと町内には、ぶなと川のミュージアム「只見ブナセンター」や、ダムに沈んだ集落の解説を行っている「ふるさと舘田子倉」 なんかがあったりして、この地域の勉強ができたりします。(2館で300円) 14:40 こちらは車で15分ほど走ったところにある成法寺。御蔵入三十三観音の一番札所。 こちらの観音堂は室町時代後期に建てられたもので、国指定の重要文化財です。 岩山を背景にした姿に存在感があります。 ということで只見線沿線の旅はおしまい。 ちなみに只見町の人口は約4300、そして高齢化立は45%。他の町村も含めて只見線沿線の人口は減り続けているのが事実。 只見線が廃線になるみたいな話題はこれまでに何回かあったようです。実際、JRは採算のとれない路線は廃止の方向にどん どんすすんでいるようだし。 それでも只見線が廃止に追い込まれずにきたのは、冬場の新潟県側への交通手段を確保するためだと聞きます。 (豪雪地帯ゆえに国道252号線は半年もの間、新潟県側に抜けられなくなる) そしてながらく暗礁に乗り上げていた復旧工事もようやく始まるようです。 今回は2区間だけの乗車ではありましたが、それでもほんの少しだけお役に立てたのかもしれません。 2017.09 camera:Panasonic LUMIX GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio pro 7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10 サイトのトップページにとびます |